10月16日、雨の日曜日。グリーンホール相模大野にて行われた後藤真希ライブに行ってきました。
大河ドラマの収録の関係で春ツアーの無かった後藤さん。アルバム3rdステーションの曲を引っさげて行うこのツアー、タイトルは「はたち」。もう、ゴッチンも二十歳なのかあ…と感慨に耽りながら、まずはアルバムの1曲目「エキゾなDISCO」でカッコ良くスタート!
バックダンサーを従え、セクシーに踊る後藤さん。この曲はアレンジが昔のディスコナンバーそのもので、そのアナクロ感が後藤さんに不思議とマッチして大好きなのだが、曲だけでなくダンスもイイ!一部でマニアな人気を誇る「ゴマ足」も全開衣装で、この衣装の傾向は最後まで続いた。エンターテイメント!
最近のシングルはバラードが多い事もあり、踊れる曲だけでなく聴かせる曲も随所に盛り込み、メリハリある流れで進んでいく。途中、震度3の地震に会場がどよめくハプニングもあったけど、会場はヒートアップしたままライブは進んでいく。
今回のツアーゲストは稲葉貴子(いなばあつこ)。彼女のキレのあるダンスが、ダンシングな後藤真希ステージにいいアクセントになっている。突然、なんか懐かしい感触に襲われた。
アツコは、大阪パフォーマンスドールOPD)の一員として1993年にデビューした。OPDは東京パフォーマンスドールTPD)の関西版として、吉本が始めたグループだった。1990年に結成されたTPDのステージは、MCも挨拶もなくひたすら60分ノンストップで、バックバンド無しで打ち込み主体によるバックトラックから流れてくるダンスチューンをバックに歌い踊るものであった。そのステージは、ライブとは呼ばれず「ダンスサミット」と名付けられていた。
そんなステージが毎週末、定員150人の原宿ルイードで行われ、TPDジャンキーと言われた人々が、叫ばず、手拍子も打たず、ただ踊ったり、リズムをとったりしながら音に身を預けていた。その静けさは、UWF系特にパンクラスの会場の雰囲気に似ていた。と言えばわかる人には伝わるかな。
そんなTPDも、やがてテレビという巨大な渦に飲み込まれて普通にアイドルグループとしての道を歩き始める。そんな頃にOPDは誕生した。
OPDの初ステージは大阪の「うめだ花月」で12年前の10月に行われた。当時のTPDに嫌気がさし始めていた自分は、何かしらの期待を持ってそのステージを観に行った。
アツコは、5人いたOPDのフロントメンバーの中でも、歌のうまさはトップであった。その歌唱力に惹かれ、またOPDのメンバーのひたむきさに惹かれ、私はTPDよりOPDな人間になった。雑音まじりの大阪のラジオ番組を毎週聴いていた事が懐かしい…
アンコールは、セクガイにスクランブルと二年前のノリノリな曲の攻勢だ。スクランブルでライブを締めると後味最高だ。「ごっちん、最高!」コールが会場に響き渡る。その余韻のままに終演後飲んだ。
ライブ中、一瞬の感傷に浸ったその時間は数秒だったかも知れないし、実際の自分は後藤さんばかり観ていたのだけれど、帰りの電車の中ではなぜか懐かしさと寂しさの入り交じったような不思議な感覚がまた蘇ってきた。
12年という時は経ったけど、今も彼女のダンスを観ている自分がここにいる。そして、ハロプロ全員参加のトレーディング物を買うと、かなりの高確率で稲葉貴子を引いてしまう自分もここにいる。人はそれを縁と言う。
今晩のBGM: 生まれた街のフェンスを越えて / 大阪パフォーマンスドール
(デビュー曲、満月の夜だから C/W曲)