かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

岐阜公園の近代建築(5)~殉職警察官消防員忠魂碑

2009-08-28 | 岐阜市周辺の近代建築

■殉職警察官消防員忠魂碑
 築年:大正15年(1926)
 構造:石造

昆虫研究所記念館の東側、公園の片隅にひっそりと建っています。
4本のオーダーの上にドームが載る古典主義的なデザインでかなり立派なものです。




■忠魂碑の前は広いテラスになっていて、正方形の豆タイルが敷き詰めてあります。
 台座の幾何学的なデザインが大正モダンで時代を語ります。


岐阜公園の近代建築(4)~板垣退助像台座

2009-08-27 | 岐阜市周辺の近代建築

■板垣退助像台座
 築年:大正6年(1917)
 構造:石造

 明治15年、自由党総理・板垣退助が岐阜公園内で演説中、暴漢に襲われました。その時叫んだ「板垣死すとも自由は死せず」という言葉は有名で、その史実を後世に伝えるため、後に有志により銅像が建てられました。当時の銅像は大戦中の供出により喪失し後に復元されましたが、台座は当時のまま残っています。








 「板垣退助遭難の地」の説明文には、暴漢に胸を刺された時、かの有名な「板垣死すとも自由は死せず」と言う言葉を残したとありますが、実際は暗殺未遂事件の後で創作されたエピソードではないかと言う説もあるようです。


岐阜公園の近代建築(3)~昆虫碑

2009-08-26 | 岐阜市周辺の近代建築
■昆虫碑
 建築年:大正6年(1917)
 構造:石造り
 設計:武田五一







昆虫碑は名和靖の還暦の祝いに建てたもので、昆虫記念館のすぐ西側にあります。
石碑の裏に「意匠 正五位勲四等工学博士武田五一」の銘がありますが、武田五一は当時名古屋工業高等学校(名工大)の校長で、愛知、岐阜に多数の名建築を残しています。


 

岐阜公園の近代建築(2)~名和昆虫博物館

2009-08-24 | 岐阜市周辺の近代建築
■名和昆虫博物館
 建築年:大正8年(1919)
 構造:RC造2階
 設計:武田五一


■ギリシャ神殿風ペディメントを表現した玄関


■白いタイル貼りの外壁は幾何学模様を基調にしたモダンなデザイン


■10年ほど前の訪問時、まだ茂みがない時に撮影した外観


■奈良唐招提寺講堂の古材を再利用した柱


 隣の記念館とは対照的な白いタイル貼りの建物で、玄関の車寄せはギリシャ神殿風ですが、全体は様式建築から脱したモダンデザインを基調としています。
 博物館とは言ってもこじんまりとした建物で、内部には所狭しと世界中の昆虫の標本が展示してあり、古い学校の理科室と言った趣です。
 1階の展示室に奈良唐招提寺講堂の古材を再利用した柱があり、施主と建築家の思いが伝わってきます。

岐阜公園の近代建築(1)~名和昆虫研究所記念館

2009-08-23 | 岐阜市周辺の近代建築
お盆休みの最終日、自転車で岐阜公園までツーリングに出かけました。
犬山から片道30キロ、約1時間30分の道のりです。
岐阜公園には名和昆虫博物館や研究所など、武田五一設計の美しい近代建築が大切に保存されています。




■名和昆虫研究所記念館/岐阜市大宮町岐阜公園内
  建築年:明治40年(1907)
 構造:煉瓦・木造2階
 設計:武田五一


■赤い切妻屋根に連続した出窓が洋館らしさを演出します


■建物の下半分は煉瓦造で、落ち着いた雰囲気を醸し出します

 
■妻飾りに蝶の装飾を施す芸の細かさです


■床下の換気口のグリルも単純な格子ではなく、両隅に×の細工があります。

 名和昆虫研究所は地元出身の昆虫学者、名和靖が開設したもので、当初は採集した昆虫標本を展示するための標本室として建てられました。
 外観はヨーロッパ風の瀟洒な洋館で、セセッション様式(ウィーン分離派)の地方の近代住宅としては先駆的作品です。



ぼくと金次郎と校庭で

2009-08-15 | まち歩き
お盆の実家の墓参りのついでに、数十年ぶりに母校(岐阜県各務原市)の小学校に行ってみました。
夏休みの小学校に人影はなく、校庭には蝉の声だけが響いていました。


■子どもの時は広く感じた校庭も思ったより狭いのに驚きました



■校庭のプラタナスと遊具も、40年前の卒業当時のままでした 



■懐かしい百葉箱



■私の卒業後すぐに建て替えられた昭和15年創立時の木造校舎の一部が、養護施設として再利用され保存されていました
たとえ一部でも当時の学び舎が残っているのは卒業生としては嬉しいものです



■当時正門の脇にあった二宮金次郎は、校庭の片隅に移されひっそりと余生を送っていました





主張する家

2009-08-09 | まち歩き
標語が書かれた看板は街頭で良く見かけますが、下の家は壁自体が標語になっています。
色違いのタイルを使い「交通安全」と「世界平和」を、家全体で道行く人に訴えています。
家主の主張は家がなくならない限り、いつまでも不滅です。


採集場所:愛知県一宮市(2006/10/8)

がんばれ町の床屋さん

2009-08-05 | まち歩き

 最近、全国的に昔ながらの町の「床屋さん」の数が減っているらしい。若者の床屋離れや、低料金のチェーン店の進出に加え、後継者不足が深刻で、閉店する理容店が増えているのが原因らしい。
 ところで床屋さんと言えばお約束の漫画本である。子どものころ通った近所の床屋もご他聞にもれず、少年漫画が各種揃えてあり、待ち時間に読むのが楽しみだった。特に長編コミックは散髪に行く度に少しずつ読んで、全巻読破したものである。その床屋も現在は取り壊され、駐車場になってしまった。
 子供の頃に通ったような昔ながらの床屋さんが、街角から姿を消す日もそう遠くないのかもしれない。

■昭和40年代の雰囲気が漂う町の床屋さん。この店も今のオヤジの代で廃業してしまうのであろうか。

愛知県碧南市

■ドアも窓も木製の超レトロな床屋さん

愛知県一宮市

■ドアに美粧院とあるが、美容院のことであろうか?
 それにしても店全体から尋常ではない昭和のオーラが漂っている。

岐阜県各務原市

■理容の文字が薄れ、「山口」だけになってもがんばっています。

愛知県安城市

■博物館級の昭和の理容院

愛知県碧南市


イチビキ

2009-08-02 | まちかどの20世紀遺産

知立市で見つけた味噌・醤油の「イチビキ」の看板。
一を引いて「イチビキ」と読ませますが、赤で引いた「一」だけがホーロー製で錆びずに残り、こんな看板になりました。
それにしても鮮やかな朱が目にしみるようです。

採集場所:愛知県知立市 2009/3/15