Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

オペラシアターこんにゃく座『白墨の輪』 初日まであと一週間!

2015-01-30 | Weblog
『白墨の輪』稽古たけなわである。
という近況報告をしようと思ったが、忙しすぎて、ついに今日、衣裳と全てのミュージシャン(五名、豪華である!)の揃った初の通し稽古を終えてしまった。
まあそれでも、報告。
こんにゃく座での、音楽劇。
初のオペラ演出。
既成台本を演出するのじたいが久しぶりだ。演出のみを担当するのは東京演劇アンサンブル『荷』以来になるのかな。でもあの時は作者の了解を得て上演台本として大幅に書き直した。構成も変えた。大友良英オリジナル音楽による、俳優たちの生演奏も入っていた。日韓合作で韓国の俳優もいたから、まとめるのは豪腕が必要で、ある種やりたい放題のところはあった。現場の皆さんはたいへんだったと思う。
今回は、台本はもちろん既に楽譜も基本は完成している。オペラだから歌のみならず台詞の載せ方も楽譜の音符に合わせて作られている。何もかも「決まりごと」の中のようである。
しかし面白い。
不自由ではない。
これはひとえに、こんにゃく座という団体の力による。
メンバーの在り方による。
その説明はしない。
説明するのがもったいない。
観ればわかる。
というわけで、いよいよあと一週間で初日。
皆さん、ご来場お待ちしています。

きょうも一日十二時間近く稽古場にいたわけだが疲労を感じない。(うそ。感じている暇がない!)
ドーピングはしていないが(過去にもしたことはないが)、ハイになっている。
なんだかんだスタッフもみんな機嫌がいい(はずだ)。森下紀彦舞台監督の人徳もある。もちろん、仕事はたいへんなんですよ。
ふだん「作・演出」をしている時の私は、どこまで「演出」としての仕事なのかがある意味曖昧なのだが、今回は他の仕事は求められていない。こんなに純粋に「演出」だけをしているのは滅多にないことだ。

写真は、私と演出助手城田美樹のいる演出席。今回は特殊な舞台美術なので、架設で高い位置に演出席を設けているのだ。
どんな舞台セットかは……、
観ればわかる。
演劇をよく知る者ほど唖然とすること請け合いである。
舞台美術は島次郎氏である。巨匠が「とんでもないシンプル」を企図すると、こうなる。
宮本宣子さんの衣裳も、もう楽しくて仕方がない素晴らしさ。ほぼ完成した。
きょうの通しを観た島次郎さん曰く、「サカテは打ち合わせ時に言ったこと全部やってるな」。いえいえ、とんでもない。全部はやっていない。面白いと思われることだけやっているのである。まあそれでもそう思われても仕方ないくらいには、遊んでいるのかな。

音楽劇のことなどわかっていない。謙虚に学ぶ。とにかく人生、勉強だ。
「人間、勉強さえしていれば怖いものはありません」と志村喬さんが言っていたというが、その通りである。
明日もがんばろう。

…………………………

オペラシアターこんにゃく座『白墨の輪』

[原作] ベルトルト・ブレヒト
[台本] 広渡常敏
[作曲] 林光
[演出] 坂手洋二
[出演] 川鍋節雄/大石哲史/梅村博美/佐藤敏之/富山直人/花島春枝/靍野うるお/佐藤久司/豊島理恵/彦坂仁美/太田まり/島田大翼/西田玲子/北野雄一郎/沖まどか/金村慎太郎/武田茂/靍岡由季  岩佐和弘(フルート)/伊藤博(オーボエ)/橋爪恵一(クラリネット)/前田正志(ファゴット)/服部真理子(ピアノ)

2015年2月6日(金)~8日(日)
・6日(金)18:30~
・7日(土)13:00~ 18:30~
・8日(日)11:00~ 16:00~
*開場は開演の30分前

世田谷パブリックシアター TEL.03-5432-1526
東京都世田谷区太子堂4-1-1 キャロットタワー
三軒茶屋駅[東急田園都市線(渋谷駅より2駅・5分)・世田谷線]直結

○チケット料金
*全席指定 *当日は一人500円増し *税込金額
A席(1F・2F中央1列目)一般:6,000円 ペア:11,000円 学生:4,000円
B席(2F)一般:5,000円 ペア:9,000円 学生:3,000円
C席(3F)一般:3,500円 学生:2,000円
【世田谷パブリックシアターチケットセンター、オンラインチケットでの取扱】
〈劇場友の会〉 *1 A席:5,500円 B席:4,500円
〈アーツカード〉*1 A席:5,700円 B席:4,700円
〈U24〉    *2 A席:4,000円 B席:3,000円 C席:2,000円

託児サービス・車椅子スペースあり。

http://www.konnyakuza.com/syusai_b.html
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宮城康博氏 48時間の発言

2015-01-28 | Weblog
現在の沖縄・辺野古については、あまりにも信じがたい暴挙が続き茫然とする。
私が私感を記すより現地の宮城康博氏の声に耳を傾けたい。

ご本人の承諾を得てフェイスブックに記されているこの間の48時間の彼の発言の断片を並べる。
フェイスブックをなさっていない方もいらっしゃるだろうからだ。

私のブログを情報収集手段にしてくださっているという海外の方がいらっしゃるが、最近書き込めなくて申し訳ないと思う。日本はこんなになってしまっている、という現実をまずは沖縄からの声でお伝えしたい。

これらの宮城氏の発言は、この「48時間」の間に出されたものだ。
おそろしい時代の転換が無茶苦茶な速度で、最悪の手段で、なされようとしている。
食い止めるために何ができるのか。
私の意志は今はまず宮城氏と共にあることを確認し。とにかく拡散を続ける。


……………………………………


おたふく風邪の完治証明と、インフルエンザの検査結果を待つ。断絶し繋がり先は見えない。

小思考メモ
◎辺野古・大浦湾の海域に大きく広げられた「臨時制限区域」はキャンプ・シュワブという在沖米海兵隊基地の拡大である。
◎米国の軍事政策の施政権下にあった沖縄で、米軍が自由使用していた状況を施政権の日本国返還後も継続できるように定めた日米合意「5.15メモ」があるが、その措置よりも使用範囲を拡大する日米合意である。
◎施政権返還後、日本国の一県になった地方自治体である沖縄側の意見はなにひとつ聞き入られることなく、「日米合同委員会」で勝手に合意された措置である。
◎「臨時制限区域」はシュワブ海岸から50mという立ち入り制限区域が、最大で2kmまで拡大されている。日本政府は、制限区域への立ち入りは「刑特法」の対象である違法行為だという。
◎沖縄県民の意思を人権を無視したそれらの措置に納得できない市民は、「市民的不服従」の行為として、臨時制限区域内に立ち入り抗議の意思を示し続けている。
◎近代国家と法、憲法と国家行為、統治の在り方、民主主義、すべてを根底から問う市民の「表現の自由」が行使されている「現場」がまさしく、辺野古・大浦湾の海である。
◎「刑特法」と発言し「市民的不服従」を弾圧しつつ、いまだに「刑特法」を適用しないのは、国家による「表現の自由」への配慮などではなく、自らの行為の正統性への確信がないからだ。国家の「権威」は沖縄で大きく揺らいでいる。
◎国家の「権威」「法」は、民衆の絶え間ない抵抗と「市民的不服従」の挑戦に晒されている。それは民主主義国家として立憲主義の国家として健全な姿である。
◎沖縄を軍事植民地の如く扱う、日本国政府、日米両国政府のあり方が大きく問われている。

具体的に動くこと。その動きがない限り、動いているとは認識されない。
沖縄は、日本国政府の辺野古新基地建設の埋立を承認した。
現段階ではその事実しかない。
新しい県知事は、公約で反対と阻止を表明しているが、その動きは遅々としている。これは政治であり、その遅々としていることが送るシグナルに反応する政治がある。
26日、県知事は前知事が行った埋立承認を検証する委員会立ち上げを明言し、検証中は海上作業を中断するよう要望した。まだ、埋立承認は取り消しも撤回もされていない。
現状では、日本国政府が海上作業を中断する可能性は皆無と認識せざるえない。

シュワブゲート前からの緊急報告。-
--
現状の報告です!
下ゲートにて抗議活動中です!
山城さん、ヤスさん、先頭に立っているので情報の発信をします、
資材を積んだトレーラーを確認したとの事です!機動隊の人数もいつもと違い続々増えてます、今からでも来て下さい、今50人いません!
遅らせても止める事はできません!
お願いします。

(現地報告)
シュワブゲート前、弾圧が強行が、沖縄への人権蹂躙が、行われる直前。


翁長知事への闇雲の信頼も、先入見だらけの誹謗も揶揄も、ともにどうしようもない。
遊んでるんじゃない。現実を動かすんだ。

シュワブゲート前に機動隊とトレーラーが進撃し市民県民と対峙しているあいだに、大浦湾海上に大型台船を配置する。日本国政府・沖縄防衛局の2015年1月26日真夜中深夜から27日未明にかけての、沖縄県名護市辺野古での作戦。
国体護持のための「沖縄戦」進行中。

