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琳派のデザイン学 読す

2013年03月30日 | 読後記
琳派のデザイン学
           三井秀樹著      NHK出版刊

「琳派」とは、安土・桃山時代の俵屋宗達、尾形光琳を祖とし、
それに続いた江戸時代の酒井抱一、鈴木其一に代表される装飾美術の
大きな芸術の潮流です。
しかもこの流れは血脈によらず、感動と私淑によっている事が最大の特徴です。
この美意識は、日本文化の底流に流れているものであるとともに、
近代のデザイン表現に大きな影響を与えています。
近代デザイン表現の特徴は、
・非対称の構図と余白の美
・平面的表現と鮮やかな色彩
・斜線の配置によるダイナミックな視点の自由度
・抽象的表現と具象的表現の融合
・文様美とデフォルメ(誇張)
・ディストーション(形の歪曲)
・遠近法を無視した表現とコラージュの手法
・奥行き感の強調
ですが、これは琳派の表現の特徴とほとんど一致しています。
現代の「クールジャパン」と呼ばれる文化の潮流も、その底流に「琳派」の美意識があってのものです。
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