かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

今の私にできること

2021-11-26 | ありふれた日常

今月から点滴による抗がん剤治療が始まり、先週まで副作用による全身の痛みと倦怠感で、ほとんど冬眠状態でした。
今週に入りだいぶ体調が戻り、またいつもの日常を少しずつですが取り戻してきました。
家事とウォーキングなども何とかこなせるようになり、今日もノルマの5000歩の散歩に行ってきました。
妻の「辛さは必ず報われる」という言葉を励みに、これからも頑張っていこうと思っています。

がん宣告を受けた当初は、毎日をただ過ごすのが精一杯でしたが、体調がよくなるにつれ今自分にできることをやってみようという意欲がわいてきました。
近代建築探訪や街歩きはまだまだ無理ですが、またこのブログを通じて私なりの発信ができればと考えています。
今まで20年以上撮り歩いた建築写真で、諸般の事情(ひとえに私の怠慢です)で紹介できていない物件を少しずつでもアップできればと考えています。
まずはフイルムカメラ時代からの写真の整理から始めようと思っています。
撮影日時が古いので現存していない物件も多く、建築探訪目的の皆さんにはあまりお役に立てないかもしれませんが、記憶の片隅にでもかつてこんな建物があったと残していただければ幸いです。
整理でき次第順次アップしていきますので乞うご期待!

やはり画像がないと寂しいので、いつもの散歩コースのスナップです。
季節はページをめくるように少しずつ確実に秋から冬へ進んでいきます。
江戸時代から同じ場所で時を刻む仏像。
最近過ぎてきた時代や時間に思いをはせるのが多くなりました。


神様がくれた時間

2021-11-12 | ありふれた日常

一年半ぶりのブログ再開です。
ブログをお休みしていたのは、仕事が忙しく怠惰な毎日を送っていたこともありましたが、今年に入って大病を患いました。
2月ころから持病の腰痛(椎間板ヘルニア)がひどくなり、近所の整形外科に通院していたのですが、痛みが悪化し仕事もままならない状態に。
そのうち背中も痛くなりCT検査したところ、背骨の異常が見つかりそのまま総合病院へ直行。
診断結果は前立腺がん、痛みは骨転移からくるもので、すでにステージⅣの状態。
頭は真っ白、先生の説明もほとんど耳に入ってきません。

わたしの母がすい臓がんで、発見時から1年足らずで他界したので、そのことが頭をよぎり、余命を思うと何も考えることができませんでした。
帰宅後付き添ってくれた妻から先生の説明を聞かされ、前立腺がんは骨転移から臓器への進行が比較的ゆっくりなので、年単位の余命が期待できるとのこと。
とりあえず来年の今頃もまだ生きていられるかなとかすかな希望が生まれました。
とは言え骨転移後の余命平均は2~3年、残された時間は決して長いとは言えません。
来年65歳の定年退職をを1年早め、治療に専念することに。当初寝返りも打てなかった痛みは、現在日常生活が何とかできるまで回復しました。
現在は散歩や家事などできる範囲でなるべく身体を動かし体力維持に努める毎日で、気力も少し戻ってきたので、またブログを再開することにしました。

突然の人生の終わりを宣告され、当初は「なんでわたしが」といまさらながら健康が当たり前と信じて過ごしてきた日々を後悔し、悲嘆にくれました。
人生はいつか終わりを迎えるもの。長寿を全うする人もあれば、コロナ感染などの突然の病や、災害事故などで本人も死を自覚する猶予もなく亡くなるかたもいらっしゃいます。
半年が経過して体調が改善してきたこともあり、やっと少し冷静に今の自分の病状と向き合うことができるようになりました。
残された時間は気になりますが、今やれる治療に専念し、少しでも長く家族や友人との大切な時間を過ごせればなと思っています。
「神様がくれた時間」を大切に、残された人生を自分の心のままに生きていけたらと思います。
やむなく早期退職しましたが、今までの人生の中である意味一番マイペースで贅沢な日々を過ごしているといえるかもしれません。
大好きな街歩きや建築探訪は体力的にまだ無理ですが、お気に入りの音楽や映画にかこまれ、大学時代以来の優雅な期間限定の文字通りモラトリアムな毎日を満喫しています。

今回はかなり重い内容になってしまいましたが、次回からは心のおもむくままに、ゆるい私の優雅な日常?を綴っていきます。
今日は午前中孫娘の3歳の七五三詣りにつきあいました。
二人の孫からはいつもすごいパワーをもらって楽しませてもらい、おかげで免疫力も増進中です。
ありふれた日常と家族と、最後までお付き合いいただいたあなたに感謝です!