少女が3人の海兵隊員にレイプされて20年。その後、沖縄戦時に米軍が造った普天間基地を辺野古に移設するSACO合意がされて19年、名護市で市民投票が行われて18年。県知事が海上作業中断を要請してから1日。昨日、大浦湾に大型台船が入った。
70年前は遠い昔で、なかったことにされるような過去ではない。
沖縄戦時の人の足跡を辿りながら、とてつもない胸騒ぎと哀しみと怒りに動揺している。すこし中断して、深呼吸する。

〈全基地即時閉鎖〉
ここにしか出口はないんだろう。
日米両政府に、沖縄の意思を伝えるには。

翁長県知事は節度を持って毅然と日本国政府に相対している。その翁長県知事への日本国政府の対応は、あまりにも露骨に疎外し聞く耳を一切持たない対応である。これは県知事としての翁長さんへの失礼ではなく、翁長さんを大差で県知事へと押し上げた沖縄県民への態度であることは論を待たないし、沖縄県民はとても傷つき、もうすでに忍従の限度を超えていると言っても過言ではない。
昨日の、翁長県知事からの海上作業中断の要請に対しての日本国政府の応答は、大浦湾への未明の大型台船投入である。新聞報道によると翁長県知事はこの事態に対して「とても残念だ。「大変残念だ。県もできる限りのことをしてこれに対処していきたいと思う」と述べたということである。
翁長さん、沖縄県としての「できる限りのこと」とはなにがあるんでしょうか。「これに対処」の「これ」をどのように認識するのかによるのでしょうが、今日のこの事態での「これ」は、沖縄県がなにを言おうと行おうと、辺野古新基地建設は粛々と進めるという日本政府の意思でしかない。その意思を受けて、沖縄県の「できる限りのこと」とはなんなんでしょうか。ありていの抗議では聞く耳持たない、要請にも応じない、協議などする気はさらさらない相手に対して、「できる限りのこと」はなんなんでしょうか。
沖縄の米軍基地は、日本国内の他府県の米軍基地と違い、その土地のほとんどが民公有地です。それらの契約をすべて拒否して、これ以上、沖縄を無視し蔑ろにし虐げる日米安全保障条約体制に、沖縄は協力できないという意思を示すことではないでしょうか。
「全基地即時閉鎖」を要求すべきです。そうすることでしか、日本国政府が、いまげんざい、沖縄に対して行っている自身の暴力の酷さを省みることはないし、沖縄の声を真摯に聞き、国家安全保障について真摯に考えることはないでしょう。
私は、いち県民として、1997年に名護市民として市民投票に一票を投じた主権者のひとりとして、翁長県知事に政府に対して「全基地即時閉鎖」要求をしていただくようお願いします。

日曜日は、こどもたちのおやつにポーポーを焼いた。いつもよりすこし黒糖粉末を多めにいれて甘くした。こどもたちは大喜びだった。今日の晩ご飯のおかずは、ハンバーグにした。ミルクで湿らせたパン粉をいれて、なかにチーズを埋めたらふんわりとおいしくできた。こどもたちは大喜びだった。こんなことぐらいしか、してあげられることがない。とてもつらい。ほんとうに日本政府は酷い。

何度もカットして、投稿を躊躇してたのをここに置く。
【怒ってる】
法的瑕疵があるかないかの検証なんて後回しでいいんじゃない。沖縄県知事はとにかく埋立承認の撤回を宣言しちゃいなよ。知事選も衆院選も、民主主義の根幹である選挙で我々沖縄が意思を示しているのに、無視し踏みにじり陵辱する政府行為を前に、悠長な検証なんてやってる場合じゃないっしょ。明日には、大浦湾にトンブロックが沈められ、破壊されるんだよ。沖縄県がこの事態を食い止めるための「できる限りのこと」とは、そのことでしかないんじゃないの。訴訟でも何でもしてもらおうじゃないか。全世界に、沖縄の主張を聞いてもらおうじゃないか。
---
新しい沖縄県政が訴訟や諸々のことを考慮し真摯に慎重にコトを運ぶのは理解する。その上で、検証結果が出るまでの間、どのように対処するかできるかを考えておくべきだと言ってきた。
政府が、ここまで頑迷に沖縄を無視し陵辱する態度で臨むとは、県知事選挙時にも衆院選挙時にも私は思わなかった。政府も選挙に影響を与えないように、海上作業を中断していた。私たちは選挙で民意をしっかり示すことに一縷の望みを希望を託した。選挙結果が出たら、政府は中断していた作業を再開し、選挙結果など意に介さず「粛々」と進めるという。
今日、この事態に直面して、沖縄はどうできるというのか。これは日本国政府による白昼堂々の沖縄レイプである。唾棄すべき暴力以外のなにものでもない。海保の海猿やゲート前の県警が、具体的にふるっている暴力は、この暴力の顕現以外のなにものでもなく。暴力者たちは、国家権力の権威に従わない沖縄の市民・県民は、理解に苦しむ過激派か野蛮人ぐらいにしか思っていない。私たちは理性ある人間としての尊厳を否定され傷付けられ、血を流し続けている。
沖縄県は「できる限りのこと」をしなければならない。選挙時と、現在では状況は違う。
悠長なことは言ってられない。

【米軍普天間飛行場移設】
穀田恵二氏(共産) 沖縄県名護市長選、県知事選、総選挙で名護市辺野古への新基地建設反対を掲げた候補が勝利した。建設は断念するべきだ。
首相 選挙結果はいずれも真摯(しんし)に受け止めたい。(普天間飛行場の)辺野古への移設は沖縄の負担軽減に十分資するものだ。政府の姿勢が民主主義に反するとは考えていない。

「真摯に受け止めたい」(が受け止めるわけにはいかないし、受け止める気はない)
「民主主義に反するとは考えていない」(当然ではないか、国会の多数派が国の方策を決めるのが民主主義であって、沖縄は少数意見でしかない)
多数による専制が民主主義だと短絡され、差別が開き直っている。


県知事選挙も衆院選挙も、沖縄県民の民意の結果など、なんの意味も成さずに、辺野古新基地建設が強行されるというのは、国家による沖縄への常軌を逸した差別でありジェノサイドの如き弾圧。まじめなはなし、この数日で心身に支障を来している県民は多い。日本国政府は犯罪的。
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日本劇作家協会関西支部始動 ~関西版 月いちリーディング

2015-01-27 | Weblog
昨年春に発足した日本劇作家協会関西支部
直後の劇作家大会豊岡大会ではさっそく重要な部分を担っていただき、たいへんお世話になりました
今年いよいよ本格始動です

東京では座高円寺で継続している「月いちリーディング」の関西版を開始します
さわやかな青空のデザインのチラシもできあがっています

通常の戯曲紹介のリーディングと違って、劇作家の育成自体を主眼にしています
ミュージカル『RENT』等をうみだした劇場であり演劇機関である〈ニューヨーク・シアター・ワークショップ〉がブロードウェイの休演日である毎週月曜日に行っているワークショップ・シリーズに影響を受け、さらに日本向けにアレンジを加えています
とにかく一度体験してください
戯曲を書き始めた方々にとっての貴重なレクチャーであると同時に、演劇創造を支えるインフラのあり方について大きな示唆を受けることは請け合います

詳細は以下の通りです

………………………………

関西版 月いちリーディングで
ブラッシュアップしたい戯曲を応募します!!
【応募規約】
*作者がブラッシュアップしたいと考えている作品であること。リーディング発表ではなく、あくまでブラッシュアップのためのワークショップであることを、ご理解のうえご応募ください。
*すでに書籍あるいは雑誌に発表された作品、上演契約期間中の作品のご応募はお控えください。
*原稿はデータでお送りいただくことが原則です。ファイル形式はワード形式でお送りください。手書きの場合はお問い合わせください。
*上演時間が1~2時間程度の作品を対象とします。
*取り上げる戯曲の作者には、遅くとも開催日の2週間前までにご連絡いたします。(その他の方への連絡は行なっていません)。
*必ずしも最も完成度が高い作品を取り上げるわけではなく、劇作家育成の趣旨に基づき、新人の作品・未発表作品・ブラッシュアップの価値がある作品を取り上げる場合がございます。
*脚色作品は原作の著作権を確認のうえ、権利が切れていないものについては、作者側で処理のうえでご応募ください。
*戯曲・小説・映画・音楽・アニメ・ゲーム等の先行知的創作物を使用している場合は、その作品名・著者名(著作権者名)・出版社名等をご明記ください。著作権処理が必要な場合は、作者側でお願い致します。
*応募作の返却には応じかねます。あらかじめご了承ください。
【応募方法】
作品の末尾に、下記の情報を添えてご応募ください。
・作品のあらすじ
・作者名
・作者プロフィール
・住所
・電話番号
・メールアドレス
応募先=日本劇作家協会関西支部メール      jpwa.kansai@gmail.com
問い合わせ=050-3690-6910
〆切= 4月13日(第一回 5月16日(土)開催分)
    7月15日(第二回 8月29日(土)開催分)
採用戯曲の決定は、webでお知らせします。
日本劇作家協会関西支部facebookページ
http://www.facebook.com/jpwakansai
※「月いちリーディング」はイベント形式のリーディングワークショップです。詳細はこちらをご覧ください。
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原発から5キロ、請戸小学校の見晴台から

