かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

飛騨金山駅~JR東海 高山本線(岐阜県下呂市金山町)

2022-02-22 | 木造駅舎の旅

久しぶりの近代建築探訪のアップになります。
過去に訪れて諸般の事情で、まだブログにあげてなかった物件を、少しずつですがアップできればと思っています。
このままお蔵入りするよりは、撮影当時の建物の姿を見ていただければ幸いです。
撮影年がかなり前で、現存が確認できない物件も多々ありますが、その点はどうぞご了承ください。

今回はJR高山本線の飛騨金山駅舎をご紹介します。
高山本線は岐阜~高山~富山を結ぶローカル線で、山間の飛騨川沿いにまだ木造駅舎が残っています。

◆飛騨金山駅(JR東海 高山本線)/岐阜県下呂市金山町大船渡679
 竣工:昭和3年(1928)
 構造:木造平屋建
 撮影:2007/05/03


■下見板張りではなく、ハーフティンバー風の木枠を見せた外観が良い味です

 


山田上口駅~JR東海参宮線(三重県伊勢市)

2015-10-18 | 木造駅舎の旅

伊勢市駅から参宮線上り(松阪・名古屋方面)に乗ると次の駅が山田上口駅です。
駅舎は木造平屋モルタル塗りで、ファサードに並ぶ縦長の窓がモダンな雰囲気です。
開業は明治30年(1897)ですが、玄関脇の建物資産票は昭和5年12月の表記があるので、駅舎も同時期に建てられたものと思われます。


■駅舎正面外観







■JRの駅には必ず玄関脇に建物資産標があるので駅舎の竣工年の目安になります
 


■跨線橋から上り(津・名古屋方面)ホーム側の駅舎を望む







■下り(伊勢市・鳥羽方面)ホーム



■跨線橋から上り方面を望む



■下り方面を望む



◆山田上口駅~JR東海参宮線/三重県伊勢市常盤一丁目17-15
 竣工:昭和5年(1930)
 構造:木造平屋建
 撮影2015/09/21


一身田駅~JR東海 紀勢本線(三重県津市)

2015-06-06 | 木造駅舎の旅

松阪散策を終えJR紀勢本線亀山行の普通列車に乗車、津のひとつ先の駅一身田に向かいました。
一身田駅は真宗高田派の専修寺のための乗降駅で、大正12年(1923)に建てられた駅舎は瓦屋根に漆喰の白壁という寺院風の日本建築です。一身田は真宗高田派の総本山として、伊勢街道の宿場町として江戸時代から栄えた寺内町で、専修寺を中心に江戸末期~明治期に建設された古い町屋が建ち並ぶスケールの大きな町並みは、ちょっと他では見られないなかなかの景観です。

現在南紀方面への快速や特急は伊勢鉄道経由になり、紀勢本線の一身田駅は普通列車しか停車しないローカル線の駅になってしまいました。一身田は決して有名な観光地ではありませんが、大正時代の姿をとどめる木造駅舎から続く古い町並みは、旅の途中でふらりと途中下車したくなる魅力にあふれています。


■90年以上も前に建てられた駅舎とは思えないくらい手入れが行き届いています



■古い木造駅舎と丸ポスト、ローカル線の旅ならではの風景に心がなごみます・・・・



■1番線ホームから亀山方面を望む



■松阪・伊勢市方面ホーム~昔ながらの木造ベンチが嬉しい





■大正期の開業当時のままの石積のホーム



◆一身田駅~JR東海 紀勢本線/三重県津市大里窪田町861
 竣工:大正12年(1923)
 構造:木造平屋建
 撮影:2015/05/03 


美濃赤坂駅~JR東海 東海道線(岐阜県大垣市)

2014-10-04 | 木造駅舎の旅

 美濃赤坂駅は大正8年(1919)、東海道線の支線大垣~美濃赤坂間5.0kmの開通にあわせ、終着駅として開業。実際の美濃赤坂線は東海道線から北側にチョロンと分岐していて、路線の長さは1.9kmというまさに盲腸線という呼び名がふさわしい短さです。

 列車を降りると開業当時の面影を残す年季の入った木造駅舎がお出迎え。ローカル線の終着駅ならではの雰囲気を存分に味わえます。広大な駅構内は金生山からの石灰石運搬用の貨物専用の側線とプラットホームがあり、鉄道輸送最盛期の往時の面影を今に伝えてくれます。ひなびた駅舎と郷愁漂う構内の雰囲気は、鉄道ファンならずとも一度は訪れる価値のある鉄道遺産です。


