Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

沈黙を破り、「あらためて「共謀罪」廃案を求める表現者のアピール」

2017-10-30 | Weblog
日本劇作家協会は本日、〈あらためて「共謀罪」廃案を求める表現者のアピール〉を発表しました。

当協会は2月22日、〈「新共謀罪」に反対する表現者の緊急アピール〉を出しました。

にも関わらず、「テロ等準備罪」(いわゆる新共謀罪)は強行採決されました。

今回のアピールは、それを受けて、長い三ヶ月余の沈黙を経て、発表するものです。

………………

あらためて「共謀罪」廃案を求める表現者のアピール


「テロ等準備罪」(いわゆる新共謀罪)は、「言論・表現の自由」をおびやかす、と私たちは考えます。

「心の中で思ったこと、考えたこと」が、行動しなくても、処罰される可能性があるからです。
「一般の人にはむやみに適用しません」と言われても、捜査対象が「テロリスト集団」に限定されず、言論・表現の自由やプライバシーの保護を保証する条文がないことなど、恣意的に運用される懸念が払拭できないからです。

「自分では気づかないうちに監視されているかもしれない」「思ったこと、考えたことが処罰されるかもしれない」という心配は、表現者、および表現を世の中に届けるメディアに携わる人々、そして表現を楽しむ一般の人々をおびやかすことにつながります。
 表現の萎縮や自主規制につながります。

 そのおびえは健全な市民生活を営む人々の生活にも及ぶかもしれません。
 自由闊達なはずの近しい人との会話の間にも「あ、こんなこと言っちゃいけないかな」という、心理的なブレーキが働くかもしれない。
 政治や社会に対する健全な批判精神を封じ込めるかもしれません。

 私たちは2月22日に「『新共謀罪』に反対する表現者の緊急アピール」を出しました。
 しかし同法案は十分な議論をされないまま、6月15日未明に強行採決され、7月1日から施行されています。

 私たちは表現者の立場から、この法律が「言論・表現の自由」をおびやかすのではないか、という懸念を再度表明します。


2017年10月30日 
 
一般社団法人 日本劇作家協会 


※演劇団体や芸術文化団体にもこのアピールへの賛同を広く呼びかけています。


………………


※2月22日のアピールも付記いたします



「新共謀罪」に反対する表現者の緊急アピール

 日本劇作家協会は、過去3度も廃案となった「共謀罪」が、問題の本質は変わらぬまま、「テロ等組織犯罪準備罪」として国会に再度提出されることに、強い危機感を覚えています。
 この法案は網羅する範囲が広く、また、私たちの創作行為が発表以前に監視されることを許すものです。恣意的な運用がなされた場合、思想信条や言論・表現の自由への脅威になりかねません。
 日本劇作家協会は、自由な表現活動を維持する立場として、あらためてこの法案に懸念を表明します。
 

2017年2月22日 
 
一般社団法人 日本劇作家協会 

[賛同団体]                       
日本新劇製作者協会(2月23日付) 
AICT/IATC(国際演劇評論家協会)日本センター(2月26日付) 
公益社団法人日本劇団協議会(3月4日付) 
一般社団法人日本演出者協会(3月10日付) 
協同組合日本映画監督協会(3月23日付) 
 公益社団法人国際演劇協会日本センター 理事会有志(3月25日付) 
神奈川演劇鑑賞団体連絡会議(5月13日付) 
 協同組合日本シナリオ作家協会(6月13日付) 
非戦を選ぶ演劇人の会(6月14日付) 
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沈黙します

2017-10-23 | Weblog
この国の人たちの選択に対し、言葉にならない理不尽を感じます。

しばらく沈黙します。
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開票を待つ

2017-10-22 | Weblog
といっても、これは1月の写真。
1月の宮古島の石嶺香織市議の補選当選前の選挙事務所。
1月は補選だったが今回は本選。
もちろん別な意味で厳しい。

私は今回は東京で仕事しているから、先方からの連絡を待つのみ。

衆議院の話はする余裕がない。
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黙っていても時間は止められないが

