Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

本人と演じる人のご対面

2024-06-30 | Weblog
本人と演じる人のご対面といいますのは、燐光群新作『地の塩、海の根』公演では27日、ジャーナリストの藤原亮司さんをお招きしたアフタートークを開催したのであるが、そのトークイベント終了後、ロビーで、劇中に「藤原亮司」という役で出演した俳優・大対源と、藤原亮司さんご本人の対面が実現したのである。(残念ながらその時に並び写真を撮っていなかった!)

本作の創作にあたっては、藤原亮司さんの発表された記事を引用・参照させていただき、あらためてマイダン革命後2016年のドネツク、2022〜23年のウクライナ等の取材時の体験を聞かせていただき、また、事前に台本をお送りし、それに関連する場面を監修していただいている。

そして、藤原さんがじっさいに侵攻直後の一昨年四月二日、ロシア軍に包囲されたチェルニヒウから、ほぼ着の身着のまま逃れてきた、五十七歳の母親と三十六歳の息子に取材したときの会話は、藤原さんの言葉をそのまま使わせてもらった。父親は既に他界、きょうだいはなく親子二人だ。この会話に私が感動したことを伝えると、実際に藤原さんとお二人はその最後の一言のセリフをかわした後、滂沱の涙だったという。

俳優と、演じた役のご本人が対面するということは、私の作品では、よくある。
『海の沸点』のときの、知花昌一さんと津嘉山正種さんが特に印象深いが、劇にも登場する知花さんご一家が沖縄から観に来てくださって、終演後、ご本人とその役の俳優が並んで順番に記念写真を撮ることになった。最後に、家族ではないが岡本健一さんの役のモデルに当たる見津毅さんは事故で亡くなっていて、岡本さんだけが残って皆がはっとしたとき、その日に来てくれていた見津さんの恋人だったN子さんが、「わたし!」と言って、岡本さんに並んだのである。見津毅さんは、加藤直樹さんも属していた「秋の嵐」の、中心的な存在だった。その加藤さんと『九月、東京の路上で』以来、御縁がある。いろいろな記憶が錯綜して巡る次第である。



写真 大対源。
撮影・姫田蘭。




*****************

燐光群公演
『地の塩、海の根』  
 作・演出◯坂手洋二
6月21日(金)〜7月7日(日)
下北沢ザ・スズナリ
世田谷区北沢1-45-15
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出演○森尾舞 南谷朝子 土屋良太 円城寺あや
鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 
樋尾麻衣子 武山尚史 大対源 徳永達哉 瓜生田凌矢 
尾形可耶子 西村順子 坂下可甫子 高木愛香 青山友香
声の出演 = 中山マリ
【お知らせ】
この度、大西孝洋が怪我のため、しばらく出演を見合わせることになりました。
復帰の際には劇団Webサイトでお知らせ致します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<開演時間> 
6月
21日(金)19:00 
22日(土)14:00
23日(日)14:00 ゲスト:加藤直樹(著述家)
24日(月)14:00
25日(火)19:00
26日(水)19:00
27日(木)14:00 ゲスト:藤原亮司(ジャーナリスト)
28日(金)19:00
29日(土)14:00 19:00
30日(日)14:00 ゲスト:田中壮泰(「地の塩」翻訳者、龍谷大学・東海大学非常
勤講師)
7月
1日(月)19:00
2日(火)14:00 ゲスト:瀬々敬久(映画監督)
3日(水)19:00
4日(木)14:00 19:00
5日(金)19:00
6日(土)14:00 19:00
7日(日)14:00
受付開始◯開演40分前 開場◯開演30分前
21日(金) はプレビュー。一律3,000円。人数限定・全席自由・撮影等あり。
◯ホームページでゲストの皆様をご紹介しております。
URL https://rinkogun.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【全席指定】
一般前売 3,800円 ペア前売 7,000円 当日 4,200円  
*U-25/大學・専門学校生 2,000円 *高校生以下 1000円 
(*U-25以下は受付にて要証明書提示)
障がい者割引3,000円(ご同伴者1名3,000円)、リピート割引(2回目以降1,900円)
(障がい者割引、リピート割引は劇団のみ受付)
*未就学児のご入場はご遠慮下さい。



