かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

旧豊田商会本社事務所(名古屋市西区則武)

2010-08-29 | 名古屋の近代建築

トヨタグループ館のすぐ隣に旧豊田商会本社事務所が移築されています。
豊田商会は、豊田佐吉が自動織機を研究するために設立した会社で、この建物はその本社として、明治38年当時の名古屋市島崎町(現在の中村区名駅)に工場を新設した際、一緒に建てられたものです。

◆旧豊田商会本社事務所/名古屋市西区則武新町4-1-35(産業技術記念館内)
 竣工:明治38年(1905)
 構造:木造2階
 撮影:2010/05/05


建物東側入り口~全体は和風のプロポーション



建物北側に煉瓦造りの一角が(研究実験に使用されたのか?)



南側玄関~ドアはアールデコ調の洋風意匠
 

この質素な小さな建物から、現在の「世界のトヨタ」の第一歩が始まったわけで、
豊田佐吉も100年後の現代、これだけの巨大企業に成長するとは夢にも思わなかったに違いありません。
しかし米国でのリコール続きは、成長を急ぎすぎたツケがまわってきたのか・・・佐吉さんは天国で何を思う?


 


 


 


 


 


トヨタグループ館(旧豊田紡織本社事務棟/西区則武)

2010-08-25 | 名古屋の近代建築

◆トヨタグループ館(旧豊田紡織本社事務棟)/名古屋市西区則武新町4-1-35
 
 竣工:大正14年(1925)
 構造:RC造3階
 撮影:2010/5/5

産業技術記念館の敷地の中に、大正期に建てられた事務棟が保存されています。
ほとんど装飾のないサイコロの様な立方体の建物ですが、3階の窓枠が「T」に見えるのはTOYOTAのTでしょうか?
現在建物はトヨタグループ館として1階が公開され、トヨタグループの歴史を紹介しています。




◆事務棟全景~まるで豆腐か角砂糖のような端正なデザイン


◆東側正面玄関~唯一装飾が施されています


◆北側玄関



◆1階展示スペース~銀行のようなカウンターが廻ります


  

  

カウンターの端に昭和14~17年に製造された
天野製作所の木枠型タイムレコーダーが保存されています


 


産業技術記念館(旧豊田紡織本社工場/西区則武)

2010-08-22 | 名古屋の近代建築

名鉄名古屋本線栄生(さこう)駅近くに、赤煉瓦の工場を再利用した「産業技術記念館」と「ノリタケの森」があります。
どちらの施設も駅から歩いてすぐの所に併設されているので、名古屋のモノづくりの歴史を半日で体験できます。

産業技術記念館はトヨタグループ発祥の地旧豊田紡織本社工場を、産業技術記念館(トヨタテクノミュージアム)として再生、繊維機械から自動車へと発展した「世界のトヨタ」のモノづくりの技術を紹介しています。


◆産業技術記念館(旧豊田紡織本社工場)/名古屋市西区則武新町4-1-35
 竣工:大正3~昭和8年(1914~33)
 施工:北川組
 構造:木骨煉瓦造地上1階、地下1階
 撮影:2010/5/5


~赤煉瓦の工場の外観を残し産業遺産として保存活用しています~








◆豊田自動織機製作所の正門と旧鉄工所◆



豊田佐吉が大正15年(1926)刈谷に豊田自動織機製作所を創立、
その当時の正門の門柱と鉄工所が移築保存されています


 


 


西大須ビル(中区大須)

2010-08-15 | 名古屋の近代建築
大須通と伏見通が交差する西大須交差点東側に、大正10年に建てられたレトロなビルがあります。
最近リニューアルされた外観は大正生まれには見えませんが、ファサードのクラッシクなオーダーや、最上部の装飾はなかなかオシャレで、現代のビルには無い風格さえ漂います。
鉄筋コンクリート造りのオフィスビルでは名古屋市内最古で、今も当時のまま再生活用されているのは特筆に価します。


◆西大須ビル/名古屋市中区大須2
 竣工:大正10年(1921)
 構造:RC地上3階、地下1階
 撮影:2010/5/5



リニューアルされる前はこんな感じでした(1998年撮影)
いかにも古いおんぼろビルが下の写真のように生まれ変わりました







老若男女が集う元気な大須にふさわしい姿に生まれ変わり、幸せな余生を送っています



名古屋市役所庁舎(中区三の丸)

2010-08-11 | 名古屋の近代建築

大津通建築散歩~その5

隣接する愛知県庁と並び東海地方を代表する帝冠様式の建築で、外観は競技設計として公募されました。
愛知県庁の天守閣に対し、中央にそびえる塔屋がひときわ目を引きます。
塔の屋根は二重になっていて、上の屋根には名古屋城とおそろいの四方にらみの鯱(シャチ)が鎮座しています。

◆名古屋市役所庁舎/名古屋市中区三の丸3丁目3-1
 竣工:昭和8年(1933)
 設計:平林金吾(外観)・佐野利器(構造)
 施工:大倉土木
 構造:RC造地上5階、地下1階
 撮影:2010/5/5
 ※国登録有形文化財



70年前の街角の風景が、現在も変わらず残っています




中央にそそり立つ和風屋根の塔はかなりのインパクトです




玄関正面



シャチをいただく二重屋根の塔