塩哲の色不異空

日々の思いを気の向くままに

ミュージアム巡り 江戸城の事件簿 天保雑記

2022-08-22 04:31:41 | ミュージアム巡り_2022
 天保6年(1835)3月26日、江戸城の蓮池金藏に盗賊が進入し、金
子が盗まれた事件について「天保雑記」に「蓮池御金藏江盗賊入御
金紛失」として記事にされ、事件発生から犯人とおぼしき水死体の
回収まで、事件の顛末が記されている。
 賊は、金藏の壁を切り崩して1朱金250両(1両=16朱、1朱金約
4000枚分)を盗む。犯行からその賊が見つかるまで、疑わしき者は
1800人にも及び、盗んだ金子と疑われて捜査の一環として民から
摂取された金子は1朱金4,300両に挙がったという。
 しかし10日後、金藏外の南御櫓辺の堀で水死体が発見される。
賊の歳は37歳ぐらいの男、髪型は職人風、紺の足袋を履いており、
下帯に150両、両手に100両を掴んでいた。この男が逃走途中で溺
死した犯人だったが、素性が不明であるため遺体は塩漬けされた。

 天保雑記は、藤川整斎が著した雑記で主に天保年間(1830〜44)
の諸記録が収録されている。太政官正院歴史課、修史局、修史館、
内閣倫治修史局旧蔵、全56冊。
NAJ(千代田区北の丸3-2)

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