Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

そこには「守るべきものがいない」のか?

2014-02-28 | Weblog
石原伸晃環境相は衆院予算委員会第6分科会で、政府が目指す沖縄本島北部(東村、大宜味村、国頭村)を含む「奄美・琉球」の世界自然遺産の登録に名護市辺野古沿岸海域や大浦湾を追加する可能性について、「ユネスコのルールにのっとって、守るべきものがいないところを政治的な問題として後から加えることは環境省として考えていない」と述べたという。
辺野古沿岸海域や大浦湾には、環境省指定の「絶滅危惧種IA類」である天然記念物ジュゴンの生息が確認され続けているのだが?
ユネスコのルールでも重視されている 「絶滅のおそれのある種の生息地」が、「世界遺産」登録のリストに入っていないことじたいが問題だ。
仕組みが理解できていないのではないか?
ヤンバルクイナ等の希少固有種が成育する陸域の生態系だけをみていては、沖縄の自然の姿は理解できない。
石原氏の言う「政治問題とくっつけて委員会でコメントするのは立場上控える」はさかさまであり、政府側が「政治問題があるからリストに入れていなかった」と自ら告白しているようなものだ。
大浦湾の美しさは行けばわかる。深海の生物たちの生態も素晴らしい。写真を多くのダイバーたちが撮っているので、見てもらいたい。
キャンプ・シュワヴ前の岩のような小島に小さな漁船に乗せてもらって渡ったことがあるが、沖縄本島周辺としても有数の美しさである。
基地を作ればジュゴンの餌場は、なくなる。
「守るべきものがいない」などと、どの口が言っているのだ。
相変わらず捕鯨にちょっかいを出しているシー・シェパードが聞きつけてやって来ると面倒だぞ。

東電福1原発で100トンあまりの高濃度汚染水がタンクから漏れた問題で、配管に取りつけられた三つの弁のうち二つは、昨年4月から開いた状態だったという。
昨年10月にも傾いた地盤に設置した別のタンクで過剰な注水によって天板から水があふれる事故が起きているがこの際も東電は「ぎりぎりをねらいすぎた」と言っているという。
ぎりぎりをねらってちゃ危ないじゃないか。
そもそもタンクの寿命はだいたいのものが三年という話だったが、もうその時期が迫っている。
東電福1原発周辺の敷地を埋め尽くした全てのタンクをまた別なタンクに移すのか?
三年ごとに?
このことをほとんど政府もマスコミも真剣に取り上げていないのが不思議で仕方がない。
話題にならなければ国民はそのままでいいのかと誤解してしまうのだ。
悪循環が続いている。

絶滅危惧種も、美しさも、注目されるべき根拠だろうが、福島の海にも、もちろん陸にもだが、生物がいる。
名もない、ありきたりの生物でも、同じことだ。同じ命だ。
守られねばならないだろう。
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Farewell our friend , Ed Vassallo

2014-02-27 | Weblog
Farewell our friend , Ed Vassallo

さよならエド・バサロ。
『屋根裏』のニューヨーク・オフ・ブロードウェイ版に出演していたエドに会ったのはちょうど7年前の今の季節だ。
自作のオフ・ブロードウェイ・デビュー、スタッフキャストは全員アメリカ人、演出も自分ではないとはいえ、アメリカ流のあれこれに目を白黒させていた私に、がっしりとしたエドの現場へのサポートは、とても頼りがいがあるように映った。彼の活躍の御陰もあって制作した「プレイ・カンパニー」が同作品を対象にオビー賞を受賞した。
やがてエドに来日してもらい燐光群の新作『ワールド・トレード・センター』に出てもらった。国内ツアーもした。「9.11」に遭遇したエド自身の体験が劇中に登場する。熱演だが本当に彼自身の細やかさと情熱、まっすぐな人柄を感じさせた。
再々演の『だるまさんがころんだ』にも出てもらった。(写真)
強面だが二枚目。いつも元気、真剣で、悪戯とユーモアを忘れず、一緒にいる人たちのことを深く愛し支えていた。時に共に怒り共に笑った。
劇団の若い奴らをとてもかわいがってくれた。
独身の彼自身が養子を大事に育てていた。
その後ニューヨークに行ったときチャイナタウンで飯を食ったのがゆっくり話した最後だった。
この二年間ガンで闘病生活を送っていた。この間、私はアメリカに行けなかった。
そんな中、一年前には、留学中だった清水弥生のニューヨーク・シアター・ワークショップでのリーディングに、顔を出し励ましてくれたという。
……あの鋼鉄のような分厚い肉体を蝕むガンとは、いったい何だ。
あの優しい男から、あのまっすぐに澄んだ青い瞳から、奪わせてよいものは何もなかったのに。
君のフェイスブックページに、ニューヨーク中の演劇人が次々に追悼メッセージを寄せている。
哀しみに沈みつつ、彼の思い出を抱いて、私たち自身の生をこれからもう一度確かめたい。
ありがとう。
君と共にある。
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辺野古移転中止で名誉回復を勧める

2014-02-26 | Weblog
政府は米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向け、1月から生物調査やボーリング調査の業者選定の公告を始めており、夏には辺野古海域での調査を始める見通しという。
2004年に辺野古海域で那覇防衛施設局が代替施設のボーリング地質調査を実施した際、海上で船やカヌーを使って調査を阻止しようとした移設反対派と衝突。逮捕者は出なかったが、負傷者も出て調査は中断。この辺りの事情は私は2010年の『3分間の女の一生』でも描いた。
政府は工事や事前調査への反対行動を想定し、対応策を検討。建設予定地周辺に設定されている米軍の提供水域内へ入った場合の刑事特別法の適用、事前に活動を阻止するのが可能かを探るのが検討の柱という。
刑事特別法は、日米地位協定の実施に基づく法律であり、米軍施設への侵入や米軍所有の物品の損壊、に対する罰則や刑事手続き、逮捕された軍人・軍属の身柄引き渡しについて定めているもの。「米軍の同意を得て行う」ことも定められており、04年、沖国大でのヘリ墜落事故時の日本側捜査を阻む根拠にもなった。
今月5日の参院予算委員会で、安倍首相は反対行動に対する対応について「関係機関や自治体と協力して危険防止に万全を期したい」。古屋国家公安委員長・太田国土交通相は「法と証拠に基づく違法行為があるなら厳正に対処する」と発言。
対する稲嶺進名護市長は、弁護士や法科大学院の教授ら十数人による私的諮問機関「辺野古埋め立てに係る名護市長懇話会」を発足。今後の移設作業には市長の許可が必要な手続きもあり、移設阻止に向けて取れる措置を法律面からの助言を引き出す。
オスプレイの燃料タンク設置や辺野古漁港での工事には市長の許可などが必要とされている。
刑事特別法への対応、「提供水域への侵入」への取締の法的根拠を問い、普天間飛行場の辺野古移設を阻止するために動き出すことになる。