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ピョートル・ニェヴァドムスキとツジイシュウジとオオミヤカンパチを演じる猪熊恒和

2024-06-29 | Weblog
燐光群新作『地の塩、海の根』、本日、中日です。


猪熊恒和は、『地の塩』の主人公ピョートル・ニェヴァドムスキと、ツジイシュウジとオオミヤカンパチを演じます。

もともとはオオミヤカンパチの役でしたが、この役はツジイシュウジと一緒に、『地の塩』のリーディング公演でピョートル・ニェヴァドムスキを演じるという設定でした。
ツジイシュウジ役で出演予定の大西孝洋は怪我のためしばらく出演を見合わせることになり、ツジイシュウジ役についてはオオミヤカンパチ役の猪熊恒和が兼任することになった。
結果として、ツジイシュウジがリーディングで演じるはずだった部分のピョートル・ニェヴァドムスキも、猪熊恒和が演ずる。
というわけで、ピョートル・ニェヴァドムスキのすべてと、ツジイシュウジとオオミヤカンパチを演じているのである。

ややこしく感じられるかもしれないので謎を解くと、前段階の台本では、ツジイシュウジとオオミヤカンパチは実は同一人物で、それぞれがピョートル・ニェヴァドムスキを交互に演じていた、

で、じっさいは、多重人格のように分裂していた実は一人の「ツジイシュウジ=オオミヤカンパチ」がリーディングでは「ピョートル・ニェヴァドムスキ」を演じているわけなので、とにかくセリフ量は倍になったが、猪熊恒和は、一人の人間を演じているのである。

ややこしくないのです。

以上の事情をご存じない方も、何の違和感もなく御覧になっている次第です。




  
撮影・姫田蘭。






※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   


燐光群『地の塩、海の根』
台本・演出 坂手洋二
6月21日(金)〜7月7日(日) 下北沢 ザ・スズナリ


燐光群は、2023年、燐光群創立40周年記念公演として『ストレイト・ライン・クレイジー』『わが友、第五福竜丸』の2作品を上演、両作とも好評を博すことができました。
新たな一歩となる2024年第1作『地の塩、海の根』を6月21日(金)より下北沢ザ・スズナリにて上演致します。
燐光群は2013年、ウクライナで『屋根裏』を上演しています。

その小説を読みたい、と少年は言った。
ただ、ロシア語になっている翻訳では、読みたくないのだと。
ユゼフ・ヴィトリンの幻の小説『地の塩』のリーディングをするため、集められた人たち。
彼らもまだその小説を読んではいなかった。



ユダヤ系ポーランド作家ユゼフ・ヴィトリンによる現ウクライナ地域の第一次世界大戦時の民衆の苦悩を描いた反戦小説『地の塩』。世界的に知られていますが日本では未紹介でした。
ロシアによるウクライナ侵攻直後の2022年6月22日、大阪城野外音楽堂で、非戦イベントが行われ、「渋さ知らズ」の演奏や、様々な舞踊と共に、この小説をもとにした「非戦リーディング」が関西の演劇人と坂手洋二により、実施されました。
あれから二年、ロシアの侵攻は依然として続き、イスラエルによるガザへの攻撃も激化しています。混迷する世界で、私たちにとって必要な演劇とは何かを考え、新たな劇世界を提示してゆきます。ジャーナリスティックな視点と今日的な課題を劇世界へと昇華させる、坂手洋二の書き下ろし新作にご期待ください。

ユゼフ・ヴィトリン作『地の塩』は、田中壮泰翻訳により、年内に松籟社から発刊予定です。




CAST
森尾舞 南谷朝子 土屋良太 円城寺あや
鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 大西孝洋
樋尾麻衣子 武山尚史 大対源 徳永達哉 瓜生田凌矢
尾形可耶子 西村順子 坂下可甫子 高木愛香 青山友香
声の出演 = 中山マリ



