Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

不条理

2013-10-30 | Weblog
杉並区の駅前自転車駐輪場。十年近く前に年間登録の値段が数倍に膨れ上がり、一日百円で置かせるほう重視にシフトしたわけだが、金を払って領収書をもらう一手間が煩わしい。
急いでいるときは尚更で、昨日は雨になって急に電車移動に切り替え、駅まで行ったら、本来なら間に合っていたはずの時刻だったが、料金支払いに費やした時間が災いしたため、目の前で電車のドアが締まり、乗換えの接続悪さもあって結局目的地に到着まで二十分以上のロスになる。まったく無駄なことだ。
この日は新聞取材。午後は稽古を中断して来年六月開催の劇作家大会の打ち合わせに三時間。慌ただしかった。

自民党の小池百合子元防衛相は衆院国家安全保障特別委員会で、首相の一日の行動を報じる日録記事について「『知る権利』を越えているのではないか」とし、報道機関に見直しを求めた。菅官房長官はその後、「新聞各社が取材して公になる首相の行動だ。重要情報の場合もあり得るが、特定秘密の要件には当たらない」として、首相情報制限の必要性を否定した。
茶番だ。現在新聞に載っている程度の総理大臣の消息が、国家をおびやかす機密に繋がるはずがない。
これは「特定秘密」が存在するという虚偽の宣伝のための出来レースであろう。
そもそも小池や菅にそれを定める強制力など存在しない。
決める権利があるのは国民だけである。
マスコミもこんな情報の垂れ流しはよくない。徹底的に反発すべきだ。

AP通信によれば、ソマリア南部で28日、アルカイダ系イスラム武装勢力「シャバブ」の幹部らを乗せた車が空爆を受け、2人以上が死亡。グルド内相の発表では、死亡したのは自爆攻撃に関与した疑いで追跡されていた爆発物製造の専門家だった幹部。無人機による攻撃だったという。
アメリカ政府も「米軍の無人機による攻撃」と認めている。
ロボット無人機に殺されるのは御免だ。
最近、無人戦闘機の操縦士たちが精神的に追い詰められてPTSDが深刻だというニュースもある。

経済産業省は、東電福1原発事故に伴う除染費用について、東電の支払い義務をこれまでの実施分約4700億円に限定し、今後実施される除染や中間貯蔵施設の費用は免除する案を検討しているという。
おいおい、東電は今期二千億近い黒字だったというぞ。これだけの事故を起こしておいて、原発を稼動しないとコストがかかりすぎるとか、経営再建へ向け負担軽減が必要とか喧伝しておきながら、けっきょく原発を使わなくて収益を上げているのだ。末端の孫請け以下の従業者は過酷で信じがたい薄給に苦しんでいるというのに、社員の給料が極端に下がったとも聞かない。
「東電のために国民の税金を出してあげよう」というのだ。正気で言っているのか。
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「さとり世代」に異議あり

2013-10-29 | Weblog
安倍首相は陸上自衛隊朝霞訓練場で開かれた観閲式で訓示。北朝鮮のロケット問題、尖閣諸島をめぐる中国との緊迫など「厳しさを増す安全保障環境」に触れた上で、以下のように述べたという。

「平素は訓練さえしていれば良いとか、防衛力はその存在だけで抑止力になるという従来の発想は完全に捨て去ってもらわねばならない」
「『力による現状変更は許さない』との我が国の確固たる国家意思を示す」
つまり、戦闘に出かけることで、存在を示せと言っているわけだ。

「相互依存を深める世界において、もはや我が国のみでは自らの平和を守ることはできない」
というのは、明らかにアメリカとの一心同体の態勢のことを言っている。
「日本は世界の平和と安定のためこれまで以上に積極的に貢献していかねばならない。『積極的平和主義』こそが我が国の21世紀の看板だ」
平和のための貢献がどこかで戦争をすることだという盲信を、もはや隠してもいない。

       ……………………

「いまどきの若者」なんて言い方はしたくないが、「バブル世代」「ゆとり世代」の後の若いジェネレーションに与えられた名称は、「さとり世代」だそうだ。紹介記事によると「盗んだバイクで走り出さない若者たち」というフレーズが気が利いてはいる。
残念ながら、それは、少しわかるような気がする。
とはいえ、新しい世代は確実に世の中を、大人たちの言動と結果を見て、選択の上でそう考えているわけで、だとすれば私たちの責任である。
正直な感想を言えば、安倍首相の言葉と振る舞いはまさに、「中身がないのに何かをさとったようなもの」だからだ。

じつは、私があらゆる妖怪の中で一番愛するのは、「さとりの化けもの」である。端的に言えば、相手の考えていることをすべて言い当てて潰すという、あいつである。その場合の「さとり」の持つ「積極的対面式認識返還」という構造は、存在の真実に迫るが故におそろしく、美しく、素晴らしいものである。その場合の「さとり」とは、高度な「気づき」であり、「真実の会得」である。

残念ながら「さとり世代」の「さとり」は、「迎合」「諦め」「見透かし」「厚顔」であって、我が愛する「さとりの化けもの」の実質とは真逆である。「さとり」というコトバの本来の意味のパロディであるに過ぎない。それでは「さとり」が泣く。

それはそれとして、「さとりの化けもの」に、安倍首相に対面していただき、首相ご本人が自らの姿と有り様を正確に認識してしまい、恥ずかしさのあまり消滅する、ということが可能かどうか。
で、こんな戯言を記しても「テロ計画」と扱われる日が、本当に来るのだろうか。

http://www.asahi.com/articles/TKY201310280096.html
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深夜、沈黙の身体

