日蓮正宗 正林寺 掲示板

法華講正林寺支部 正林編集部

第68世御法主日如上人猊下御指南(H25.2)

2013-02-10 | 日如上人御指南

 

平成25年2月度 広布唱題会の砌

 

於 総本山客殿 

 

(大日蓮 平成25年3月号 第805号 転載)

 

 本日は、総本山における二月度の広布唱題会に当たりまして、皆様には多数の御参加、まことに御苦労さまでございます。
 さて、御承知の通り、今月は宗祖日蓮大聖人御誕生の月であります。
 大聖人は、貞応元(一二二二)年二月十六日、法華経に予証せられた通り、外用上行菩薩、内証久遠元初自受用身の御本仏として、末法に御出現あそばされましたが、その目的は、法華経本門寿量品文底秘沈の大法をもって、末法本未有善の衆生をして、ことごとく即身成仏せしめ、仏国土を実現するためであります。
 この御本仏大聖人の一切衆生救済・仏国土実現、すなわち広宣流布の願業達成のために、身軽法重・死身弘法の御聖訓のままに身を挺して御奉公に励んでいくところに、今日、本宗僧俗の最も大事な使命が存するのであります。
 すなわち、謗法の害毒によって苦悩に喘ぐ多くの人々に、一切衆生救済・仏国土実現の秘法たる本因下種の妙法を下種し、折伏し、正法に帰依せしめていくことが、大聖人の御遺命にお応えする最善の方途であるからであります。
 『立正安国論』には、
「汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ。然れば則ち三界は皆仏国なり、仏国其れ衰へんや。十方は悉く宝土なり、宝土何ぞ壊れんや。国に衰微無く土に破壊無くんば身は是安全にして、心は是禅定ならん。此の詞此の言信ずべく崇むべし」(御書250)
と仰せられ、仏国土実現の具体的方途とは、すなわち「信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰」すことであると明かされています。
 「寸心」とは、いささかの志、わずかな志という意味で、「信仰の寸心」とは、小さな信仰、偏った狭い信仰を言います。その偏った信仰を改めて「速やかに実乗の一善に帰」することが一切衆生救済・仏国土実現の最善の方途であると仰せられているわけであります。
 よって、総本山第二十六世日寛上人は、「信仰の寸心を改めて」とは破邪、「実乗の一善に帰せよ」とは立正にして、「然れば則ち三界は皆仏国なり」以下は安国を表している(御書文段49頁取意)と御指南あそばされています。
 すなわち、一善とは最高善、唯一の善の意味でありまして、すなわち法華経のことでありますが、ただし再往、大聖人の御聖意は文上の法華経ではなくして、法華経本門寿量品文底秘沈の大法、独一本門の妙法蓮華経にして、三大秘法の随一・大御本尊に帰命することが「実乗の一善に帰」することであります。
 されば『高橋入道殿御返事』には、
「末法に入りなば迦葉・阿難等、文殊・弥勒菩薩等、薬王・観音等のゆづられしところの小乗経・大乗経並びに法華経は、文字はありとも衆生の病の薬とはなるべからず。所謂病は重し薬はあさし。其の時上行菩薩出現して妙法蓮華経の五字を一閻浮提の一切衆生にさづくべし」(御書887)
と仰せられているのであります。
 この御文中、「上行菩薩」とは大聖人御自身のことにして、その御内証は久遠元初自受用身の御本仏であります。すなわち、いま大聖人様が所持あそばされているところの妙法は、法華経の題号としての妙法五字ではなく、久遠の本法たる妙法五字であり、まさしく三大秘法の随一・本門の本尊であります。
 また、この妙法五字は『秋元御書』に、
「三世十方の仏は必ず妙法蓮華経の五字を種として仏に成り給へり」(御書1448)
と仰せのように、釈尊はじめ三世諸仏の成仏得道の根本の法であり、三世にわたって一切衆生を救済する根源の法であります。
 よって、ここで「実乗の一善に帰せよ」と申された元意は、まさしく三大秘法の随一・本門の本尊に帰せよと仰せられていることになるのであります。
 されば『当体義抄』には、
「正直に方便を捨て但法華経を信じ、南無妙法蓮華経と唱ふる人は、煩悩・業・苦の三道、法身・般若・解脱の三徳と転じて、三観・三諦即一心に顕はれ、其の人の所住の処は常寂光土なり。能居・所居・身土・色心、倶体倶用の無作三身、本門寿量の当体蓮華の仏とは、日蓮が弟子檀那等の中の事なり」(御書694)
と仰せられているのであります。
 すなわち、実乗の一善たる三大秘法の随一・本門の本尊に帰依すれば、その不可思議広大無辺なる功徳によって、「其の人」すなわち三道即三徳の妙人の所住の処が仏国土と化すと仰せられているのであります。つまり因果倶時なるが故に、正報たる我ら衆生の因果は、即、依報の因果となり、依正不二の原理によって仏国土と化していくのであります。
 今、日本乃至世界を見ると、人心は極度に撹乱し、世界の至る所で争いごとが絶えず、まさしく末法濁悪の世相そのままの状況を呈しております。こうした惨状を救い、真の世界平和と全人類の幸せを実現するためには、唯一、大聖人の仏法をもってする以外にはないことを、私どもは銘記すべきであります。
 そのなかに在って、今、宗門は僧俗挙げて、来たるべき平成二十七年・三十三年の目標達成へ向けて前進しつつあります。
 この時に当たり、本宗僧俗は異体同心・一致団結して、なんとしてでも誓願を達成し、もって大聖人が身をもってお示しあそばされ『立正安国論』の御理想を実現すべく、全力を傾注して折伏に取り組んでいかなければなりません。
 特に、本年は「団結前進の年」であります。
 大聖人は『生死一大事血脈抄』に、
「総じて日蓮が弟子檀那等自他彼此の心なく、水魚の思ひを成して異体同心にして南無妙法蓮華経と唱へ奉る処を、生死一大事の血脈とは云ふなり。然も今日蓮が弘通する処の所詮是なり。若し然らば広宣流布の大願も叶ふべき者か。剰へ日蓮が弟子の中に異体異心の者之有れば、例せば城者として城を破るが如し」(御書514)
と仰せであります。
 私どもは、この御金言を心肝に染め、講中が文字通り「水魚の思ひを成して異体同心」して立ち上がり、一人も漏れず、広布の戦いに馳せ参じていくところに、本年「団結前進の年」と銘打った意義が存しているのであります。
 どうぞ皆様には、寒さ厳しき折ではありますが、身軽法重・死身弘法の御聖訓を体し、誓願達成へ向けて、いよいよの御精進・御健闘を心からお祈り申し上げまして、本日の挨拶といたします。

 

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