STAFF
照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○森下紀彦
美術○じょん万次郎
衣裳○小林巨和
擬闘◯山村秀勝
演出助手○水野玲子
進行助手○宅間脩起
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ
衣裳助手○樋尾麻衣子 中山マリ 遠藤いち花
人形制作○秋葉ヨリエ
インターン○山本一翔
舞台収録・写真撮影○姫田蘭
宣伝意匠○高崎勝也
協力○田中壮泰 常田景子 名取事務所 浅井企画 アットプロダクション プロダクション・タクト 公益財団法人セゾン文化財団 高津装飾美術
制作○ Caco 尾形可耶子 島藤昌代
Company Staff○内海常葉 桐畑理佳 田中結佳 鈴木陽介 宮島千栄
主催○有限会社グッドフェローズ



【全席指定】
般前売 3,800円 ペア前売 7,000円 当日 4,200円
*U-25(25歳以下)/大学・専門学校生 2,000円
*高校生以下 1,000円 *印:当日受付にて要証明書提示。
障がい者割引 3,000円(ご同伴者3,000円)リピート割引1,900円
障がい者割引・リピート割引は劇団のみ受付
*21日(金)はプレビュー。一律3,000円。(人数限定・全席自由席・撮影等あり)
*未就学児のご入場はご遠慮下さい。



詳細情報はこちらを御覧ください。

https://rinkogun.com/portfolio/20240621_chi_no_shio/
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今日は折り返し日 『地の塩、海の根』

2024-06-29 | Weblog
今日の昼・夜の公演を終えたら、ちょうど半分のステージ数を消化した中日ということになります。折り返し日です。

戦争の時代の劇ですが、やはり人間の最大の武器は、愛ですね。
武器、って、言っちゃいけないところなんですけれどね。


撮影・姫田蘭。

左より 猪熊恒和 森尾舞





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燐光群公演
『地の塩、海の根』  
 作・演出◯坂手洋二
6月21日(金)〜7月7日(日)
下北沢ザ・スズナリ
世田谷区北沢1-45-15
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出演○森尾舞 南谷朝子 土屋良太 円城寺あや
鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 
樋尾麻衣子 武山尚史 大対源 徳永達哉 瓜生田凌矢 
尾形可耶子 西村順子 坂下可甫子 高木愛香 青山友香
声の出演 = 中山マリ
【お知らせ】
この度、大西孝洋が怪我のため、しばらく出演を見合わせることになりました。
復帰の際には劇団Webサイトでお知らせ致します。
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<開演時間> 
6月
21日(金)19:00 
22日(土)14:00
23日(日)14:00 ゲスト:加藤直樹(著述家)
24日(月)14:00
25日(火)19:00
26日(水)19:00
27日(木)14:00 ゲスト:藤原亮司(ジャーナリスト)
28日(金)19:00
29日(土)14:00 19:00
30日(日)14:00 ゲスト:田中壮泰(「地の塩」翻訳者、龍谷大学・東海大学非常
勤講師)
7月
1日(月)19:00
2日(火)14:00 ゲスト:瀬々敬久(映画監督)
3日(水)19:00
4日(木)14:00 19:00
5日(金)19:00
6日(土)14:00 19:00
7日(日)14:00
受付開始◯開演40分前 開場◯開演30分前
21日(金) はプレビュー。一律3,000円。人数限定・全席自由・撮影等あり。
◯ホームページでゲストの皆様をご紹介しております。
URL https://rinkogun.com
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【全席指定】
一般前売 3,800円 ペア前売 7,000円 当日 4,200円  
*U-25/大學・専門学校生 2,000円 *高校生以下 1000円 
(*U-25以下は受付にて要証明書提示)
障がい者割引3,000円(ご同伴者1名3,000円)、リピート割引(2回目以降1,900円)
(障がい者割引、リピート割引は劇団のみ受付)
*未就学児のご入場はご遠慮下さい。







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刺激的で、根源的な、話。

2024-06-28 | Weblog
燐光群新作『地の塩、海の根』27日は、ジャーナリストの藤原亮司さんをお招きしたアフタートークを開催しました。

本作の創作にあたっては、藤原亮司さんの発表された記事を引用・参照させていただいたばかりか、あらためてマイダン革命後2016年のドネツク、2022〜23年のウクライナ等の取材時の体験を聞かせていただき、また、事前に台本をお送りし、それに関連する場面を監修していただいている。