2017-10-21 | Weblog
え、選挙応援で聴衆が日の丸の旗を振ってたって?
そういうのはやめてほしいと思うのがふつうの候補者じゃないの?
なんで一候補者に向けて、国旗を振る必要があるの?
わけわからん。
選挙って、なんなのかね。
安倍という人も、まわりも、とことん勘違いしているな。
(追伸情報 日の丸の小旗を配っていたのは自民党のジャンパーを着た人だったそうな)

で、なに?
「叩きつぶせ、立憲・共産」とか言っている候補者がいるんだって。
なんだか最近表情の緩み方がおかしい、公明党の人です。
「叩きつぶせ」とか言う感じの人じゃなかったのだが。
この人、原発事故の対応をした当時の政権担当者を批判しているけれど、この人たちがもっとましにできたとは。思えない。

で、その原発事故当時、「直ちに影響はありません」と言わざるを得ない立場で、ある意味では人々のネガティヴなイメージの記憶に残されてしまったはずの枝野氏が、街頭演説で自然発生的に「エダノン」「エダノン」とあだ名的に呼ばれ、人気の着ぐるみスター君みたいになっているのも、感慨深い。
皆の高揚は本物だろうし、本人が誠実であろうとしていることは、認める。
が、九条についての曖昧さと、「ゼロから考える」の繰り返しではっきり物を言わない沖縄についての歯切れの悪さは、困る。
追い風が吹くと信じるなら、もっと多くの候補者を立てておくべきだった。

あだ名といえば、福島みずほさんがよくキャッチフレーズに「ずんずん」というのを付けているのには気がついていたが、ちょっと前、彼女自身のあだ名として「ずんずん」が使用されているのを、初めて聞いた。
いや、どうなんだろう?
「ずんずん」さん。
ご本人公認のキャッチフレーズだが、「名称」としての使用も可なのだろうか。
沖縄のことを大切に考えるなら、この人の社民と、共産以外は、該当する党は、ない。

この忙しいのに、ちらっとネットを覗くと、いろいろ思わされる。こんなこと書いてどうなるということでもないが、本当に、今日という日、ここにあるこの国を、ファシストの国にはしたくないと思う。
他国を挑発し、戦争する機会を得んがための言動も、やめてもらいたいと思う。
憲法のことをあれこれ言うなら、ちゃんと今の憲法を正しく機能させてほしい。

国会がまったくお仕事しないで、政治ゲームに税金を奪われてばかりだ。
何も解決していない。
選挙は「禊ぎ」じゃない。相対的に票が多かったとしても、誤った行いをなかったことにしてよいという信任を得たわけじゃない。そして、漠然としたイメージでしか語られていないことに、ゴーサインが出たわけじゃない。

そこを押し切られないためにも、とにかく、少しでもマシな状態になっていてほしい。

現実がこうなってしまう前に、もう少しどうにかできたんじゃないかと、思う。
だが悔やんでも時間は止められない。
あきらめないことだ。


写真は、先月、根津博物館裏の庭園にて。


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選挙には行きましょう。

2017-10-21 | Weblog
思っていることがあるのに行動しないのは、よくありません。
選挙には行きましょう。

同じ地域に生きている人たちと、投票の場で会うときの空気が、私はきらいではありません。

そもそもする必要のない選挙じゃないかとか、
自分の支持勢力の立候補者数がもともと限られているから何も変わらないだろうとか、
ただ考えたって、良い方向には向かいません。

選挙に行くのは自分のためです。
行かないとなんだか気持ち悪いからです。
それでいいのだと思います。

期日前投票が増えているようです。
それがどういうことを意味するのかはまだわかりませんけど。
悪いことではないはずです。
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「武装難民」の概念がわからない

2017-10-21 | Weblog
報道によれば、衆議院選を前に麻生太郎副総理が東京都目黒区での街頭演説で、以下のように語ったという。

「国をきちんと守るのは当たり前だが、残念ながらそういった意識が、東京に限らず多くの方々に薄い。日本海側にいったらもっと真剣だ。それは難民が流れ着くかもしれないから。武装している難民かもしれない。そのなかに武器を持っているテロリストがいるかもしれない。パリを見ろと。みんな難民から入ってきてテロになった。パリであった銃殺・殺人事件はまさにそういった形と同じだ。それが朝鮮半島から流れ着いてくる(かもしれない)、日本海側に。そういった意識が日本海側の方にはみんなある。」