2015-01-22 | Weblog
福島第一原発から5キロ、津波の被害に遭ったが建物が残っている請戸小学校の見晴台から。
右奥に原発がある。
失ったもの、奪われたものの大きさを思う。
立入禁止区域には津波の痕跡も多く残っている。

この日の話はまたいずれゆっくり。

ある事情で団体行動の一日だったが、福島の演劇人にも遭遇。
福島入りの一昨日夜に郡山を通りかかって佐藤茂紀さんに連絡。昨朝は福島駅前で出勤前の大信ペリカンさんにばったり。夜はいわきアリオスで萩原宏紀さんに話を聞く。東北劇王の福島代表のお三方である。


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ろくでなし子さんの逮捕、起訴に対する抗議声明

2015-01-20 | Weblog
事件が起きてからの経緯でいうとたいへん遅くなったが、一般社団法人日本劇作家協会は、2015年1月19日付けで、下記声明を発表。
協会内の言論表現委員会による、昨年からの討議、年明けに十二人が結集した濃密な会議を経たもので、今後も表現の問題についての発言を継続していく。

      ……………………

ろくでなし子さんの逮捕、起訴に対する抗議声明

 わたしたちは、ろくでなし子さんの二度にわたる逮捕、勾留、起訴について、これを不当として、抗議します。

 わたしたちは、同じ表現者の立場から、今回の件に関して、警察権力の手法に深い危惧の念を抱いています。みずからの身体と性について、女性自身が主体的に表現できる場を創造してきたろくでなし子さんが、二度にわたって逮捕、勾留される必要はなかったと考えるからです。
 警察権力の恣意的な判断に基づいて、ひとつの表現が「わいせつ」であるとされて、逮捕、勾留、起訴に至り、そのために、ひとりの表現者が、その生活や表現活動に重大な傷を負わされることは、自由にものを創造し、発言する、すべての表現者に対する弾圧に他なりません。
「表現の自由」を根本におく憲法と民主主義のもとで、あってはならないことです。
 芸術性など性的刺激を緩和させる要素を勘案し、表現全体の評価を重視した最高裁の最近の基準に照らしても、本件は大いに疑問です。

 わたしたちは、ろくでなし子さんの表現活動が、これ以上不当に妨害されることのないよう求め、この度の警察による行為に対して、強く抗議を表明します。


2015年1月19日 
 
一般社団法人 日本劇作家協会

http://www.jpwa.org/main/statement/appeal20150119



 *演劇団体や芸術文化団体にもこのアピールへの賛同を広く呼びかけています。
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韓国現代戯曲ドラマリーディング開催中

2015-01-18 | Weblog
韓国現代戯曲ドラマリーディング、シアタートラムにて絶賛開催中。
最終日の本1月18日(日)は14時から「アリバイ年代記」。これは日本ではなかなかお目にかかれないスタイルの戯曲だ。ぜひ未見の方はお見逃しなく。
そして17時よりシンポジウム「女性が世界を変える」出演=金明和、金潤美、永井愛、小林七緒、 大笹吉雄。

写真は一昨日の夜、「アリバイ年代記」初日を終えて。
左より中津留章仁、私、「アリバイ年代記」の作者キム・ジェヨプ、 大笹吉雄日韓演劇センター会長。
昨年、中津留作『背水の孤島』をキム・ジェヨプがソウルで演出している。私を挟んでむさ苦しい三人男揃い踏みで、記念にか魔除けかということらしく撮られてしまったという写真。
もちろんキム・カンボも来ていて逆の向かい側に座っている。今回参加できなかった木村典子さんから電話がかかる。私はここ十数年、日韓関係で何かあるとたいていカンボ・典子と遊んでいる。

既に上演の終わった二作品も力作、上演にも熱が籠もっていて、今回の開催もとりあえず成功と言えるだろう。
昨日は午前中から今後のことを話し合う日韓の事務局会議だったが、議論百出、意義のある会議だった。

キム・ユンミ作『五重奏』は鬼頭典子さん初の翻訳、薔薇をあしらった保木本佳子演出、女優陣の正面切った押し出しで、「女」の迫力全開だった。小山萌子の暴れん坊ぶりが楽しく、都築香弥子の口跡がひときわ鮮やか。もう少しユーモアが見えてきていいはずだとは思う。

キム・ウンソンの『木蘭姉さん』は、石川樹里さん翻訳の北朝鮮方言を創作する(みごとだ!)恐るべき馬力、さすがの松本祐子演出、適材適所の俳優たち大奮闘で、圧巻。立ち見の大盛況で観客にもどかんどかんと受けていた。キム・ウンソン自身に「坂手作『屋根裏』の影響を受けている」と事前に言われていたとおり、随所に親近感を憶える世界。家族の話と大文字の天下国家の世界が並行する構成は、拙作ではどちらかというと『だるまさんがころんだ』に近い。終演後に話をしてみると、作者はソウルで私が演出した韓国版『屋根裏』を観て、その時に引きこもりの息子を演じたユン・サンファをそのまま『木蘭姉さん』でも引きこもりの長男役にキャスティングしたという。今回リーディングでその役を演じているのは『カウラの班長会議』等でおなじみ櫻井麻樹。

久しぶりにどっぷり三軒茶屋と韓国演劇に浸かったのであった。
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韓国現代戯曲ドラマリーディングVol.7 本日初日

2015-01-15 | Weblog
韓国現代戯曲ドラマリーディングVol.7(及びシンポジウム)

日韓の演劇交流を推進する目的で、日本の〈日韓演劇交流センター〉、韓国の〈韓日演劇交流協議会〉が相互に隔年で行っているドラマリーディング。
その二本での開催七回目。
いよいよ本日初日。
ぜひお誘いあわせの上、ご来場お願いします。

「韓流」ブームの御陰か連日満席だった前回までに比べ、今回はまだまだお席に余裕があります。
私も関係者なのですが稽古のため17日しかちゃんと顔を出せません。
〈韓日演劇交流協議会〉現会長、私の戯曲を韓国で上演してくれている盟友キム・カンボはじめ、多くの韓国の仲間たちも来日。久々の再会が楽しみです。

詳細、キャスティング等は以下の通り。

2015年1月13日(火)~18日(日)
シアタートラム
料金 1500円 通し券3000円 シンポ500円   ※当日も同料金です!

15日(木)19時 五重奏 
16日(金)14時 木蘭姉さん
16日(金)19時 アリバイ年代記
17日(土)14時 五重奏 
17日(土)19時 木蘭姉さん
18日(日)14時 アリバイ年代記 

シンポジウム「女性が世界を変える」18日17時
出演=金明和、金潤美、永井愛、小林七緒、 大笹吉雄


チケット取扱
世田谷パブリックシアターチケットセンター
TEL:03-5432-1515 (10:00~19 :00 年末年始をのぞく)
パソコン:http://setagaya-pt.jp/
携帯:http://setagaya-pt.jp/m/
日韓演劇交流センター(東京演劇アンサンブル内)
TEL:03-3920-5232(11:00~18: 00)
MAIL akira@tee.co.jp



◆『五重奏』
キム・ユンミ作 鬼頭典子訳 保木本佳子演出

あらすじ
時期  一九九〇年代中盤  ある夏の日
中風の後遺症で車椅子に座っている老人、キム・キプン。ある日、バラバラに暮らしている4人の娘を呼び寄せる。
キプンは後継ぎ息子が欲しいばかりに、次々多くの女と関係を持ってきた。
娘たちは、そんな女性たちの間に産まれた腹違いの姉妹である。
娘たちはそれぞれ父や母、姉妹たちとの間で様々な過去を抱え、心に傷を負っている。
キプンの家には、死んだ妻たちも、成仏できずに幽霊となって集まって来る。
生きている娘たちと幽霊になった母親たち。それぞれの思いが、再会を機にぶつかり合う。
そして、それでも息子をもうけることが出来なかったキム・キプンが娘たちに伝えようとしたことは…?