この日は、藤原さんと共著もある安田純平さん、JVC、JIM-NETの活動で知られる佐藤真紀さんも、来てくださった。佐藤さんは最近イラクに行かれたばかり。

皆さんのお話は刺激的で、根源的でした。
濃い会話でした。



左より 安田純平 藤原亮司 私 佐藤真紀



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燐光群公演
『地の塩、海の根』  
 作・演出◯坂手洋二
6月21日(金)〜7月7日(日)
下北沢ザ・スズナリ
世田谷区北沢1-45-15
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出演○森尾舞 南谷朝子 土屋良太 円城寺あや
鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 
樋尾麻衣子 武山尚史 大対源 徳永達哉 瓜生田凌矢 
尾形可耶子 西村順子 坂下可甫子 高木愛香 青山友香
声の出演 = 中山マリ
【お知らせ】
この度、大西孝洋が怪我のため、しばらく出演を見合わせることになりました。
復帰の際には劇団Webサイトでお知らせ致します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<開演時間> 
6月
21日(金)19:00 
22日(土)14:00
23日(日)14:00 ゲスト:加藤直樹(著述家)
24日(月)14:00
25日(火)19:00
26日(水)19:00
27日(木)14:00 ゲスト:藤原亮司(ジャーナリスト)
28日(金)19:00
29日(土)14:00 19:00
30日(日)14:00 ゲスト:田中壮泰(「地の塩」翻訳者、龍谷大学・東海大学非常
勤講師)
7月
1日(月)19:00
2日(火)14:00 ゲスト:瀬々敬久(映画監督)
3日(水)19:00
4日(木)14:00 19:00
5日(金)19:00
6日(土)14:00 19:00
7日(日)14:00
受付開始◯開演40分前 開場◯開演30分前
21日(金) はプレビュー。一律3,000円。人数限定・全席自由・撮影等あり。
◯ホームページでゲストの皆様をご紹介しております。
URL https://rinkogun.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【全席指定】
一般前売 3,800円 ペア前売 7,000円 当日 4,200円  
*U-25/大學・専門学校生 2,000円 *高校生以下 1000円 
(*U-25以下は受付にて要証明書提示)
障がい者割引3,000円(ご同伴者1名3,000円)、リピート割引(2回目以降1,900円)
(障がい者割引、リピート割引は劇団のみ受付)
*未就学児のご入場はご遠慮下さい。










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演劇だからいろんなことをします

2024-06-28 | Weblog
演劇だからいろんなことをします。
鴨川てんし、円城寺あや、両ベテランも、遊びます。弾けます。

燐光群新作『地の塩、海の根』。
本日28日金曜日は、夜の部19時開演のみです。

あす29日土曜日は、昼の部14時開演、夜の部19時開演の2ステージです。
夜の部19時がお薦めです。


タイムテーブルが変則的です。
お間違えのないよう。




撮影・姫田蘭。

左より 鴨川てんし 円城寺あや





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燐光群公演
『地の塩、海の根』  
 作・演出◯坂手洋二
6月21日(金)〜7月7日(日)
下北沢ザ・スズナリ
世田谷区北沢1-45-15
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出演○森尾舞 南谷朝子 土屋良太 円城寺あや
鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 
樋尾麻衣子 武山尚史 大対源 徳永達哉 瓜生田凌矢 
尾形可耶子 西村順子 坂下可甫子 高木愛香 青山友香
声の出演 = 中山マリ
【お知らせ】
この度、大西孝洋が怪我のため、しばらく出演を見合わせることになりました。
復帰の際には劇団Webサイトでお知らせ致します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<開演時間> 
6月
21日(金)19:00 
22日(土)14:00
23日(日)14:00 ゲスト:加藤直樹(著述家)
24日(月)14:00
25日(火)19:00
26日(水)19:00
27日(木)14:00 ゲスト:藤原亮司(ジャーナリスト)
28日(金)19:00
29日(土)14:00 19:00
30日(日)14:00 ゲスト:田中壮泰(「地の塩」翻訳者、龍谷大学・東海大学非常
勤講師)
7月
1日(月)19:00
2日(火)14:00 ゲスト:瀬々敬久(映画監督)
3日(水)19:00
4日(木)14:00 19:00
5日(金)19:00
6日(土)14:00 19:00
7日(日)14:00
受付開始◯開演40分前 開場◯開演30分前
21日(金) はプレビュー。一律3,000円。人数限定・全席自由・撮影等あり。
◯ホームページでゲストの皆様をご紹介しております。
URL https://rinkogun.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【全席指定】
一般前売 3,800円 ペア前売 7,000円 当日 4,200円  
*U-25/大學・専門学校生 2,000円 *高校生以下 1000円 
(*U-25以下は受付にて要証明書提示)
障がい者割引3,000円(ご同伴者1名3,000円)、リピート割引(2回目以降1,900円)
(障がい者割引、リピート割引は劇団のみ受付)
*未就学児のご入場はご遠慮下さい。
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小沼純一さんの新著「リフレクションズ JAZZでスナップショット」