米議会調査局は安倍首相による昨年12月の靖国神社参拝について「首相が米国のアドバイスを無視し、不意打ちで参拝した事実は、(日米)両政府間の信頼関係をある程度傷つけた可能性がある」と記した報告書をまとめたという。
日米政府間の微妙な空気が反映してくる可能性もある。
局地的見地と包括的な日米関係を見ていくこと、そのいずれもが必要である。

東電福一原発では25日午前、付近で行われている道路の掘削作業で電源のケーブルを傷つけ一部の設備が停電、4号機の使用済み燃料プールの冷却ができなくなった。もう回復しているはずだが、何と危ういか。
新しい基地を作る金と力があったら、厳しい労働条件と伝えられている原発の方にまわしてはどうか。
ところで「重要なベースロード電源」って何だ? 何語だ?

東京都内の公立図書館が所蔵する「アンネの日記」や関連図書300冊以上が破られたことから、在日イスラエル大使館から「被害自治体に対し、アンネ・フランク関連図書300冊を寄贈したい」との申し出があったという。
一番被害の大きかった(約120冊)我らが杉並区にペレグ・レヴィ公使らが訪れ、寄贈するという。
日本への悪評は極まった。

「平和な沖縄を望む市民の会」の、(いつも帽子がよく似合う)高良鉄美代表によれば、県庁記者クラブで会見し、米国の世論に訴えかけ、米軍普天間飛行場の辺野古移設撤廃などを求めるキャンペーンとして、オバマ米大統領に送るはがきが1万3千枚に達したと発表したという。今後は10万人分のはがき送付を目標に県内外へ呼び掛ける方針。
 キャンペーンは1月上旬から2月半ばまでに目標の1万枚を達成。県内外からの反響が大きいため、3月上旬から再開するという。
じっさい、在沖海兵隊の不要論が高まっている米国内の世論は、動いている。「普天間移設で、大半の県民が反対、日米両政府が手荒な行動を取れば県知事選で反基地の政治家を利するリスクがある」と警鐘を鳴らす者もいるという。

ここで普天間基地撤廃、辺野古移転中止を言い出せば、少しでも日本政府は名誉回復できる。むしろ評価される。
日本にも民主主義はあるのだ、と。
石垣島に百億円の「沖縄漁業基金」をばらまいている場合ではない。
悩める政府よ。初心に戻って市民国民の「民意」に従うべきではないか。
「有事には国民としての人権を剥奪する」などという悪い冗談を言っていていいのか。
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民主主義を「マインドコントロール」と呼ぶ狂気

2014-02-24 | Weblog
安倍首相は二十日の衆院予算委員会で、教育改革に関し「教育基本法は(第二次大戦後の)占領時代につくられたが、衆参両院で自民党単独で過半数をとっていた時代も手を触れなかった。そうしたマインドコントロールから抜け出す必要がある」と言ったという。
いったい誰に「マインドコントロール」されてそんなに愚かになったのだ。戦後生まれだというのに。普通はそういう教育を受けていないはずだ。何で自分だけ特別と思えるのか、根拠を聞かせてほしい。
憲法変えたり自衛隊の海外での武器使用基準見直したり集団的自衛権の行使容認をさせようとしたり。「戦争する国」になることが何の「教育」か。それで何が達成できるというのだ。
国を動かす人間なら、コントロールも何も、まずは憲法と歴史についてきちんと学ぶ義務がある。

綿々と続いてきた「憲法9条のもとでは集団的自衛権の行使は認められない」という政府解釈を、絶対に否定させてはならない。
「改憲でなくても解釈変更で可能」は憲法否定であり、内閣総辞職すべき、罪重き過ちだ。
憲法9条こそが日本の誇りだ。それがわからない者に「戦後」を語る資格はない。
戦争が地上から消えた、絶対的な「平和」がありうるということをイメージできない者が、憲法9条をわかったふりなどできるはずもない。

小野寺防衛大臣は「多国間で新しい装備品を開発する方向に、世界はどんどん進んでいて、日本も入っていかないと、安全保障の問題に響いてくる」だと。
そういう考えを持たずにすんできたのも憲法9条の御陰だというのに。

ほんとうに、今の子どもたちに対する安倍政権の正真正銘間違った「マインドコントロール」を阻止しないと、たいへんなことになる。

報道によれば、フランス北東部ビュール村で進む放射性廃棄物最終処分場の建設計画で、住民と計画運営機関などとの「討論会」を主催する独立公共組織「国民討論委員会」が今月12日、2025年の操業開始を目指す現行の計画は性急で、安全確認のための貯蔵試験期間を新たに設けるべきだとする最終報告書をまとめた、という。
何度でも言おう。「核のごみ捨て場」は不可能だ。
人類全体の問題とすべきだ。
そこから逆算して考えた方が、福島の問題の解決も、きっと早い。

特定秘密保護法を成立させたのは国会の自殺行為だとして、小沢一郎らが「違憲国会の葬式」と題する集会を開いたそうだ。
お葬式ごっこやってる場合か。
たたかう相手が見えていて、たたかうべき時に、何をやっている?

前知事辞職に伴う山口県知事選挙は、無所属新人、自民党公明党推薦の元総務省財政企画官・村岡嗣政氏が初当選。
山口から福島は遠すぎるのか。上関原発はどうなる。
今や福島の原発プラントは汚染水=地下水で地盤が緩みグショグショというのに。

しかしNHK関係、自民党関係、首相周辺、誰も辞めないんだね。一昔前なら全員辞めていい事態なのに、みんな首が繋がっている。
おかしい。おかしすぎる。

俺は忙しいのだ。面倒掛けないでほしい。
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劇作家協会20周年スペシャル版「ト書き」