……またまた「武装難民」発言。
「日本海側は真剣」だそうである。
どこの国の誰のことを言いたいのか、逃げずにちゃんと説明してほしい。

「難民」と「武装してやって来る何者か」であることが、矛盾なく成立するのは、いったいどういう存在なのか。
しかも「テロリスト」。
いったい「日本海側」で、どのようなシチュエーションを想定しているのか。

雰囲気だけで喋っているわけではないよね。
「朝鮮半島から流れ着いてくる」と明確に言ってしまったことは、ごまかせない。

パリでは「みんな難民から入ってきてテロになった。」そうだ。
「パリであった銃殺・殺人事件はまさにそういった形と同じだ。」
どの国からの難民ですか。「みんな」って、誰と誰と誰。
どう「同じ」なんですか。

あからさまなヘイト。

第一回目の時、彼は「射殺」を口にしている。
二回目になる「武装難民」発言は、確信犯。失言ではない。国際的に非難されて当然である。

そもそも難民を入れない国が、なぜ殊更にそんな発言をしなければならないのだ。

……写真は、与那国島に一昨年から入ってきた自衛隊の、弾薬庫予定地を昨年の九月に撮影した。
自衛隊は、なんのためにここに配備されたのか。
予定より遥かに大規模な弾薬庫は、何のため?

その昔、ベトナム戦争の時代、まさに難民である「ボートピープル」たちがこの日本最西端の島・与那国島に流れ着き、「この島には軍隊がいない」ことを知り、驚いたという。彼らは「平和」の可能性に触れたのだ。
今はその構図を再現できない。
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「安倍を倒す」? そんな目標は、ちっちゃすぎる。

2017-10-20 | Weblog
「安倍を倒す」だ? そんなの目標としては、ちっちゃすぎる。
今の日本には、似たような、ひょっとしたらもっとひどいのが、いくらでもいる。

正しいことを為す。
その最短距離を選ぶ。
それだけ。
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安倍首相とトランプ大統領はツーカーではないのですか

2017-10-19 | Weblog
小野寺防衛大臣は、アメリカ軍が沖縄県東村高江で不時着炎上事故を起こしたヘリと同型機の飛行を18日から再開すると発表したことについて(じっさいもう飛んでいる)、「安全性が防衛省側に十分な説明がない状況において、在沖海兵隊が一方的にこのような発表を行ったことは極めて遺憾であります」と批判したそうだ。「早急に判断の根拠について説明を求める」のだと。
しかし、日本政府としての飛行停止の申し入れを無視され、「極めて遺憾」「説明を求める」とか言っている暇があったら、アメリカのトランプ大統領とツーカーの仲だと吹聴している安倍首相からホットラインで大統領にお願いして、止めてもらえばいいのではないですか。一緒に北朝鮮をやっつけると国連とかでもさんざん吹聴しているのに、こんなに立場が食い違っていて、いいのですかい。パートナーどころか子分以下。親分なら子分に対して、示しを付けるためにも、もう少し筋を通しもらえるんじゃ、ございやせんか。
日本が属国であることを深く受け入れ、アメリカに忠誠を誓う、その分量によって、日本の総理大臣の「アイデンティティー」が強化されるという、「ハリボテの権威」が横行する、「被植民地」であることを買ってでているこの国の有様は、悲惨である。
保守とか革新を越えて、敗戦を深く受け止め、人間がどのように生きていくべきかを少しは考えたはずではなかったのか。「押しつけられた」のではなく、「自らが体現する」ものとして、日本国憲法の精神を独自に生きようとし、民主主義の理想に近づこうとしていたかもしれないこの七十年を捨ててまでして、いったいこの国はどこへ行こうとしているのか。
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落ちてくるのはヘリコプターだけじゃない。

2017-10-18 | Weblog
落ちてくるのはヘリコプターだけじゃない。
今日の共同通信によれば、防衛局によると、米海軍から訓練飛行中の電子戦機が太平洋上に燃料タンクを落下させたと連絡があった、とのこと。
なんでもかんでも勝手に落とすな。

