かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

河野薬品(名古屋市中区)

2010-01-31 | 失われた建物の記憶

■河野薬品/名古屋市中区新栄1-5-11

建物の詳細は不明ですが、外観のデザインから戦前に建てられたものと思われます。
全面タイル貼りでコーナーに丸みをつけ、正面にはライオンや鳥のレリーフが飾られていました。
数年前に建て替えられ現在は新しい建物になっています。




撮影:2005/11


名古屋証券取引所(名古屋市中区)

2010-01-25 | 失われた建物の記憶

■旧名古屋証券取引所/名古屋市中区栄3丁目3-17
 竣工:昭和6年(1931)
 設計:城戸武男
 施工:竹中工務店
 構造:RC4階
 撮影:1998/11
 ※2007年新築移転に伴い取り壊し





ここ数年で名古屋市中心部の昭和初期のオフィスビルの取り壊しが続いています。
さすがに戦前の建物は老朽化や経済効率の悪さの問題が深刻で、重要文化財クラスの建物でないと保存が難しい状況になっています。
名古屋証券取引所も外観は派手な洋館らしさはありませんが、内部はかなり凝っていたようです。
取り壊された現在、もう見ることはかないませんが、「わが街ビルヂング物語」に掲載されている特別応接室の扉の上の神獣のレリーフの写真をみると、今さらながら古き良き時代の建物の持つ贅沢な空間にため息が出ます。


遠山産業(名古屋市中区)

2010-01-24 | 失われた建物の記憶

■遠山産業(株)/名古屋市中区錦2-12-28
 竣工:昭和10年(1935)
 設計:黒宮五郎
 施工:清水組
 構造:RC3階
 撮影:2005/10
 ※取り壊し後、駐車場



錦通から長者町繊維街のアーケードをくぐり、長者町通を北へ進んだ一本目の交差点にかつてクラッシックなビルが建っていました。
外観は装飾の少ないシンプルなデザインながら、縦長の連続窓や玄関周りに戦前のオフィスビルの面影を残していました。
現在は取り壊され駐車場になってしまいました。


伊信ビル(名古屋市西区)

2010-01-20 | 失われた建物の記憶

■伊信ビル/名古屋市西区名駅3(那古野交差点)
 竣工:昭和8年(1933)
 設計:巻坂事務所
 施工:大林組
 構造:RC4階
 撮影:1999/12
 ※取り壊し、IT名駅ビル2号館に建て替え



 この写真を撮影した1999年当時から取り壊しは時間の問題と言われていましたが、現在は跡形もなく「IT名駅ビル2号館」という味も素っ気もないフツーのビルに建て替えられました。
 外観は昭和の初に流行した表現主義風で、スクラッチタイルに階段室の丸窓など、同時期に建てられた愛知県庁大津橋分室や伊勢久(現存)と共通するデザインが採用されていました。
 街の景観に歴史的建造物が占める役割は非常に大きなものがありますが、那古野の交差点の景観の一部として親しまれてきた伊信ビルも、70年にわたる長い歴史に幕を下ろしました。



■大津通に現存する伊勢久(向かって左)と愛知県庁大津橋分室(同右)


春の予感

2010-01-17 | ありふれた日常


大晦日から元日は雪でした。今週も雪が降りました。



犬山は今年になってから寒い日が続いています。

今日は久しぶりに良い天気になったので、成田山まで歩いて初詣にでかけました。

散歩の途中、近所の田んぼのあぜ道で小さなタンポポの花を見つけました。

暦の上では大寒ですが、春の気配を感じる一日でした。


名宝会館(名古屋市中区)

2010-01-13 | 失われた建物の記憶

■名宝会館/名古屋市中区栄1
 竣工:昭和10年(1935) 
 設計:阿部事務所
 施工:竹中工務店
 構造:SRC5階、地下1階
 撮影:2000/4/29
 ※2003年取り壊し



納屋橋周辺にも数多くの洋風建築が建っていましたが、ほとんど姿を消しました。
戦前の建物の建て替えが進む中、平成19年に長い間広告看板に覆われていた旧加藤商会ビルが再生活用され、戦前の納屋橋界隈の雰囲気を今に伝えています。
また最近は堀川の浄化にも力が注がれていて、昔ながらの川辺の風景が蘇るのが楽しみです。


住友銀行名古屋支店(名古屋市中区)

2010-01-12 | 失われた建物の記憶

■住友銀行名古屋支店/名古屋市中区錦2
 竣工:大正14年(1925)
 設計:住友建築課
 施工:大林組
 構造:RC造8階、地下1階
 撮影:1998/2/22
 ※1998年取り壊し



取り壊し寸前のシートに覆われた姿を運よく撮影することができました。
このビルを撮影した1998年当時、広小路通にはまだ多くの戦前の近代建築が残っていましたが、現存するのは三井住友銀行名古屋支店と旧名古屋銀行本店だけになってしまいました。


大和生命ビル(旧名古屋日本徴兵館)

2010-01-11 | 失われた建物の記憶


■大和生命ビル(旧名古屋日本徴兵館)/名古屋市中区錦2-20-20
 竣工:昭和14年(1939)
 設計:横河工務所(菊池十郎)
 施工:清水組・三菱商事
 構造:SRC地上7階、地下2階
 撮影:1998/2/22




 アメリカ式のオフィスビルを得意とする横河工務所設計による、歴史様式とモダニズムが融合した戦前では最後の近代的オフィスビルとして名古屋の中心部広小路通に建てられました。
 戦後も長い間、広小路の代表的近代建築のひとつとして親しまれてきましたが、残念ながら2004年に取り壊され、現在は駐車場になっています。


 



■随所にアールデコ風の意匠が採用されています



■ビルの跡地の駐車場の前に、玄関上部の外壁の装飾がぽつんと遺されていました。
 私の生まれ育った昭和と言う時代も、まさに「昭和も遠くなりにけり」と感じさせる今日この頃です。





 


トラ年ですが我が家は今年もウシです

2010-01-10 | まちかどの20世紀遺産

大変遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
年末から忙しくブログの更新ができませんでした。
今年も近代建築を中心に街角で見つけた面白物件を勝手に紹介しますので、お暇な時に立ち寄っていただければ嬉しいです。




ということで、今年の干支「とら」です。
私のお気に入りのホーロー看板でしたが、昨年この看板だけが撤去されてしまいました。
この家の方が取り外したのか、ひょっとしてマニアに盗まれた可能性も・・・・
そうだとしたら非常に悲しいです。
ホーロー看板は街の片隅に何気に存在し、昭和の香りをそこはかとなく漂わせるのが本来の正しい姿なので、ホーロー看板の街角ギャラリーが消えていくのは寂しい限りです。



ついでと言っては何ですが、ウシ君は昨年一年ご苦労様でした。
(幸いにもこのホーロー看板は現在も健在です)
ちなみに我が家は、今も「牛乳石鹸」の青箱を愛用しているので、今年もまたお世話になります。