■美濃赤坂駅で出発を待つ2両編成の313系電車



■駅舎正面



■駅舎全景



■駅舎ホーム側



■駅舎玄関



■開業時の面影が残る待合室は、95年前に時を戻してくれます





■朝夕の通勤通学時間帯以外は、1時間に1本あれば良い方です



■貨物線のホームと線路が延びるひとっこ一人いない駅構内は静まりかえり、「遠くへ行きたい」のテーマソングが頭の中を流れます








◆美濃赤坂駅~JR東海 東海道線/岐阜県大垣市赤坂町153-1
 竣工:大正8年(1919)
 構造:木造平屋建
 撮影:2014/09/28


牛久保駅~JR東海飯田線(愛知県豊川市)

2014-06-12 | 木造駅舎の旅

 旧星野医院から伊那街道を100mほど豊橋方面へ向かい、常盤通の信号を南へ入ると牛久保駅があります。牛久保駅は明治30年(1897)豊川鉄道が豊橋から豊川まで開通した際、唯一の途中駅として開業しました。現在の駅舎は昭和18年に建てられたもので、外観は隣駅の豊川駅舎とよく似たデザインですが、4本の柱が並ぶファサードの横幅一杯に張り出した玄関の大きな車寄が印象的です。

◆牛久保駅~JR東海飯田線/愛知県豊川市牛久保町城跡55
 竣工:昭和18年(1943)
 構造:木造
 撮影:2014/05/03


■正面妻壁の換気ガラリと腰のタイルが洋風建築らしい外観を演出しています






■玄関車寄の持送りは丸みを帯びた表現主義風のデザイン





■昭和18年12月の表記のある建物資産標


新城駅~JR東海 飯田線(愛知県新城市)

2014-06-01 | 木造駅舎の旅

 新城駅は私鉄豊川鉄道の駅として明治31年(1898)開業、昭和18年(1943)に国鉄、昭和62年(1987)にJR東海へと移管されています。現在の駅舎は玄関上の建物資産標から、昭和15年12月(1940)竣工と思われます。駅舎外観は直線を基調とした端正なデザインですが、玄関に張り出した大きな車寄が特徴で、外壁の基礎部分を石貼りにして、木製の窓枠や持ち送りにセセッション風の装飾がみられます。

 新城駅周辺は、駅橋上化や自由通路の整備などを盛り込んだ活性化計画が進んでおり、数年後には現駅舎が取り壊されるのは確実と思われます。東海地区ではおなじみの名鉄も、ここ数年で戦前の木造駅舎がほとんど建て替えられてしまいましたが、比較的多くの戦前の駅舎が残るJRのローカル線も、これから同じ運命をたどることになりそうです。


◆新城駅(JR東海 飯田線)/愛知県新城市宮ノ西30
 竣工:昭和15年(1940)
 構造:木造
 撮影:2014/05/03


■駅舎全景







■軒の持送りと窓廻りの木枠に装飾的なデザインがみられます





■駅待合室~壁の最下部、床に接する部分にスクラッチタイルが貼られています



■「S15.12」の表示がある建物資産標


中川辺駅~JR東海 高山本線(岐阜県加茂郡川辺町)

2013-07-16 | 木造駅舎の旅

川辺町にある中川辺駅は、高山線に残る開業時からのの古い木造駅舎の一つですが、今世紀に入って高山線の木造駅舎も徐々に建て替えが進んでいます。
隣の上麻生駅・下麻生駅が2003年簡易駅舎に建て替えられ、ローカル線ならではののんびりした雰囲気が味わえる古い木造駅舎が消えてゆくのは寂しい限りです。


◆中川辺駅(JR東海 高山本線)/岐阜県加茂郡川辺町中川辺470
 竣工:大正11年(1922)
 構造:木造平屋建
 撮影:2013/05/03


■駅舎正面~国道41号線に面し、駅前から東側一帯は川辺町の古くからの町並みが広がります





■駅舎南側



■待合室には木造駅舎にふさわしく、年季の入った木製の立派なベンチが並ぶ



■上り岐阜・美濃加茂方面を望む



■下り高山方面を望む~ホームは跨線橋で結ばれている



■開業時の年月が記された建物資産標



■中川辺の隣駅(下り高山方面)下麻生駅とその次の上麻生駅も同様の開業時からの木造駅舎が残っていましたが、2003年取り壊され簡易駅舎に建て替えられました。
下の写真は在りし日の上麻生駅舎(撮影:2000年9月)


郡上大和駅~長良川鉄道 越美南線(岐阜県郡上市)

2012-10-10 | 木造駅舎の旅

郡上八幡駅からさらに156号線を北上、大和町に入り下剣の交差点を左折すると突き当りが郡上大和駅です。
駅構内は2面のホームがあり、複線になっているため行き違いが可能で、駅舎側のホーム中央にある踏切で対向ホームに連絡しています。
駅舎には喫茶店が併設され、外壁や窓がログハウス風に改築されていますが、玄関部分や構内は開業当時の様子を残しています。
駅前の旧街道沿いに大正時代に建てられた鶴来医院がありましたが、残念ながらつい最近になって取り壊された模様です。(2012/09/16確認)