保守的な家父長制を描いた作品で、フェミニズム的な視点もある。定められた運命を女性は受け入れなければならない、ということがテーマにある。

登場人物
キム・キプン (七十代) 父   山野史人(劇団青年座)
ヨンスン (四十代)    長女  秦由香里(演劇集団円)
ヨンファ (四十代)    次女  小山萌子(エンパシィ)
ヨンオク (四十代)    三女  町田カナ
ヨンジン (二十代)    四女  長尾奈奈
スク (五十代)    幽霊  都築香弥子(オフィス・ミヤモト)
イファ (十代)     幽霊  角谷邁
クムスン (五十代)   幽霊  南谷朝子(青年座映画放送)
サンピル (四十代)    キム・キプンの従兄弟、アルコール中毒者  岸槌隆至(劇団文学座)
クォン先生 (四十代)    漢方医 青木鉄仁(劇団青年座)
仮面をかぶった幽霊たち多数
ト書き  中村万里

作者プロフィール
キム・ユンミ
慶尚北道奉化生まれ。
1988年、東亜日報新春文芸戯曲部門に『列車を待ちながら』が当選し、登壇。
中央大学文芸創作学科を卒業し、延世大学大学院国語国文学科で修士、博士課程を終了。
戯曲集に平民社『月を撃つ』、『キム・ユンミ戯曲集1、3、4』、公演戯曲に『月を撃つ』『チェア』『五重奏』(2003年初演)『メディアファンタジー』『結婚した女』『結婚しなかった女』『楽園での昼と夜』などがある。



◆『木蘭姉さん』
キム・ウンソン作 石川樹里訳 松本祐子演出

あらすじ
平壌の芸術学校でアコーディオンを専攻した木蘭は、画家である父、舞踊家である母とともに北朝鮮で幸せに暮らしていた。しかしある日、家族は知らぬ間に政治的な事件に巻き込まれ、両親は収容所に送られ、木蘭は韓国に亡命することになる。演劇は木蘭の韓国での生活を描く。
北朝鮮にいる両親を南に脱出させてくれると約束したブローカーに、南での定着金と賃貸アパートの保証金すべてを騙し取られた木蘭は、韓国での生活に懐疑を覚える。北から亡命してきた人間に、両親が収容所を追放され、地方の芸術団体で活動しているという消息を聞き、再び北に帰ることを決意した木蘭は、その費用5千万ウォンを稼ぐために、引きこもりの太山の世話を引き受ける。
泰山の母は女手一つで三人の子を育てるためにピンクサロンを経営し、手段や方法を顧みずに財をなしたやり手のビッグママ。長男の太山は韓国史の博士号を持っているが、失恋の痛手から立ち直れず何年もうつ状態のまま引きこもり生活を続けており、次男の太江は哲学を教える大学教授、長女の太陽は作家志望である。資本主義の手垢に染まっていない木蘭の純朴さは、三人の兄妹たちを次第に変えていく。
生きる意欲を取り戻し始めた太山の姿を見て、ビッグママは木蘭を太山の嫁に迎え、5千万ウォンを渡すことを約束する。ところが、ある日突然事業に行き詰まり、ビッグママは借金取りに負われて雲隠れしてしまう。北に帰る当てがなくなり悲嘆にくれる木蘭に、兄ではなく自分と一緒に逃げてくれれば5千万ウォンを渡すと約束する太江。彼の提案を受け入れた木蘭だったが、彼女は5千万ウォンを手にして消えてしまう。
演劇は、おそらく中国であろう都市の酒場で、木蘭がアコーディオンを弾きながら歌を歌っている場面で幕を閉じる。
*あらすじだけだとわからないが、戯曲は短い場面が非常に速いテンポで次々に移り変わるように書かれ、特に前半は、資本主義の目まぐるしさとカオスのような韓国社会の模様が観客さえも混乱させるような手法で書かれている。

登場人物
この劇に登場するのは、俳優12人(男優6人、女優5人、子役1人)である。
主要人物以外は、次のように多役で演じわけるように書かれている。
俳優1> チョウ・モンナン (女、26才) アコーディオン奏者 Kiyoka((株)MAパブリッシング)
俳優2> チョウ・デジャ(女、55才) ピンクサロン経営者/ナム・グムジャ(女、55才) チョウ・モンナンの母親 寺内よりえ(劇団昴)
俳優3> ホ・テサン (男、36歳)韓国史の博士号取得者、無職,チョウ・デジャの長男 櫻井麻樹
俳優4> ホ・テガン (男、33歳)大学教授、チョウ・デジャの次男 谷山知宏(花組芝居)
俳優5> ホ・テヤン (女、30歳) 小説家、チョウ・テジャの長女であり、末っ子 高畑こと美(エンパシィ)
俳優6> キム・ジョンイル (男、 41歳)反北朝鮮団体会員、北朝鮮脱出ブローカー 荒川大三郎
俳優7> ぺ・ミョンヒ (女、30歳) 統一団体会員ㆍ民謡歌手/ユク・ソニョン (女、33歳)小学校の教師/チャ・ヨンミ (女、29歳)大学院生/リョ・モンナン ホ・テヨンが書いているシナリオの中の登場人物。 星野愛(株式会社ALBA)
俳優8> チョウ・ソンホ (男、55歳)画家、チョウ・モンナンの父/オ・ヨンファン (男、48歳)映画監督/カン・グッシク  (男、66歳)事業家、韓国系アメリカ人 井上倫宏(演劇集団円)
俳優9> リ・ミョンチョル (男、32歳)再入国脱北者/グッ・サンチョル (男、32歳) 国会議員補佐官/ヒョン・ソンウク (男、34歳) 大企業秘書室職員/ヤン・ムノ (男、15歳) 北朝鮮の男子中学生/チャ・ミニョク  ホ・テヤンが書いているシナリオの登場人物 永野和宏(劇団新人会)
俳優10> ナ・ヌリ (男、9歳) 小学生/チョン・シンギュン (男、34歳) 医者/ソ・ヒンドル (男、25歳) 大学生/チョン・ウォンサン (男、20歳) ピザ配達員 永栄正顕
俳優11> ソン・ホンヨン (女、15歳) 北朝鮮の中学生/ホ・セビョル (女、9歳) 小学生/ノ・ミレ (女、21歳) ピンクサロン従業員/コン・ドゥソン (女、23歳) 大学生 日沖和嘉子(SOMEYA・本舗)
俳優12>  ユ・モンナン (女、10歳) 脱北児童  稲松遥

作家プロフィール
キム・ウンソン
劇作家 / 劇団 月の国椿の花(タルナラドンベッコ) 代表
1977年生 / 韓国芸術総合学校 演劇院演出科卒業 北朝鮮学を専攻する。
全羅南道、宝城(ポソン)出身。
1986年冬からソウルで育つ。
2011年8月8日に劇団月の国椿の花を創立。
*発表作品
2007年 『死ぬほど死ぬほど』 設置劇場 精美所 / 演出 パク・カンジョン
2008年 『シドン洋服店』ゲリラ劇場 / 演出 チョン・インチョル
2009年 『シドン洋服店』ナオンシアター / 演出 チョン・インチョル (再演)
2010年 『スヌおじさん』世宗Mシアター / 演出 チョン・インチョル
2011年 『マジで新派劇』ヨヌ小劇場 / 演出 ブ・セロム
2011年 『寧辺母さん』大学路芸術劇場 大劇場 / 演出 パク・サンヒョン
2012年 『月の国連続劇』ヨヌ小劇場 / 演出 ブ・セロム
2012年 『木蘭姉さん』ドゥサン・アートセンター space111 / 演出 チョン・インチョル
2012年 『干潟』ドゥサン・アートセンター space111 / 演出 ブ・セロム
2012年 『ロプンチャン流浪劇団』ヨヌ小劇場 / 演出 ブ・セロム
2013年 『月の国連続劇』ヨヌ小劇場 / 演出 ブ・セロム (再演)
2013年 『木蘭姉さん』ドゥサン・アートセンター space111 / 演出 チョン・インチョル(再演)
2014年  『ぐるぐるぐる』 南山芸術センター / 演出 ブ・セロム (リーディング公演)
*受賞
2006年 韓国日報 新春文芸当選 「シドン洋服店」
2010年 大山文化財団 大山創作基金 授与 「寧辺母さん」
2012年 『木蘭姉さん』ドゥサン・ヨンガン芸術賞 公演部門受賞
『木蘭姉さん』東亜演劇賞 戯曲賞
『木蘭姉さん』大韓民国演劇大賞 作品賞
『木蘭姉さん』韓国演劇評論家協会今年のベスト3
*著書
2011年 キム・ウンソン戯曲集『シドン洋服店』 (ジアン出版社)
2012年 キム・ウンソン戯曲集『木蘭姉さん』 (演劇と人間)


◆アリバイ年代記
キム・ジェヨプ作 浮島わたる訳 公家義徳演出

あらすじ
韓国の現代史を背景に、小市民の日常を断片的に積み重ねた作品。父親、息子の二世代にわたってドキュメンタリードラマの形式で描かれている。
タイトルの「アリバイ」は各時代の政治責任者の失敗を隠ぺいするための口実という意味で用いられ、最後にはそれが一個人の不都合な部分を覆い隠す証明という意味にも使われている。
各時期の政治が韓国国民の心情にいかに深く入り込み、影響を与えていたかを皮膚感覚で知ることのできる作品であり、その意味で非常に韓国的な戯曲と言える。

韓国の政治、経済、社会、風俗の一定の知識がないと理解できない部分が多いでしょう。韓国の現代史をおさらいしながらお読みください。

登場人物
父キム・テヨン 中山一朗
ジェヨプ 石母田史朗(劇団青年座)
少年(テヨン)、少年ジェジン、少年ジェヨプ 津田修平
青年(テヨン)、ジェジン ハゼヤマ俊介(演劇集団円)
母、おばさん 高村尚枝(劇団文化座)
伯父さん、本屋の主人、刑事の班長、校長、嶺南[1]政治家1、酔客 井ノ口勲
従兄弟の兄さん、少年の父、青年の兄、おじさん、刑事、ヨンヒョン、南総連[2]、(国土開発)要員1、嶺南政治家2、宣銅烈 加藤裕(SET)
班長、ソンフン、店員、張り紙職人、新聞売り、応援団長、医師、(国土開発)要員2 廣畑達也
ト書き 日下範子