2013-10-28 | Weblog
深夜(日本ではだが)、ルー・リード氏の訃報。
私たちの『屋根裏』ニューヨーク公演を観に来てくださった。ありがたいことだった。
8年前。あのツアーではニューヨークのいろんな人たちが来てくれた。それが幾つかのことに繋がった。
次にもっとびっくりさせるものをニューヨークに持って行きたいと思っている。なかなか果たせないその夢の一部が、ほんとうに叶わぬまま終わってしまった。
音楽の専門家でもないし、私の英語力ではその真髄に触れているとは思われぬが、あきらかに、言葉を大事にするミュージシャン。
そして、どうやら「声」というものは正直で、自分の身体が共鳴機関・楽器であることを知っているかどうかなのだ。それを深める才能のありかたは、おそろしく正直にその表現に反映する。
奥さんであるローリー・アンダーソンの上海の某大学でのワークショップに十五年前に顔を出したことを、唐突に思い出した。彼女も声にこだわっていた。

声。
発しているようで、自分にも響いているもの。

深夜、数時間にわたって沈黙の中で作業をしている時、私は声をまったく発しないでその時の経過の中にいる。そういう身体と、当たり前のように「喋っている」状況を抱えている時間とは、身体、その構造が、違う。
引き算、というのでもない。
言葉を紡ぎ出す作業と、時として選ばれたその沈黙の身体のありよう、その交錯に、思いを馳せる。
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世の中と自分の場所と

2013-10-27 | Weblog
やることが多すぎて、たまらない。
台風も地震も、ほんとうに勘弁してほしい。
新聞の社会面に出てくるような話題にも、あまり触れたくない気持ちだ。

一国の政府のすることに対して、こんなに嫌な気持ちになったことはないということだけは、多くの人たちが共感してくれるだろう。
新聞社の幾つかがようやく社説で特定秘密保護法案を批判しているようだが、遅すぎはしないだろうか。
言論の自由に関わることなので今後も毎日でも紙面を割いてほしい。
諦めてはいけない。これからだ。

『ここには映画館があった』は、「映画のある風景」について、途中までは、ただただ楽しく描いている。もちろん、まあ、そりゃ、そう思っていたら、あらあら、こうなったのか、という展開は、用意しているのだが。
そして、今回のゲストである、円城寺あや・重田千穂子・岡本舞の御三方にお願いしていることが、いったい何なのか……、早くお知らせしたいとも思っている。
でもそれは、御覧になってのお楽しみかな。やはり。

http://rinkogun.com/index.html
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人を殺すのが嫌なら

2013-10-26 | Weblog
国民が実態を知ることのない秘密保護法が閣議決定。

この国は、目的も意味もわからぬまま望まぬ戦争を遂行する方向に向かっている。
当初、「原発は秘密保護法の対象ではない」と政府は繰り返していた。しかし法案別表にある「テロ関連情報」について「核物質防護は対象になるのでは」との共産党議員の質問に、内閣府の担当者は「対象になります」と応じる。
原発情報も「特定秘密」なら、正当な解決を求め情報入手を求める行動も、厳罰に処される。
国会で「マインド・チェンジ」と繰り返す安倍首相。「気の持ちよう」ってことか?
「TPP断固反対、聖域は守る」と言ってきた党が選挙終わったらまったく逆様だ。
首相は一般論に終始し逃げようとしている。嘘も方便というが、嘘しかない。

報道によれば、防衛省は陸海空3自衛隊3万4千人が参加する実動演習を11月に実施予定。沖大東島で事実上の離島奪還訓練を行うという。敵対勢力に上陸を許して制圧された島に上陸して武力で奪い返す内容だという。尖閣諸島を想定しているらしいが、与那国、石垣、宮古など有人島も対象にしているのだそうだ。
自衛隊によると、南西諸島の地形上の特性から、敵の攻撃を受けた場合、島の確保が難しい。そのため、「沖縄戦をはじめ太平洋戦争で離島防衛に失敗した日本軍の事例や欧米の作戦」を分析した結果、「いったん敵に島を占領させた後、増援部隊が逆上陸して敵を撃破する戦い方」が採用されたそうだ。
敵は上陸に際して相当の火力を使うと想定している。ある自衛隊幹部は「住民混在の国土防衛戦」と明言。離島奪還訓練に住民の避難誘導が含まれていない。自衛隊には住民を守るという発想がない。沖縄が再び戦場になることが想定されている。68年前の沖縄戦での、爆撃、地上戦の記憶は、そんなに遠いのか。
我々は知らぬ間に窮地に陥っている。
人が死ぬのである。我々が殺すのである。既に殺しているのかもしれない。それでも平気な顔をしてきた。ただもう言い逃れはできない。

そのうち「本当のこと」か何なのか認識できない世の中になる。
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ほんとうのことが知りたい

2013-10-24 | Weblog
米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移問題設が焦点となる、沖縄県名護市長選。いよいよ投票は来年1月に迫った。
なかなか候補者を出せなかった辺野古基地容認派閥は、川上副知事の擁立断念を受け、結局、末松文信県議でまとまったようだ。寸前の沖縄タイムスの島袋前市長出馬という「誤報」が決定を急がせたか、と勘ぐる。どっちが出るのかと思ったが、保守系統一候補としては、もともと基地受け入れの保守市政の実務を仕切っていた末松氏が「適任」ということになるらしい。