2014-02-23 | Weblog
劇作家協会20周年記念冊子、会報「ト書き」のスペシャル版が出た。工藤千夏さん責任編集の労作。ようやく情報公開にオーケーが出た。
会報といっても、記事は二つの特集のみという豪快版。
青木豪・長田育恵・坂手洋二・鈴木聡・中津留章仁・渡辺えりによる20周年記念巻頭座談会。
会員の半数を超える268名の寄稿による「みんな、ひとこと」。「あなたにとって劇とはなんですか?」または「この20年、私の一本」いずれかについての100字の原稿。編集作業の苦難を思うと気が遠くなるが、何とも賑やかだ。拙作『だるまさんがころんだ』に触れた畑澤聖悟氏のコメントに励まされる。
表紙には、会報第一号に掲載された、井上ひさし初代会長の文章。これが懐かしく、泣かせる。
会員・賛助会員になるとすぐに読めます。
もちろんいろいろな方に読んでいただきたいのだが、事務局によると、「演劇関係団体等にお送りした他、座・高円寺のみちくさカウンターに置いています。また、劇作家協会の催しでお分けする予定です。その他の配布方法については検討中ですので、しばらくお待ちください」とのこと。

ピッチャーから外野手に戻った息子が久々に手にバットだこを拵えている。沖縄から義姉が仕事で出てきていて一泊している。家でも仕事をする身にとってはなんだかんだと周辺が慌ただしいが、集中力とは関係ない。そういうものだ。パソコンの調子が悪いのだけが困る。

ウクライナはヤヌコビッチ大統領が所在不明。治安部隊が市内から姿を消し、反政権デモ隊が大統領府に侵入、警備兵が居ない模様という。大統領私邸も数百人以上の市民が敷地に入っている。反政府デモ隊らが支配下に収めたと主張している。政権崩壊、事実上の「革命」成立か。
最高会議が21日に罷免を決めた内相に、ヤヌコビッチ大統領の「政敵」で現在、職権乱用罪で服役中のティモシェンコ元首相の側近アバコフ氏が就任。大統領選の年内実施、大統領権限を制限するため議会が強い権限を持つ04年憲法が復活、という。9月までに憲法改正実施、10日以内の挙国一致内閣の発足、反政府デモ隊の武器放棄と占拠拠点からの撤収、などが合意されたという。
とはいえ、ユダヤ勢力がイスラエル政府に支援要請という情報もあり、予断を許さない。
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ウクライナの悲劇

2014-02-22 | Weblog
ウクライナの惨状。停戦合意にもかかわらず反政権派のデモ隊が制圧された。デモ側の医療関係者によれば、政権側の狙撃手が建物の屋上からデモ隊を狙い撃ちしたという。
ウクライナがEUに取り込まれることを警戒し傘下に置きたいロシアの影響下にある権力側と、エネルギー供給や財政補助などの手段を持つロシアの恫喝・支配から脱したい自由を求める人たちとが衝突している、とされている。
EUに属することの是非はそれぞれの国が決めればいいことだ。その問題ではない。
起きていることは、国家による民間への弾圧であり、民主主義の封じ込めだ。反体制側には海外からの支援があるようだが、あくまで民間支援だ。国家が自国民を威力で支配しようとしているのだ。
八十人近い民間の人たちが国家の治安部隊によって殺された。この悲惨は、民主主義が果たされていない、例えば選挙に不正がまかり通りきちんと行われないこと、あらゆる面で権力側の独断が通されること等から、起きた。
この、国家による民間人への不当な武力攻撃に対し、世界が求めているのは、「片側の勢力に組みすること」などではなく、「民主主義が果たされること」であり、「民主主義に背き弾圧した者」への正当な処罰・制裁である。「民主主義」が問われているのだ。

日本はどうなのか。
権力を握る者が「権力のある人間だから自分に決定権がある」として、選挙前の公約を平然と破り、国民の了承を得ていないことを平然と行い、暴言を許し、傍若無人に振る舞う構造が強化されつつある。
権力者が交代するたぴに解釈が変えられたら、それは憲法ではない。
問題を起こしたくない、依存心の強い人間の多いこの国は、それを許容している。それでも何とかなると高をくくっている。民主主義を守るために多くの犠牲が出ている世界の現状に対し、恥ずべきことだ。
放射能汚染による崩壊が早いか、経済的瓦解が早いか。なんにしても直接的危機に晒されない限り鈍感に動こうとしないだろう。
それらの状況を世界が認識して、この国をどう扱うか本気で考え始めている。それがこの国にとってどうなのかは、もちろん「自己責任」ということの上でだ。
「民主主義」が問われているのは、世界であり、自分たちでもあるのだということを、他国の出来事から読み取り。学ぶことができないのか。

ウクライナには昨年、十日間滞在した。はざまにある国。演劇祭ではキエフも含めた国内の演劇人たちと交流した。一刻も早く平和が戻り人々が民主主義の恩恵を手にすることができるよう切に願う。

自分の現場でにっちもさっちも動けない中、午前から劇作家協会事務所にいた日。健気に平静を装い会議する私と中津留章仁くん。
なんとか突破する。
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今の自分は何もできないが

2014-02-21 | Weblog
自分のすべきことのために他のことは何もできないが。
潜水中に海面に一瞬だけ顔を出すように、ふっと浮上して周囲を見回す。

オリンピックはまったくフォローしていないが、聞こえてきた浅田真央選手のフリー、自己ベスト142.71。立派ではないか。

オリンピック選手に泣きを求めるのがよくないなど言う人がいるが、おのおの泣くときに泣き、笑うときに笑えばいい。
それが何か違うのか?

森元首相の五輪関係の失言も聞こえてきたが無視。「大事なときには必ず失言する」愚か者よ。

それよりも怒りは、昨年から今年にかけ、都内の複数の公立図書館で『アンネの日記』や、その関連する書籍のページが破られる被害が相次いでいるという事実。被害は250冊を超えるとみられる。
東久留米市立図書館では、アンネの日記や、ナチスの強制収容所アウシュビッツに関連する複数の書籍が10ページほど破られているのが見つかった。新宿区立図書館では、区内3館で合計39冊が被害にあった。
ハフィントンポストの調査で最も被害が多かったのが杉並区立図書館で、少なくとも113冊が破損されたが、さらに被害が拡大している可能性があるという。

『はだしのゲン』への攻撃も含めて、少し前までだったら考えられなかった日本の「焚書坑儒」は、ひどいものだと思う。
歴史の犠牲者を貶めることに、いったいどんな意味があるというのだ。死者への冒涜は許されないことである。
この国は、命を敬う気持ちをなくしている。

差別に対する鈍感さ。
直接的でなければ人を傷つけてもいいという緩さ。
ひどいものだ。

少しでもそうした黒い波に抗うために。
これも送られてきた、「ヘイトスピーチと闘うための」冊子。
「知ってほしい-ヘイトスピーチについて  使ってほしい-国連勧告を」人種差別撤廃委員会一般的勧告35と日本
ネットで引用できます。
http://imadr.net/cerd_gc35_brochre/
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あまりにも見透かされている

