3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

アメリカもイギリスも左傾化するのだろうか

2016-02-16 16:39:29 | 現代社会論
ニューハンプシャー州の民主党予備選挙でバーニー・サンダース上院議員がヒラリー・クリントン前国務長官に勝利した。
サンダース氏は筋金入りの社会民主主義的立場の政治家である。
アメリカは多くの国民が貧困化し、中間層が衰退、一部の富裕層と多くの貧しい人々という構図になりつつある。とくれば、多くの貧しい人々が望む社会制度を実現してくれそうな人が人気を博することは当たり前である。

イギリスも左傾化している。
イギリス労働党の党首はジェレミー・コービン。
こちらも社会民主主義的立場の政治家。

経済的には資本主義体制をとりながらも、社会政策は社会主義的な仕組みを導入するというもの。

英国病ともいわれ、かつて、サッチャーが標的にして社会保障を削減したが、あまりそれをやると弱者切り捨てとなり、弱者の親の子どもは貧困化し、こりゃまずいということになる。で、みんな、もっと充実した社会保障をと望むこととなるのである。

それで、華やかなヒラリークリントンより地味で弱者の味方のサンダースに票が集まる。
イギリス労働党も同じ構造なのではないかと思う。

貧しい人々が裕福な世襲の政治家集団なんかに政治を任せているとろくなことにならないと覚醒すれば、政治の左傾化は当たり前だろう。

みんなが政治に無関心で無知蒙昧、投票にもいかなければ、一億総白痴化し、そいういう社会では富裕層で親の七光りのお坊ちゃんみたいのがいつのまにか議員になり、偉そうに金持ち優遇政策をどんどん推し進めていくだろう。それじゃだめだ。

みんながおかしいから変えようと思って、政治に関心をもち、勉強して、自分の一票を大切にすれば、必ず世の中変わるんじゃないかと思える。
日本にもサンダースやコービンみたいな政治家がいるはずだし、若い層からそういう政治家が出れば楽しいのにね。

政治がスリリングだった時代もあったのに、いつの間にか日本の政治家は親の七光りの金持ちのバカボンみたいなのばかりになってしまって本当に情けない。

女性議員だからって簡単に信じられない。
大臣になりたいために時の権力にすり寄って、思想信条なんてないのばっかりで困ってしまうのである。

先進国は図らずも左翼が元気になっている。
これはスリリングな政治の始まりを予感させるものかもしれない。


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毎日新聞の「女の気持ち」欄から 医学部の教育を見直しすべき

2016-02-16 14:28:03 | 現代社会論
 2016.2.16の毎日新聞の女の気持ち

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どうしても忘れられない言葉がある。 3年前に92歳で亡くなった母の、担当医の言葉である。

2012年10月、母は「胆管がんの疑いがある」と言われ、さらに「高齢のため、精密検査はできない」と言われた。

医師は明らかに高齢の患者への医療処置はしたくない、というふうだった。
やっかいな患者は早く退院させたいふうでもあった。
この若い医師には、年寄りの命はそれほど重いものとは思えなかったのであろう。

あるいは、もっと若い患者に情熱を注ぎたかったのかもしれない。

人間には寿命がある。 だから家族は延命治療を望まない。

望むのはただ、苦しみやけだるさを軽減してあげたい、それだけである。

医師が病室に入って来た時、家族は、このけだるさについて尋ねた。

すると医師は、いきなり言った。

「この人はいつ死んでもおかしくないのです」

医師の目の前には、患者である母が、ベッドに横になっていたのに。

高齢の患者には人間としての尊厳は無用である、と言わんばかりの口調であった。

母はこの医師にとってはもはや人間ではなかった。

このような医師がこれからますます増えるのか。

背筋が寒くなってきた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

世の中にはひどい医者がいるもんだ。
こんな医者にあたったらいやだ。
90近くになってがんがみつかることはよくある。
だれでも長生きすればがんになるってことである。

手術をするかどうか、しなくてもいいかもしれないけれど、結果は同じでも伝え方というのがあるはずである。
医者の言葉の一つ一つを患者は一言ももらさないように集中して聞いている。
本人も家族もである。
だから、医者は細心の注意をはらわなければならない。
その人が最後のときまで希望を持ちながら良い時間を過ごすことができるように考えてあげるべきなのである。

医者にとっては、90歳近い患者、たしかにいつ死んでもおかしくないかもしれないが、そんなことをいう神経はどうなんだ。

若い医師にとって90歳の患者より優先したい患者がほかにいたのかもしれないが、90歳だって生きたいと思っているのである。
そういう配慮が必要である。

無駄な延命処置はいらないかもしれない。
しかし、その人の寿命を全うするためにできることはいくらでもあるのである。
痛みをコントロールして最後まで普通の生活ができることが医療のゴールであるばずである。

医学部は何を教えているのだろうか。
高齢期の医療のありかた、終末医療の在り方についてもっと成熟した思考ができるようにするべきである。
若くても高齢者の気持ち、高齢期に至ったときの気持ちがわかることが必要なのである。
想像力の欠如としかいいようがない。




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