特定秘密保護法案を担当する森雅子少子化相は、沖縄返還の密約を報じて記者が逮捕された「西山事件」に類似する取材活動は、処罰対象になると明言。「取材が不当でなければ正当業務として罰しない」という政府見解に対して、「不当とは西山事件に匹敵する行為だ」とした。
沖縄に関する「日米密約」を暴いたジャーナリストの行為は、不当なのか。「職員に漏洩を働き掛けること」と、「密約を示唆する極秘電文を隠蔽すること」と、どちらが正しいのか。どの部分が「不当」にあたるのか。きっちり説明できるのだろうか。政府が国民に無断で密約を結ぶことの「罪」は誰にも問えず、「政府にとって都合の悪い情報を暴けばその者だけ処罰される」ことになる。それでいいのか。
特定秘密の指定事項は、(1)防衛(2)外交(3)特定有害活動の防止(4)テロリズムの防止。何が「特定秘密」に当たるのかは、国民の目に触れない密室で政府が決めるという。「安全保障上支障がある」というが、その根拠は国民には知らされることはない。
国民の知る権利や取材の自由に「配慮」というが、何をどれだけ「配慮」するのか。「安全保障」に関わると理屈を付けたら、どんな情報も秘密として封印されかねない。「特定秘密」の指定は行政機関の「長」が担うとされており、政権や官僚にとって都合の悪い事実を、いくらでも隠蔽することができる。
最高十年の懲役を課される可能性のある公務員たちは、あらゆる情報を閉ざすだろう。国会議員も最高五年の処罰対象。そもそも特定秘密を知った議員は国会で追及できない。まるで「とんち」だ。
用意されるという「有識者会議」など、形だけだ。ナンセンス。アメリカのような機密解除の仕組みもない、真っ黒な情報統制。
「テロ」は、殺傷や破壊活動のほかに、「政治上その他の主義主張に基づき、国家もしくは他人にこれを強要」する活動も含まれると解される。都合の悪い市民活動を、例えば反戦・反原発運動をも「テロ」と決めつけかねない。
9万480件の意見が寄せられたパブリックコメントでは、反対が77%、賛成は13%だった。それを無視するつもりか。意見を持つ者の八割近くが反対しても通るのか。
25日に閣議決定、今国会での成立を目指すという。許してはならない。

汚染水漏れが続く東電福1原発の観測用井戸で、17日に採取した水の放射性物質の値が前日採取分に比べ約6500倍に急上昇。約300トンの高濃度汚染水漏れが判明したエリア。汚染水がどこに流れたかは、はっきりしていない。法的に許容される排出基準を数千倍上回る、危険性の高い放射性物質のストロンチウム90が含まれている可能性があるという。
さらに24日、福1原発港湾外の外洋につながっている排水溝から23日に採取した水で、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質が最大で1リットル当たり14万ベクレルが検出された。外洋まで直線距離で約600メートル、排水路の長さで測ると約800メートルの地点で過去最高値を更新、前日比2.3倍に上昇。22日に採取した水にも前日の値と比べ11倍超に急上昇したという。もう「算数」での計算ができないほどの倍増の仕方である。
「汚染水」というから、イメージが、「何か汚れたもので薄まった水」ということになる。ではなく、いったん溜められたにせよ、「炉心を冷却した水が、そのまま出てきている」、そう考えた方がいい、と言う人がいる。まったくその通り。

そして東京電力はいよいよ、事故以来初めて、11月上旬から、福1原発4号機の使用済み核燃料プールに保管している1533体の燃料を取り出すという。被曝量や賃金の関係で、「素人とヤクザしかいない」と揶揄されている現場らしいが、そこにはさすがに専門家が確保されているのだろう。当初計画より1週間程度早めての開始。その理由がまったくよくわからない。
なぜ前倒しなのか。本当に準備は万全なのか。何か隠したいことでもあるのか。

ほんとうのことが知りたい。それが悪いか?
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筋の通らぬことばかり

2013-10-23 | Weblog
安倍首相は衆院予算委員会の発言などで、憲法改正の発議要件を緩和するための96条見直しについて先行改正にはこだわらない考えを示した。現行のまま憲法解釈変更で既成事実を作っていけると踏んだのだ。やはり96条改正提案は目眩ましだった。
首相はゴルフに例えて経済政策を語った。「ボールがバンカーに入ってしまった。グリーンの先に崖があると心配して、ずっとパターで打っていたら出せない。われわれはサンドウエッジでグリーンに乗せようとしている」という。崖から落ちることのリスクは何も背負う気はないのだ。そもそも例え方じたいが不真面目で軽薄だ。駄々っ子の強弁であり、何の論理性もない。

核兵器の非人道性と不使用について訴える共同声明が国連総会第一委員会で発表された。国連加盟百九十三カ国の約三分の二が加わり、日本も初めて参加した。「核兵器全廃」は、「原子力利用」全体への消極姿勢の広がりに繋がるものでありたい。
しかし衆院予算委員会で安倍首相らは「原発ゼロ」への政策転換は拒絶。首相は特定の地域で規制を緩和する「国家戦略特区」に関し、特区の地域や内容を決める「特区諮問会議」のメンバーに、もとの規制を担当する側の厚生労働相や農相ら、「抵抗大臣」となり得る大臣を外す意向を明らかにした。「意見を述べる機会は与えるが、意思決定には加えない方向で検討したい」という。

原発事故への対応については、衆院予算委員会の共産党笠井議員の質問で、本部長を務める首相の入った「対策本会議」が9月3日以降はまったく行われていないことがあらためて明らかになった。これだけの事故と不祥事が続いていたのにである。
安倍首相は放射線モニタリング結果が基準値を下回っているとして、海洋への影響を否定、「完全にブロックされている。考え方は変わっていない」とした。
ブロックって日本語だと、なんだろう。この文脈では「封鎖できている」ということのはずだ。しかも、完全に。しかし東電は福1原発の港湾外の海水で放射性セシウム137が1リットル当たり1・6ベクレル検出されたことを明らかにした。原発の沖合約1キロ地点。8月の調査開始以来、検出は2度目で最高値。汚染が港湾外の外洋に継続的に広がっている。
安倍首相は「海で薄まっているから大丈夫」と、ごまかせるつもりでいるが、9月の国際オリンピック委員会総会で「港湾内0・3平方キロの範囲内で完全にブロックされている」という誘致アピールが虚偽であったことは、もはや誰がどう見たって明らかだ。