一週間前、沖縄県東村の民間地に米軍普天間飛行場(宜野湾市)所属のCH53E大型輸送ヘリコプターが墜落、炎上した。
そして事故の原因も究明されぬまま、沖縄県関係者や政府の飛行停止の申し入れも無視して、今日は事故を起こしたのと同型のCH53型のヘリが高江の上空を飛んでいるという。

在日米海兵隊は、共同通信に対し、ヘリの一部に放射性物質が使用されていると明らかにしている。
放射性物質はインジケーターと呼ばれる複数の部品で使用されていた。沖縄県は、ストロンチウム90が含まれている可能性があるとして、有害物質の環境調査を始めている。海兵隊は、健康被害を引き起こすほどでなく既に全量を取り除いたとしている。
かつての沖縄国際大学でのヘリコプター墜落事故では、米軍ヘリにはローターブレードの傷を検出するためにストロンチウム90を使っている機種があることは普通に報道されていた。なぜ早く伝えない。
民間人や消火にあたった人たちに、接近すると危険であることを告げなかった?
放射能汚染などに詳しい矢ヶ崎克馬琉球大名誉教授が炎上現場の風下280メートル付近の牧草地など複数箇所で放射能測定したところ、1平方メートル当たり81ベクレルのベータ線が検出されたという。

在沖米軍のローレンス・ニコルソン四軍調整官は、この件について翁長知事に対する態度が強硬と伝えられている。
知事から呼び出しを受けて、「用があるならそっちが来い」と言ったとか、言わなかったとか。
彼は昨年十二月のオスプレイ墜落でもひどい態度だった。

あのとき、キャンプ瑞慶覧内の建物で始まった記者会見で、ニコルソン氏は米軍パイロットを「称賛」した。
「彼の行動は沖縄を守った」「あれだけの損傷で着陸を試みられたのはオスプレイの丈夫さを物語る」「市街地に落ちず、住宅や県民に被害を与えなかったことは感謝されるべきで、表彰ものだ」と言い、安慶田光男副知事からの抗議に反発、興奮して怒ったということだった。
安慶田副知事によると、ニコルソン氏からは「抗議書の中にパイロットに対する気遣いがあってもいい」「政治問題化するのか」などの発言も聞かれ、テーブルを叩いて怒りを示す場面もあったという。副知事は「謝罪も全くなかった。抗議文を渡す時も顔色を変えて怒っていた。人間性を疑う」と憤っていた。

あのときのオスプレイ墜落現場は、ジュゴンの目撃の多いことでも知られる、安部集落から、数百メートルしか離れていない海岸。海縁りのホテルからもほど近く、陸から八十メートルしか離れていない場所だったという。辺野古、キャンプシュワブにも近い。
そもそも米軍機は22時から翌朝6時までは飛ばないことになっていたはずだったが、その時間は過ぎていた。高江と辺野古のほぼ中間地点。だから高江での演習からの帰りかもしれなかった。オスプレイの降りる伊江島と地理的に結べば、名護市街地上空も墜落危険地帯である。

沖縄タイムスの北部報道部・伊集竜太郎記者はニコルソン会見報告の記事の最後に、「県民意識とのあまりの乖離に頭に血が上り、悔しくて涙が出た」と書いていた。
あのときは同じ日、オスプレイ一機が普天間基地に胴体着陸していた。
オスプレイは、オートローテーション機能のない欠陥機。日本の航空法上では、航空機として認定されないはずだという。今回のCH53E型よりも危険なのだ。

沖国大のヘリ墜落事故の教訓は、全く生かされていない。
危険物を積んだ新幹線一両ぶんに近い大きさの鉄の塊が、落ちてくる恐怖。
米軍に訓練をさせている以上、これだけの「人災」が起きていることが、「当たり前」だというのか。

沖縄に押しつけ、やんばるに押しつけてきた、悪夢。
落ちてくるのはヘリコプターだけじゃない。


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ひょっとして、皆さん。民主主義を信じていないんじゃありませんか。

2017-10-18 | Weblog
ひょっとして、皆さん。民主主義を信じていないんじゃありませんか。

以上。
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戯曲集『バートルビーズ/たった一人の戦争』できました。

