かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

彩雲橋(愛知県犬山市)

2011-04-27 | 近代橋めぐり

犬山市の中心部を流れる郷瀬川は、犬山城のすぐ東で木曽川に合流していますが、その合流地点に昭和4年に竣工した彩雲橋という小さな橋が架かっています。
昭和15年に吉田初三郎が犬山遊園周辺を鳥瞰図で描いた「日本ライン図絵」と言う観光絵地図があります。
犬山城の下に広がる犬山遊園地には洋館建てのカントリークラブや犬山ホテル、和風の彩雲閣、犬山橋が架かる対岸には城山荘や後藤別荘も描かれています。
この絵地図に描かれた建物は戦後全て取り壊され、犬山橋と彩雲橋だけが当時の犬山遊園界隈の面影を今に伝えています。

◆彩雲橋/愛知県犬山市大字犬山北古券(郷瀬川)
  竣工:昭和4年(1929)






右上にほんの少しだけ犬山城が見えます

 

 


旧犬山橋(愛知県犬山市~岐阜県各務原市)

2011-04-17 | 近代橋めぐり

近代建築を訪ね歩いていると、各地で現役で使われている戦前の古い橋に出会えます。
近代に造られた橋は、近代建築と同じように歴史様式やモダンデザインを採用した細部の装飾も見所ですが、その構造(石、煉瓦、鉄、コンクリート、アーチ、トラス、吊橋など)により多彩な表情が楽しめます。

というわけで、近代橋めぐりの第1回目は、わたしの地元の旧犬山橋を紹介します。
旧犬山橋は、江戸時代から続く「内田の渡し」があった交通の要所に大正14年に架橋され、翌年には犬山~鵜沼間に名鉄電車が開通し、愛知と岐阜が近代的な永久橋で結ばれました。
以来75年間、地元の人にとっては生まれた時からずっとそこにある風景として親しまれてきました。

旧犬山橋の犬山市側には名鉄の犬山遊園駅があり、昭和40年代頃までは電車を利用して日本モンキーパークを訪れるたくさんの人でにぎわいました。
私は当時小学生で岐阜県側の各務原市に住んでおり、日帰りレジャーや遠足と言うと必ず名鉄電車に乗り、モンキーパークへ出かけました。
電車が旧犬山橋の上にさしかかると、車窓からすぐ隣をぎりぎりで走行する車が見下ろせ、わくわくしたのを覚えています。

平成12年3月にすぐ下流側に道路専用の新犬山橋(ツインブリッジ)が開通し、全国でも珍しい鉄道と道路の併用橋としての役目を終えた旧犬山橋は、現在は鉄道専用橋として使用されています。
旧犬山橋は大正期のモダンな橋の面影を残す貴重な近代土木遺産で、国宝の犬山城とともに「そこにあるいつもの木曽川の風景」としていつまでも地元の人々に愛され続けていくことでしょう。


◆現在の旧犬山橋北詰(各務原市側)撮影:2011/04/10
 モンキーパークで開催中のポケモンが描かれた名鉄電車が走り抜けます



◆併用橋として使用されていた頃の旧犬山橋~電車の横を自動車がぎりぎりですり抜けます
 すぐ隣には新犬山橋建設中のクレーンが写っています(撮影:1999/05)



◆各務原市側には当時のままの広いテラスやオリベスク様の大きな橋灯、石積みの橋脚などが残っています



◆現在の旧犬山橋南詰(犬山市側)2011/04/10



◆1999年5月当時の旧犬山橋南詰



◆新犬山橋(ツインブリッジ)と旧犬山橋~75年の時を超えて新旧の橋が並んでいます
 新犬山橋の色は周囲の景観に配慮し、橋の色としては珍しい黒色を採用



◆旧犬山橋南詰に残る「内田の渡し」の常夜灯



◆旧犬山橋遠景~犬山市側上流より



◆犬山市側下流より



◆犬山橋/木曽川(愛知県犬山市内田東町~岐阜県各務原市鵜沼南町)
 竣工:大正14年(1925)
 構造:鋼ワーレントラス


■戦前の様子を伝える絵はがき
     





愛知県立津島高等学校旧講堂(津島市)

2011-04-11 | 海部の近代建築

愛知県立津島高等学校は、愛知県第三中学校(明治33年)として開校され、昭和23年に愛知県立津島東高等学校(津島町立高等女学校として大正4年開校)と合併、現在の津島高校になりました。
愛知県にはいわゆるナンバースクールと呼ばれる旧制中学が八中までありますが、津島高校は旭丘、岡崎に続く第三中学ですから、当時はいかに津島が尾張地方の中心として栄えたかを物語っています。

そんな歴史のある津島高校ですが、戦前の校舎はすでに存在しません。
それでも大正12年に建てられた講堂と南門が残っていて、往時の姿を伝えてくれます。

◆愛知県立津島高等学校旧講堂/津島市宮川町3-20
 竣工:大正12年(1923)
 構造:RC造+木造平屋
 設計:愛知県営繕課
 撮影:2006/05/14

 



◆建物東側正面~玄関が中央ではなく北側に寄せられている

 



◆建物南側~中央部に小屋根が掛けられ出入り口が設けられている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


犬山城と桜

2011-04-10 | ありふれた日常

桜も満開、春爛漫と言うことで、花見をしながら地元犬山を自転車で散歩しました。
桜は散り始めで、春の風に花びらが舞っていました。

 





青い空と紺碧の木曽川にピンクの桜と犬山城が映えます