作者プロフィール
キム・ジェヨプ
1974年生まれ。
劇団ドリームプレイ代表、世宗映画演劇学科教授。
代表作『サバイバル・カレンダー』『風餐露宿』『まほろば』『六連発拳銃強盗2011』『ここ、人がいる』『幽霊を待ちながら』『誰が大韓民国の二十代を救えるのか』『朝鮮刑事ホン・ユンシク』『夢の演劇』ほか。
2013年 『アリバイ年代記』国立劇団にて初演。東亜演劇賞最優秀戯曲賞、韓国演劇評論家協会今年のベスト3、ベストセブンなど演劇賞を総なめにする。
大阪で生まれた父親の人生を語ることで、戦後の韓国の歴史を語っていく。ウィットに富み、感性あふれる作品。
2014年5月 『アリバイ年代記』再演


               ※※※※※


日韓演劇交流センターと韓日演劇交流協議会は、 1999年以前に韓国演劇協会と日本演出者協会の共催で行われていた 『日韓演劇人会議』によって設立が提案され、 2000年4月、(社)日本劇団協議会、(社)国際演劇協会日本センター、日本演出者協会、日本劇作家協会、日本新劇俳優協会、国際演劇評論家協会、日本新劇経営製作者協会の、国内演劇関係団体7団体を中心に発足しました。
日韓演劇交流センターは、その名のとおり、日本と韓国の演劇交流促進のための活動を行います。年4回のニュースレターの発行、韓国の優秀な戯曲を紹介するドラマリーディングの開催をソウルの韓日演劇交流協議会と連携し、隔年で行います。また、ドラマリーディングの開催に合わせて韓国現代戯曲集の出版をしています。

日韓演劇交流センター 委員名簿

会長 大笹吉雄 日本劇団協議会
副会長 西堂行人 国際演劇評論家協会
副会長 坂手洋二 日本劇作家協会

委員
小松杏里 日本演出者協会
松本祐子 日本演出者協会
鈴木アツト 日本劇作家協会
小田切ようこ 国際演劇協会
林英樹 国際演劇協会
扇田昭彦 国際演劇評論家協会
青山眉子 日本新劇俳優協会
広戸聡 日本新劇俳優協会
夏川正一 日本劇団協議会
森正敏 日本新劇製作者協会

事務局長 太田昭 日本新劇製作者協会
事務局 奥秋圭

専門委員
青木鉄仁(翻訳・俳優)
上野紀子(演劇ライター)
鬼頭典子(俳優)
津川泉(翻訳)
洪明花(翻訳・俳優)
石川樹里(翻訳・韓国在住)
馬政煕(翻訳・韓国在住)
鄭義信(作家・演出家)


http://www.tckj.org/
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日本政府による沖縄住民への「闇討ち」

2015-01-11 | Weblog
深夜の沖縄辺野古・米軍キャンプ・シュワブ。新基地建設に反対し貨物車両の往来に抗議する市民らを機動隊が排除、多勢の機動隊・アルソックの連合軍に守られ、コンクリートミキサー車が何台も入ったという。

沖縄タイムスによれば、以下の通り。

米軍普天間飛行場の返還に伴う名護市辺野古への新基地建設に向けた作業再開を前に、米軍キャンプ・シュワブに10日夜から11日未明にかけ、ミキサー車など15台以上が入った。反対する市民ら十数人が午後10時すぎから駆けつけたが、名護署や機動隊に強制排除された。11日午前1時すぎ、反対する男性1人が警備員への暴行容疑で名護署に現行犯逮捕された。昨年7月に始まった辺野古での反対運動で、逮捕者が出るのは初めて。
市民らは沖縄防衛局名護防衛事務所の西幸一次長に「深夜作業の必要があるのか」「非常識だ」などと激しく詰め寄り約30分間、車の前で抗議した。西次長は「ミキサー車は駐車場整備のため。工事が遅れており、作業している」と説明した。

政府が米軍普天間飛行場の名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設計画で、近く予定する海上作業の再開を前に、年明け、シュワブのゲート前で座り込みなどの反対運動をする市民の排除を徹底するよう、警察当局に指示していたことはわかっていた。
沖縄防衛局は今月にも埋め立て予定地の辺野古崎付近で仮設桟橋の設置工事を始めようとしている。
辺野古ゲート前は昨日朝にも不意打ちの物資の大量搬入があり、機動隊と住民の衝突も繰り返されていたという。そしてこの闇討ちによる暴挙だ。
仲井眞前知事の基地のための辺野古埋め立てを承認は、知事選での公約を翻す裏切りであり暴挙であることを忘れてはならない。

高江でも動きがある。
以下、琉球新報。

高江路側帯に鉄柵 防衛省、反対住民排除で調整
米軍北部訓練場の一部返還に伴う東村高江のヘリパッド建設工事をめぐり、防衛省が建設に反対して座り込み行動をする住民らを排除するため、工事車両の出入り口となる県道70号沿いの路側帯に鉄柵を設置する方向で調整していることが分かった。
現在は日米共同使用となっている路側帯を今月中に米軍専用区域に変更し、テントや車両の撤去を求める一方、住民がゲート前に座り込まないよう、鉄柵などを設置する方向で警備を担当する県警と調整している。立ち退きの要請に従わない場合は裁判所に仮処分を申し立て損害賠償を請求することも検討している。
北部訓練場内を通る県道70号と路側帯部分は米軍提供区域になっているが、米軍活動に支障がないとして1990年に米軍専用から共同使用に変更された。防衛省は今回、新たな建設予定地区「N1」2カ所の工事を開始するに当たり、米軍や土地所有者の林野庁と調整し、専用区域に戻す手続きを昨年から進めてきた。
林野庁は月内にも県道70号と路側帯を管理する県に対し、米軍専用区域に戻すことを通知する。
N1地区は高江集落に近く、住民らが路側帯に車を止め、テントを張って工事車両の通行を止めている。路側帯は幅2~3メートル、長さ数十メートル。防衛省は住民らが路側帯で座り込むのは「違法な占有」に当たるとして立ち退きを求める方針。同時に鉄柵を設置して路側帯に進入できないようにする方向で調整している。
N1地区は昨年7月1日に工事を始める予定だったが、住民の反対などで作業に着手できなかった。

……………………

沖縄県知事選・衆議院選挙で、沖縄県民は基地容認議員をただ一人も選ばなかった。
辺野古新基地建設は認めないという沖縄の民意は明らかである。

政府は上京した翁長雄志沖縄県知事に会おうともせず、沖縄振興予算の2015年度予算案での削減方針を打ち出した。
負けてはならない。
辺野古新基地建設反対を掲げ当選した翁長沖縄県知事の、一刻も早い承認撤回が待たれる。

安倍首相の「普天間の固定化はあってはならない。選択肢は辺野古しかない」という恫喝に沖縄県民は「ノー」を突きつけている。

戦後七十年を経てなお、日本全土の0.6%の面積の沖縄に在日米軍基地の74%を押しつけている、この異常な現状を見れば、普天間基地の撤去、辺野古、高江の工事中止は当然のことである。
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オペラシアターこんにゃく座『白墨の輪』

2015-01-09 | Weblog
オペラシアターこんにゃく座『白墨の輪』の稽古が始まっている。
ベルトルト・ブレヒト作品をもとにしたものをやるのは初めて。(台本・広渡常敏)
こんにゃく座さんとのお仕事も初めて。
もちろんオペラも初めて。
美術 島次郎、衣裳 宮本宣子、振付 矢内原美邦、舞台監督 森下紀彦、演出助手 城田美樹といった皆さんは、私はいつもお世話になっている人たちなのだが、彼らはみんなこんにゃく座さんと仕事をしている。
私と照明の竹林功だけが初めての参加である。
何しろ初めてづくしなので緊張もするし、楽しくもある。

