平成25年4月度 広布唱題会の砌
於 総本山客殿
(大日蓮 平成25年5月号 第807号 転載)
本日は、四月度の広布唱題会に当たりまして、皆様には多数の御参加、まことに御苦労さまでございます。
本年も既に四月に入り、四分の一が過ぎましたが、皆様には僧俗一致・異体同心して、日夜、折伏誓願達成へ向けて御精進のことと存じます。
さて、昨今の末法五濁悪世の混沌とした世情を見るとき、今こそ我々は『立正安国論』の御聖意に照らし、平成二十七年ならびに三十三年の目標は、宗門の僧俗が一致団結し、総力を結集して、なんとしても達成しなければならないと痛感します。
既に『立正安国論』には、
「倩微管を傾け聊経文を披きたるに、世皆正に背き人悉く悪に帰す。故に善神国を捨てゝ相去り、聖人所を辞して還らず。是を以て魔来たり鬼来たり、災起こり難起こる。言はずんばあるべからず。恐れずんばあるべからず」(御書234)
と仰せられ、人々の不幸と世の中の混乱の原因は、ひとえに「世皆正に背き人悉く悪に帰す」すなわち、謗法の害毒にあると断ぜられています。
されば、同じく『立正安国論』には、
「早く天下の静謐を思はゞ須く国中の謗法を断つべし」(同247)
と仰せられ、謗法の退治なくして「天下の静謐」すなわち、世の中の平和とすべての人々の幸せは実現されないと御教示あそばされています。
ここに今、私どもが大聖人の弟子檀那として、時を得て、何を差し置いても、折伏を行じていかなければならない大きな理由が存しているのであります。
そもそも、折伏は一切衆生救済の最善の慈悲行であります。
大聖人は『諌暁八幡抄』に、
「今日蓮は去ぬる建長五年癸丑四月廿八日より、今弘安三年太歳庚辰十二月にいたるまで二十八年が間又他事なし。只妙法蓮華経の七字五字を日本国の一切衆生の口に入れんとはげむ計りなり。此即ち母の赤子の口に乳を入れんとはげむ慈悲なり」(同1539)
と仰せられ、久遠元初の御本仏が末法に御出現あそばされ、宗旨を御建立あそばされた目的は、ただひとえに一切衆生をしてことごとく成仏の直道に導くためであることを明かされております。
されば、私どもはこの御本仏大聖人の広大無辺なる大慈大悲のお心を深く拝し、一人ひとりが不動の信念を持って、一天四海本因妙広宣流布へ向かって、一意専心、折伏を行じ、もって御本仏大聖人の大慈大悲にお応えしていかなければならないと思います。
故に『御義口伝』には、
「日蓮は折伏を本とし摂受を迹と定む。法華折伏破権門理とは是なり」(同1700)
と仰せられ、今時末法においては、摂折二門のなかには折伏をもって正規とすると定められております。また、
「法華折伏破権門理(法華は折伏して権門の理を破す)」(学林版玄義会本下502)
と仰せのように、法華の思想そのものが折伏にあることも明らかであります。
よって『聖愚問答抄』には、
「今の世は濁世なり、人の情もひがみゆがんで権教謗法のみ多ければ正法弘まりがたし。此の時は読誦・書写の修行も観念・工夫・修練も無用なり。只折伏を行じて力あらは威勢を以て謗法をくだき、又法門を以ても邪義を責めよとなり」(御書403)
と、末法の修行は折伏であることを断定あそばされているのであります。
されば各位には、折伏こそ、末法の今、御仏意にかなう最高の仏道修行であることを知り、宗旨建立の佳き月を期して、近くは平成二十七年ならびに三十三年の目標達成を目指し、遠くは一天四海本因妙広宣流布を目指して、力の限り折伏を行じ、必ずや誓願を達成されますよう心から念じ、本日の挨拶といたします。
日蓮正宗公式HP