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かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

柱/オーダー(2)~擬洋風建築編

2014-03-26 | まちかどの20世紀遺産

 わたしの地元東海地方にも、数は少ないですが明治時代の擬洋風建築が残っています。まさに地元の棟梁たちが見よう見まねで建てた「洋風建築もどき」ですが、地方の町では当時としてはまだまだ珍しい最新の西洋建築だったのです。大都市の西洋館に比べればぎこちない造形ながら、建物からは施主や棟梁の西洋建築へのあこがれや熱い思いが伝わってきます。特にファサードの中心の玄関廻りは力の入れどころで、しっかりオーダーを配して洋館らしさを演出しています。


■郡上八幡楽藝館(旧林療院本館・旧レントゲン棟・旧看護婦棟)/明治37年/岐阜県郡上市八幡町
当時地方で洋館のオーナーと言えば、大都市で新しい学問や技術を勉強した一部知識人の専売特許で、特にお医者さんはこぞって洋風建築を建てたようです。
西洋館は学と金の両方を合わせ持つ、まさに地方の名士にふさわしいステータスシンボルだったのです。


■柱頭はややバランスは悪いもののイオニア式できめています



■旧加治田駐在所/明治10年頃/岐阜県加茂郡富加町
玄関テラスに円柱を並べオーダーを意識したデザインになっています。
明治10年当時、地方の小さな山間の町の駐在所に早くも洋風意匠を取り入れているのは特筆に値します。
※ブログをご覧の方から取り壊し情報をいただきました。岐阜県下最古の擬洋風建築だったのに、非常に残念です



鳴尾公会堂(旧鳴尾学校)/明治15年/名古屋市南区
名古屋市内現存最古の学校建築。建物は純和風建築ながら玄関の柱には洋風意匠を取り入れている。



■設計施工の大工棟梁青木角左衛門による柱頭飾りがスゴイ!
いったいどこから思いついたのか、ソロバンの珠をつぶした様な形状の皿が3枚重ねになっているのだが、まさに擬洋風ワールド全開イィィ~ 



旧日清紡績針崎工場竜城学園講堂(愛知県立旧愛知第二中学校講堂)/明治40年/愛知県岡崎市
円柱ではありませんが柱頭はトスカナ風にまとめています。出入り口の櫛形アーチが明治の洋風建築らしいところ。


 



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