2017-10-15 | Weblog
彩流社さんから戯曲集が出ることになりました。
第一期第1巻は『バートルビーズ/たった一人の戦争』です。
これから続々と、お届けします。

ふつうの戯曲集と、かなり違います。
「解説・作品ノート付き」なのですが、つまり「あとがき」も入れると戯曲以外の文が、この巻だけで、62ページあります。
どうもたいへんだったなあと思ったら、一度に二冊分進行だったので、100ページ+αの短い本ならほとんど一冊分に近い「書き下ろし」状態であったわけです。

彩流社さんががんばってくださって、価格は抑えています。
これからの時代、手にとっていただける本とはどのようなものなのか考え、チームで粘り強く作り上げました。

戯曲はなるべくまっさらな状態で自由に読んでほしいし、もしも新たな上演を考えていただく場合も独自の発想でやっていただきたいのですが、この、情報が一人歩きする時代、一種の「スターター」のような感覚で初演時のことを受け止めていただくのも「あり」だというふうに、考えを変えました。
上演を観てくださった方にも、そうでない方にも、読んでいただければと思います。

濃いです。

写真(『バートルビーズ』加藤孝氏撮影、『たった一人の戦争』古元道広氏撮影)に加え、図表、楽譜なども豊富です。

書店に並ぶまで、もうしばらくお待ち下さい。

………………………………

坂手洋二戯曲集
バートルビーズ/たった一人の戦争

彩流社 四六判 / 392ページ / 並製
定価:2,200円 + 税
ISBN978-4-7791-2342-9 C0074
奥付の初版発行年月:2017年10月25日 / 書店発売日:2017年10月19日
http://www.sairyusha.co.jp/bd/isbn978-4-7791-2342-9.html


内容紹介

【坂手洋二戯曲集】第一期 全7巻 14作品 刊行スタート!

★ 1冊に2作品収録
★ 各作品に作家自身による作品解説・創作ノート付き!

「「3.11後」を生きる私たちのための戯曲集」
 原発問題に対峙する2作品収録

『バートルビーズ』(国際メルヴィル学会特別公演作品)
ハーマン・メルヴィルの作品『バートルビー』の主人公が、
現代、東日本大震災で被災した病院にいた!?
古典作品から抽出された情念が、
「3.11後」の生き方に重なる叙事詩。
(写真 加藤孝)

『たった一人の戦争』
放射性廃棄物処分のため設置された超深地層研究所。
見学する人々が惑う、繁栄の背後にある闇の歴史。
宇宙にしか逃げ場はないのか。
私たちは「帰り道」を見つけることができるのか。
(写真 古元道広)

著者プロフィール
坂手 洋二
さかて・ようじ
1962年生まれ。劇作家、演出家。
劇団「燐光群」主宰。
1991年 『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』
岸田國士戯曲賞、
2005年 『だるまさんがころんだ』鶴屋南北戯曲賞
……など受賞作品多数。
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11月『くじらと見た夢』アフタートーク・ゲスト決定!

2017-10-14 | Weblog
11月『くじらと見た夢』坂手洋二と次のゲストによるアフタートーク決定!

17日(金)松尾貴史(俳優)
18日(土)小島曠太郎(文筆家・ラマレラ捕鯨文化研究者)・江上幹幸(元沖縄国際大学教授)
24日(金)石川創(下関海洋科学アカデミー 鯨類研究室 室長)

松尾貴史さんは実は劇団の住所とご近所さんなのだが、先日、その圏内である経堂「さばのゆ」でのクジラ関連イベントに出られていて、久しぶりにご一緒したし、クジラも食べた。(写真は「尾の身」。参加者一人一切れしか行き渡らなかった貴重部位)。クジラ愛の人であると信じている。松尾さんはカレー店も経営されているが、カレーとクジラと言えば、缶詰で流通している三陸産クジラカレーというものもあるのだ。

