木偶房 日日録

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南北朝内乱と東国 読す

2014年01月13日 | 読後記
動乱の東国史4 南北朝内乱と東国    櫻井彦著    吉川弘文館刊

建武政権の樹立から足利義満による南北朝統一までの東国を扱っています。
権力の三つの対立図式(南朝と北朝、尊氏派と直義派、室町幕府と鎌倉府)が、
次から次と生成し、紛争に次ぐ紛争の日々です。
こうしたなかで三つの動きが現れています。
一つは「一揆」です。地域社会が連帯して自らの社会を保全しようとする
平一揆(へいいっき)や白幡一揆(しらはたいっき)の動きです。
一つは「バサラ」です。既存の秩序を度外視する風潮で「自由狼藉」とも呼ばれています。
一つは「禅宗」です。争乱が隣り合わせに存在する社会状況で、
強く「鎮魂」が望まれていました。
「禅宗」は、五山制度によって保護され足利義満によって南禅寺が「五山の上」に格付けされました。
東国は、鎌倉府のもと関東管領の上杉氏の時代になって行きます。
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