2024-06-28 | Weblog
小沼純一さんの新著「リフレクションズ JAZZでスナップショット」が届く。

「あとがき読んでね」ということなので見ると、小沼さんに戯曲第一作「Speak low、No tail(すぴぃくろぅ、のぅてぃる)」を書き下ろしていただき上演したことが本書の成立に幾ばくか役立っているということで、ご縁のありがたさを感じた。

少し捲っただけでわくわくする本。
各章の見出しタイトルじたいが、詩人であり斜め下から攻めてくるユーモアに満ちた小沼さんらしさに満ちていて、読むのが楽しみだ!

彩流社刊 2500円
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『地の塩、海の根』。 本日27日木曜日は、ジャーナリストの藤原亮司さんをお招きしたアフタートークのある、マチネ(昼)14時公演のみです。 夜はやっていません。

2024-06-27 | Weblog
燐光群新作『地の塩、海の根』。
本日27日は木曜日ですが、マチネ(昼)14時公演のみです。
この回は、ジャーナリストの藤原亮司さんをお招きしたアフタートークがあります。

夜は上演していません。公演じたいが夜にはありません。昼のみです。
お間違えのないよう。




撮影・姫田蘭。

左より 鴨川てんし 円城寺あや 樋尾麻衣子 土屋良太

本公演のチケットをお持ちの方、ご予約の方は、アフタートークにお入り頂けます。




藤原亮司さんはジャーナリストとして、海外の様々な場所に行かれている。
私が、彼がイラクで最初に拘束されてからだから、もう二十年以上のつきあいになる安田純平さんとも親しい人で、お二人は、共著も出されている。


藤原亮司さんはマイダン革命後ドンバスに入り取材、今回のロシアのウクライナ侵攻直後にも現地に取材に行かれている。


ロシアのウクライナ侵攻について描き、小説『地の塩』に描かれる百年前の第一次世界大戦期以来現在に繋がるウクライナとロシアとの関わりも含めた、混沌とした世界を描くにあたって、藤原亮司さんのお話はどうしても聞きたくて、戯曲の準備中、安田さんと三人でお話しする機会をいただいた。


アフタートークで、その後の情勢についてお話しいただけることも、ありがたいことである。
藤原さんはパレスチナの取材も重ねられている。現在のガザのことについてもお話を聞きたいと思っている。


劇中、藤原さんの報告を紹介する場面もある。


御期待ください。



藤原亮司さんのプロフィールは以下の通りです。

藤原亮司(ジャーナリスト/ジャパンプレス所属)
1967年生まれ。大阪府出身。1998年から継続してパレスチナ問題の取材を続けている。他に、シリア内戦、コソボ、レバノン、アフガニスタン、イラク、ヨルダン、トルコ、ウクライナ(2016年、2022~23年)などにおいて、紛争や難民問題を取材。国内では在日コリアン、東日本大震災や原発被害を取材。著者に「ガザの空の下 それでも明日は来るし人は生きる」、安田純平氏との共著に「戦争取材と自己責任」(ともにdZERO刊)

