かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

昭和の純喫茶

2008-03-26 | まち歩き
 近頃は喫茶店に入る機会もめっきり少なくなり、珈琲はもっぱら家で飲んでいる。基本的にひとりで飲食店に入るのが嫌いなほうで、飲み屋などは生まれてこの方一人で行ったことは一度も無い。喫茶店も最近は、おしゃれな店やこざっぱりした明るいチェーン店が増えて、わたしが学生の頃にお世話になった昔ながらの喫茶店はあまり見かけなくなったようだ。
 でも街を歩いていて、昭和の香りが漂う喫茶店(決してカフェではない)を見つけると、思わず「よしよし」とうなずいてしまうのだ。でもそういう喫茶店は顔なじみの地元の常連客が多く、部外者の人間が一人でふらっと入るのはかなりの勇気がいる。それでいつも店の外から眺めるだけで満足している。






◆純喫茶スワロー(一宮市)
 「純喫茶」の響きが懐かしい。豆タイルを貼った壁にスワローのロゴとイラストが泣かせます。珈琲専門店が「純喫茶」なら、その他は「準喫茶」とでもいうのでしょうか?
 




◆喫茶・軽食MJB(各務原市)
 普通の民家の1階で営業しています。ショーウィンドウの珈琲のサンプルが良いです。

 これからも懐かしい昭和レトロな商店を紹介します。



岩倉散策

2008-03-19 | まち歩き
 暖かな春の一日、自転車で岩倉を散策しました。岩倉は小さな市ですがその歴史は古く、NHK大河ドラマでも有名になった、山内一豊の生誕の地と言われています。一豊の育った岩倉城は、織田信長によって攻めら落城し、一豊はかろうじて岩倉を脱出したと伝えられています。現在岩倉城はあとかたも無く、城跡には石碑だけがひっそりと建っています。
 岩倉市は、名鉄岩倉駅の西側を中心に開発が進んでいますが、駅の東側にはまだ昔の町並が残っています。今回は本町界隈で見つけたレトロな商店や、昭和の香りのする物件を紹介します。






◆ディテールに洋風の香りが漂う木造の建物



◆軍人さんの銘がある昭和モダンなデザインの石碑。





◆「旗・のぼり」の昔からの専門店が今も営業中です。
 


◆自転車預かり所として活用されている古い民家。





◆昭和レトロな薬局と履物屋さん


 犬山から岩倉まで五条川沿いに遊歩道が整備され、快適なサイクリングが楽しめました。お目当ての本格的な近代建築は残っていませんでしたが、昭和の面影を残す町並は今も健在です。



名古屋市市政資料館(旧名古屋控訴院)東区白壁

2008-03-09 | 名古屋の近代建築
 撞木館を後にして名古屋市市政資料館(旧名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎)へ向かいました。
 この建物は、大正11年に名古屋控訴院として建設され、現存する最古の控訴院として、国の重要文化財に指定されています。文化のみち近代建築めぐりコースの中でも、スケールと外観の華麗さで、堂々の第一位にランクされるのは間違いないところです。
 外観は赤煉瓦と白の花崗岩をあしらったネオ・バロック様式と呼ばれる古典主義建築で、まじかで見るとまずそのスケールに圧倒されます。中央に大きな車寄せを設け、イオニア式オーダー(列柱)や、突き出したドームが、当時の裁判所の威厳を象徴しているようで、現在も歴史的建造物の持つ独特のオーラと存在感を放っています。内部も素晴らしく、特に中央の大階段室とステンドグラスは必見です。
 館内には市政資料や当時の法廷などが常設展示されていて、無料で見学することができます。個人的には、戦前の名古屋の街の様子を伝える写真や、地図、ポスターなど大変興味深く見ることができました。
 



◆門柱に残る当時の銘





◆名古屋市市政資料館(旧名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎)大正11年(1922)/司法省営繕課・金刺森太郎
 
 コンクリート建築に移行する前の、明治の煉瓦建築最後の大作です。



◆ネオ・バロック様式の中央大階段室



◆大階段室正面のステンドグラス
 罪の重さを天秤にかける裁判をモチーフにしている。



◆大階段室のドーム天井のステンドグラス



◆復元された陪審法廷のステンドグラス


 すぐ近くには、帝冠様式と呼ばれる、ビルの上にお城の天守閣を載せた和洋合体型デザインの愛知県庁(S13)と名古屋市役所(S8)があり、名古屋城とともに、まさに名古屋らしい景観に寄与しています。
 文化のみちには、他にもたくさんの近代建築がありますので、又の機会に紹介できればと思います。

※名古屋市市政資料館パンフレット、総覧日本の建築5 を参考にさせていただきました。