2014-02-20 | Weblog
衛藤晟一首相補佐官は、昨年12月26日に安倍晋三首相が靖国神社に参拝したことに対する米政府の「失望」声明を、逆に批判した。
「米国が「失望」と言ったことに対して、むしろ我々の方が「失望」だ。米国は同盟関係の日本をなぜこんなに大事にしないのか。米国はちゃんと中国にものが言えないようになっている。「我々は失望しているんだ」と中国に対する言い訳として言ったに過ぎない」というのがその内容。
衛藤補佐官はその前の11月米国でラッセル国務次官補らに「首相はいずれ参拝する。ぜひ理解をお願いしたい」と伝えたという。12月初めに在日米大使館にも行き、「(首相の参拝時に)できれば賛意を表明してほしいが、無理なら反対はしないでほしい」とも伝えたらしい。首席公使からは「慎重に」という言葉が返ってきた。
首相自身もバイデン副大統領にそのようなことを伝えているという。
衛藤補佐官は「ユーチューブ」にアップした自身のその発言を撤回、動画を削除した。
といっても自ら進んで削除したのではなく、菅義偉官房長官がこの件について「政府の見解ではないと明言したい。首相の靖国参拝については謙虚に、礼儀正しく、誠意を持って説明し、理解を求めていく」と言い、「首相補佐官は内閣の一員であり、個人的見解は通用しない」と取り消しを指示されたからだという。
安倍首相の参拝は本人、政府自民党が「不戦を誓うため」「中国、韓国の人々の気持ちを傷つけるつもりは全くない」とし、その後の対応についても「対話の窓はオープン」と言いつのっているが、中韓、欧米等からの不信を招いている。
菅氏は今後の日米関係への影響を問われ「取り消したので、そこはないと思っている」と言うが、それは楽観的に過ぎないか。

米下院のロイス外交委員長ら訪日議員団は安倍首相の靖国神社参拝について「中国を利することになるのではないか」と述べた。これは「婉曲表現」というべきで、中国と悶着があっても自己責任であり責任はとれないと言われているのである。
この国の愚かさは極まり、子供じみた表面的な対応じたい、あまりにも見透かされている。

就任会見での従軍慰安婦問題や特定秘密保護法などをめぐる発言が問題になった籾井勝人NHK会長は経営委員会で、「取り消しているし、どこが悪いのか。素直に読めば理解できるはずだ」と開き直った。何の反省もしていない。そして「取り消したのだからいいだろう」という言い方が衛藤補佐官と共通している。
麻生太郎副総理は19日の衆院予算委員会で、安倍晋三首相の昨年末の靖国神社参拝に対する海外の反応について「外務省に正式に抗議が来たとかいう話を、私どもは聞いたことがない」と、とぼけている。

結局「国内向け発言」「取り消したのだからなかったこと」ですむと思っている。
このインターネット社会では、「公式発言」も何も、全ての発言が世界に知らされてしまうし、誰も守ってはくれない。「本音は違うが今回は我慢しておこう」「今は問題を大きくしたくないので謝っておこう」というおためごかしも全て翻訳されていてバレていることになぜ気づかないのか、私はずっと不思議である。
「裸の王様」でさえない。全世界に見透かされている。
ダボス会議で「アベノミクス」も見限られ、過去2年間、日本経済の景気回復を主導してきたとされる偽装された「内需」は落ち込み、先行きにかげりが見られるのは諸方面の指摘を待つまでもない。
日本の孤立は誰にも止められない。

この件で衛藤補佐官が辞職するなら、その責任と失態を認めるなら、当然だが安倍総理も続くべきだ。とっくに自分からそうしているべきだ。ほとんど同じことをより拡大した形でしているからだ。
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TPPはオリンピックではない

2014-02-19 | Weblog
本格化する、環太平洋経済連携協定=TPP交渉をめぐる日米協議について、甘利明経財相・TPP相は「日本が聖域・関税維持をめざす農産品5項目の品目数=586品目を一品残らず守るのは難しいと、多くの人が認識しているだろう」「一つ残らず微動だにしないということでは交渉にならない」「双方が歩み寄るという大原則に沿って、お互いが歩み寄る」「明日からお互いにカードを何枚か切るだろう」と明言。
米国は全ての品目の関税撤廃を求めている。
日本は農産品、米国は自動車の輸入関税でお互いに譲る案を示して妥協点を探るというが、合意は容易ではない。
「カードを切る」というのは、具体的には農産品の重要5項目の中でも、特に米国側が輸出を増やしたい牛肉・豚肉の関税引き下げや撤廃について「譲歩案」を出すかもしれないということ。一定の歩み寄りはやむを得ないとの見方が日本政府内に出ている。
コメや牛肉・豚肉などの重要5項目は「段階的な関税撤廃も認めない」とする昨年4月の衆参農林水産委員会決議を裏切ることになる。
いや、そもそも自民党はかつての選挙公約を裏切っている。
甘利経財相は「日本が米側の主張に一方的に歩み寄ることはない」とも述べているが、何の根拠もない。
斎藤健農林部会長は「交渉戦術上まずい」。「地元で重要品目の関税は大丈夫と言っていいのか」と若手議員立ちも足下がぐらついていることを認めている。鳩山邦夫元総務相は「日本の輸入実績が全くないものを(聖域から)外すくらいと思っているが、それ以上の譲歩はありえない」とけん制するポーズを示したつもりらしいが、日本側がそんな交渉術を持ち合わせているとは思えないし、本人が動けているわけでもない。無責任きわまりない。
具体的に農産品5項目を作っている人たちの具体的な労働と実績について、イメージができているとは思えない。
日本の農業はこれ以上縮小してはいけないぎりぎり限界を既に下回っている。
どうやっても日本側が不利であり、不当な負担やペナルティーを科される未来予測が、とことん隠されている。
今週末からシンガポールで開くTPP閣僚会合の地ならしを急いでいる日米両政府の駆け引きは露骨で、米側は4月のオバマ大統領来日までの妥結をちらつかせ「安倍晋三首相が重い決断を下すことを望む」と、やんわりと脅しを掛けてきている。