https://rinkogun.com/portfolio/20240621_chi_no_shio/




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燐光群公演
『地の塩、海の根』  
 作・演出◯坂手洋二
6月21日(金)〜7月7日(日)
下北沢ザ・スズナリ
世田谷区北沢1-45-15
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出演○森尾舞 南谷朝子 土屋良太 円城寺あや
鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 
樋尾麻衣子 武山尚史 大対源 徳永達哉 瓜生田凌矢 
尾形可耶子 西村順子 坂下可甫子 高木愛香 青山友香
声の出演 = 中山マリ
【お知らせ】
この度、大西孝洋が怪我のため、しばらく出演を見合わせることになりました。
復帰の際には劇団Webサイトでお知らせ致します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<開演時間> 
6月
21日(金)19:00 
22日(土)14:00
23日(日)14:00 ゲスト:加藤直樹(著述家)
24日(月)14:00
25日(火)19:00
26日(水)19:00
27日(木)14:00 ゲスト:藤原亮司(ジャーナリスト)
28日(金)19:00
29日(土)14:00 19:00
30日(日)14:00 ゲスト:田中壮泰(「地の塩」翻訳者、龍谷大学・東海大学非常
勤講師)
7月
1日(月)19:00
2日(火)14:00 ゲスト:瀬々敬久(映画監督)
3日(水)19:00
4日(木)14:00 19:00
5日(金)19:00
6日(土)14:00 19:00
7日(日)14:00
受付開始◯開演40分前 開場◯開演30分前
21日(金) はプレビュー。一律3,000円。人数限定・全席自由・撮影等あり。
◯ホームページでゲストの皆様をご紹介しております。
URL https://rinkogun.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【全席指定】
一般前売 3,800円 ペア前売 7,000円 当日 4,200円  
*U-25/大學・専門学校生 2,000円 *高校生以下 1000円 
(*U-25以下は受付にて要証明書提示)
障がい者割引3,000円(ご同伴者1名3,000円)、リピート割引(2回目以降1,900円)
(障がい者割引、リピート割引は劇団のみ受付)
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今度はカラスの人形が !

2024-06-26 | Weblog
今回デビュー、カラスの人形が登場します !

人ではないのに「人」形とは、これいかに。

『地の塩、海の根』の『地の塩』パートで描かれるフツル村にどんなカラスがいたかは想像するしかないのですが!

かの地のカラスも「かあ、かあ」と鳴くかどうかの確証もないのですが!


操者・武山尚史。

人形制作・秋葉ヨリエ。

撮影・姫田蘭。




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燐光群公演
『地の塩、海の根』  
 作・演出◯坂手洋二
6月21日(金)〜7月7日(日)
下北沢ザ・スズナリ
世田谷区北沢1-45-15
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出演○森尾舞 南谷朝子 土屋良太 円城寺あや
鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 
樋尾麻衣子 武山尚史 大対源 徳永達哉 瓜生田凌矢 
尾形可耶子 西村順子 坂下可甫子 高木愛香 青山友香
声の出演 = 中山マリ
【お知らせ】
この度、大西孝洋が怪我のため、しばらく出演を見合わせることになりました。
復帰の際には劇団Webサイトでお知らせ致します。
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<開演時間> 
6月
21日(金)19:00 
22日(土)14:00
23日(日)14:00 ゲスト:加藤直樹(著述家)
24日(月)14:00
25日(火)19:00
26日(水)19:00
27日(木)14:00 ゲスト:藤原亮司(ジャーナリスト)
28日(金)19:00
29日(土)14:00 19:00
30日(日)14:00 ゲスト:田中壮泰(「地の塩」翻訳者、龍谷大学・東海大学非常
勤講師)
7月
1日(月)19:00
2日(火)14:00 ゲスト:瀬々敬久(映画監督)
3日(水)19:00
4日(木)14:00 19:00
5日(金)19:00
6日(土)14:00 19:00
7日(日)14:00
受付開始◯開演40分前 開場◯開演30分前
21日(金) はプレビュー。一律3,000円。人数限定・全席自由・撮影等あり。
◯ホームページでゲストの皆様をご紹介しております。
URL https://rinkogun.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【全席指定】
一般前売 3,800円 ペア前売 7,000円 当日 4,200円  
*U-25/大學・専門学校生 2,000円 *高校生以下 1000円 
(*U-25以下は受付にて要証明書提示)
障がい者割引3,000円(ご同伴者1名3,000円)、リピート割引(2回目以降1,900円)
(障がい者割引、リピート割引は劇団のみ受付)
*未就学児のご入場はご遠慮下さい。
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プーチンは柔道をしていた 『地の塩、海の根』  