作曲は林光さん。美しい曲ばかりだ。
音楽監督・萩京子さんの細やかさ、こんにゃく座メンバーの熱心さとプロ意識、音楽愛に感嘆しつつ、稽古を進めている。

宣材のために美しいイラストを描いてくださったのは、沢野ひとしさん。

以下、公演情報より。

こんにゃく座は、座付き作曲家、芸術監督であった林光が他界したのち、これまでに林光の代表作といえる3作品、『森は生きている』『セロ弾きのゴーシュ』『吾輩は猫である』を再演してまいりましたが、いよいよ次は、『白墨の輪』です! 林光オペラの上演を楽しみにして下さっている皆さま、また、こんにゃく座の次なる挑戦に期待して下さっている皆さまに向けて、満を持してオペラ『白墨の輪』をお届けいたします。
1978年に初演されたオペラ『白墨の輪』は、こんにゃく座が創立時より掲げている〈新しい日本のオペラの創造と普及〉という理念を、多くの方々に知っていただくきっかけとなったオペラです。創立当初より、民話オペラを中心に活動を成してきたこんにゃく座にとって、また林光の創作活動にとっても、ブレヒト原作による『白墨の輪』は新しい地平を切り拓く一作でした。再演を重ねた本作は1990年を最後にこんにゃく座では上演しておりませんが、林光とこんにゃく座の活動は、この作品が礎となって、『変身』『イヌの仇討あるいは吉良の決断』等の作品へと引き継がれ、日本オペラの可能性を問い続けてきました。
初演から38年、また再演としても25年ぶりとなる今公演の演出には、劇作家、演出家として活躍されている坂手洋二さんを迎えます。社会を鋭く切り取る手腕名高い坂手さんが、人間の普遍的真理、社会と個人、所有の問題を描いた「白墨の輪」をどのようにとらえ、私たちが今生きているこの社会とどう照らしあわせて描くのか、ご期待ください。また、林光の「書き方」を熟知する、萩京子、吉川和夫、寺嶋陸也、3人の作曲家が、ピアノオペラとして生まれた本作を、木管アンサンブルを加えた編成に編曲し、作品に新しい息吹を吹き込みます。
このたびの『白墨の輪』新演出公演、林光が著書「日本オペラの夢」で語り実践してきたオペラの楽しさの探究を、さらに一歩踏み込んだものとして、皆さまにご披露したいと思います。

○ものがたり
都で反乱が起こり領主が首を切られた夜、女中のグルシェは奥方が置き去りにした赤ん坊のミヘルを連れて逃げる。世継ぎの命をねらい追っ手は迫る。ついうっかり〈人間らしさ〉への誘惑に負け、領主の遺児を道連れにしてしまったグルシェは、苦労と危険を重ねるごとに愛情が深まり、ついにミヘルを自分の養子とする。
やがて反乱は平定され、奥方は亡き夫の領地と財産を手にいれるため見捨てた子どもが必要になる。自分こそ母親であると主張する二人の女。裁くは怪判事アツダク。地面に描いた白墨の輪の真ん中にミヘルを立たせ、二人に両方から引っ張れと命ずる。世に名高い白墨の輪の裁判の成りゆきは……。

○林光・はやし ひかる /作曲家
1931年東京生まれ。長年オペラシアターこんにゃく座芸術監督兼座付作曲家をつとめる。
1941年から尾高尚忠氏に作曲を学ぶ。東京芸術大学作曲科に入学。1953年同校を中退、同年、間宮芳生・外山雄三氏とともに作曲家グループ「山羊の会」を結成し、次々と作品を発表しはじめる。
1953年に『交響曲ト調』により〈芸術祭賞〉を受賞、1961年映画「裸の島」(新藤兼人監督)の音楽にたいし〈第2回モスクワ映画祭作曲賞〉を、1995年「ヴィオラ協奏曲《悲歌》」により〈第44回尾高賞〉を、1998年にはオペラの作曲活動全般にたいし〈第30回サントリー音楽賞〉を受賞。
こんにゃく座が初演した主なオペラ作品は、『セロ弾きのゴーシュ』(86)、『吾輩は猫である』(98)、『三人姉妹』(01)、『イヌの仇討あるいは吉良の決断』(02)、『ねこのくにのおきゃくさま』(11)など多数。
『第三交響曲〈八月の正午に太陽は…〉』(90)をはじめ多くの室内楽、ピアノ曲などの器楽曲群がある。そして「ソング」と呼ばれる個性的な歌の数々と合唱曲などの声楽曲は、親しみやすさとわかりやすさ、その上的確なテキストの「読み」に裏付けられた本質に迫る「林ソング」の魅力で、声楽家・評論家ばかりでなく、教室の子どもたちからも大歓迎されている。
60年に及ぶ活動の集大成として、2008年7月小学館より『林光の音楽』(CD20枚+書籍1巻)が発売された。
2012年1月5日没。

2015年2月6日(金)~8日(日)
・6日(金)18:30~
・7日(土)13:00~ 18:30~
・8日(日)11:00~ 16:00~
*開場は開演の30分前

世田谷パブリックシアター TEL.03-5432-1526
東京都世田谷区太子堂4-1-1 キャロットタワー
三軒茶屋駅[東急田園都市線(渋谷駅より2駅・5分)・世田谷線]直結

○チケット料金
*全席指定 *当日は一人500円増し *税込金額
A席(1F・2F中央1列目)一般:6,000円 ペア:11,000円 学生:4,000円
B席(2F)一般:5,000円 ペア:9,000円 学生:3,000円
C席(3F)一般:3,500円 学生:2,000円
【世田谷パブリックシアターチケットセンター、オンラインチケットでの取扱】
〈劇場友の会〉 *1 A席:5,500円 B席:4,500円
〈アーツカード〉*1 A席:5,700円 B席:4,700円
〈U24〉    *2 A席:4,000円 B席:3,000円 C席:2,000円

託児サービス・車椅子スペースあり。

http://www.konnyakuza.com/syusai_b.html
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NHK『東海道五十三次合作絵巻“日本画”を創った巨匠たちの旅立ち』に燐光群メンバーが出演!

2015-01-06 | Weblog
最近流行りの?ドキュメンタリー内にドラマパートがあるシリーズの一つ。
監督から四人の絵師を燐光群男優陣で固めたいと相談され、猪熊恒和・大西孝洋・杉山英之・橋本浩明が登板。
結構分厚い台本だったので、四人がちゃんとやれたかとても心配だぞ!

以下、劇団から出しているインフォメーション

NHK『東海道五十三次合作絵巻“日本画”を創った巨匠たちの旅立ち』に燐光群メンバーが出演!
「ちょうど100年前の1915年、20日間がかりで東海道を歩いた画家たちがいた。近代日本を代表する横山大観・下村観山・今村紫紅・小杉未醒。四画伯は交替で筆をとりながら東海道を写生旅行。」
「近代日本画を生み出した巨匠たちの旅を再現する」ドラマパートに出演するのは、井浦新さんと猪熊恒和・大西孝洋・杉山英之・橋本浩明の5名のみ!
放送はBSプレミアム1月12日(月)午後7時30分~9時と2月7日(土)午後1時30分~3時(再)。 http://www4.nhk.or.jp/P3396/
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今年もよろしくお願いします

2015-01-05 | Weblog
今年もよろしくお願いします。
と、まあ、フォーマルな挨拶、仕事始めの五日ゆえ。
まあ四日からスタッフ打ち合わせもしているし、一人でやる仕事は別に盆正月は関係ない部分もあるのだが。

劇団の年賀の絵。
例によって三田晴代さんの手によるものである。
二年前の正月、三田さんから家人への年賀状を見て瞠目、劇団チラシの絵を頼むようになった。
劇作家大会の宣材も担当していただいた。
一緒に悩みに悩んだ『8分間』のカットも評判が良く安堵した。
3月新作『クイズ・ショウ』の絵も進めていただいている。

劇作家大会といえば城崎の新年早々の火事には驚いた。年末に防災訓練をされていたことも知っているが、やはり季節柄、不測の事態は起こるのだ。心より御見舞い申し上げる。

今年は、正月恒例のようになっていた元旦の瀬戸内市長さんとの面談はしなかった。メガソーラー計画の成功を祈る。

未年。ヒツジと言えばここ数年、生ラムのジンギスカンというものがうまいと思うようになった。食べればむやみに元気が出る気がする。やはり札幌で食べたものは切り方が大きく豪快だったが、新宿の某店もがんばっている。食べてばかりで申し訳ない。

正月は映画館に行っていないが、昨年中に、話題の正月映画を二本だけ見た。
『インターステラー』 IMAXで観ておこうと急いだ。もう一日一回しか上映していないのだ。こだわり症のノーラン監督がさすがにがんばっているので感心するところは多い。が、昨年の『ゼログラビティー』に比べると宇宙SFイベント度としてはだいぶ落ちる。あと、設定とお話があまりにも御都合主義だ。キリスト教的だ。アメリカだ。
『ゴーンガール』 混んでいてびっくり。『ワールズ・エンド』でボケまくっていたロザムンド・パイクが美悪女に挑戦、それはそれで見応えある。と思ってたらあんまりにお粗末な展開に。御都合主義だ。アメリカだ。デビッド・フィンチャーという監督は相性が悪いと思い込んでいて、『セブン』が大嫌いだったからが、『ファイト・クラブ』で見直した。アメリカで字幕無しで観た『ゾディアック』も内容理解に自信がないところもあるが、悪くない。だが今度は、後半が穴だらけ。ヒッチコックに似ているというのは、ないな。
『インターステラー』『ゴーンガール』には共通点が多い。まだ見ていない人もいるだろうから詳述はしないが、まず、謎が提示され主人公が解決に向かうというプロットが、構造的に似ている。そして、圧倒的な情報量の多さだ。前者は宇宙SFだから当然とも言えるが、後者も途中から情報量が多いと感じ始めてくる。それは、ベン・アフレックという俳優がこの役をやるということじたいから乱反射する潜在的な情報で、そこがいい意味で複雑さを作っている。二作とも、俳優という仕事の本質の一つが「情報量と向き合う」ことを強いられることであるという事実を示してもいるのだ。
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「最悪の正月」は、更新された。