オリンピックシーズン故にマスコミからもとんちんかんな質問が出てくる。「TPP交渉で金メダルを取れるか」と問われた甘利経財相の回答が奮っている。「どの国も金メダルは取れないが、どの国も入賞する」という。
いずれかの国が一人勝ちする内容では交渉の決着は難しいため、各国が譲歩することで交渉をまとめ、それぞれが利益を得ることが重要、ということだそうだ。
そんなオリンピックは見たことがない。
アメリカの一人勝ち状況に向かっている現実をなぜ誤魔化すのか。既に日本側の「譲歩」は既定路線のようだ。
私はほとんど目に触れることができずにいるが、表面的に景気よさげな五輪についての報道は、TPP交渉に向けて視聴者の国際感覚を麻痺させることに役立っているのかもしれない。

個人的には、私が真っ先に思い浮かべるのは、奄美・沖縄の黒糖造りである。
TPPで「譲歩」すれば、コミュニティそのものが立ち行かなくなるケースがある。自然と共に生きる人たちのライフサイクルである。
そもそも彼らは誰かに勝つために生きているわけではない。
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「強制撤去」されるのは誰か

2014-02-18 | Weblog
今冬の雪害、とくに今月になって毎週末のように襲う豪雪にともない、道路で立ち往生した車のために除雪車や緊急車両が通れなくなったケースが相次いだことを受けて、政府は、「車を強制的に撤去できるように法整備を検討する方針」だという。
菅官房長官は「(移動車両の)損失補償の問題もあり、今まで手が付けられずにいたが、緊急の場合にどうするかは大きな課題で、これ以上、先送りすべきではない」「災害などの緊急時に道路をふさぐ車は所有者の許可がなくても破壊・撤去出来るようにし、後で所有者に損失補償が出来るよう災害対策基本法を早急に見直す方針」を明らかにしたという。
関東甲信と東北の記録的な大雪の影響で、通行止めなどで降り始めから4日目に入っても、依然として6都県の9千人以上が孤立している、公道の対処作業についても対策が必要なことは理解できるが、今このときに、言うべきことだろうか。
みんなが動こうにも動けなくなっているときに「強制撤去」の話というのは、いかにも無神経だろう。
その前にするべきことが山のようにあるだろうと思う。

山梨県内のみではなく東京など各地でも多くの人々が食料品を買い求めスーパーやコンビニで売切れ続出、肉、魚、豆腐などや加工品も含め、在庫がなくなる店舗もあったという。
これを災害パニックの話と思わない方がいい。
この国が、国の事情がまるで違うにもかかわらず、アメリカ型の「流通」を押しつけられていることから起きているという、バックグラウンドへの理解が必要だ。
目に見える「食品」「商品」のことでなく、食料自給率や、生活地域の独立性について、きちんと思い知る機会であるはずだ。

この時期の異常気象が「雪」「寒波」に傾いているように見えることから、地球温暖化なんて嘘だね、と言う人がいるが、まさに地球温暖化のせいなのだということを、マスコミも学校もちゃんと教えてほしい。垂れ流される自分の国やアメリカの情報だけ見ていたら、世界の気象異常の実体については理解できない。
情報過多、もまた、情報隠しである。

東電福1原発は続々とメルトスルーの道を辿っている。1号機も2号機も異常事態。格納容器下部の破損配管は人間が近づけなくて修復不能、1号機だけで1時間あたり最大3.4トンの核燃料に触れた高濃度の汚染水が漏れていると推計される。多くの原子炉周辺で漏れ出した汚染水の放射能濃度は人間は近づけない汚染レベルで、にも関わらず、破損箇所をふさがない限り漏れ続ける。もはや絶望的状況になっているというのに。
地下水脈に触れれば、汚染は一気に拡大する。「底が抜けた」のだ。
ほんとうに「人間が住めないエリア」が広がる局面に来ているのだ。
政府がどんな対策を打っているか、まるでわからない。
「車輌の強制撤去の法整備」、そんなレベルで追いつく話ではない。
安倍首相は少なくとも迅速に「収束撤回宣言」をすべきだろう。
オリンピックを返上するタイミングを今以上に遅らせない方がいい。
一部マスコミは汚染状況を一瞬だけ報じたりもしている、だからこうして少しは知ることもできるが、基本的には全般的に、黙殺である。
この国の「自粛」は、「無責任」ということである。

原発だけではない。「処分施設」さえ不可能であることは、指摘され続けねばならない。
放射能廃棄物の問題が「原発問題」にされていることじたいが、情報の矮小化だ。
米エネルギー省は、ニューメキシコ州カールスバッド郊外にある放射性廃棄物の「地層処分試験施設」で放射能を検知したため、職員を退避させたと発表した。
同施設は1999年から操業しており、核兵器の製造過程で出た放射性廃棄物を地下施設で試験的に管理している。地下655メートルに埋設した放射性物質から漏れた可能性があるとして、同省が原因を調べている。地下の空気はフィルターを通しており、地上で放射能は検知されていないという。
一つの施設が駄目になったらまたどこかを深く掘るのか。それを永遠に続けるつもりか。もちろん地震が頻繁に起きない国だって、いつかは汚染が地下水に漏れる可能性はある。
今回の出来事は「深地層処理」の不可能性を端的に示している。

一つの「危機」から、世界全体の危うさを想起すべき。
この世界は、人間をどこに「強制撤去」しようとしているのか。
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『現代能楽集 初めてなのに知っていた』

2014-02-17 | Weblog
稽古始めています。

ちょっと驚くほど、いつもと違います。
ご期待ください。

…………………………


現代能楽集
初めてなのに知っていた

作・演出 坂手洋二

3月16日㊐─ 31日㊊ 下北沢ザ・スズナリ


次にあなたが何を言うのか、
わたしのどこに触れるのか、知っている

ちゃんと迷ってください
ほんとうにご自分を見失ってみないと
私を見つけることはできません

ここでは「既視感」さえも管理されるのか?
現代能楽集なのに「冒険譚」!
現在という荒野を生きるための、「旅」の物語。

1 9 9 3 年『現代能楽集』
1 9 9 5 年『現代能楽集 アクバルの姫君』
2 0 0 9 年『現代能楽集 イプセン』
2 0 0 9 年『現代能楽集 鵺』( 新国立劇場への書き下ろし)
2 0 1 0 年『現代能楽集 チェーホフ』
そして2 0 1 4 年、燐光群〈現代能楽集〉、最新作。

円城寺あや 岡本舞 美香 大島葉子
鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 大西孝洋
杉山英之 松岡洋子 樋尾麻衣子 鈴木陽介 武山尚史 
田中結佳 宗像祥子 長谷川千紗 秋定史枝 川崎理沙
右手愛美 櫻井麻樹 山村秀勝 立本夏山 峯岸のり子