報道によれば、06年7月に沖縄市で発生したタクシー強盗致傷事件で、実刑判決を受けた米海兵隊員2人が民事訴訟で支払いを命じられた損害賠償約2800万円を約5年にわたり支払っていなかった問題で、米政府から被害者の男性側に見舞金約200万円の支払い提示があり、合意したという。残額は1996年のSACO合意に基づき日本政府が負担する。「通常は約30%程度を米政府が支払う。今回の7%は極端に低い」と指摘されているが、そもそも他国の兵隊の不始末のフォローのために、なぜ被害者の国の政府が負担させられなければならないのだ。本当に聞いているだけで腹立たしい。

その沖縄では、来年1月19日投開票の名護市長選で、野党側候補として有力視されていた末松県議が不出馬を決め、島袋吉和前市長の出馬が濃厚になったという。この方が争点の明瞭になった選挙になるという。再選を目指す現職・稲嶺市長は、よりはっきりと、負けるわけにはいかないことになった。

公明党山口代表は予定通りのように、特定秘密保護法案の今国会成立に賛成する立場に回った。初期の反対姿勢は国民を欺く詐術だった。これもひどい話だ。
下手をすると今月中にも成立させられてしまうという声もある。諦めムードは払拭すべきだ。日本の歴史の、完全な汚点であり、これからこの悪法が多くの人々を苦しめることになる責任は、我々が背負わねばならない。絶対に認めてはならない。
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第19回 劇作家協会新人戯曲賞 最終候補作決定

2013-10-22 | Weblog
第19回 劇作家協会新人戯曲賞(主催=一般社団法人 日本劇作家協会 後援=公益財団法人 一ツ橋綜合財団)の最終候補作が決定しました。

第19回となる2013年度の応募総数は215本で、うち21本が一次審査を通過。さらに二次選考を経て選出された最終候補作は5本。

12月15日(日)18:30より座・高円寺で開催の公開審査会に於いて、今年度の新人戯曲賞受賞作が決定。
審査員等は近々に発表します。
ぜひご来場ください。

最終候補作は、以下の通り。(応募戯曲到着順)

『獏、降る』      服部 紘二 (東京都)
『ト音』        春陽 漁介 (東京都)
『クラッシュ・ワルツ』 刈馬 カオス (愛知県)
『東京アレルギー』   山田 百次 (神奈川県)
『血の家』       森 馨由 (長崎県)

一次・二次の選考委員と一次選考通過作は、以下を御覧ください。

http://www.jpwa.org/main/drama-award/prize
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「特定秘密保護法案」反対アピール

2013-10-21 | Weblog
一般社団法人日本劇作家協会は、「特定秘密保護法案」に対する、 一般社団法人日本ペンクラブ9月17日付意見書と、日本弁護士連合会 10月3日付会長声明に賛同を表明しました。
取りいそぎお伝えします。


一般社団法人日本ペンクラブ 意見書「特定秘密保護法案に反対する」(2013年9月17日付)
 http://www.japanpen.or.jp/statement/2013/post_442.html

日本弁護士連合会「特定秘密保護法案に反対する会長声明」(2013年10月3日付)
 http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2013/131003.html


……………………………………………………


一般社団法人日本ペンクラブ 意見書「特定秘密保護法案に反対する」

 現在の日本社会において総合的な秘密保護法制は要らないし、むしろ作るべきではない。これが、日本ペンクラブの結論である。私たちはすでに、2011年11月30日付声明「秘密保全に関する法制の整備についての意見」において、この立場を明確に表明してきた。
 今般、政府によって「特定秘密の保護に関する法律案」が公表され、ごく短期間のパブリックコメント期間を経て、この秋の臨時国会に提出されようとしている。この法律案は、2年前に「秘密保全法案」として提出されようとしたものと内容的にほぼ同一であり、日本ペンクラブはこの法律案に対し、従前からの反対の立場を維持する。
 以下は、その理由であって、同時に今回のパブリックコメントで提示された法制度への意見である。

1.「特定秘密」に指定できる情報の範囲が過度に広範である
 法律案は、(1)防衛、(2)外交、(3)外国の利益を図る目的の安全脅威活動の防止、(4)テロ活動防止の4分野に関し、「わが国の安全保障に著しく支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要である」情報を「特定秘密」に指定するとしている。
 しかし示された別表を見ても、対象とされる情報の範囲が明確でなく、過度に広範である。例えば原発の安全性に関わる問題は、原発に対するテロ活動防止の観点から「特定秘密」に指定される可能性がある。しかしそうした情報の漏洩(内部告発)や取得(取材活動)が処罰されることになれば、国民は政策選択における必須の重要情報を知る機会を失うこととなりかねない。

2. 市民の知る権利、取材・報道の自由が侵害される
 市民の知る権利が侵害されることは、同時に取材・報道を行う側の取材・報道の自由が侵害されることを意味する。法律案によれば、「特別秘密」を漏えいする行為だけでなく、それを探る行為も、「特定取得行為」として、処罰の対象とされる。一例を挙げれば、特定秘密を扱う取材対象者が、事後的に「記者に欺かれました」と証言しただけで、取材者は訴追リスクにさらされることになる。しかも定められる罰則は長期10年の懲役と重い。
 法律案は外務省沖縄密約事件(西山記者事件)を例に、「正当な取材行為は保護される」とするが、何が「正当な取材行為」であるかは裁判所の事後的判断によらざるを得ない。大幅に加重された罰則による威嚇効果のもと、検察(政府)による訴追リスクの増大は、取材者や内部告発者にとって多大な萎縮効果を及ぼし、取材・報道の自由を侵害するものである。

