かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

七宝小学校校門(愛知県あま市)

2016-06-15 | まちかどの20世紀遺産

旧海部郡七宝町(現あま市)の中心にある七宝小学校には、昭和11年(1936)竣工の校門が残されています。
柱頭のデザインは昭和初期にしてはかなりクラッシクで、、明治~大正期の雰囲気が感じられ、同時期の旧制中学のシンプルなデザインの門とは対照的です。
七宝小学校には同じ年に建てられた講堂も現存しており、戦前の七宝町の面影を残す唯一の近代化遺産として貴重な存在です。


■門柱はタイル張りで、台座と柱頭は石造になっています



■これだけ立派な戦前期の講堂と校門が残る小学校はそうはありません。
これからも学校の象徴として末永く受け継がれていくと良いですね。

撮影:2016/05/04


七宝小学校講堂(愛知県あま市)

2016-06-12 | 海部の近代建築

名古屋市の西に隣接するあま市は、海部郡七宝町、美和町、甚目寺町が合併し、平成22年に誕生しました。その七宝地区の中心、あま市役所七宝庁舎のすぐ西側にある七宝小学校に戦前の講堂が残っています。

講堂は小学校の敷地の南西、校庭に面して建物東妻側に正面入り口を設け、玄関部分が前に突き出た形状になっています。外壁は3つに分かれており、石張りの腰壁の上は下見板張り、窓枠より上は土壁塗りに仕上げています。玄関上部の3連換気ガラリの下と窓枠の上はタイル張りで、妻壁にはセセッション風の装飾が見られます。

これまで愛知県下の戦前の講堂としては、瑞陵(名古屋市)、小牧、津島、西尾などの高校で現存確認していますが、小学校の講堂は今回が初めてです。おそらく小学校の講堂建築としては現存例が少なく、県下でもかなり貴重な存在と思われます。これからも末永く七宝町の近代遺産として保存されることを願うばかりです。


■建物北東面



■玄関部



■玄関上部の換気口と装飾



■建物南西面~窓は上下2段で窓の間の小壁には装飾の施され、上部の小壁はスクラッチタイル張り


■建物北西面~西側の出っ張った部分は舞台裏になっています



■南門の門柱も竣工当時のまま残されています



◆七宝小学校講堂/愛知県あま市七宝町桂角田1777
 竣工:昭和11年(1936)
 構造:木造
 撮影:2016/05/04


鶴舞公園の近代建築(8)~ヌンクヌスク(名古屋市昭和区)

2016-06-05 | 名古屋の近代建築

今回は平安通駅から鶴舞公園までの建築散歩でしたが、最後に最近リニューアルされた鶴間公園内にある明治の建物を紹介します。
緑化センターのすぐ東にある古い和風の建物ですが、外観が改装されちょっとお洒落な古民家風カフェに変身していました。
建物は明治42年築のまさに古民家なのですが、立派に生まれ変わりこの日もお客さんで一杯でした。

■古い建物がそのまま再利用され、幸せな余生を送る姿を見ると本当に嬉しくなります
 

◆nunc nusq(ヌンクヌスク)/昭和区鶴舞一丁目1-168(鶴舞公園内)
 竣工:明治42年(1909)
 構造:木造
 撮影:2016/05/01 

 


名古屋工業大学三協会館(名古屋市昭和区)

2016-06-01 | 名古屋の近代建築

名工大構内には昭和初期に建てられたRC造のモダニズム建築が現存しています。
正門を入ってすぐ右手奥にある三協会館で、訪れた日は建物の手前に工事用のフェンスが建てられ近寄れず、西側の道から建物の見える範囲での撮影になりました。
工事の内容は分かりませんが、三協会館の取り壊しでないことを祈るばかりです。


■建物西面
昭和初期のモダニズム建築ですが、ちょっと見はどこにでもある古いビルです。
縦長の窓が並ぶ外観は、ほとんど現代建築に近いデザイン。

◆名古屋工業大学三協会館/名古屋市昭和区御器所町
 竣工:昭和6年(1931)
 構造:RC造2階建
 撮影:2016/05/01