かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

晩秋の明治村

2008-11-30 | 明治村散歩

 本日は先週に続き、秋の里山ウオーキングということで、自宅から歩いて45分の晩秋の明治村を訪れました。犬山市民の入村無料デーということもあり、大勢の人が秋の明治村を楽しんでいました。
 明治村は入鹿池を望む丘陵地帯に位置しており、里山の紅葉のなかに点在する近代建築が、まるで絵画の様な美しい風景を見せてくれます。入鹿池と紅葉と近代建築が織り成す秋ならではの風景を堪能した一日でした。




◆菊の世酒造より聖ザビエル天主堂と入鹿池を望む



◆芝生広場よりシアトル日系福音協会と入鹿池を望む



◆神戸山手西洋人住居より宗教大学車寄と入鹿池を望む



◆北里研究所本館と紅葉



◆川崎銀行本店の展望タワーより内閣文庫を望む
 

  
◆菊の世酒造                          ◆日本赤十字社中央病院病棟



◆千早赤阪小学校講堂  

 

◆聖ヨハネ教会堂


 


 
◆帝国ホテル中央玄関                               ◆大明寺聖パウロ教会堂


 
◆学習院長官舎の紅葉


 
◆幸田露伴住宅「蝸牛庵」


 


  
◆芝川又右衛門邸の紅葉


◆日本庭園より入鹿池を望む


◆SL名古屋駅のもみじ

近代建築と紅葉にどっぷり浸れた幸せな一日でした。


 


秋の里山散策

2008-11-23 | ありふれた日常

 最近ちょっと運動不足ぎみで(自転車もあまり乗ってないし)、天気の良い日曜日、突然秋の里山を歩こうと思い立ちました。そこで自宅からさほど遠くない東海自然歩道を歩くことにしました。
 犬山の自宅から自転車で20分ほど走り、岐阜県各務原市の旧中山道鵜沼宿へ、近くのスーパーの駐車場に自転車を置き、大安寺川沿いの東海自然歩道を北に向かいます。目的地は各務野自然遺産の森ですが、途中から正規のルートをそれ、ショートカットになる山越えのルートを目指します。



○どこか懐かしいのどかな里山の風景が広がります。


 
○「金10万円」にちょっとびびりながら山道を分け入ります。



○地図では通行可能でしたが、山道は砂防ダムの池で行き止まり。
 結局来た道を引き返し、東海自然歩道の正規ルートに戻ることになりました。
 やはり急がば回れでした。



○道の傍らの小さなお地蔵さんたち


○大安寺前の大きなため池


○車折神社の紅葉


 
○「各務野自然遺産の森」の散策路



○帰り道、今年の12月28日で廃止になる名鉄のモンキーパークモノレール線の脇を通りました。
 1962年開業のレトロな車両で、子供の頃は遠足ではいつもお世話になり、ちょっと寂しいです。
 たくさんの人が最後の雄姿をカメラに納めていました。(おサルのイラストがかわいいです)


○最後に今日のお土産です。


全行程10キロほどの道のりでしたが、紅葉を見ながらゆっくり散策が楽しめました。久しぶりの長距離ウオーキングでしたが、心地よい汗をかくことができました。
 もちろん夜のビールは最高でした。


硝子戸の中

2008-11-09 | まちかどの20世紀遺産

 明治村に夏目漱石が「吾輩は猫である」を執筆した当時に住んでいた家が保存されています。明治20年頃に建てられた昔はどこにでもあった普通の和風住宅ですが、縁側のある南側の書斎の「硝子戸」がとってもいいんです。木の枠でいくつにも分割された硝子戸のある縁側は、わたしが子供の頃住んでいた、昭和30年代の懐かしい我が家を思い出させてくれます。
 昭和30年代頃までは、ガラスの強度の問題でしょうか、現在のような大きな一枚ガラスを使用した戸や窓は無く、もちろんアルミサッシという画期的な建具は、影も形もありませんでした。当時のガラスは、木製の枠で幾何学的に分割されているのですが、その分割の仕方がなかなかに複雑で面白いのです。分割パターンとしては、シンプルな「田形」が効率的だと思われますが、戦前の民家の戸や窓はなぜかより複雑な「あみだ模様」を採用しているのが特徴です。戦後になると「田形パターン」も増えてきますが、より複雑な「あみだパターン」は、デザインそのものが時代を映す鏡のようで、現在も古い住宅の窓にその独特のデザインを見つけると、それだけで嬉しくなります。反対にどんな瀟洒な洋館も、窓がサッシに変えられていると、わたし的には「なんだかなあ~」となってしまいます。
 漱石は「硝子戸の中」という題名のエッセイを書いています。明治村の猫の家に住んでいたのは、明治36年から39年頃で、「硝子戸の中」を執筆した大正時代に住んでいた家は実際には別物ですが、猫の家と同じような硝子戸の中で、物思いにふける漱石の姿を想像するのは楽しいものです。漱石も現在のサッシのガラス戸では「硝子戸の中」という題名をつけることはなかったでしょう。「サッシ戸の中」ではやっぱり、「なんだかなあ~」と思ってしまいます。


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◆森鷗外・夏目漱石住宅/猫の家(明治村内) 
 庭に面した縁側付き書斎。ここで漱石は「吾輩は猫である」を執筆しました。
 現在でもこんな庭付き一戸建てなら住んでみたいものです。



◆書斎の硝子戸
 


 
◆戦前の典型的な「あみだ分割パターン」
 窓ガラスをこのデザインにするだけで、昭和レトロな雰囲気になるので不思議です



◆上のパターンをさらに複雑にしたアールデコ風のデザイン



◆シンプルな「田形分割パターン」


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