そろそろ、シアルダーのボランティアが必要になってきた。
バーニーもあと二週間ぐらいで帰るし、バーバラも三月中頃には帰る。自分もあと一ヵ月半で日本に帰る。その前に新しくボランティアを入れなくてはならない。
何人か、ステーションのボランティアをしたいという人もいるが、決めるまでには自分達で話し合いをよく持たなくてはならない。その人がどのくらいここにいるのか、どのくらいどの場所で働いていたかは重要になる。
ステーションに来ても、すぐに辞めてしまう人もいるし、病気をもらう可能性はいつでも高い。そして、そのことをあまりにも気にするがために仕事にならない人もいるし、路上で働くということはとっても難しい問題がかなりある。そして、何よりも、その人自身の人格や人間性が大切だと自分は考える。
変えられないものを必死に変えようとする者や、自分がどういう影響を回りに与えているかを考えない者はチームワークを壊して行くばかりでなく、自分自身を激しく傷付けていき、路上の人達も傷付けていく。
誰に食べ物をあげるか、誰をどのように助けるか、どのようなことが自分に出来るのか、そのことは今の自分にもほんとうに難しい。知れば知るほど、難しくなっていくし、その問いに当たる。
そして、自分の意思を表に出すことがうまくない人、助けてほしいときに助けてほしいといえる勇気を持たないものも、結果として、自分を苦しめていくことになるだろう。
それでも、誰でも初めからうまく仕事は出来るものではない。その人柄がやはり大切になっていく。そして、仕事を教える自分たちにも常に問題はある。その人が判りえるように丁寧に教えていきたいと思っている。
今日はマーティンを病院の訪問に連れて行った。彼は二年ぶりの訪問だった。自分がいなくなったあと、どうするか?その前に誰をどのようなことをするか、もし患者を運ぶ出すのであれば、どこの施設にするかなどを話し合いたいがために彼を病院に連れてきた。マーティンはもう何年もここでボランティアをしている者だ。もうそのことを考えなくてはならない。
病院では一人亡くなっていた。駅はとても静かだった。