3. 行政情報の情報公開の流れに逆行する
 政府は立法の必要性の理由として、各国での秘密保護法の存在を挙げている。しかし各国での秘密保護法の存在は、行政情報に関する徹底的な情報公開制度の整備が前提となっている。行政情報の情報公開は民主主義の大前提であり、世界的な潮流である。日本では行政情報についての情報公開制度の整備は他国より大幅に立ち後れており、いまだ国民の知る権利の確立が十分ではない。
 そうしたなか、秘密保全法制を推進することは、世界的な行政情報の情報公開の流れに逆行するものである。

4.「適性評価制度」はプライバシー侵害である
 さらにこの法律案の問題としては、新しく導入されることになる「適性評価制度」への懸念を挙げざるを得ない。これは、情報を管理する人の側に注目して、人の監視を強化することによって情報漏洩を防ごうとするものである。調査項目は、住所や生年月日だけでなく、外国への渡航歴や、ローンなどの返済状況、精神疾患などでの通院歴等々多岐にわたり、またその対象も公務員や業務受託を受けた民間人本人に留まらず、その家族や友人、恋人にも及ぶ可能性がある。
 このような「適性評価制度」はプライバシー侵害の領域に踏み込むものであって、容認できない。

5. このような法律を新たに作る理由(立法事実)がない
職務に応じすべての公務員には、国家公務員法ほか、情報の漏洩を防ぐための法制度が完備されており、今日に至るまで制度不備が具体的に指摘された事実はない。あえて屋上屋を重ねる法律を作ることの必要性が見い出せないばかりか、不必要な法律はえてして悪用されるものである。
そもそも、国民主権原理や憲法上の人権に重大な影響を与えるおそれのある立法が是認されるためには、そのような立法を必要とする具体的な事情、すなわち立法事実の存在が必要不可欠である。 しかし、政府が立法事実として挙げる尖閣ビデオ事件については、非公知性や実質秘性について疑義が出され、真に守るべき秘密であるかどうか議論がある。警視庁公安情報流出事件は、漏洩元と見られる警視庁・警察庁がいまだに内部からの漏洩の事実を認めておらず、被害者への謝罪も行われていない。にもかかわらずこれを秘密保全法制の立法事実として挙げるのは二枚舌である。
 その他にも、過去10年程度の漏洩事例を見る限り、現行の公務員法等で規定する守秘義務で十分にカバーしうるものであって、新規に法律を必要とする理由付けはきわめて希薄であって説得力に欠ける。
 この法律案の検討の過程自体が非公開とされており、どのような必要性を前提に、どのような議論がなされ、このような重要な立法がなされようとしているのか、国民の側に知る手段が示されていない。そのこと自体が、この法律案の意図する将来社会の不健全な体質を物語っていると感じざるを得ない。                                  以上

2013年9月17日

一般社団法人日本ペンクラブ


……………………………………………………


特定秘密保護法案に反対する会長声明

政府は、9月26日、特定秘密保護法案(以下「本件法案」という。)の内容を明らかにした。この時期の公表は、秋の臨時国会への提出及び成立を目指したものである。

当連合会では、民主党政権下において情報公開法の改正と併せて秘密保護法制に関する検討が始められた当初から、秘密保護法制の立法化に対しては疑問を呈し、法案の国会提出に強く反対してきた。そして、同月3日から始まった特定秘密保護法案概要に関するパブリックコメントにも、同月12日に当連合会として法案概要の問題点を詳細に指摘した意見書を提出した。

本件法案には、手続面及び内容面において重大な問題がある。

本件法案の内容は、統治機構の在り方、国民主権及び国民の諸権利に重大な影響を与えるものであるにもかかわらず、政府は、この問題について国民に秘したまま7年以上にわたり水面下で検討しながら、ようやく1か月前に突如法案の概要を示し、更にまたパブリックコメントの期間を僅か2週間しか設けないという国民不在の手続を強行した。国民主権の否定につながるこのような手法は断じて許されるべきではない。

それにもかかわらず、パブリックコメントには、約9万件の意見が寄せられ、しかも、約8割が法案概要に反対するものであったとのことである。政府としては、パブリックコメントに寄せられた意見を分析し、法案の内容を再検討し、さらには法案の提出の断念をも検討すべきであった。ところが、パブリックコメント終了後わずか12日目に本件法案を公表した。寄せられた国民の意見を検討できるはずもなく、またこれを子細に検討し法案に反映させようとの姿勢は全く窺えない。

そして、本件法案の内容をみても、当連合会が指摘した問題点がそのまま残されている。すなわち、特定秘密の範囲が広範かつ不明確で、違法秘密や疑似秘密(政府当局者の自己保身のための秘密)の危険性もそのままであり、適性評価におけるプライバシー侵害の問題や、重罰化、共謀・独立教唆の処罰による取材活動の萎縮や知る権利の制約の問題も解消されていない。

また、行政機関の長が特定秘密情報を提供することができる要件について、国会の議院等(以下「国会等」という。)に対しては、行政機関の長の幅広い裁量権が規定されているのに対して、外国の政府や国際機関に提供する場合については、国会等への提供の場合よりも明らかに緩やかなものになっている。そのうえ、国会等に特定秘密を提供した場合に、議員がその情報を議員活動でどのように利用できるかについても不明確なままであり、これでは、国会が国権の最高機関であることを無視するものというほかない。全国民を代表する国会議員によって構成される国会が行政を監視するのではなく、逆に行政によって国会が支配されかねない構造となっており、わが憲法下の統治機構の在り方を根底から蝕むものである。

また、警察庁長官が、都道府県警察が保有する特定秘密の提供を求めることができるものとしている。これは、警察組織の更なる中央集権化を推し進める役割を果たし、戦後の警察組織の民主化を大きく後退させることにつながりかねない。

一方、法案の第20条に「報道の自由」に配慮する旨の規定が盛り込まれたが、「報道の自由」は判例上確立しているから、その文言を改めて規定する意味は特にないのであって、幅広い処罰規定を設け、過失犯まで処罰するという本件法案の重罰化がもたらす憲法の保障する自由権に対する深刻な萎縮効果は何ら拭えないのである。

