3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

安倍首相の「積極的平和主義」は平和学の積極的平和(Positive Peace)の盗用でしかも誤用という状況

2015-08-20 12:28:08 | 現代社会論
安倍政権が多用する「積極的平和主義」。実は平和学の世界では「積極的平和」とは、有名なコンセプトなのだそうである。
平和学でいう「積極的平和」とは、貧困、抑圧、差別などの「構造的暴力」がない状態のことをいい、決して「テロとの戦い」に勝利して、脅威を取り除くようなことではないとのこと。

この「積極的平和」を提唱したのは、平和学の第一人者で世界的に「平和学の父」と知られるヨハン・ガルトゥング博士。世界中の大学で平和学を教えて来られ、これまでに世界100ヶ所以上の紛争調停をしてきた実践者。

で、今来日している。ガルトゥング博士は、安倍総理が掲げている「積極的平和主義」についての感想を求められ、次のように語ったとか。
「私が1958年に考えだした「積極的平和(ポジティブピース)」の盗用で、本来の意味とは真逆だ。」とのこと。

これはやばいのではないか。

8月15日の70年談話でも最後のところに「積極的平和主義」を掲げている。
で、この英文訳は、確か“Proactive Contribution to Peace"だった。

貧困、抑圧、差別などの「構造的暴力」をなくしていく努力が「積極的平和主義」であり、違憲の安保関連法を無理やり通して、軍事的拡大を図ろうというのは違うのである。
安倍の積極的平和主義はProactive Contribution to War である。

「平和」を作ろうとして「戦争」するなんて、本末転倒だよね。

平和を作る戦争なんてありえない。
戦争は戦争だ、その戦争を抑止するために何ができるか、その根源にあり暴力を生み出す貧困や抑圧、差別をなくそうというのが積極的な平和主義というもの。

一国の総理たるもの、もっと勉強しなければ恥ずかしいですよ。

で、これからは、安倍首相は「積極的平和主義」を使えなくなってしまったということ。
五輪エンブレムどころでなく、首相までも盗用疑惑だなんて、恥ずかしくって、国際社会のなかで穴があったら入りたい日本国民なのである。



ヨハン・ガルトゥング博士がYou Tubeの中で語っています。
日本の方に期待しています。
憲法9条は譲らない。憲法9条が当たり前の世の中にしよう。
とても力強いメッセージ。

ヨハン・ガルトゥング博士関連の情報は、次のサイトをご覧ください。
https://motion-gallery.net/projects/galtung

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