日蓮正宗 正林寺 掲示板

法華講正林寺支部 正林編集部

第68世御法主日如上人猊下御指南(H25.9)

2013-09-08 | 日如上人御指南

 

平成25年9月度 広布唱題会の砌

 

於 総本山客殿 

 

(大日蓮 平成25年10月号 第812号 転載)

 

 皆さん、おはようございます。
 本日は、総本山における九月度の広布唱題会に当たりまして、皆様には多数の御参加、まことに御苦労さまでございます。
 本年もいよいよ九月に入りましたが、皆様には僧俗一致・異体同心して、日夜、折伏誓願達成へ向けて御精進のことと存じます。
 特に本年度は、十一月には御影堂の大改修落慶法要が行われることになっており、その前、十月末までには全支部が必ず折伏誓願を達成して、晴れて仏祖三宝尊に御報告申し上げたいと思っております。
 もちろん、そのためには今まで以上の努力がなければ誓願を達成することはできませんが、しかし、講中が異体同心して、まさに時機到来と心得、あらゆる困難を乗り越え、全力を傾注して大折伏戦を展開していけば、諸天も加護せられ、必ず誓願は達成できると固く信じております。
 さて、法華経譬喩品を拝しますと、
「諸の衆生を見るに、生老病死、憂悲苦悩の焼煮する所と為る。亦、五欲財利を以ての故に、種種の苦を受く。又貪著し追求するを以ての故に、現には衆苦を受け、後には地獄、畜生、餓鬼の苦を受く。若し天上に生れ、及び人間に在っては、貧窮困苦、愛別離苦、怨憎会苦、是の如き等の種種の諸苦あり。衆生其の中に没在して、歓喜し遊戯して、覚えず知らず、驚かず怖じず。亦、厭うことを生さず、解脱を求めず。此の三界の火宅に於て、東西に馳走して、大苦に遭うと雖も、以て患と為ず」(法華経151)
とあります。解りやすく申し上げますと、
「世の中の多くの人々は、いつも生老病死の四苦に悩まされ、また様々な欲望のために苦しみ、財と利を求めて苦しみ、満足することを知らず、飽くなく物事に執着して苦しみ、その結果、地獄・餓鬼・畜生の三悪道に堕ちて苦しんでいる。もし天上界に生まれたとしても、あるいは人間界にあっても、心はひどく貧しくて苦しみ、愛する人とは離別し、怨み憎む者と出会っては怒り苦しんでいる。にもかかわらず、こうした苦しみのなかにどっぷりとつかって、遊びほうけている。そのため、苦しみに慣れてしまって、苦しみを苦しみとも『覚えず知らず、驚かず怖じず』、また苦しみを厭うこともせず、苦から逃れようともせず、この苦しみのなかを走り回っていて、大きな苦しみに遭おうとも惰性に流されてしまって、それを煩わしくも思わないでいる」
と仰せられているのであります。
 たしかに、今の世の中を見ますると、この譬え話のような人々がたくさんいます。いつも苦しんでいながら、いつの間にか苦しみに慣れてしまって、苦しみを苦しみとも思わず、惰性に流された生活から抜け出そうともしない。そのくせ、かりそめの苦しみに耽り、はかないつかの間の喜びに満足して、もっと大きな喜び、本当の喜びがあるにもかかわらず、それを求めようともしない。
 その様は、あたかも「三車火宅の譬え」にあるように、燃えさかる家のなかに在って、危険が迫っているにもかかわらず、遊びほうけている子供達の姿と同じであります。
 私どもは、こうした人々に対して、苦しみの根源は何か、真の幸せを築くためには何をなすべきかを心を込めて説き、一人でも多くの人に大聖人様の仏法を下種結縁して、折伏を行じていかなくてはなりません。
 そもそも今日、多くの人々がこうした混沌とした状態に陥っているのは、ひとえに間違った思想、間違った考えが世の中に遍満しているからであります。では、その間違った思想や考えの根源は何かと言えば、結局、邪義邪宗の謗法の害毒にあることを知らなければなりません。
 大聖人様は『当体義抄』に、
「当世の諸人之多しと雖も二人を出でず。謂ゆる権教の人、実教の人なり」(御書693)
と仰せられています。
 この「権教の人」すなわち、謗法に毒せられた人を一人でも多く救っていくのが、「実教の人」すなわち、末法の御本仏宗祖日蓮大聖人様の教えを受持信行する我々であり、その責務はまことに重いのであります。
 大聖人様は『持妙法華問答抄』に、
「願はくは『現世安穏後生善処』の妙法を持つのみこそ、只今生の名聞後世の弄引なるべけれ。須く心を一にして南無妙法蓮華経と我も唱へ、他をも勧めんのみこそ、今生人界の思出なるべき」(御書300)
と仰せであります。
 一切衆生救済の秘法たる文底下種の妙法をもって、邪義邪宗の害毒によって不幸に喘ぐ多くの人々を救い、『立正安国論』の原理を体現し、広宣流布・仏国土実現を図っていくのが、我らに課せられた最も大事な使命であります。
 特に今、宗門は来たるべき平成二十七年・三十三年の目標達成へ向けて、僧俗一致の戦いを展開しております。
 この時に当たり、私どもは一人ひとりが地涌の菩薩の眷属として身軽法重・死身弘法の聖訓を奉戴し、もって折伏誓願達成へ向けてしっかりと折伏を行じていくことこそ、最も肝要であることを銘記され、十月末日まであと残り二月、すべての支部が師子奮迅力をもって誓願達成へ向けて戦いきっていただきたいことを心から念じ、本日の挨拶といたします。

 

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