このような法案は、今国会に提出されるべきではない。その前に、重要な公的情報を適正に保管するための公文書管理法の改正、及び国民の知る権利を充実させるための情報公開法の改正こそが行われるべきである。
 
2013年(平成25年)10月3日
 日本弁護士連合会
 会長 山岸 憲司
 
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就職活動失敗による自殺者の増加

2013-10-20 | Weblog
安倍首相が、福島県相馬市の松川浦漁港を訪れ、試験操業で水揚げされたシラスやタコなどを試食する姿がテレビで流れた。「日本全国のみなさんに安全だと知ってもらいたい」といっても、この人が食べてみせたからって「風評被害」がなくなるわけはない。こうしたニュースが、同じ日に東電福一原発から前日の六五〇〇倍の高濃度の放射能汚染が計測された事実を、台風による豪雨のせいだから仕方がないという言い訳とも併せ、少しでも軽く見せる、隠そうとする工作にも、使われている。

広島市は原爆資料館に展示している被爆者の姿を再現したプラスチック製の「被爆再現人形」を、2016年3月ごろ撤去するという。原爆の炎に追われ、皮膚が垂れ下がった両腕を前方に突き出し、がれきの中をさまよう姿。私が子どもの頃見たのは、おそらく先代のろう人形のほうだと思う。もちろん怖かったと思う。だが、より怖かったのは、イヤホンガイドのバックにかかっていた「展覧会の絵」のBGMだ。資料館の耐震改修工事に合わせたリニューアルで、展示資料を遺品や写真などの「実物」中心とする考えだというが、振り返ってみて、子どもの頃に衝撃を受けることが間違っているとは、まったく思わない。『はだしのゲン』同様、じっさいに体験しなくても、展示で戦争の悲惨さが伝わるというのは、いいことではないか。
それにしても事実を、少しでも軽く見せる、隠そうとする工作は、全国的な風潮なのか。

全労働者の三分の一を占める「若年者(15~34歳)」。厚生労働省による働く若年者の雇用実態調査によれば、自身の収入のみで生活している者より、自身の収入に加え、親の収入など他の収入に頼っている者のほうが多いことがわかったという。正社員の若年者のぎりぎり半数は、自身の収入のみで暮らしているが、パート・アルバイトや契約社員など正社員以外で働く若年者では、3割にとどまるという。厳しい雇用環境が続いている。
構造的には、高度成長・バブル、社会保障度の高かった時代の親たちの蓄えが、社会に回収されてゆく。日本が世界でも希な「貯金の多い国」という認識は、これから成り立たなくなっていくことだろう。

そして、就職活動に失敗して自殺する若者が増えており、昨年、その層の自殺者数は、六年前に比べ三倍近くに増加しているという。
就活者の97%が正社員を希望。一方で「定年まで勤める」としたのは20%で、約四割があらかじめ転職や独立を考えているというデータもある。日本の会社、労働のあり方が変わってきたことも反映しているだろう。将来についてアクティブに考える者なら、「生涯雇用」の縛りを解いて、自由と機会に恵まれた「能力のある者が力を発揮できる社会」でありたいと思ってきたはずだが、彼ら「若年者」が、いちど競争から弾き飛ばされたら這い上がれないのではないかと、極めて強い不安を抱いている現状を反映している。
都合の悪いことを隠し、責任を取らない。疑念ばかりが膨らみ偏狭さに満ちたこの世の中を見ていれば、夢も希望もないのは、確かだろう。
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吉田牧場のチーズ

2013-10-20 | Weblog
昨年、福武文化賞などの御縁もあって、吉田全作さんと知り合うことができた。
昨年末にも吉田牧場のチーズを贈ってくださり劇団の忘年会でいただいたのだが、オーストラリアとの仕事をされている吉田さんの友人のUさんが私たちにカウラのワインをくださる中継の便宜をはかってださり、そのタイミングでまた吉田牧場のチーズをいただくことになった。
劇団稽古場での最後の稽古の後(明日から広い稽古場に移る)、チーズとワインとをいただく会を開催することになった。私は稽古後に某誌の取材を受けていて遅れて参加したが、そのタイミングで、チーズ開封。
今回は皆でじっくり味わいながらいただいた。本当においしい。モツァレラとカマンベールはこれが本物の味だと感嘆。袋に入った姿が楽しいカチョカバロ(写真)は焼いてもみた。この食べ方は昔『屋根裏』パリ公演のさい市場で断面を焼いたラクレットをパンに付けて食べたとき以来だが、なかなか日本で味わえるものではない。白く柔らかくなめらかなチーズ造りが沖縄の「ゆし豆腐」作りと重なって見えるリコッタは、醤油をかけていただいたりもした。(こうしたチーズの名称の知識は最近付け焼き刃的に得たものである)
オーストラリアはワイン造りの盛んな国だが、Uさんからのワインは、カウラでできた桜の木がラベルに印刷されているもので(写真)、本当にかなりおいしいものであった。
チーズとワインというのは本当に合うものなのだと思う。大昔にジャン・ギャバンの出た『霧の波止場』という映画で、彼がナイフを使ってテーブルにじかに置いたチーズとワインの食事をするシーンが印象的だったが、フランス的には一種の「完全食」なのだろう。
吉田さんと吉田牧場がちょうど先週のNHK「プロフェッショナル」で取り上げられたタイミングでもあり、みんな興奮。豊かな時間を過ごすことができ、感謝。いろいろあって私は小一時間で引き揚げたが、皆、充実した時間を過ごせたはずである。
岡山に面白い人がいるのも嬉しく、最近になって故郷との御縁が増えて、本当にありがたいと思う。
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「情報」と「認識」

