かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

刻まれた建物の記憶

2009-06-28 | まち歩き

かつて確かにこの場所に建物が存在していました。
その残像がまるでフィルムに焼き付けたように、隣のビルの壁にくっきりと刻印されていました。

<トマソン分類>
●原爆・・・撤去された物体が隣接する壁面に遺した原寸大の影。
 「路上観察学入門」より



撮影:2006/7(愛知県江南市)


謎のカナダヤ

2009-06-24 | まち歩き
愛知県碧南市で遭遇した謎の商店。
窓枠のデザインからかなり古い商店と思われますが、屋号の「カナダヤ」が気になります。
漢字で「金田屋」と書く金物店がすぐに頭に浮かびますが、ひょっとしてカナダのグッズ専門店、はたまた右から読んで「ヤダナカ」では、と謎は深まるばかりです。営業中なら一目瞭然ですが、そもそも営業しているのか?さらに謎は深まります。



時計のある風景

2009-06-22 | まち歩き
路上にさりげなく置かれた時計のある風景は、まるでモダンアートのようです。
昭和43年度の卒業生たちは、自分たちが贈った時計が路上のオブジェと化しているのを知っているのでしょうか?

昭和43年度卒業生に幸あれ・・・・


撮影:一宮市/2006/9

街角の古い薬局を訪ねる

2009-06-21 | まち歩き

 最近は大手のドラッグストア・チェーン店がどこの町にもあふれていますが、私の子どものころは地元に密着した町の小さな薬局がたくさんありました。特に戦前に建てられた町の薬局には、古い町屋風の造りや当時流行の建築様式を採用した洋風建築など、街角でも目を引く立派な建物が多く、ショーウィンドーや古い看板を見るのも楽しみです。


■岐阜県・岩村町 
 昔ながらの町屋造りの薬局


ショーウインドーには右読みの古い六神丸の販促ポスターが飾ってあります


ずらりと並ぶメーカー寄贈の木製看板。数が多いほど薬局の格が上がります



■愛知県・岩倉市



■滋賀県・彦根市



■名古屋市・緑区鳴海町 
 正面のミドリ十字が薬局らしさを演出



■愛知県・西尾市
 赤まむしの看板が目を引く漢方専門店


子供のころの薬局を思わせる昭和モダンな建物



■愛知県・小牧市 
 スクラッチタイルの洋風建築



■岐阜県・各務原市 
 壁にはクラッシクな付け柱がデザインされています



■愛知県・一宮市
 怪しげな雰囲気が漂う、その名も「回春堂薬局」



■店頭のマスコットたち
 年季の入ったサトちゃんムーバー(岐阜県可児市)


ピョンちゃん(エスエス製薬)がお出迎え(滋賀県彦根市)


 


東京自転車日記

2009-06-19 | 

■東京自転車日記/泉麻人/新潮文庫/2000年/定価700円→買値105円



 泉麻人氏を最初に知ったのは、1980年代に放映されていた「テレビ探偵団」と言う番組でした。司会が三宅裕司、アシスタントがまだ新人だった山瀬まみ、懐かしいTV番組やCMを紹介するトーク番組で、泉氏は雑誌TVガイドの編集者と言う肩書きでコメンテーターとして懐かしのTV番組を解説していました。その当時大好きな番組で、オープニングで流れていた「少年探偵団」の替え歌、「ぼ、ぼ、ぼくらはテレビ探偵団」と言うフレーズは今もよく覚えています。
 泉氏は現在作家として、コラムやエッセイを中心に小説まで幅広く活躍しています。特に私は「路上散策系」のエッセイが好きで、独特の切り口で街歩きの楽しさを伝えてくれます。
 「東京自転車日記」は、買い物カゴのついたMTBで東京の路地裏を走り回り、著者好みの日常的風景を写真とイラストとともに紹介してくれます。ブログを見る感覚で、自転車に乗った著者の目線で路上観察が楽しめます。特にラストを飾る「なぎら健壱さんと行くディープな濹東自転車紀行」は、オヤジ二人の珍道中が楽しいです。著者の路上散策系では「東京23区物語」「散歩のススメ」もおススメです。


工場の美

2009-06-17 | まち歩き

 名古屋市港区の工場街を抜けて、三菱重工名古屋航空機製作所へ向かう途中で出会った風景です。
 化学系の工場施設ですが、むき出しの配管がSF映画のワンシーンを見るような、メカニズムの美しさを感じさせます。これだけ複雑に入り組んだ配管でひとつのシステムとして機能しているのが、ある意味すごいです。パイプがむき出しのままなのはシステムの変更やメインテナンスを考慮してのことでしょうか?



■配管の迷路~どこに、何が、どう、つながっているのか設計した人はもちろん分かっています?


