木曜、テレビ東京系で放映されているワールドビジネスサテライトで地方アイドル特集をやっていました。スタジオには色んなアイドル達のCDが置かれて、現在の地方アイドルの状況が簡単に説明されて、群馬の派遣会社が地元企業の活性化を目的に結成した「AKG」、愛媛を拠点に活動している「ひめキュンフルーツ缶」(以下、ひめキュンと略)を紹介しました。
実はひめキュンは最近私がひそかに注目していたグループです。番組では松山市の中心街にある銀天街商店街がタイアップし、ひめキュンのポスターを貼り、各店舗はひめキュンをモチーフにした商品を販売出来る仕組み。ひめキュンブレスレットを売る服飾店、ひめキュンのメンバーをデザインしたお菓子を売る和菓子屋など。銀天街のタイアップ以前より10%売上が上がったそうです。また、空き店舗をひめキュングッズショップにする計画も進行しているのだそうです。
ひめキュンフルーツ缶『恋のプリズン』
このブログのカテゴリー一覧を見ればおわかりいただけるように、私はサッカーが好きで旅が大好きなので、旅先でサッカーの試合を観る事も少なくなく、北は札幌、南は大分まで、Jリーグから地域リーグまでいろんなスタジアムに行ってきました。大きな会場から小さな会場まで、全国どこでも地元チームを熱心に応援する人達が各地にいました。その存在はチームの知名度は無関係だし、所属するリーグがJリーグであろうと、地域リーグだろうと。
町の商店街、駅前などにチームのポスターやフラッグが掲げられている事は珍しくなく、私はそれに触れる度に胸を熱くしてきました。日本全国が画一化されつつあり、チェーン系の店があちこちに溢れ、土地に根ざした文化というものが存在感を失いつつある。そんな中、地域のシンボルを求める意識というのは、人々の心の根っこにある中央集権主義への拒絶、便利と引き換えに得てしまった地方都市のミニ東京化に対する原点回帰の思い。そのようなものを感じたものです。
以前、当時のJリーグの最高責任者がこんな事を言っていました。
「よくJリーグはチームが多すぎて訳がわからないという人がいますが、すべてのチームを覚える必要はないんですよ。例えば、札幌の人がコンサドーレの事はよく知っているがヴァンフォーレ甲府の選手は一人も知らなくてもいいんです。それが当たり前。逆に山梨の人はコンサドーレの選手は知らなくてもいい。チームが地元の人達に愛されるという事。そんな地域を全国に作っていきたいのです」
※(現在、JリーグはJ1が18チーム、J2が20チーム)
東京が作り出したものをテレビなどのマスコミを通じて地方にも伝える。地方のテレビに東京のテレビ局が作った東京の店の情報がオンエアされているように、いわば東京文化の押し付けとも言うべきシステム。思えばプロ野球も長年、東名阪を中心にした構図があって、地方はたまにやってくる地方遠征という名の興行を観るしかない状況がありました。アイドルもそれとよく似た状況が長年あり、その構造にほとんどのファンは不満は抱えつつも仕方がないものだと受け止めてきたのです。
(続く)
※J1 18チーム
ベガルタ仙台、モンテディオ山形、鹿島アントラーズ、柏レイソル、大宮アルディージャ、浦和レッドダイヤモンズ、川崎フロンターレ、横浜F・マリノス、アルビレックス新潟、ヴァンフォーレ甲府、清水エスパルス、ジュビロ磐田、名古屋グランパス、ガンバ大阪、セレッソ大阪、ヴィッセル神戸、サンフレッチェ広島、アビスパ福岡。
J2 20チーム
コンサドーレ札幌、水戸ホーリーホック、栃木SC、ザスパ草津、ジェフユナイテッド千葉、FC東京、東京ヴェルディ、横浜FC、湘南ベルマーレ、カターレ富山、FC岐阜、京都サンガF.C.、ファジアーノ岡山、ガイナ―レ鳥取、徳島ヴォルティス、愛媛FC、ギラヴァンツ北九州、サガン鳥栖、大分トリニータ、ロアッソ熊本。