他のゲストについてもおいおいご紹介させていただく所存。

アフタートークは、本公演のチケットをお持ちの方、ご予約の方はご入場頂けます。

…………

新作『くじらと見た夢』、情報公開。

以下、チラシに掲載したご挨拶文です。


沖縄でのイルカ(ヒートゥー、ピトゥ)漁は、伝統的なものとして知られているが、戦後の一時期、名護西岸で本格的な捕鯨をしていたことを、最近になって知った。
十五年近くにわたって、年間数十頭のザトウクジラを捕っていたのだ。
昭和二十六年、「戦後初めての捕鯨」と思しき漁に参加した漁師に、詳しく話を聞いた。
名護東岸、島の反対側に位置する海では、米軍基地キャンプ・シュワブに、普天間基地代替施設としての空港建設が強行されようとしている。
同じ名護市なのに、海の風景はまったく違うのだ。

昨冬、かつて『くじらの墓標』を書くため訪れた捕鯨村・鮎川を、震災後には初めて、再訪した。津波の猛威を受けた町並みはすっかりなくなってしまったが、捕鯨は今も続けられていた。

『南洋くじら部隊』の舞台、レンバダ島の捕鯨村ラマレラを、久しぶりに訪れた。
電気も電話も貨幣経済もなかった暮らしは近代化の洗礼を浴び、変わってしまった。それでも漁師たちはクジラを捕り続けている。

そして、映画『ザ・コーブ』等によってイルカ漁が国際的な非難を浴びた和歌山・太地に、初めて行った。
捕鯨反対運動は沈静化していたが、それとは無関係に、人々は未来を見つめていた。

私の中で何かが繋がった。
捕鯨に携わる家族たちの「伝承」と「共存」の物語が、くっきりと浮上してきた。
『くじらと見た夢』は、私と燐光群による四半世紀にわたるクジラとの旅の、新たな結実となるだろう。


(チラシ、ポスターのクジラの写真は、小島曠太郎氏による。今年、インドネシアのラマレラにて。)


…………………………………………



燐光群創立35周年記念公演 VOL.1

くじらと見た夢

作・演出 坂手洋二


ふたつの海。
クジラのいる海、いない海。

でも忘れちゃいけない。
海はひとつ。
必ずどこかで繋がってる。


佐々木梅治 Benjamin Beardsley 円城寺あや 南谷朝子
中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 大西孝洋
杉山英之 東谷英人 武山尚史 山村秀勝 樋尾麻衣子
宗像祥子 田中結佳 秋定史枝 橘 麦 中瀬良衣


打ち上げられたクジラたちは、夢を見ているのか。
それとも抗いようのない現実に、耐えているのか。

『くじらの墓標』『南洋くじら部隊』に続いて、捕鯨と人間社会の葛藤を描く、壮大なる叙事詩。


11月17日(金)~ 26日(日) 座・高円寺1

文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術創造活動活性化事業) 
秋の劇場21 日本劇作家協会プログラム


照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○森下紀彦 藤村謡子
美術◯加藤ちか じょん万次郎
衣裳○小林巨和
演出助手○村野玲子
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ
宣伝意匠○高崎勝也
制作○古元道広 近藤順子 
協力○劇団民藝 浅井企画 青年座映画放送株式会社 DULL-COLORED POP e-factory
Company Staff○桐畑理佳 鈴木菜子 鈴木陽介 番匠郁 福田陽子 西川大輔 宮島千栄 橋本浩明 内海常葉 秋葉ヨリエ 脇園ひろ美
主催○有限会社グッドフェローズ
後援○杉並区
提携○NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺

★石川創氏(下関海洋科学アカデミー 鯨類研究室 室長)他、ゲストと坂手洋二によるアフタートークを予定しています。日程等は追ってお知らせします。本公演のチケットをお持ちの方、ご予約の方はご入場頂けます。