照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
美術○じょん万次郎
作曲○太田惠資
衣裳○中山マリ・ぴんく ぱんだー
振付○矢内原美邦
舞台監督○森下紀彦
演出助手○城田美樹
文芸助手○久保志乃ぶ・清水弥生
人形美術○秋葉ヨリエ・三田晴代
衣裳協力○宮本宣子
アドバイザー○ John Oglevee
写真○サカネユキ
宣伝意匠○吉田健人(prigraphics)
協力○浅井企画・T-ARTIST
制作○古元道広・近藤順子
Company Staff ○桐畑理佳・福田陽子・小林尭志・西川大輔・宮島千栄・根兵さやか・橋本浩明・内海常葉

アフタートーク開催!
★の部は次のゲストと坂手洋二によるアフタートークあり。
17日(月) 日澤雄介(演出家・俳優 劇団チョコレートケーキ主宰)
18日(火) 中津留章仁(劇作家・演出家 トラッシュマスターズ主宰)
19日(水) John Oglevee(Theatre Nohgaku)
24日(月) 中島那奈子(踊りと老いの研究・ダンスドラマトゥルク)
25日(火) 岡田利規(劇作家・小説家 チェルフィッチュ主宰)
26日(水) 藤井ごう(演出家 R-vive主宰)
本公演の前売券をお持ちの方、ご予約の方はご入場頂けます。


http://rinkogun.com/Next.html

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「陸の孤島」のリアル

2014-02-16 | Weblog
記録的な大雪の影響は計り知れない。
東京電力管轄の停電がすごいらしい。一万件越えと。原発云々の問題ではない。雪への対策ができていたのかどうか。
我が家は積雪以外は特に変わりなく過ごしていたが、今日の夕方になって、ガスが止まった。修復の見込み立たず。これも雪の影響。配管に異常が出ている。
隣のアパートの人たちもガスが使えずかわいそうだ。今し方、いそいそと帰宅してきたカップルなど、ガス不通の通知に触れ、がっかりしていることだろう。
ガス会社の人と話したり諸々、面倒。明日、道路を掘り返して工事しないといけないかもしれないという。手続き等、あれこれ。こんな時に困る。家に居る人は何もしていないと思っているのだろうか。仕事をさせてくれ。
それにしてもほんとうに関東のインフラは脆い。見えないところでもかなりやられているんじゃないか。

オリンピック一色のテレビ等ではなかなか報道されないが、史上最悪の1メートルを超える積雪で「陸の孤島」となった山梨県内を中心に、鉄道も高速道路も、「甲州の大動脈」は全滅、かなりの範囲で交通機関が麻痺しているようだ。
内閣府はようやく16日、山梨の被害状況を調べるため、政府調査団を派遣すると発表した。あす17日午後に実施し、ヘリで上空から県内を視察、県幹部らと今後の対応を協議するというが、ありにも後手ではないか。

物資不足、とくに食糧が不足していてコンビニの棚が空っぽという事態も、出始めているらしい。

コンビニ店員の女性に続いて北杜市の路上で男性が凍死。
本当に凍死なのだ。大雪による死者はこの方で14人目という。

県から災害派遣要請を受けた陸上自衛隊は、富士河口湖町などの国道138、139号の除雪作業に入り、同町の精進湖周辺で孤立しているホテル3カ所には食料、毛布をヘリで輸送しているという。

大月市の国道20号で立ち往生している車列に対応する部隊は東富士五湖道路を除雪しながら、山中湖村を移動しているそうだ。
大月ではJRの乗客が足止め食らい、三泊目に突入しているという。休日の安倍首相が災害については何の動きもせず料亭で天ぷらを食べているとき、大月の足止め組には簡素なカレー弁当が支給されたという。
それに怒っている人もいる。当事者ならそういう気持ちもあるだろう。
もともと昨今この国は理不尽である。個人的には安倍に何か目立つ動きの期待などしていない。働くべき人がちゃんと働いてくれればいい。
あと、関係する人たちの立場からしても、正確かつ迅速な情報がほしいだろう。私はやらないがツイッターなんかでごちゃごちゃした情報にかき乱されたら、たまらないだろう。

ひと昔前、10年間ほど、黒テントと共同で倉庫を借りていたのも、大月だ。倉庫から線路が見えた。あそこに行き場のない人たちが大勢いるわけかと思うと、ほんとに遠くの話ではない。

群馬県高崎市箕郷町の方に警告が出ている。水道局が停電の為、消毒が出来ていない為、水道水をそのまま飲まないで下さい。とのこと。

「陸の孤島」のリアルは、考えてみると起きても不思議のないことばかり。震災以降、原発事故の影響を見えなくしてきた社会の中で、いま一度現実感覚を取り戻し、災害に対する鈍感さをあらためる必要がある。

今冬はアメリカの大雪被害も報じられているが、結構長く続いているようだ。今年に入ってから米東部の各州を襲っている一連の寒波や嵐を、主要テレビ局や気象予報士らは「スノーマゲドン」と呼んでいるそうだ。スノーマゲドン。そんな名称にあれこれ言っても仕方ないが、あまり語呂がよくない。
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雪と五輪と駐日米大使のNHK拒絶

2014-02-15 | Weblog
日米両政府が名護市辺野古への移設計画を進めている米軍普天間飛行場代替施設に、米軍が米最新鋭のF35Bステルス戦闘機の離着陸を想定しているという。防衛局職員が認めた。
これまでの普天間基地は移送業務が中心であり、本格的に戦闘機を置くとなると、まったく意味が違う。これは普天間「代替」ではなく、米軍に「拡大新基地」を手に入れさせようとしているのだ。
オスプレイ配備のことだって騙されていたのだ。日本政府はアメリカと約束しておきながら、国民には十五年も隠していたのである。

そうしたことを知らぬはずもないキャロライン・ケネディ駐日米大使は、沖縄訪問ではわざと「聞き役」を演ずるばかりだったようだ。

NHKが、そのキャロライン・ケネディ駐日米大使のインタビュー取材を米国大使館に申し込み、調整を進めていたところ、経営委員を務める作家百田尚樹氏の東京裁判や南京大虐殺をめぐる発言を理由に大使館側から難色を示されていたことが、わかった。
NHKの最高意思決定機関である経営委員会委員の発言の影響が、報道の現場に及んでいる、というのは、まったくその通りだろう。
間接的にせよ、米政府が、百田ら経営委員に任命責任を持つ安倍首相を「拒絶した」ということだ。

安倍、田母神らの取り巻き右翼たちが「ヒトラーの生誕125周年記念パーティー」を開催するという。
これも世界中に報道されるべきだろう。
とことん嫌われても、「外圧」で少しでも国内情勢が変わるなら、それでいい。

