アルバム曲やC/W曲を語ろうという不定期企画。今回は℃-uteの1stアルバムに収録されている「ENDLESS LOVE~I Love You More~」について書いてみたいと思います。
今春のコンサートツアーで℃-uteは、全員にソロで歌わせています。五人になったのでこういう企画も出来るというところでしょうか。その中で、萩原舞ちゃんが「ENDLESS LOVE~I Love You More~」を歌っているのです。これが個人的には軽くツボでした。
原曲では全員が歌っているのですが、メインでソロパートを歌っているのは、村上愛ちゃんに鈴木愛理ちゃん。アップテンポな曲をパワフルに歌っていますが、特にめぐが張り切って歌っています。そのためか、曲の印象としては「めぐの目立っている歌」です。
℃-ute ENDLESS LOVE~I Love You More~
1stアルバムにはマイマイの代表曲と言えそうな「EVERYDAY AEYH!片想い」がありますが、それを知っていてか、敢えてこの選曲。何故なんだろう?理由を考えてみました。
元々この曲はT&Cボンバーの曲で、原曲は若干スローなテンポな曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=DvGC6ymOUjM&fmt=18
ハロプロの歴史の中で、ダンスの得意なグループという系譜をT&Cボンバー(太陽とシスコムーン)から℃-uteへ!そんな意図があったのか、この曲を℃-uteがカバーし、アレンジをアップテンポに変えてダンスを魅せられる曲にした訳です。
そのアレンジに相応しいメインボーカルは誰か?となれば、もうこれはめぐしかいません。℃-uteの中だけに留まらず、ハロプロ内で見ても相応しいメンバーの一人と言えたのではないかと思います。
そのめぐが他の曲より、より力を込めて歌い、その歌声はいつも以上にファンキーに聴こえます。
しかし、このアルバムが発売されて間もなく、村上愛は℃-uteを去ります。
CDではあまりに村上愛色が強くなって、そのイメージが消えないためか、コンサートやイベントでこの曲が歌われる機会は少なく、やはり村上愛色が強い「即 抱きしめて」があまり歌われない事とあわせ、めぐのイメージの強い曲は歌いにくいのだろうと私は解釈していました。
これは別に、めぐパートの後釜を務めるメンバーが物足りないという事ではなく、曲そのものが持つ「めぐっぽさ」が今の℃-uteのイメージとは若干ズレがある。或いは、敢えてキャラとしてのめぐの後釜を作らず来た℃-uteに、めぐの面影を見出す曲への違和感と言いましょうか。
しかし、いつまでも過去に引きずられていてはいけない。そうマイマイが言っているかの如く、今回のコンサートツアーで「めぐっぽさ」全開のこの曲を歌ってきた。
選曲がマイマイによるものなのか、スタッフが決めたのか、どちらなのかはわかりません。でも、ストーリー的にはマイマイが決めた事にした方がドラマを感じるので、そうしておきます。
マイマイは、めぐのダンスをリスペクトしていたそうです。おそらく、めぐが去っていく事をとても悲しんだ事でしょう。その時の想いを胸に、今ここに自分が新たなステージを作る。新たな「ENDRESS LOVE」のカタチを作る。そんな意気込みをステージから感じました。
そんなのは妄想かもしれませんが、ツアーに向けて髪を切って、かつてのめぐのような長さにしてきたマイマイの気合いの入った姿を見たら、それは妄想ではないと言いたくなってくるのです。
今回の℃-uteのツアーのテーマの一つが、「新生℃-uteを見せる」事。敢えて昔の曲、それも今は在籍していないメンバーが活躍している曲を見せる事は、決して後ろ向きな事ではありません。昔の℃-uteをリスペクトしつつ、前に向かって歩いていくための大事な試み。そう思っています。
「ENDLESS LOVE~I Love You More~」 作詞・作曲/つんく♂ 編曲/大久保薫
2006.10.25発売 (アルバム「キューティークイーンVol.1」収録)