【全席指定】 
◇一般 4,200円(なみちけ使用可)
◆劇団特別割引(劇団予約・燐光群オンラインチケット扱いのみ) 
■一般 3,700円  ペア 6,800円 
■U-25(25歳以下)/大学・専門学校生2,500円 高校生以下1,500円 ※U-25/学生券は前日迄にご予約の上、当日受付にて要証明書提示。 
<なみちけ>
座・高円寺の劇場回数券「なみちけ」もご利用いただけます。
「なみちけ」とは、4枚綴りのチケット引換回数券です。座・高円寺で上演する主催・提携公演であれば、お一人1枚1ステージにご利用になれます。ひとつの公演に何回足を運んでも、お友達と一緒に使ってもOK。
一般用12,000円(1シート3,000円×4枚)、学生及びシルバー用10,000円(1シート2,500円×4枚)です。詳細は座・高円寺チケットボックスまで。
【前売扱所】
◆座・高円寺チケットボックス(月曜定休) 
■03-3223-7300(10:00〜18:00)  窓口(10:00〜19:00)■オンライン予約 http://za-koenji.jp/
◆燐光群オンラインチケット(U-25/ 学生券を除く) http://rinkogun.com 
■トップページのメニューよりお進み下さい。ご予約の上、セブンイレブンでチケットをお受け取り下さい。
■お支払いは現金(セブンイレブン)、またはクレジットカードとなります(手数料はお客様負担)。
■※会員登録(無料)が必要です。

受付開始○開演の40分前 開場○開演の30分前

前売開始○10月8日(日)
◆ご予約・お問合せ■燐光群/(有)グッドフェローズ
■03-3426-6294
■ticket-rinkogun@ee.alles.or.jp
■https://www.quartet-online.net/ticket/kujira-tokyo
■①<お名前/電話番号/希望日時/チケットの種類と枚数>をお伝え下さい。こちらからのお返事を以てご予約とさせて頂きます。
■②当日、開演の10分前までに受付にお越し下さい。代金と引換でチケットをお渡しします。
■ この時間を過ぎますと、あらかじめご用意しておりましたお席にご案内できない場合がございます。
■ ※ご予約頂いた順に、お席をご用意いたします。
■ ※キャンセル・日時変更はできません。 
開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。
未就学児のご入場はご遠慮下さい。

◎以下のサービスは劇場で承ります 
お申込・お問合せは座・高円寺チケットボックス 03-3223-7300まで
*車椅子スペースをご利用の方は、前日までにお申し込みください(定員あり) *障がい者手帳をお持ちの方は、座・高円寺チケットボックスでのご予約に限り1割引きになります。 
*託児サービス(11月18日・20日・22日・25日 各14時公演/定員あり・対象年齢1歳~未就学児・1週間前までに要予約)料金:1,000円

*座・高円寺1
〒166-0002 杉並区高円寺北2-1-2 03-3223-7500
JR中央線「高円寺」駅 北口徒歩5分
※土・休日の中央線快速は高円寺駅に停車しませんのでご注意ください。
※駐車場はございませんので、お越しの際は公共交通機関をご利用ください。


【国内ツアー】 詳細についてはもう少しお待ち下さい。

[名古屋]12月12日(火)・13日(水)愛知県芸術劇場 
[伊丹]12月15日(金)〜17日(日)AI・HALL
[岡山]12月19日(火)市民文化ホール



http://rinkogun.com/kujira_to_mita_2.html

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アメリカの真似して「ユネスコ脱退」は、やめてほしい

2017-10-14 | Weblog
報道によれば、アメリカとイスラエルは、12日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)を脱退すると、発表。
ユネスコが「反イスラエル」で偏向していると批判しているそうな。
2011年には、ユネスコがパレスチナを完全な加盟国と認めたため、米国は分担金8000万ドル以上の支払いを凍結。
昨年はエルサレムの聖地「神殿の丘」について聖地のアラビア語名のみを表記し、ヘブライ語の名前などがないにもかかわらず、ユネスコで決議案が採択されたことにイスラエルが反発、ユネスコとの協力を停止。
米国のユネスコ分担金未払い分は5億ドルに達すると言われ、滞っている。
ユネスコは第2次世界大戦後にアメリカが中心となって作ったはずなのに、自分の思い通りにならないと、そっぽを向く。

かねてから日本もユネスコに対し、「分担金の比率では日本が事実上のトップだが、それに見合う影響力を行使できていない」と不満げだった。
ユネスコは2015年、中国が申請した「南京大虐殺文書」を記憶遺産に登録。日本政府は強く反発し、昨年の分担金約38億5千万円の拠出を同年末まで留保した。
今年7月は、ユネスコの「世界の記憶」(記憶遺産)に、日中韓などの民間団体が登録を目指す慰安婦問題の審査をにらんで、今年の分担金約34億8千万円の拠出を当面見合わせる方針を出した。