インドネシア・ジャワ島では火山が噴火しているようだ。知人たちに大丈夫かと尋ねると、西端のジャカルタは変化ないが、中部ジャワから東部はひどい影響を受けているようだ。ジョグジャカルタの街も灰で真っ白になっているという。つい数年前もそうだった。さぞかし不安だろう。
火山が生きているんじゃ、この地上に、原発も深地層処理施設も無理だ。

ロシア・ソチ冬季オリンピック、男子フィギュアスケート、羽生結弦選手の金メダル。未成年が活躍する時代。
じつは、高橋大輔選手は倉敷翠松高校出身、町田樹選手は倉敷翠松高校出身、と、あまり知られてもいないが、じつは岡山勢である(ということにしてほしいという、地元の声)。岡山では私の昔の同級生らが「勝手連」をこさえて深夜「パブリックビュー」をしていたらしい。
まあ、それで少しでもみんなが元気になれるのなら、いいではないか。

大雪と言われれば大雪だ。二週末連続である。長靴を履く。
バレンタインデーなので義理でもなんでもチョコレートをあれこれいただく。どれもいきなり食べたりはしていないのだが、劇作家協会事務所の差し入れでいただいて皆で分けたもちもちのチョコレートパンもおいしかった。分け合う楽しさも味のうち。
私たちは季節の、自然の下に、世の中にいる。
ありがたいことである。
雪害に遭っている方々のご無事を祈る。
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選挙中もオリンピック中も、放射能は漏れ続ける

2014-02-14 | Weblog
安倍総理大臣は衆議院予算委員会で、高速増殖炉「もんじゅ」について、「さまざまなトラブルがあり、開発が順調に進んで来ていないことも事実だ。政府としても、反省すべき点はしっかりと反省しながら、今後対応していかなければならない」、核燃料サイクル政策に関連して「利用目的のないプルトニウムを持たないという原則を堅持しなければならない。今後とも、わが国は、核兵器非保有国でありながら原子力の平和利用を進める模範国として、プルトニウム利用の透明性の向上を図り、核不拡散などに貢献していく考えだ」と発言。
国の新たなエネルギー基本計画をはどうまとめるつもりだろう。
本音は原発を作りうる「正当な」プルトニウム保有国の仲間入りを果たし、その立場を維持できる体制を敷きたいということだろうが、今の日本の国際的不人気がそれを許さないだろう。

東京電力が、福一原発で働く作業員の待遇面など労働環境改善のために実施しているアンケートを、元請け企業を通じて回収しているらしいが、作業員たちの話では、下請け企業の中には、立場の弱い作業員たちの回答を提出前にチェックしたり、回答内容を指示したりするところもあるという。作業員からは「こんなやり方では実態は分からず、改善につながらない」という声が上がっているという。
目安箱(回収箱)を設置するような方式ではなく、会社を通して回収されるというから、ちゃんとした「現場の声」が届けられるとは思えない。
日当アップが現場に反映されているかどうかを確かめるアンケートも続けるというが、線量計の不正使用を目撃しても見なかったと書くよう指示された作業員もいるという現状では、本当のことがちゃんと反映されるとは思えない。

東電福1原発事故による放射線の影響を調べている福島県の「県民健康管理調査」の検討委員会によると、甲状腺がんと診断が「確定」した子どもは前回(昨年11月)の26人から7人増え33人になったという。「がんの疑い」は41人(前回は32人)にのぼる。
「確定」と「疑い」に加え、手術の結果「良性」と判明した1人を含む合わせて「発症75人」のうち24人について、原発事故が起きた平成23年3月11日から4カ月間の外部被曝線量も公表された。1ミリシーベルト未満が15人、1ミリシーベルト以上2ミリシーベルト未満が9人ということだ。
福島の小児甲状腺がんはベラルーシを超える世界最悪の状況になっているという情報が出回っている。チェルノブイリ原発事故後のベラルーシよりも、日本の福島の方が、比較出来ないほど悪いデータが出ているという。
きちんとマスコミで報道されていないのはなぜだろうか。

都知事選に出馬した田母神俊雄なる人物はテレビで、
「どんなものにもリスクはある。だけど「福島の原発周辺はたぶん放射能的に危なくない。動物はみんな元気に走り回っている。原発の上を飛んでいるカラスも落ちてこない。だけど危ないといって強制避難させている。放射能で障害を受けたり、亡くなったりした人はいない。強制避難でいっぱい亡くなっている。核のゴミでいっぱいになるとか、核の技術者に聞きました。柏崎刈羽の7基を23年間使って、総量は10メートルの立方でしかない。再処理すればもっと減る。もんじゅと六ケ所村の再処理施設を使って核のリサイクル循環型を目指してきた。それが止まってしまうことが恐ろしい。韓国も中国も使っているのに、日本だけ止めたってどうにもならない」と言ったそうだ。
感想もない。

東電福一原発で、海側敷地の汚染を調べる井戸から、一リットル当たり七万六〇〇〇ベクレルと、放出限度の五百倍を超える地下水としてはこれまでにない高い濃度の放射性セシウムが検出されたという。地下水ではこれまで、今回の百分の一ほどの濃度しか検出されていなかった。かねてから危険が指摘されていた、タービン建屋と、配管などを収める地下トンネル(トレンチ)の継ぎ目付近から、高濃度汚染水が漏えいしている可能性があるという。建屋から外部にダイレクトに漏れ出しているのだろう。
隠蔽体質の東電がここまで発表するのだから、実体はもっと悪いのかと考え始めると、眩暈がしてくる。

東電福一原発4号機の使用済み核燃料プールは今、作業が順調に進んでいるのだろうか。放射能漏出により手におえない状況になっているのではないか。
「余震によって崩壊し、水漏れを起こして爆発すると、5時間後に東京は住めなくなる」と、よく言われるが、私たちは本当に危機感を感じているのだろうか。

東海村村長村上氏の講演によると、
「昨年3月の大震災で、東海村は震度6強で、5.4mの津波を受けました。原発の電源は断たれ、非常用電源3台のうち、1台が津波でダウン、原子炉内が高圧になり危険でしたのでベント(原子炉内の高圧ガスを抜く)を170回行いました。幸い海辺に6.1mの防護壁を1日半前に完成していました。70cmの差で津波を防ぐことができて2台の非常用電源が動き出しました。防護壁の完成がなかったら福島原発同様に爆発したでしょう。危機一髪でした。」
とのことである。
ベント170回!!
東海村は本当にやばかったのだ。
千葉や東京の放射線値は、東海村由来ではないかと考える人たちもいるが、関連は定かではない。