2015-01-01 | Weblog
こんな最悪の正月はないのだが、と、昨年も言った気がするが、最悪は更新された。そのことに対してとくに感慨も湧かないが、現実がそうなのだ。
とにかく皆さん今年もよろしく。

大晦日。紅白歌合戦は観ていないが、画面は一切見えず聴こえてきた美輪明宏さんの「愛の讃歌」がいくらなんでもビブラート効かせすぎじゃね? と思う。年越しそばは、出雲そばを茹でる。

で、年が明けると自動的に発表される、首相官邸ホームページの「安倍内閣総理大臣 平成27年 年頭所感」。

昨年もこの定例の「所感」に、「新年早々、ひどいものを読まされてしまった」と思ったものだが、今回は、より「深刻」であると思う。この「所感」の内容そのものについても思うが、これが許されているこの現在の状況そのものに対しても、そうだ。

安倍総理が言うには、
「総理就任から2年が経ちました。この間、経済の再生をはじめ、東日本大震災からの復興、教育の再生、社会保障改革、外交・安全保障の立て直しなど、各般の重要課題に全力で当たってまいりました。」

間違った施策を、全力で当たられても、困る。
どう考えても日本経済が「再生」したとはいえないだろう。現状の円安リスクを背負える見込みはない。景気を株価で計れる時代ではない。大きめの「会社」を中心に経済をはかる虚しさ。
震災からの「復興」は足踏み。いや、あれから四年近くになって、解決されないまま持ち越されたことによる被害の重層化・深刻化は否定できない。現在進行形のことが過去形のように装われている。
「教育の再生」って、「道徳」の押しつけのことか? 教科書検定の「自粛管理」強要の無惨。
「社会保障改革」? 「改悪」以外の言葉は出て来ない。年金の支給・支払いの開始・満期時期をずらす方策のせこさ。
「外交・安全保障の立て直し」? 悪化の一途ではないか。アメリカと「軍」として一体化することの意味を日本政府は本当に理解しているのか。
尖閣諸島は既に中国側に理がある。中国の漁船・戦艦の接近を許し、日本側が調査に行くのを見合わせるようになってしまっては、日本が「実効支配」を言うには無理な状況になっているからだ。
中・韓の台頭で日本が防衛強化を余儀なくされたというでっちあげを国民の多くに信じさせる操作は、根拠のないエクスキューズとして浸透してしまっている。

安倍総理は言う。
「さらには、地方の創生や、女性が輝く社会の実現といった新たな課題にも、真正面から取り組んできました。」

「地方の創世」? 絵に描いた餅。首相がかつて言及した、「大山の地ビールや島根のさざえカレーが地域産業の成功例」って、何か勘違いしていないか。安倍首相はこの件でも「やれば、できる」を連発するんだけど、これでは地域の当事者に責任を押しつけているだけではないか。人口減少や超高齢化を防ぐには、地域の自立と産業保護が必須。まったく口にしないで誤魔化して進めようとしているTPPはもってのほか。
「女性が輝く社会の実現」? 気味の悪い女性大臣を数多く誕生させたことか? 大臣を登用するたびにぼろが出る。その禊ぎ選挙でもあったのだろう。
「配偶者控除見直し」、現在の「年収103万円以下は税免除」という規定が完全に消滅する見通しである。主に主婦層である、低収入のパート労働者たちの勤労意欲を削ぎ、更なる貧困階層を作る。1000万人以上がこの控除を使っている。彼らの何割が「ちゃんとした共働き」に鞍替えできると考えているのだろうか。国や地方は相当な増収となるだろうが、弱者を救うためにあった制度をなくしてどうする。低収入のパート労働の主婦は「輝いて」いないという理屈か? 「適齢期」男女はさらに結婚しなくなるぞ。

生活保護費は、厚生労働省が、一昨年から3段階で引き下げを実施し、3年間で平均6・5%、最大10%減額している。生存権の侵害であり憲法違反である。
子育て支援・待機児童の問題についても、改善されていない。

安倍総理は言う。
「そして先の総選挙では、国民の皆様から力強いご支援を頂き、引き続き、内閣総理大臣の重責を担うこととなりました。」

いやいや。「違憲」状態のままでの選挙。何のためにやるかわからない選挙で、極めて低い投票率。「力強いご支援」なんかじゃない。自民党が獲得した得票は比例代表で33%。有権者数を分母にした全国の比例代表の得票数でみれば千七百七十万票で、17%にすぎない。それを圧勝というのはおかしい。その数さえ、与野党の違いが不明瞭で論点さえはっきりせず選択肢がない多くの有権者が不安の中で猜疑心に囚われ「とりあえず現状維持」を選んだという残念な現実であろう。

安倍総理は言う。
「いずれも戦後以来の大改革であり、困難な道のりです。しかし、信任という大きな力を得て、今年は、さらに大胆に、さらにスピード感を持って、改革を推し進める。日本の将来を見据えた「改革断行の一年」にしたい、と考えております。」

「大改革」。改悪でしょう。
「困難な道のり」なのは筋が通っていないからである。
「信任という大きな力」。いや。後付けでいろんな事を進めようとしているらしいが、誰も信任していないよ。「消費税増税とアベノミクスを問う選挙」だと自分で言っていたでしょうが。他の論点を「信任された」と言うのは欺瞞である。

「さらに大胆に、さらにスピード感を持って」。調子に乗るな。なぜ焦る? 「やり逃げ」は許されない。
「日本の将来を見据えた「改革断行の一年」」。あなたは国民を自分の歪んだ思い込みの犠牲にして「日本の将来」を潰そうとしているだけだ。

安倍総理は言う。
「総選挙では全国各地を駆け巡り、地方にお住いの皆さんや、中小・小規模事業の皆さんなどの声を、直接伺う機会を得ました。」。

あなたの言う「皆さん」は誰のことだ? テレビニュースに登場したとき、その番組で取り上げた「街の声」について「(自分に対する)反対意見ばかりを集めた」と決めつけて逆ギレしたくせに。

「皆さんの声」など届いていない。

例えば、安倍政権は、選挙が終わった途端に、介護サービス事業者に支払われる「介護報酬」を15年度から引き下げる方針を打ち出した。そもそも低賃金、慢性的な人手不足状態の現場に、追い打ちをかける。結果としてサービスの質が低下すれば、介護を受ける側のマイナスにもなる。

そもそも消費税率アップは、福祉を充実させるために行われたはずではなかったのか。
一方で大企業の法人税を引き下げ、その恩恵を受ける大企業は見返りとして安倍自民党に巨額な政治献金をする。
本来は眼を向けてこなかった癖に「中小・小規模事業の皆さん」などととってつけたように言わないでほしい。

安倍総理は言う。
「こうした多様な声に、きめ細かく応えていくことで、アベノミクスをさらに進化させてまいります。」

無理だね。「中小・小規模事業の皆さんなどの声」を無視することこそが「アベノミクス」なる大ざっぱなザル方策の主旨だからだ。弱者を切る方策ばかりやってきておいて正反対の開き直りをするおためごかし。増え続ける非正規労働者のことなど視座に入っていない。派遣法の改悪、多くの会社のブラック企業化。なぜそうなっているかわかっているのか。政策が間違っているのだ。嘘も強気で言いつのれば通るというやり方は、いい加減にしてほしい。

安倍総理は言う。
「経済対策を早期に実施し、成長戦略を果断に実行する。今年も、経済最優先で政権運営にあたり、景気回復の暖かい風を、全国津々浦々にお届けしてまいります。」

「経済対策」「成長戦略」って、具体的に納得できるものを示せていないじゃないか。マスコミも鵜呑みにしてまともな「方策」として存在するかのように見せている「三本の矢」なるものの何がどう具体的に恒久的な成功を導けているか。何一つ成功していない。市場の金が増えたって相場の動き次第で一瞬にして無化される。政府支出のケツを誰が持つのか。
火だるま借金国の現状を悪化させるのみだ。
「経済最優先」のはずの経済ががたがたなんじゃないか。将来性なし。
「景気回復の暖かい風」があるというウソの前提をやめなさい。貧困化・格差化の雪崩うつ進み具合がわからないのだろうか。
かつては公約で絶対拒否するはずだったTPPを容認しようものなら、後にはペンペン草も生えない。
とにかく「アベノミクス」「三本の矢」という気色の悪いコトバ自体に虫酸が走る。

そして安倍総理は言う。
「今年は、戦後70年の節目であります。」

ただの十進法の区切りを「節目」と言うな(他陣営の政治家も平気で言うが)。ただ「戦後70年」という安倍発言の言葉の裏には、いつまで経っても「戦後」、戦後生まれの癖に「敗戦の悔しさ」を意識しているらしい、そのルサンチマンが透けて見える。

