かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

伊深の火の見櫓(やぐら)~岐阜県美濃加茂市

2011-08-28 | まちかどの20世紀遺産

都会ではなかなか見かけなくなった火の見櫓。
地方の町では戦前に建てられた火の見櫓がまだまだ残っています。
美濃加茂市の伊深地区を訪れた時に見つけた年代物の火の見櫓は、屋根の上の渦巻き装飾をはじめ、曲線を多用したアイアンワークが見事な作品です。
現在はその役目を終え、半鐘も鳴らされることもなく町の片隅に静かにたたずんでいます。

 



直線にほど良く曲線がミックスされた絶妙なデザイン
いつまでも残してほしい懐かしい昭和の風景です

 

 


八百津線の木造駅舎

2011-08-21 | 失われた建物の記憶

名古屋鉄道八百津線は、岐阜県可児市の明智駅から加茂郡八百津町の八百津駅までの7.3kmを結ぶローカル支線でしたが、2001年10月1日で廃止となりました。
犬山と御嵩を結ぶ広見線から尻尾のように出ている、いわゆる盲腸線と呼ばれる短い支線で、分岐している明智駅から終着の八百津駅までの間に、兼山口、兼山、中野の3つの無人駅がありました。
現在は全ての駅舎が取り壊され廃線跡もさだかではありませんが、廃線前に訪れた時(1999年)の八百津駅と兼山駅の往時の姿をご紹介します。
どちらも昭和5年開業時の姿のままで、木曽川沿いの山間を走るのどかなローカル線らしい味わい深い駅舎でした。


◆八百津駅舎~終着駅らしい立派な玄関、屋根の庇を支える持ち送りが印象的です



◆兼山駅~いかにもローカル線らしさが漂う山間の木造駅舎

 

 


◆八百津線廃線時に発売された入場券セット
 同時に廃止になった谷汲駅(谷汲線)、本揖斐駅(揖斐線)、大須駅(竹鼻線)の入場券が4枚セットになっています。

 



 

 

 


旧兼山郵便局(岐阜県可児市)

2011-08-10 | 中濃の近代建築

木曽川流域に位置する兼山町は、古くは水運によって栄え、近代に入るとダムや発電所が建設されました。
町の中心は木曽川と山に挟まれた街道沿いの狭い地域で、その旧街道に面して明治期に建てられた古い土蔵造りの郵便局舎が現存しています。
岐阜県には同様の漆喰塗土蔵造りの擬洋風建築、旧加治田駐在所(加茂郡富加町)がありますが、県内でも土蔵造りの郵便局舎で現存するものは極めて珍しいと思われます。
こちらも旧加治田駐在所と同じように、外壁の漆喰が剥げ落ちてボロボロ、土壁が見えている状態ですが、実際現地で建物の前に立つと、「よくぞ今まで取り壊されもせず建っててくれました」と感慨胸に迫るものがあります。
建てられてから100年以上が経過していますが、縦長の上げ下げ窓や、コーニス、玄関の破風の飾りなど、創建当時のディテールがそのまま残っているのは嬉しい限りです。
兼山町の明治から1世紀の歴史を語る貴重な産業遺産として、今後の保存と再生活用が望まれます。

 

 ◆旧兼山郵便局 /岐阜県可児市兼山町
 竣工:明治36年(1903)
 構造:木造2階
 撮影:2007/04/08

 


正面は漆喰のままですが、側面は最近板張りに改装された様子



玄関ポーチの軒下には明治~大正期の洋風建築によく見られる板状の装飾がつららのように下がります
ギボウシのような玄関照明もなかなか味があります



玄関軒下に付けられたアールヌーボー風の鋳鉄製の持ち送りや
木製の玄関扉、窓枠も当時のままです

 

 


名古屋鉄道広見線 明智駅(岐阜県可児市)

2011-08-07 | 木造駅舎の旅

◆名古屋鉄道広見線 明智駅 /可児市広見平貝戸字川田551
 竣工:大正9年(1920)
 構造:木造平屋
 撮影:2008/0923  

大正9年伏見口駅として開業、昭和57年駅名が改称され明智駅となりました。
八百津線が分岐する拠点駅でしたが、2001年9月で八百津線が廃線となり、現在は広見線の一駅になってしまいました。
外壁は改装されていますが、駅舎自体は大きな改修は受けておらず、大正期の開業時の面影をとどめています。

 


可児市広見の写真館

2011-08-03 | まち歩き

可児市広見で見つけた昭和な写真館です。
写真館の傍らには、丸型ポストと火の見櫓もあり、これはもう「昭和懐かしの街角3点セット」のジオラマになりそうな風景でした。
残念ながら写真館は廃業しているようでした。

 




撮影:2008/09/23(岐阜県可児市広見)

 

 


名古屋鉄道広見線 御嵩駅(岐阜県可児郡御嵩町)

2011-08-01 | 木造駅舎の旅

名古屋鉄道広見線御嵩駅は、広見線の終着駅で、かつての中山道御嶽宿が置かれていました。
現駅舎は昭和27年に建てられた2代目の駅舎で、大正9年に東濃鉄道が開業した時は、隣の御嵩口駅が初代御嶽駅として終着駅になっていました。
戦後の駅舎ながらハーフティンバー風の木枠を見せるつくりで、遊び心が感じられる雰囲気のある駅舎です。

◆名古屋鉄道広見線 御嵩駅 /岐阜県可児郡御嵩町中字西之門2302-2
 竣工:昭和27年(1952)
 構造:木造平屋
 撮影:2008/09/23