3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

3.11を超えて:フクシマの廃炉をどうするのか

2014-03-10 11:31:48 | 福島原子力発電所事故
反原発:大規模なデモ、国会周辺で 坂本龍一さんも参加
毎日新聞 2014年03月09日 

 福島を忘れるな、再稼働を許すな−−。東京電力福島第1原発事故から3年を迎えるのを前に、国会議事堂周辺で9日、大規模な反原発デモがあり、大勢の市民が原発事故を風化させまいと声を張り上げた。

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筆者は基本的に原発は反対である。
しかし、反対を唱えるだけでよいのか?と反原発デモに対しては懐疑的である。
風化させまいと・・、とあるが、そんなのんきなことでよいのか、と思う。

風化?とんでもない。もっとリアルな世界がある。
一番やらなければならないのは、廃炉、除染である。

再稼働や原子力協定も重要だが、なんといっても廃炉、除染への対応が実は大変なのである。
反対とデモっても、廃炉作業は進まないし、やらなければならない除染は膨大にあり、汚染水は流れ続ける危険性もある。

同じ毎日新聞の社説では、「福島原発の廃炉 国が先頭に立ち道開け」として、次のように述べている。

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廃炉には30〜40年かかるとされる。世界に前例のない過酷な作業である。しかし放射能の脅威を取り去り、国民の安全を守るためには失敗は許されない。東電1社の手には負えないのだ。安倍晋三首相の約束通り「国が前面に出て」責任を分担し、廃炉への道を切り開くべきだ。

汚染水漏れ解消を急げ 現場では毎日、東電社員や協力会社、下請け企業の従業員ら合わせて4000人以上が廃炉に向けた作業に当たっている。

 水素爆発で天井が吹き飛び、ひしゃげた鉄骨がむき出しになっていた3号機は上層部がきれいに整理された。4号機では昨秋に始まった使用済み燃料プールからの燃料取り出しが進む。廃炉への歩みは少しずつ進んでいる。

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そうなのだ。原発反対を唱えたところで、それはそれで重要かもしれないが、そうしているうちにも廃炉作業は少しずつ進んでいる。
むしろ、そこで働く人の放射線量の管理や技術者の確保のほうがずっと大変である。本当に反原発を言うなら、この問題を直視し、具体的に政府がどのような対策をすべきなのか、鋭く指摘するべきであろう。現場労働者の確保や技術者の確保がままならないのだから。

どうして原発反対を言う人はこういうところには目を向けないのだろうか。
向けているのかもしれないが、少なくともそういう姿勢は見えない。
これが、30年近くやってきたこの運動の問題点であり限界点である。

3.11以後は、これから起きるかもしれない原発事故ではなく、すでにおきてしまた原発事故への対応がもっとも重要課題になっているのだ。

コメント
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