安倍総理は言う。
「日本は、先の大戦の深い反省のもとに、戦後、自由で民主的な国家として、ひたすら平和国家としての道を歩み、世界の平和と繁栄に貢献してまいりました。その来し方を振り返りながら、次なる80年、90年、さらには100年に向けて、日本が、どういう国を目指し、世界にどのような貢献をしていくのか。」

この男の発する「深い反省」という言葉は実に空疎だ。
「戦後」に歩んできたはずの「自由で民主的な国家として、ひたすら平和国家としての道」について、それを評価していないことが露骨なこの男が言うのはリアリティ皆無だし、仮にそうであったと思っているなら、逆にそうであったことを恨みがましくて思い返しているような響きがある。
「次なる80年、90年、さらには100年に向けて、」。またまた空疎な十進法区切り。歴史は君に味方しないよ。

「日本が、どういう国を目指し、世界にどのような貢献をしていくのか。」と、わざわざあらためてこれまでとは違うビジョンが必要であることが大前提という言い回しをするのは、彼が彼自身が認定する「これまでの「自由で民主的、ひたすら平和国家」を否定し、「それ以外の選択をする国」を目指したいという表明であり、「世界」に対する「貢献」というものが、「軍事」による「介入」であるという野望が籠められているように響く。そういう言葉の選び方だ。

安倍総理は続ける。
「私たちが目指す国の姿を、この機会に、世界に向けて発信し、新たな国づくりへの力強いスタートを切る。そんな一年にしたいと考えています。」

改めて言うが、彼の言う「私たちが目指す国の姿」に、「自由で民主的、ひたすら平和国家」であるというイメージは含まれていないわけだ。含まれていれば、あらためて「目指す姿」を世界に示す必要などないからだ。
それは疑う余地がない。全世界の人達が既に知っているように、先の戦争について「不戦」の誓いも「反省」もなく、A級戦犯らを「祖国の礎」という首相なのだから。

この後が、また奇怪である。安倍総理の発言に論理がないことがよくわかる。

「「なせば成る」。
上杉鷹山のこの言葉を、東洋の魔女と呼ばれた日本女子バレーボールチームを、東京オリンピックで金メダルへと導いた、大松監督は、好んで使い、著書のタイトルとしました。半世紀前、大変なベストセラーとなった本です。
戦後の焼け野原の中から、日本人は、敢然と立ちあがりました。東京オリンピックを成功させ、日本は世界の中心で活躍できると、自信を取り戻しつつあった時代。大松監督の気迫に満ちた言葉は、当時の日本人たちの心を大いに奮い立たせたに違いありません。
そして、先人たちは、高度経済成長を成し遂げ、日本は世界に冠たる国となりました。当時の日本人に出来て、今の日本人に出来ない訳はありません。
国民の皆様とともに、日本を、再び、世界の中心で輝く国としていく。その決意を、新年にあたって、新たにしております。」

それにしてもなぜ半世紀前の女子バレーボールの監督の言葉を引用するのか。上杉鷹山って誰だ? 何で直接でなく孫引きなのか。恣意的な引用の空疎さは言わずもがな。
なぜか。彼の主張に合致する「例」など、戦後史にないからだ。
ようく読んでいただきたい。
戦後の日本人は「敢然と立ち上がった」のではない。
それまでなかった自由と平等、権利意識を連合軍陣営から教わり、立ち直ったのだ。農地改革、婦人参政権を、戦後の日本人が「敢然と立ち上がって」獲得したとでも言うのか。
そして、朝鮮戦争の「特需」なくして現在の日本はない。
アメリカの経済政策を下支えすることの恩恵で「経済成長」し、既得権を守ることで成長してきたことに疑いの余地があるのか。
もちろん戦後の日本人たちは努力はした。しかしそれを花咲かせる環境は、与えられたものだ。
社会主義と資本主義の双方から可能な方策を選び、アメリカなどから見ても嫉妬の対象になるくらいの、一種の「資本主義の社会主義含みの理想形態」に近づいた。「組合」も多く存在し、労働者が胸を張れる社会に向かってもいた。
「自由で民主的、ひたすら平和国家」の理想論が背中を押したのだ。
そこにあったのは「なせば成る」の根性論ではない。
「当時の日本人に出来て、今の日本人に出来ない訳はありません。」と言うなら、「自由で民主的、ひたすら平和国家」のビジョンを、現在の人々が持てるようにすべきだ。
厳しく歴史を見るなら、「高度経済成長を成し遂げ」たと見えたとしても、あくまでも「アメリカの衛星国」としてであったということを、よもや忘れてはなるまい。

先述のように「なせば成る」という首相の言葉は「地方の創世」の件などで「やれば、できる」として連発されている。
これって、「やれば、できる」ことだから、手の平を返せば、「やらなったからできないんだ」と相手を突き放すことができる、一種の責任回避の言葉でもあるのだ。

なぜかケネディ米大統領も政治家として尊敬していたという米沢藩主上杉鷹山の言葉「なせば成る」には続きがあって、「成る」より「為る」が正しいらしく、「なせば為る 成さねば為らぬ 何事も 成らぬは人の なさぬなりけり」である。
「何かを為し遂げようという意思」だけで何とかなるというのか。空疎だ。

ついでに。上杉鷹山には「伝国の辞」というものがある。

一、国家は先祖より子孫へ伝え候国家にして我私すべき物にはこれなく候(国家は先祖から子孫に伝えるところの国家であって、自分で身勝手にしてはならないものです。)
一、人民は国家に属したる人民にして我私すべき物にはこれなく候(人民は国家に属している人民であって、自分で勝手にしてはならないものです。)
一、国家人民のために立たる君にし君のために立たる国家人民にはこれなく候(国家と人民のために立てられている君主であって、君主のために立てられている国家や人民ではありません。)

二つ目の、人民に「我私すべき物にはこれなく候」というのには「人民の自由と権利」に基づいて反発するが、後の二つについては、為政者も同様に「我私すべき物にはこれなく候」ということで国民同様に縛られているし、「君のために立たる国家人民にはこれなく候」で、王政や天皇制・為政者の独断を禁じてもいる。安倍首相はよく読んでいないのだろう。

批判を怖れてであろう、この年頭所感では「憲法改悪」「集団的自衛権」「特定秘密保護法」関連については何も触れていない。
谷垣禎一幹事長に年頭所感で「切れ目のない安全保障法制の整備と憲法改正実現に向けた議論を、国民の皆様の理解を得ながら進めていく」と表明させてはいる。

現実には、某テレビ番組で「戦争をするにあたって……、いや、失礼、集団的自衛権を行使するにあたって……」と言い直してしまった、実は戦争をしたくてたまらないことを露呈した石破茂内閣府特命担当大臣・国務大臣のお粗末もあった。
今や武器輸出三原則解除もなし崩し。
自衛隊海外派遣を随時可能にする恒久法制定に向かっている。自衛隊による海外での米軍や多国籍軍への後方支援を想定しているとするが、戦場にどう「後方」が規定しうるのか。支援内容や活動地域が広がれば、憲法違反とされる「他国軍の武力行使との一体化」に抵触する恐れは否定できない。

特定秘密保護法の施行を受け、「秘密指定」が進んでいることが年末にわかった。
内閣官房が49件、海上保安庁が15件など、判明したうちで最多は従来の「防衛秘密」を移行させた防衛省の約4万5千件。
指定が進む一方で乱用をチェックする国会の「情報監視審査会」はいまだに委員さえ選任されていない。

安倍首相の年頭所感は、沖縄のこと、原発のことに触れていない。
この政権にとっては、沖縄のこと、原発のことは重要事項ではないのだ。
あるいは「既に決着がついたこと」にしたいのだ。
おそるべき「排除」の論理である。
放射能の半減期を義務教育で教えるべきだ。

「最後に、国民の皆様の一層の御理解と御支援をお願い申し上げるとともに、本年が、皆様一人ひとりにとって、実り多き素晴らしい一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。」
これが安倍「年頭所感」の締めくくりである。

「御理解」も「御支援」も、断固としてお断りする。
私たちには、現在の政権を覆す以外に、「実り多き素晴らしい時」を獲得する方法はないはずであるからだ。
その思いをさらに強く持った元旦である。

サザンオールスターズが首相夫妻観覧中の年末公演で「衆院解散なんですとむちゃを言う」という歌詞をアドリブで入れたり、桑田氏が紅白歌合戦で政権を皮肉るようにとれる歌をヒットラー髭で歌ったりという情報も聞くが、主婦がヘイトに走り、嫌韓反中本がベストセラーに列なるようになってしまったこの国で、政権批判がどこまで届くかどうか。

こんな書き込みは、いちいちやってられない。そういう必要のない世の中であってほしい。


※引用させてもらった写真は、アンジェリーナ・ジョリー監督の最新作(第二作)『Unbroken』の宣材。第二次世界大戦で旧日本軍の捕虜となった米兵の実話を映画化したものだが、この日本列島と日の丸とオリンピックが血で繋がるイメージはまさに今の日本についての警告のようだ。日本公開が危ぶまれているという噂もある。もしもそうなるのなら公開できないことこそが「国辱」だ。
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