2024-06-26 | Weblog
プーチンは柔道をしていた。
だからどうしても柔道の場面を入れたかった。
確かプーチンは当時の安倍首相に柔道の手合わせを申し出たが安倍首相が断ったということもあったはずだ。

写真は、「受け身」の大切さを大統領と呼ばれる男が説いているところである。

『地の塩、海の根』
左より 瓜生田凌矢 猪熊恒和
撮影・姫田蘭。




*****************

燐光群公演
『地の塩、海の根』  
 作・演出◯坂手洋二
6月21日(金)〜7月7日(日)
下北沢ザ・スズナリ
世田谷区北沢1-45-15
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出演○森尾舞 南谷朝子 土屋良太 円城寺あや
鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 
樋尾麻衣子 武山尚史 大対源 徳永達哉 瓜生田凌矢 
尾形可耶子 西村順子 坂下可甫子 高木愛香 青山友香
声の出演 = 中山マリ
【お知らせ】
この度、大西孝洋が怪我のため、しばらく出演を見合わせることになりました。
復帰の際には劇団Webサイトでお知らせ致します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<開演時間> 
6月
21日(金)19:00 
22日(土)14:00
23日(日)14:00 ゲスト:加藤直樹(著述家)
24日(月)14:00
25日(火)19:00
26日(水)19:00
27日(木)14:00 ゲスト:藤原亮司(ジャーナリスト)
28日(金)19:00
29日(土)14:00 19:00
30日(日)14:00 ゲスト:田中壮泰(「地の塩」翻訳者、龍谷大学・東海大学非常
勤講師)
7月
1日(月)19:00
2日(火)14:00 ゲスト:瀬々敬久(映画監督)
3日(水)19:00
4日(木)14:00 19:00
5日(金)19:00
6日(土)14:00 19:00
7日(日)14:00
受付開始◯開演40分前 開場◯開演30分前
21日(金) はプレビュー。一律3,000円。人数限定・全席自由・撮影等あり。
◯ホームページでゲストの皆様をご紹介しております。
URL https://rinkogun.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【全席指定】
一般前売 3,800円 ペア前売 7,000円 当日 4,200円  
*U-25/大學・専門学校生 2,000円 *高校生以下 1000円 
(*U-25以下は受付にて要証明書提示)
障がい者割引3,000円(ご同伴者1名3,000円)、リピート割引(2回目以降1,900円)
(障がい者割引、リピート割引は劇団のみ受付)
*未就学児のご入場はご遠慮下さい。
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岡町高弥さんの「地の塩、海の根」評