2013-10-19 | Weblog
安倍首相は衆院本会議で、東電福一原発事故の汚染水漏れ問題について、これまでの「完全にブロックされている」「状況はコントロールされている」を、「全体として状況はコントロールされている」と言い換えた。
「完全に」→「全体として」の変化はどういうことか。
「汚染水漏えいなど個々の事象は発生しているが、放射性物質の影響は港湾内の〇・三平方キロメートルにブロックされている。このため全体として状況はコントロールされていると考えている」というのは、「全体として」今までの発言内容と変わらず、「完全に」無内容であるにも関わらず、本人が少し自信がなくなったことを露呈したようだが。
こうした「のらくら」が許されている現状は奇異である。野党もマスコミも、首相の「完全にブロック」「状況はコントロールされている」発言について、とことん本気で糾弾することができないでいるということだ。
オリンピックに本気で反対している議員が山本太郎ただ一人であることにもびっくりだが……。

自民・公明・民主3党は、国内にある全ての病院にがん患者に関する情報提供を義務づける「がん登録推進法案」を今国会提出で大筋合意。治療成績や経過などを蓄積した「全国がん登録データベース」を作り、国内のがん対策を充実させる目的があるという。
がんと診断された患者について診断した病院に、患者の個人情報を届け出るよう義務づけたもので、病名を告知されない患者についてまで、「個人情報保護法の例外」と位置づけ、患者本人の同意は不要にする。がん情報は「追跡調査できるよう実名で登録する」が、政令で定める一定の期間を経過した後は匿名化するという。
「情報が悪用されないよう、個人情報の目的外利用を禁止し、情報開示請求も認めない」というが、信じられるはずがない。
患者自身が知らない本人の病状を、特定の機関が固有名詞付きの「情報」として、やすやすと手に入れることができるというのだ。
これをおかしいと考える報道が見あたらないことにも、かなり驚くのだが。

米議会は、連邦政府機関の閉鎖解除と国債発行を認める法案を可決。米国のデフォルト(債務不履行)は土壇場で回避された。更に議論は続くはずで、予断を許さない。
日本からの関心が今ひとつはっきりしないのは、どう波及してくるかを明快に解説する報道・論説が出ていないせいもあるだろう。
保険制度破壊が進む日本からしても、医療保険制度改革(オバマケア)の行方は気になる。

来年1月の沖縄県名護市長選に向け、米軍普天間飛行場の辺野古への移設を容認する名護市議会会派「礎之会」所属議員が、名護市区選出で過去に同市の企画部長や副市長を歴任してきた自民党・末松文信県議に出馬を要請。川上副知事の擁立断念を受けた動きで、「移設容認派」は末松氏擁立で一本化に向かう。
沖縄の自民党は「県外移設」を貫くことができるのか。などと言っても詮ないのだが。
移設反対の現職・稲嶺市長は既に5月に出馬を表明している。万が一の「知事の変節」の理由を作らないためにも、決して負けられない戦いである。
これからの情報戦の中で、マスコミには、「一本化」という「動き」だけが妙に何かの「進展」であるかのような報道にならないことを、切に望む。

以前から指摘されていたことではあるが、あらためて記事をまとめた琉球新報によれば、一部の大学教授などが「普天間飛行場は何もない原野に、米軍が適正な手続きを経て造った。その後、基地からの金を求めて、周りに住民が住み着いた。今になって反対する沖縄の人はおかしい」「(普天間は)マラリアのはやる森林・荒地だった」「基地利権に群がる住民」などと事実無根な言説を、授業やインターネット上で垂れ流しているという。ひどい虚言だが、信じ込む人がいるという。
普天間には、神山、宜野湾、新城など、人々の暮らす集落があり、米軍の空爆などで破壊された上で接収され、飛行場が作られたことは、誰もが知る厳然たる事実だが、なぜそんな虚偽を拡散しようとするのか。
下村文部科学相は、八重山採択地区協議会が答申した、保守色が強い育鵬社版の中学公民教科書と別の教科書を採択した竹富町教育委員会に対して、その決定が教科書無償措置法に違反しているとして、是正を要求するよう県教育委員会に指示したという。政府が地方自治法に基づいて教育行政に是正要求を発動するのは初めてだという。
ネット上でのデマも困ったものだが、教育・学究の場で、事実に反した、あるいは沖縄に暮らす人間が体感として「違う」と感じるものを押しつけられるということが、認められていいはずがない。

防忘録としても記しているこのブログだが、ほんとうにうんざりする出来事の連鎖だ。
あまりにもひどい状況の中で、情報の流通について、一種の麻痺の状況が蔓延していることが、あらためて気になる。
情報そのものだけでなく、「その情報は正当に扱われているか」も、見なくてはならないことになっている。
能う限りクリアに対象を認識しようとする意志を失ってはならないが、非常にやりにくい。
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『普天間』九州を巡る

2013-10-18 | Weblog
青年劇場の上演する拙作『普天間』は、9月13日からの北九州芸術劇場公演を皮切りに、今月いっぱい九州ツアー中。来月から12月までは関西、神奈川でも公演がある。
初演から二年余り、しかし普天間を取り巻く状況は、更に混沌としている。
何より、オスプレイが来てしまった。
とにかく、多くの方に観ていただけることを、ありがたいと思う。

私も九州のどこかでのぞきに行きたかったが、果たせずにいる。
「公演班だより」というものがあることを今日知ったのだが、その写真や報告文に触れる限り、みんな元気そうだし、チームワークもさらに充実しているようだ。
写真は完成したばかりの「『普天間』公演班Tシャツ」を着る、出演者の一人・大月ひろ美。シャツには劇中に登場する屋台カー「サンドイッチシャープ」のイラストが彩られている。

http://www.seinengekijo.co.jp/s/hutenma/tayori/hutenma-tayori.html

なぜかは秘密だが、今また普天間基地の過去のことなどをあらためて調べ始めている。向き合わなければならないことが多々ある。
越えなければならないハードルだらけだが、『普天間』という劇が今も上演の旅を続けていることに、励まされている。
公演班ご一行の無事とご健勝をお祈りしている。
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ブラックホールに投げ出されたような矛盾と虚しさ

2013-10-17 | Weblog
台風で、「外出は控えるようにしてください」と繰り返し放送されていた夜が明けた。
そしてさらに翌日。秋の空気。北海道は雪だと?

