定家百首・雪月花(抄) 塚本邦雄著 講談社刊
大空はうめのにほひに霞みつつ くもりもはてぬ春の夜の月
春の夜の夢のうきはしとだえして 嶺に別るるよこぐものそら
霜まよふそらにしをれし雁が音の かへるつばさに春雨ぞ降る
夕暮れはいづれの雲のなごりとて はなたちばなに風の吹くら
忘ればやはなに立ちまよふ春がすみ それかとばかり見えし曙
白妙のそでのわかれに露おちて身にしむ色のあきかぜぞ吹く
事実などかけらもない。
虚で始まり虚で終わる いはば聖なるいつわりの世界である。
智でつくりあげて情を残す。
・・・モランディの絵の「白い光」を感じた。
大空はうめのにほひに霞みつつ くもりもはてぬ春の夜の月
春の夜の夢のうきはしとだえして 嶺に別るるよこぐものそら
霜まよふそらにしをれし雁が音の かへるつばさに春雨ぞ降る
夕暮れはいづれの雲のなごりとて はなたちばなに風の吹くら
忘ればやはなに立ちまよふ春がすみ それかとばかり見えし曙
白妙のそでのわかれに露おちて身にしむ色のあきかぜぞ吹く
事実などかけらもない。
虚で始まり虚で終わる いはば聖なるいつわりの世界である。
智でつくりあげて情を残す。
・・・モランディの絵の「白い光」を感じた。
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