■太さ、長さ、先細り度合いが絶妙のバランスで、私的には煙突のひとつの理想形と言えるでしょう。


旧三菱重工業名古屋航空機製作所本館(名古屋市港区)

2009-06-13 | 名古屋の近代建築

名鉄常滑線大江駅を降りて、工場地帯を名古屋港に向かうと、左手に白い時計塔が見えてきます。
周囲の建物を見下ろすようにそびえる時計塔を持つ白亜の建物は、昭和11年に三菱重工業名古屋航空機製作所本館として建てられたもので、ここであの名機、「零戦(零式艦上戦闘機)」が設計されました。
当時の設計室も残っており、世界に名を馳せたゼロ戦が誕生した建物が、70年以上経った今も当時のまま現存しています。

建物は一時期、三菱自動車が使用していましたが、現在は「三菱航空機株式会社」のプレートが架かっており、建設当初と同じ航空機製作の現場として再利用されているようです。


■時計塔に向かって建物が階段状に高くなり、縦長の窓が整然と並んでいます




■そびえ立つ白亜の時計塔が今もしっかりと時を刻んでいます







■玄関の柱には「三菱航空機株式会社」のプレートが架かっています



◆旧三菱重工業名古屋航空機製作所本館(現三菱航空機株式会社)/名古屋市港区大江町2
 竣工:昭和11年(1936)
 構造:RC造4階建
 撮影:2009/6/7


旧鳴尾学校(南区元鳴尾町)

2009-06-10 | 名古屋の近代建築

 名鉄鳴海駅から国道1号線を西へ向かい、天白川を渡った堤防道路を下った住宅街に、市内現存最古の学校建築があります。この地区の分教場として明治15年に建てられたもので、小学校の分教場と言っても、規模からすると寺小屋のようなもので、現在の小学校と比べるとまさに隔世の感があります。
 全体としては和風の建物ですが、玄関には正方形の皿が3枚重なった柱頭飾りが付けられていて、いわゆる擬洋風と言う明治初期の洋風を取り入れた建築様式が見られます。現存する擬洋風建築としても、名古屋市内最古と言えるのではないでしょうか。現在は公会堂として、地域の住民の皆さんにより保存管理されているようで、雨戸がしっかり閉められていました。
 
■鳴尾公会堂(旧鳴尾学校)明治15年/名古屋市南区元鳴尾町153


■正方形の板3枚重ね柱頭飾りと、天井が網代式になっているのが特徴。





旧鳴海球場(緑区鳴海町)

2009-06-07 | 名古屋の近代建築

 入梅前の晴天の日曜日、鳴海界隈の近代建築を訪れました。
 名鉄鳴海駅の北側に、大正元年に建設された鳴海球場の跡地が、自動車学校として再利用されて残っています。現在はスタンド席の一部を残すのみですが、現在の全国高校野球大会の前身に当たる全国中等学校野球の第1回大会がここで開催されました。その後昭和11年に、日本最初の職業野球(現在のプロ野球)、名古屋金鯱軍と東京巨人軍の試合も行われ、伝説の大投手沢村栄治が登板したそうです。両翼350フィート、センター440フィートの収容人員2万人を誇る当時としては立派な球場でした。

■旧鳴海球場(現名鉄自動車学校)/大正1年/名古屋市緑区鳴海町文木90
 当時のスタンドは自動車学校の施設して再利用されています。


■スタンドの下は当時の球場の外観がそのまま残っています。




■当時の面影を残すモダンな窓




■球場入り口
 現在はふさがれていますが、アーチの上に「鳴海球場」のロゴ跡が残っています。




~~~~~~~~~お ま け~~~~~~~~~~

■旧鳴海球場の西側で偶然見つけた戦前物件らしき洋館。
 ドイツ壁と換気口、ハーフチンバー風の飾りが良い雰囲気を醸し出しています。







碧南散歩

2009-06-03 | まち歩き

3月に碧南の近代建築をアップしましたが、その他のちょっと良い感じの古びた建物を中心にご紹介します。

■名鉄碧南駅と北新川駅
 どちらも木造の良い感じに古びた駅舎です。碧南駅は外壁にトタンを貼っているのが残念。




■町のいたる所に黒板張りの蔵や古い倉庫が残っていて、なんだか懐かしい景観をつくりだしています。








■下見板張りの古い洋館。古い民家はほとんど下見板貼りです。


■昭和の香り漂う、古き良き時代の煙草屋さん発見。このまま映画に使えそうです。


■昔の煙草屋さんには欠かせない「ショーウィンドー」も健在。


■看板の群生地と化した古い倉庫。ここまで密集すると壮観です。


■超レトロな「八尾品理容院」。


■昭和20~30年代テイストが漂う事務所。玄関上の格子窓がモダンです。