木偶房 日日録

江上之清風 山間之明月

定家百首 読す

2016年07月06日 | 読後記
定家百首・雪月花(抄)      塚本邦雄著  講談社刊

大空はうめのにほひに霞みつつ くもりもはてぬ春の夜の月
春の夜の夢のうきはしとだえして 嶺に別るるよこぐものそら
霜まよふそらにしをれし雁が音の かへるつばさに春雨ぞ降る
夕暮れはいづれの雲のなごりとて はなたちばなに風の吹くら
忘ればやはなに立ちまよふ春がすみ それかとばかり見えし曙
白妙のそでのわかれに露おちて身にしむ色のあきかぜぞ吹く

事実などかけらもない。
虚で始まり虚で終わる いはば聖なるいつわりの世界である。
智でつくりあげて情を残す。

・・・モランディの絵の「白い光」を感じた。
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