Nonsection Radical

撮影と本の空間

政財官の教科書

2013年10月13日 | Weblog
一部で話題になっている「原発ホワイトアウト」若杉冽著 講談社 を読み終える。
帯の文句でいえば「現役キャリア官僚のリアル告発ノベル」という事だ。
読んでの感想は、小説としては二流、政財界の教科書としては面白い、というもの。
小説としては、背景説明が長過ぎ、ラストへの展開が単純すぎる。
後で、作者のインタビューなど読んで見たが、盛り込みたい問題点を盛り込むのに工夫がなさ過ぎたように感じる。
また、いくつかの読書感想を読んだけど、”小説”にドキュメンタリーとして事実を求める事に意味がなく、同様に”小説”にドキュメンタリーとして事実の間違い探しをしても意味がないのではと思ったのは、ほぼこの二つの流れでこの本を読んで感想を述べている人が多いからだ。
小説なのに事実だと思うのも、荒唐無稽な話だと切り捨てるのも、小説を読む楽しさから少し距離があるように思う。
むしろ小説から何かを得ようと思うのなら、個別の記載にではなく、大枠としての流れを作者の意図とともにとらえ、実際の社会と照らし合わせてみることが必要なのではないのかな。
そういう点で、他の”企業小説”と同様に、企業、団体、組織の成り立ちとしての教科書の役割りにはなるのでないか。
”企業小説”を話として面白く感じるのは、身の回りに照らし合わせて「あるある感」が大きければ大きいほど現実味が増すからで、そういう点では面白かった。
面白かったと同時に、ツマラナイ人間ばかりが登場するのがツマラナイなぁとも感じたけど。
ま、世の中はこういう風になってんだと垣間みる話でした。
冷めてるかなぁ。




西新道錦会商店街 3
京都府京都市中京区壬生下溝町,壬生森前町
撮影 2013年8月3日 土曜日 14時25分


沼津あげつち商店街
静岡県沼津市通横町,上土町
撮影 2013年8月10日 土曜日 16時15分
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