この間、トランプに追随することを恥ずかしいと思っていない安倍の言動の愚かさに呆れている。
心細くなっても、自惚れが増しても、アメリカの真似をするこの国は、後を追って脱退、ということになるのだろうか。
高林敏之さんはじめ、心配されている方が多いようだが、私も嫌な感じがする。
そうなったら、みっともない。じつに。
それに、意地になってさらにヘンなことをやりかねない。

アメリカの真似をしてキャンキャン吠えるのと、黙って反戦を貫くのと、どの道を選ぶのか。
真に独立国として堂々と振る舞いたいなら、どちらを選ぶべきか。
世界は見ている。

写真は、今年9月、キャンプシュワヴに近い、沖縄・辺野古の歓楽街の廃ビルの壁。
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わるいが。温泉。

2017-10-13 | Weblog
わるいが。温泉。

もう、どうにもこうにも心身共にリフレッシュしたくて、急遽、温泉に行った。
世情のことは一瞬忘れさせていただく。
はい。

稽古帰りに、である。
自転車での通勤路の途中にある、ご存じ、桜上水、月見湯温泉。
ほぼ銭湯であるが、一角に、温泉の湯船あり。
460円。
年に二回は来る。
つまり、年に二回以外の通勤時には、この温泉に曲がる角を無視して、素通りしている。

今日は雨にも祟られて、ガラガラだった。
洗い場は独占状態。
そんなにゆっくりしていられる状態ではないので、滞在時間二十分。
上等である。
私の世代はコインシャワーの5分間を計算して育ったので、二十分、豪華だ!
家に帰って湯を溜めるより、早い、ということでもあった。

皆、許せ。
年に二回(平均)の「世田谷温泉」のうち一日が、今日だった。

ジェット湯に二分だけいて、温泉部に戻ると、狭い温泉仕様の湯船に、がーっと横たわる、たぶん、私より少し若いくらいの男性がいた。
ほぼ独占状態。
私はそういうことをいちいち気にしないので、そうはいってもひと一人ぶんはあいている空間に、普通に浸かった。
やがてその男性は、「腰のリハビリ中なのです。伸ばさせてもらっています。すみません」。
私は「お気遣いなく」。
外からは、急に強くなった雨の音。

私の地元の駅前から銭湯がなくなって、二年。
月見湯温泉の存続を、願う。

掲載の写真は、昨年撮ったものだ。

http://tsukimiyu.com
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米軍による軍事力行使を「支持する」とは、どういう意味だ

2017-10-12 | Weblog
看過できないのは、共同通信社が第四十八回衆院選の立候補予定者に政策アンケートを実施し、核・ミサイル開発を進める北朝鮮に日米両政府が圧力を強めても、平和的解決が最終的に困難な場合、米軍による軍事力行使を「支持する」とした割合が自民党で39・6%に上った、という情報。
「平和的解決が最終的に困難な場合」を誰がどう判断するのだ。アメリカと日本がこれだけ北朝鮮を挑発しておいて、平和的解決など求めていないことがあからさまなのに、米軍による軍事力行使を認め、違憲の安保法制でその手助けができることになっている以上、日本も「参戦」することになる、その選択を推進しようとしているのだ。
なぜそんなに戦争をしたがるのか。喧嘩ができなきゃ一人前じゃないよ、と言われていると思い込んで、それが何を意味するかもわからぬまま、蒙昧の中に飛び込もうとしている、悲惨なこの国の現実である。

昨日落ちたヘリコプターは、その「軍事力行使」の一翼を担う。「戦争のための訓練」の中で起きたことについて語るのに、「事故」という言葉が合っているようには、どうしても思えない。

高江を舞台にしたところの多い『星の息子』(2012年初演)の戯曲集が、まもなく彩流社から、出る。
昨日届けた念校の修正について、編集の林田さんと電話で話す。
「後書き」に今回のヘリコプター墜落について一行でも二行でも追加で記そうかとも思い、相談しかけたが、やはりやめておくことにした。
墜落したから、「やっぱり」ということではない。はじめからおかしいのだ。
ともあれ、自分のすべきことをしていくだけだ。
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