東電は、福島第一原発で去年8月、タンクから大量に漏れた高濃度の汚染水などに含まれるストロンチウムなどベータ線という放射線を出す放射性物質について、濃度が実際の10分の1の値で公表されていた可能性があると発表した。
本当にごまかし体質なのだ。

と、メモした数日後の今日、東電福1原発で、護岸から約60メートル内陸にある観測用井戸で、同日採取した地下水から1リットル当たり13万ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。もちろん井戸の地下水のセシウム濃度では過去最悪。
数日の間に、倍の数字に悪化している。
もう終わりはない。今、誰にも、この汚染の進行を止めることはできない。

自民党資源・エネルギー戦略調査会は、原発から出る「核のゴミ」の最終処分を議論する小委員会の初会合を開き、北海道東部や東北地方の太平洋側の一部など地層が安定している地域について、国内に最終処分に適した場所があるとした。
冷静に考えて、高レベル放射性廃棄物の処分地が地上に見つかるとは思えない。
アイデアもないのに探している振りをする。仮説を立てては変更する。おそらく、そうなる。
誤魔化し、隠そうとする、終わりのない堂々巡りが始まったのだ。

日本原燃は、核燃料サイクル施設の新規制基準に対応するため、使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)に導入した可搬型の放水砲と水を送る大型移送ポンプ車を報道機関に公開したという。大規模な火災やテロで放射性物質が建物外部に漏えいする重大事故への対応として、「建物上部から大量の水を散布すること」で、放射性物質の周辺環境への影響を抑えるのが目的だという。
放水砲は、一般的な消防車両約10台分に相当する1時間当たり約900立方メートルの放水が可能。高さ約40メートルまで水が届き、再処理工場の各建物(高さ約20~30メートル)の上から「水をかけることができる」という。昨年12月にも放水砲2台、大型移送ポンプ1台を再処理工場に配備している。5月までに放水砲と大型移送ポンプを各2台追加し、「対策を強める」という。
さすがにみんな福島のことは憶えているはずだ。この記事の内容を聞いて安心する人などいるだろうか。
目の前の行政的「新基準」対応の、超ローテクの付け焼き刃だ。
このような情報が、さも何ごとかのように、無感動に無関心に垂れ流されている現実。つくづく情けない。

2011年の秋に『たった一人の戦争』初演で、高レベル放射性廃棄物をどうするのかという問いを提出した。
その後どこからも新しい解決方法の提示は出て来ない。
映画「200000年後の安全」から少しも状況は動いていない。小泉が観て驚いたというのも遅すぎるが。
『たった一人の戦争』はドイツの劇場での翻訳上演が検討されている。
この件は世界の関心事。日本だけの問題ではないのだ。

選挙の間もオリンピックの最中も、放射能は漏れ続けている。
いま私は、直接原発に関係のない題材の仕事をしているが、自分の存在する場所の、周囲の空洞を震わせるかのように、その問題が響き続けていると、感じないときはない。

原発関係の備忘録をまとめていて、おそろしく消耗した。
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城崎温泉に滞在して短篇戯曲を書こう

2014-02-14 | Weblog
劇作家大会2014豊岡大会、いろいろな企画が少しずつ発表されていきます
目玉企画の一つになるはずなのが、この「こうのとり短編戯曲賞」と、候補作の『街角リーディング』。
応募者の中から、優れたプロットを書いた六名には、最終候補作を書くために、城崎温泉に滞在し取材していただきます。
「城崎温泉に滞在し」です。諸々はこちらで用意します(何もかもというわけにはいきませんが)。
温泉滞在を経た執筆によるコンテスト。こんな戯曲賞は聞いたことがありません。

滞在取材によって創作された
短編戯曲のコンクール「こうのとり短編戯曲賞」
および「街角リーディング」開催について

日本劇作家協会では、劇作家大会2014豊岡大会において、新たな戯曲賞「こうのとり短編戯曲賞」を設けることとなりました。つきましては、本コンクールにエントリーする劇作家を公募します。
本賞は、通常の戯曲賞と大きく異なります。それは、豊岡市(城崎温泉)を舞台にした上演時間15分の短編戯曲を、実際に豊岡市(城崎温泉)に滞在し取材していただいたうえで執筆をしていただくことになるからです。おそらく滞在取材による創作戯曲のコンクールというのは全国的に初めての試みとなるはずです。また、創作された戯曲は、劇作家大会当日に、現地各所(戯曲の舞台となった場所など)でリーディング上演をしていただき、一般の投票により最優秀作品を決定します。最優秀作品については、劇作家大会閉会式において最優秀作品賞を授与ののち上演していただくことになります。
また、今回の戯曲賞では、滞在取材を行わない想像力のみで執筆された短編戯曲の街角上演も行います。滞在取材を行う3月のご予定が合わない方もご応募ください。
(※選考を経て正式に参加となる者については渡航費・滞在費は協会が負担します。人数の多い場合は一部負担となる場合があります。)

○「こうのとり短編戯曲賞」の流れ
・提出:短編戯曲のプロットの提出(2月28日まで)
・選考:滞在取材をする6名を選出(3月10日、豊岡大会HPで発表予定)
・取材:豊岡市(城崎温泉)でプロットを元にした取材(3月中、2泊3日予定)
・模索:キャスティングほか上演形態の模索(5月中)
・上演 ※6/12~14日街角リーディング、15日授賞式および最優秀作品上演
○プロット応募受付期間
2014年2月10日(月)~2月28日(金)当日消印有効
○応募資格
新人、または新人として再生を志す者
○応募規定
・1人何作品でも提出可
・新規に書き下ろされたものであること
・原作のあるものは不可
○応募プロットの形式
以下の6点をお書きください
(1)劇作家名、(2)連絡先電話番号、(3)作品タイトル
(4)戯曲の主たる舞台となる豊岡市の場所、(5)作品内容(2000文字以内)
(6)滞在取材を希望するかどうか
 ※「戯曲の主たる舞台となる豊岡市の場所」についての例、および参考プロットを右記に掲載しておりますのでご参照ください。
○応募先
【メール】machikado@toyooka-geki.org
※メールタイトルに作品タイトルをお書き下さい
【郵 送】〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-29-14-501
日本劇作家協会「こうのとり戯曲賞」係
【FAX】03-5364-9205(日本劇作家協会)

ホームページでは「参考プロット」を見ることもできます。

http://toyooka-geki.org/machikado/
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