二十年前、駐インドネシア公使だった高須国連事務次長が、旧日本軍の慰安婦らの苦難を記録するインドネシア人作家の著作が発行されれば、両国関係に影響が出るとの懸念をインドネシア側に伝え、「発禁」を促していたという。ノーベル賞候補だった作家のプラムディア・アナンタ・トゥール氏が、ジャワ島から1400キロ離れた島に戦時中に多数の少女が慰安婦として連れて行かれたと知り、取材を重ねて数百ページにまとめた内容だと推定されている。本当だろうか。当時のスハルト独裁政権の言論弾圧に加担したのか。
こういう情報をどう取るか。少なくとも「個人の責任」にしようとする、何かの力を感じる。

今度の新作ではなんと「中学三年生」が登場する、というか中心の一部なのである。で、一学年違いの中学二年生の名前を冠した「中二病」という言葉があって、まあ、「子供じみていて空気が読めない」というくらいの意味だろうと思っていたが、いろいろ聞いてみると、もうちょっとニュアンスが微妙なようだ。「思春期」の意味も昔と違うかもしれないし、用途はもっと自虐的なようだ。

で、やはり今回の劇にちょっと関わってくるイタリアのマカロニ・ウエスタンで有名な俳優ジュリアーノ・ジェンマが今月1日、死去していたことがわかった。交通事故だという。

映画といえば、飛行機の中で観た『クロニクル』や『幸せのジンクス』といった映画は、日本国内では劇場公開されなかったが、最近公開されたり放映されたりしているようだ。いわゆる「青春映画」に人気がないのではないか。
いずれにせよ、ソフトが増えすぎてきている時代のようだ。

情報過多。なのに、十代、二十代では、いまや新聞読むヤツは8人に1人だという。

山形大学は、授業を3日連続で休んだ学生に電話をかけて欠席理由などを確認する取り組みを始めるという。一年生の生活習慣を整えさせるためで、欠席の理由が曖昧な場合には、悩みなどを聞いて、必要に応じてカウンセラーも紹介、親に連絡する場合もあるそうな。なんじゃそりゃ。
「過保護」というコトバももはや当てはまらない。異常だ。

安倍首相は「積極的平和主義」を謳う。「戦争したい」という宣言に「平和」という言葉を入れるな。

公明党が特定秘密保護法案の修正案に大筋合意しようとしている。「知る権利」「取材の自由」を明記、取材活動を「著しく違法・不当でない限り、正当な業務行為と位置づける」との趣旨の文言を盛り込むことで妥協の見込み。これで本当に「知る権利」が担保されるのか。
自民党石破幹事長は「国家の安全保障に重大な支障を与える情報まですべて国民が知る権利にあたるか、というとそうでもない」「知らしめたことで、国家の存立、国民の生命、財産、公の秩序が揺らいでしまうものに対しては、国家は国民に対して秘密は守る義務を負っている」。
「違法・不当」と判断するのは何者なのか。「国家は国民に対して秘密は守る義務を負っている」というのは、異常だ。国民が知ることもできなければ判断することもできないものについて、いったい誰がどんな「義務」を負っているというのだ。その「国家」とは、いったい誰のものなのだ。
NHK世論調査では、「特定秘密保護法案」の内容を「知っている」と答えた人は23%、「知らない」と答えた人は74%。国民は既に自ら「埒外」にいるのか。
ブラックホールに投げ出されたような矛盾と虚しさ。
政権は来週にも法案を閣議決定・国会提出する見通し。
今国会成立はなんとしても阻止しなければならない。

風営法によるダンス営業規制は、クラブ摘発どころか公共施設から社交ダンスサークルを締め出すような不気味な広がり。タンゴなどの男女ペアで踊るダンスは、「享楽的雰囲気が過度にわたる可能性がある」という、警察庁の見解。
その警察庁担当者によると「規制を法律から外すと、ダンス教室と称して『水着の女子高生と抱き合って踊れる』といった営業をされる可能性がある」そうだ。
だからダンスをするな? いったい何を考えているのだ。

夥しい「転倒」が、「論理」を破壊している。

守るべき自由と豊かさを見失って、どこに民主主義があるというのだ。

転々。
これだけ世の中がひっくり返っていると、小泉元首相が脱原発を訴えていることにも、何か裏があるとしか思われない。
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「知らせない」の主語は何か

2013-10-15 | Weblog
自民党幹部は「特定秘密保護法案」に明記するかどうかが話題になっている国民の「知る権利」について、「文言としては明記しない」と明言。公明党を味方に付けるための「譲歩」は不要と判断したようだ。党幹部は理由について「国家には『知らせない義務』もある」と説明した。
「国家には『知らせない義務』もある」というのは、ほんとうに、構造的に不成立な文言だ。不条理でさえある。機密を漏らした公務員らへの罰則強化まで盛り込んで「知らせない義務」を行使しなければならない内容とは、例えばどういうことか。「知らせない」の主語は何か。国民を納得させられる説明ができるならしていただきたいものだ。

昨日のNHK「プロフェッショナル」で取り上げられた吉田全作さんは、岡山で「チーズ農家」として知られている方だ。幸い観る機会があったので、私としては未知の世界に興味津々で、面白く拝見した。昨年『星の息子』を観てくださった。今年の12月も岡山でお目にかかれるといいが。
http://www.nhk.or.jp/professional/2013/1014/index.html
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