虚弱化した親を子が介護するということ

親の介護は子がしてあたり前とは思わないが、大切に育ててもらったお礼はいつかしたいと思っているから、親が虚弱化した時がその時なのかもしれないと思う。

娘だからといって両親の介護をする義務はないが息子も娘も、それまで陰に陽に応援してもらった親の最後がみじめなものになるようでは気が気でない。
介護サービスなどを上手に利用して子どもの生活が破綻しない程度にやれればそれが一番だと思う。
遠くにいて、忙しくてなかなか思うように親のところに行けないこともあるだろうが、そんなことは親はよく知っているので、無理強いはしないと思う。
親はいつだって、自分を犠牲にしても、子がなんとか仕事や家庭生活がうまくいくように願っているものであるから。

それとなく、近くにいて最後の時を共有できればそれでよいのだ。

医療や看護や福祉のサービスはそんな本人と家族の思いを引き受けながら療養生活を支えてあげればそれでよいのではないだろうか。
もう、高齢期になって、社会復帰しようとはだれも思っていない。いかに安らかにその時を迎えるかが問題なのだから。

母を看取って11：遺品

母を看取って、その後、それまで滞っていた仕事をこなしていたら12月も末になってしまった。
母の遺品を整理しに行った。

部屋に入ると、母に買ってあげた襟巻や帽子、ブラウスなどまだ、昨日まで着ていたようにかけてある。
母はおしゃれだったから、気に入ったものしか着なかった。
プレゼントするときも、ずっと長く使ってほしいと思うものを贈った。
どうせ先がないのだからといって、すぐ使わなくなってしまうものより、価値のあるものをあげようと思って贈った。
それは、もっともっと長く生きてほしいと思っている子どもの気持ちをつたえたかったから。
それに、来年はもう使わなかもしれないと言って冬物をあげないのはあまりにもさびしい。
来年は着ないかもしれないけれど、きっと着るよねという願いを込めて、贈り物をする。
それが伝わって母はとても喜んでいたように思う。来年に希望をつなげていたと思う。

母が入院するときもっていったハンドバックを開けてみると自分の小さいころの写真や子どもの写真などが入っていた。
ずいぶん前、そう、40年も前に軽井沢に行ったときお土産にあげた小さなブックカバーがはいっていて、子どもにもらってすごくうれしかったことが記されていた。
母は20年前に自分の母を看取った。弱くなった実母の病院通いに付き添っていた。その時の日記帳のようなものがあり、そこには、何月何日、母を病院につれていって、帰りに天ぷらを食べたことなどが克明に記されていた。自分の母の先が長くないことを知って、いっしょにいる時間を大切にしていたのだろう。

自分の母親を看取り、その20年後には自らの死期が訪れる。それが人生なのだろう。

人は自分の親を看取り、遠くない将来自分にもこのように最後の時がくるということを知る。

去年の今頃、来年はいないかもしれないとおもいつつ、生きていてほしいと思って、暖かい毛皮の襟巻を贈った。
今年はそれは遺品になってしまった。
母がこの間まで使っていた毛皮の襟巻を巻いて帰途についた。
母のにおいがする襟巻。
奮発してちょっと高いものを買ってあげた。
今日は私の首に巻いてある。

母の洋服は体型が近いので、私にも着られることが驚きである。
手の長さもほぼ同じ。
ということで、母のスーツを着てみたら、なんだか母がいるような気持ちになり、不思議である。
母の好きな色柄のスーツ。
母をしのびしばらく着てみようと思う。

次期都知事は誰がいいか：語学堪能で上品な知の人をお願いしたい 2

都知事は語学ができて当たり前だと思っている。
パリ市長、ＮＹ市長、ロンドン市長、そして東京都知事、先進国の首都の首長である。
アジアの国だって、北京、ソウル・・・結構みな英語しゃべっている。
他の市長と並べてみて、あまりに見劣りするようではかっこ悪い。
見かけもさることながら、ウイットに富んだ会話などができること、そして英語力が要求されると思うのである。

オリンピック招致でもやはり英語プレゼン力が問われた。
これからはそういう時代に入っていくだろう。
いつまでも島国根性で、英語もできず、海外に行っても通訳が必要だなんて、みっともない。
国会議員だけでなく、都知事ぐらいももうそのくらいのレベルの人がなっていいのではないかと思うのである。

果たして、そういう人がいるかどうかはわからないけどね。