Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

ほんとうのことが知りたい

2013-10-24 | Weblog
米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移問題設が焦点となる、沖縄県名護市長選。いよいよ投票は来年1月に迫った。
なかなか候補者を出せなかった辺野古基地容認派閥は、川上副知事の擁立断念を受け、結局、末松文信県議でまとまったようだ。寸前の沖縄タイムスの島袋前市長出馬という「誤報」が決定を急がせたか、と勘ぐる。どっちが出るのかと思ったが、保守系統一候補としては、もともと基地受け入れの保守市政の実務を仕切っていた末松氏が「適任」ということになるらしい。

特定秘密保護法案を担当する森雅子少子化相は、沖縄返還の密約を報じて記者が逮捕された「西山事件」に類似する取材活動は、処罰対象になると明言。「取材が不当でなければ正当業務として罰しない」という政府見解に対して、「不当とは西山事件に匹敵する行為だ」とした。
沖縄に関する「日米密約」を暴いたジャーナリストの行為は、不当なのか。「職員に漏洩を働き掛けること」と、「密約を示唆する極秘電文を隠蔽すること」と、どちらが正しいのか。どの部分が「不当」にあたるのか。きっちり説明できるのだろうか。政府が国民に無断で密約を結ぶことの「罪」は誰にも問えず、「政府にとって都合の悪い情報を暴けばその者だけ処罰される」ことになる。それでいいのか。
特定秘密の指定事項は、(1)防衛(2)外交(3)特定有害活動の防止(4)テロリズムの防止。何が「特定秘密」に当たるのかは、国民の目に触れない密室で政府が決めるという。「安全保障上支障がある」というが、その根拠は国民には知らされることはない。
国民の知る権利や取材の自由に「配慮」というが、何をどれだけ「配慮」するのか。「安全保障」に関わると理屈を付けたら、どんな情報も秘密として封印されかねない。「特定秘密」の指定は行政機関の「長」が担うとされており、政権や官僚にとって都合の悪い事実を、いくらでも隠蔽することができる。
最高十年の懲役を課される可能性のある公務員たちは、あらゆる情報を閉ざすだろう。国会議員も最高五年の処罰対象。そもそも特定秘密を知った議員は国会で追及できない。まるで「とんち」だ。
用意されるという「有識者会議」など、形だけだ。ナンセンス。アメリカのような機密解除の仕組みもない、真っ黒な情報統制。
「テロ」は、殺傷や破壊活動のほかに、「政治上その他の主義主張に基づき、国家もしくは他人にこれを強要」する活動も含まれると解される。都合の悪い市民活動を、例えば反戦・反原発運動をも「テロ」と決めつけかねない。
9万480件の意見が寄せられたパブリックコメントでは、反対が77%、賛成は13%だった。それを無視するつもりか。意見を持つ者の八割近くが反対しても通るのか。
25日に閣議決定、今国会での成立を目指すという。許してはならない。

汚染水漏れが続く東電福1原発の観測用井戸で、17日に採取した水の放射性物質の値が前日採取分に比べ約6500倍に急上昇。約300トンの高濃度汚染水漏れが判明したエリア。汚染水がどこに流れたかは、はっきりしていない。法的に許容される排出基準を数千倍上回る、危険性の高い放射性物質のストロンチウム90が含まれている可能性があるという。
さらに24日、福1原発港湾外の外洋につながっている排水溝から23日に採取した水で、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質が最大で1リットル当たり14万ベクレルが検出された。外洋まで直線距離で約600メートル、排水路の長さで測ると約800メートルの地点で過去最高値を更新、前日比2.3倍に上昇。22日に採取した水にも前日の値と比べ11倍超に急上昇したという。もう「算数」での計算ができないほどの倍増の仕方である。
「汚染水」というから、イメージが、「何か汚れたもので薄まった水」ということになる。ではなく、いったん溜められたにせよ、「炉心を冷却した水が、そのまま出てきている」、そう考えた方がいい、と言う人がいる。まったくその通り。

そして東京電力はいよいよ、事故以来初めて、11月上旬から、福1原発4号機の使用済み核燃料プールに保管している1533体の燃料を取り出すという。被曝量や賃金の関係で、「素人とヤクザしかいない」と揶揄されている現場らしいが、そこにはさすがに専門家が確保されているのだろう。当初計画より1週間程度早めての開始。その理由がまったくよくわからない。
なぜ前倒しなのか。本当に準備は万全なのか。何か隠したいことでもあるのか。

ほんとうのことが知りたい。それが悪いか?
コメント
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