◆郡上大和駅~長良川鉄道 越美南線/岐阜県郡上市大和町剣字小倉
 竣工:昭和7年(1932)開業時は美濃弥富駅
 構造:木造平屋建
 撮影:2012/09/06


■開業時の姿をとどめる玄関



■駅舎内の待合室



■駅舎側ホーム



■郡上八幡方面を望む



■郡上八幡方面に向かうかわいいマーキングの列車





郡上八幡駅~長良川鉄道 越美南線(岐阜県郡上市)

2012-10-09 | 木造駅舎の旅

「郡上おどり」で有名な郡上八幡は、奥美濃を代表する観光地で、毎年8月13日~16日に開催される徹夜踊りには25万人の踊り手と観光客が訪れます。
郡上八幡駅も長良川鉄道を代表する駅にふさわしく、2面3線ホームの規模があり、駅前にもタクシー乗り場のある広いのロータリーが設けられています。
駅舎は開業当時のまま残る木造駅舎で、今となっては建て替えられなかったのが幸いし、歴史のある郡上八幡にふさわしいシンボル的存在になっています。

◆郡上八幡駅~長良川鉄道 越美南線/岐阜県郡上市八幡町稲成
 竣工:昭和4年(1929)
 構造:木造平屋建
 撮影:2012/09/16


■郡上おどりの提灯が下がる玄関。乗降客も多く活気があります。



■駅舎の中には「ふるさとの鉄道館」が併設されています



■1番線ホーム(美濃市・関・美濃太田方面)



■1番線ホームより美濃市方面を望む



■1番線ホームより北濃方面を望む。2番線(北濃方面)とは跨線橋で連絡しています。



■現在未使用の3番線ホームに停車している列車


深戸駅~長良川鉄道 越美南線(岐阜県郡上市)

2012-10-08 | 木造駅舎の旅

美並苅安駅を後にして、さらに156号を郡上方面へ北上します。
駅舎のないホームだけの赤池駅を通過してしばらく走ると、道路からすぐ右手に深戸駅があるのですが、駅への出入り口が狭く案内看板もないので、うっかり通り過ぎてしまいUターンする羽目になりました。

深戸駅も昭和3年開業以来の木造駅舎ですが、ステーション深戸という喫茶店が駅舎内に併設されているのがユニークなところです。
喫茶店には常連のお客さんも来店しているようで、人気のない静かな大矢駅や美並苅安駅に比べると、駅界隈に活気が感じられます。
 

◆深戸駅~長良川鉄道 越美南線/岐阜県郡上市美並町三戸
 竣工:昭和3年(1928)
 構造:木造平屋建
 撮影:2012/09/16





■駅舎玄関~すぐ脇には喫茶店の入り口があります



■古い木製の長椅子が置かれた待合室



■今も残る木製の改札口





■駅ホームから郡上方面を望む
 


美並苅安駅~長良川鉄道 越美南線(岐阜県郡上市)

2012-10-07 | 木造駅舎の旅

今回は車で、長良川鉄道と並んで走る156号線を郡上方面へ向かいながら、順番にお目当ての木造駅舎を訪ねました。
本来なら列車に揺られながら、ゆっくり旅を楽しみたいところですが、駅舎訪問は途中下車を繰り返すことになるので、列車本数が少ないローカル線ではどうも効率が悪いようです。

大矢駅を後に156号を北上、駅舎がないホームだけの福野駅を過ぎると次は美並苅安駅です。
駅周辺は郡上市制前の郡上郡美並村の中心で、小学校、市役所美並庁舎、JA、美並インターチェンジなどがあります。
駅舎の向かって左側の旧駅務室に会社の事務所が置かれ、出入り口が新設されています。


◆美並苅安駅~長良川鉄道 越美南線/岐阜県郡上市美並町白山
 竣工:昭和3年(1928)苅安駅として開業
 構造:木造平屋建
 撮影:2012/09/16


■駅舎玄関~大矢駅よりちょっと小さめです



■待合室には昔懐かしいまきストーブ



■ホームへの出入り口



■かつては大矢駅同様2面のホームがありましたが、現在は駅舎側のホーム1面のみ使用。
 ホームをつないでいた跨線橋が、駅のすぐ隣にある小学校の通学用に残されています。

美濃市方面を望む


大矢駅~長良川鉄道 越美南線(岐阜県郡上市)

