平成24年4月度 広布唱題会の砌
於 総本山客殿
(大日蓮 平成24年5月号 第795号 転載)
本日は、四月度の広布唱題会に当たり、皆様には多数の御参加、まことに御苦労さまでございます。
本年も既に四月に入り、四分の一が過ぎましたが、皆様には僧俗一致・異体同心して日夜、折伏誓願達成へ向けて御精進のことと思います。
最近の混沌とした国内外の世情を見るに、我々は『立正安国論』の御正意に照らし、平成二十七年・三十三年の目標は、宗門の僧俗が一致団結し、総力を挙げてなんとしても達成しなければならないと思います。
そのためにも、本年は是非、全支部が折伏誓願を達成されますようお祈りをする次第であります。
さて、法華経法師品を拝しますと、
「若し是の善男子、善女人、我が滅度の後、能く竊に一人の為にも、法華経の、乃至一句を説かん。当に知るべし、是の人は則ち如来の使なり。如来の所遣として、如来の事を行ずるなり。何に況んや、大衆の中に於て、広く人の為に説かんをや」(法華経321)
とあります。
「善男子」とは、仏法を信ずる在家の男性。「善女人」とは、仏法を信ずる在家の女性であります。つまり、善法を信じていることから「善男子」「善女人」というのであります。
ただし、現時に約して言えば、末法の御本仏宗祖日蓮大聖人御出世の御本懐である本門戒壇の大御本尊様を信奉し、自行化他の行業に励む僧俗を言うのであります。
故に『椎地四郎殿御書』には、
「法師品には『若是善男子善女人乃至則如来使』と説かせ給ひて、僧も俗も尼も女も一句をも人にかたらん人は如来の使ひと見えたり」(御書1555)
と仰せられ、さらに『諸法実相抄』には、
「若し日蓮地涌の菩薩の数に入らば、豈日蓮が弟子檀那地涌の流類に非ずや。経に云はく『能く竊かに一人の為に法華経の乃至一句を説かば、当に知るべし是の人は則ち如来の使ひ、如来の所遣として如来の事を行ずるなり』と、豈別人の事を説き給ふならんや」(御書666)
と仰せであります。
これらの御文からも拝せられますように、今日、宗祖日蓮大聖人様の弟子檀那として、題目を唱え、折伏を行ずる者が如来の使いであり、如来から遣わされてきた者であり、如来の事を実行する者であります。
そもそも、御本仏大聖人様の末法御出現の目的は、本因下種の妙法をもって、一切衆生をしてことごとく成仏せしめるためであります。
大聖人亡きあと、その実現を目指し、身軽法重・死身弘法の御聖訓を奉戴し、御遺命達成へ向けて挺身していくのが、我ら本宗僧俗の大事な使命であります。
今、宗門は来たるべき平成二十七年・三十三年の目標達成へ向けて、僧俗一致・異体同心して前進しております。特に、本年は「実行前進の年」であります。
されば、この時に当たり、我々は一人ひとりが「如来の使」としての自覚と誇りと使命を持って、あらゆる困難と障害を乗り越え、誓願達成へ向けて断固たる決意と勇気を持って折伏を実行していかなければなりません。
折伏は、たとえ相手が直ちに納得し、入信するに至らなくても、下種折伏することによって、それが縁となり、のちに必ず成仏に至るのであります。
故に『一念三千法門』には、
「妙法蓮華経と唱ふる時心性の如来顕はる。耳にふれし類は無量阿僧祇劫の罪を滅す。一念も随喜する時即身成仏す。縦ひ信ぜずとも種と成り熟と成り必ず之に依って成仏す」(御書109)
と仰せられています。また『唱法華題目抄』には、
「末代には善無き者は多く善有る者は少なし。故に悪道に堕せん事疑ひ無し。同じくは法華経を強ひて説き聞かせて毒鼓の縁と成すべきか。然れば法華経を説いて謗縁を結ぶべき時節なる事諍ひ無き者をや」(御書231)
と仰せられています。
すなわち、折伏は順縁、逆縁、共に救われるのでありますから、相手のいかんにかかわらず、慈悲の心をもって折伏を実行することが大事であって、そこにおのずと折伏を行ずる大きな功徳が存するのであります。
されば『如説修行抄』には、
「権実雑乱の時、法華経の御敵を責めずして山林に閉ぢ籠りて摂受の修行をせんは、豈法華経修行の時を失ふべき物怪にあらずや。されば末法今の時、法華経の折伏の修行をば誰か経文の如く行じ給へる。誰人にても坐せ、諸経は無得道堕地獄の根源、法華経独り成仏の法なりと音も惜しまずよばはり給ひて、諸宗の人法共に折伏して御覧ぜよ。三類の強敵来たらん事は疑ひ無し」(御書673)
と仰せられているのであります。
まさしく「誰人にても坐せ、諸経は無得道堕地獄の根源、法華経独り成仏の法なりと音も惜しまずよばはり給ひて、諸宗の人法共に折伏して御覧ぜよ」とのお言葉を、我々は今一度しっかりと心肝に染め、広布への尊い使命を持った「如来の使」として、勇躍奮起して折伏を実行し、遠くは一天四海本因妙広布流布を目指し、近くは平成二十七年・三十三年の目標達成ならびに本年度の誓願達成へ向けて、いよいよ御精進くださることを心からお願い申し上げ、本日の挨拶といたします。
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