2012-10-05 | 木造駅舎の旅

長良川鉄道越美南線は、美濃太田駅(美濃加茂市)から北濃駅(郡上市)へ至る鉄道路線で、元々は国鉄の岐阜県と福井県を結ぶ越美線として建設されましたが、結局福井県側とはつながりませんでした。(福井県側の路線は越美北線と言い、福井市の越前花堂駅と大野市の九頭竜湖駅を結んでいます)
越美南線は大正12年(1923)に美濃太田~美濃町間が開業、昭和9年(1934)美濃白鳥~北濃間が開業し、全通しましたが、昭和61年(1986)国鉄から第3セクターの長良川鉄道に移管されました。

大矢駅は、長良川沿いに走る美濃市駅から北濃駅までの間に残る、一番美濃市寄りの開業時からの木造駅舎で、昭和初めに建てられた開業時の雰囲気が残っています。
 

◆大矢駅~長良川鉄道 越美南線/岐阜県郡上市美並町大原
 竣工:昭和2年(1927)美濃下川駅として開業
 構造:木造平屋
 撮影:2012/09/16


■駅舎玄関~装飾は一切なく質素なつくり



■駅舎待合室



■美濃市~郡上八幡間では唯一列車交換が可能な駅で、ホームも2面あります。
 ここで列車の行き違いが行われます。




亀崎駅~JR東海 武豊線(愛知県半田市)

2012-07-09 | 木造駅舎の旅

明治19年(1886)武豊線開通時に開業した亀崎駅は「日本最古の現役駅舎」として有名で、その年号を記した国鉄時代の建物資産標も残っていますが、開業時の駅舎は焼失しているという説もあり、正確な年代は確定していません。
いずれにしても現役最古級の駅舎ということは確かです。

◆亀崎駅~JR東海 武豊線/愛知県半田市亀崎常盤町2-156
 竣工:明治23年(1890)?~参考:「日本の近代土木遺産」
 構造:木造平屋建
 撮影:2006/06/04
 


半田駅~JR東海 武豊線(愛知県半田市)

2012-07-08 | 木造駅舎の旅

半田駅は大府と武豊を結ぶJR東海武豊線の途中駅で、明治19年武豊線開業以来の愛知県下でも最も歴史のある駅の一つです。
明治45年に建てられた木造駅舎は何度もリニューアルされている様子ですが、待合室や柱などに当時の面影が残っています。
また駅舎とホームを結ぶ明治43年(1910)に完成した跨線橋はJR最古と言われており、跨線橋の隣には煉瓦積みのランプ小屋(明治44年)も当時の姿をとどめています。


◆半田駅~JR東海 武豊線/愛知県半田市御幸町110-1
 竣工:明治45年(1912)
 構造:木造平屋建

◆半田駅跨線橋
 竣工:明治43年(1910)
 構造:鉄骨、木造

◆半田駅旧ランプ小屋
 竣工:明治44年(1911)
 構造:煉瓦造平屋建
 撮影:2006/06/04、2012/05/04


■駅舎の外観はリニューアルされ当時の面影は残っていません



■駅舎の脇に設置されている銀行のATMコーナーには、セセッション風の装飾が施された木製の柱があります



■国鉄時代の資産標には「大正11年9月」の表示



■待合室の柱は当時のままで、セセッション風の意匠が見受けられます



■駅舎と接する旧1番線ホームと2番線、3番線ホームを結ぶ跨線橋



■跨線橋通路~天井は鉄骨がむき出しです



■跨線橋の通路にある「JR最古の橋」の表示板



■跨線橋出入口の金属製の柱にも装飾があります


■跨線橋脇レンガ造の旧ランプ小屋~夜間に信号機の日に使う灯油が保管されていました
 

 


柳生橋駅~豊橋鉄道 渥美線(愛知県豊橋市)

2012-02-11 | 木造駅舎の旅

豊橋建築散歩~その13

 豊橋鉄道渥美線の柳生橋駅には開業当時の大正時代の木造駅舎が残っています。現在は田原街道に面した線路際に改札口がありますが、当初は駅舎の裏側にある玄関が出入り口として使われていたようです。
 駅舎の屋根はマンサード風、外壁はモルタル塗りですが、裏手の玄関廻りは腰壁風にスクラッチタイルが貼られています。

◆柳生橋駅~豊橋鉄道 渥美線/愛知県豊橋市南松山町 
 竣工:大正14年(1925)
 構造:木造平屋建
 撮影:2011/10/09 
 




道路に面した現在の改札口~駅舎の後ろに豊橋鉄道の本社があります


木製の窓枠とカウンターが懐かしい出札口



裏に回ると大正時代の駅舎らしいレトロな雰囲気が漂います
 


駅舎裏手の立派な玄関~かつてはこちらが正面だったようです(ちなみに理容所は営業していません)