2024-06-26 | Weblog
岡町高弥さんから、「地の塩、海の根」評が寄せられました。


※   ※   ※   ※   ※



6月24日、燐光群「地の塩、海の根」(作・演出、坂手洋二)を見るため、ザ・スズナリへ。
燐光群は、11年前、ウクライナ・ヤルタ〈チェーホフ・フェスティバル〉で、「屋根裏」を上演したことがあった。
チェーホフ最後の家は博物館になっていて、「三人姉妹」や「桜の園」もそこで書かれたという。
しかし、今やヤルタは日本から限りなく遠い。もう二度と行けないかもしれない。芝居が出来たのどかな場所は、戦場になってしまった。
なぜ、侵略戦争は終わらないのか。
今回の芝居は、そんな坂手洋二の強い怒りと哀しみから生まれた。
舞台は、とある有名な国立大学の講堂から、ウクライナ、ロシア、クリミアと移っていく。時間も空間もどんどん飛び越えて
彼の地の歴史や民族問題、今に至るロシアとウクライナの関係がたっぷり詰まった濃厚な2時間半だった。
坂手洋二は、一昨年、瀬々敬久監督に呼ばれて京都大学西部講堂にて、ウクライナの反戦小説のリーディングを行なった。
1935年にユダヤ系ボーランド作家ユゼフ・ヴィトリンが発表した未完の反戦小説「地の塩」。
物語は、燐光群の十八番、ドキュメンタリーフィクションといっていい。
ウクライナが舞台でありながら、ロシア語の翻訳はあるもののウクライナ語の翻訳はなかった。
オオミヤ(猪熊恒和)は、再びこのリーディングを行うために役者を集める。
そのリーディング作業とポーランド語で書かれたその小説をウクライナ語に翻訳しようとするウクライナの作家家族(土屋良太、樋尾麻衣子、瓜生田凌矢)の物語が交錯する。
ロシア語を拒否し、ウクライナ語に未来を託す家族は、今のウクライナの状況と重なっていく。
さらに、小説の世界も繋がっていく。主人公で鉄道員のピョートル(猪熊)は、オーストリア帝国の兵士としてロシアとの戦争に徴兵される。他民族軍隊のカオスが、戦争を難しくしていた。ウクライナとロシアは、昔から戦っていたのだ。
小説は、ピョートルが戦場に行く前に中断している。
ウクライナの翻訳家の息子がロシア軍に拉致されてロシアの正義、プーチンの説く平和を教えられる。
息子の父親は「地の塩」のウクライナ語翻訳と続編としてクリミアを舞台にした平和を祈願した「海の根」という小説も準備していた。
ウクライナ侵略にまつわるフェイクニュースの数々を織り交ぜるが、答えは明確だ。
なぜ侵略戦争について、賛否を問うのか、演劇祭もできて穏やかだった場所を戦場にしたのは誰かという「反侵略」への想いが、芝居を突き動かしていた。
今の時代に芝居を作るということは何か、観客とともに考え続ける。答えは出ないが希望を失わないラストに勇気づけられた。
南谷朝子のウクライナ地方の民謡を取り入れたギター、森尾舞の力強い芝居は胸をうつ。
7月7日まで



※   ※   ※   ※   ※


岡町高弥さんのFacebookでの評ですが、Facebookをやっていらっしゃらない方のために、こちらにも転載させていただきました。




撮影・姫田蘭。


左より 川中健次郎 徳永達哉 猪熊恒和 大対源 坂下可甫子 土屋良太 武山尚史 瓜生田凌矢 



上演情報 ↓
https://rinkogun.com/portfolio/20240621_chi_no_shio/

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辛いものが好きだとは二度と言いません

2024-06-26 | Weblog
辛いものが好きだなどとは二度と言いません。

本番差し迫る某日深夜、以前から買っていた「極辛」を謳う韓国製のカップ焼きそばの買い置きがあったので、食べてみた。
麺が少なくて、ふーむと思った。
それは別にいいのだが、一口食べて、唸った。
辛い。
市販製品の常識を破って、辛い。
辛さ二十倍のレトルトカレーが裸足で逃げ出すほど、辛い。
二口食べて、これは全部食べきれないのではないかと思った。
断っておくが、ただ辛いのではない。
うまいのだ。
じつにおいしい。
味わい深い。
だが辛い。
これが韓国の実力である。
なんとか食べきった。
麺の量が少なくて助かった。

辛いものが好きだなどとは、二度と言いません。
言ってしまうかもしれないけど。
唐辛子漬けオイルの精製はやめないけれど。
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ドキュメンタリーの二大巨人と

2024-06-25 | Weblog
あまりにも愉快な写真なのでご本人たちの承諾を得て、アップします。
左より、奥秋聡さん、松倉大夏さん。

奥秋聡さんは、NHKのディレクターとして活躍され、ETV特集『海の放射能に立ち向かった日本人~ビキニ事件と俊鶻丸~』で2013年度メディア・アンビシャス大賞を受賞。著書に、同番組を書籍化した「海の放射能に立ち向かった日本人 ビキニからフクシマへの伝言」がある。私が昨年『わが友、第五福竜丸』を創作した際、重要なパートを担った「俊鶻丸」の存在を描くことができたのは、彼の御陰である。五年の沖縄局勤務から関東地方に戻って二年である。
奥秋さんについての私の記事 ↓
https://blog.goo.ne.jp/sakate2008/e/2222e461d5ae1c9834c2d41aee4c5b3d

松倉大夏さんは、現在大ヒット公開中の映画 『ちゃわんやのはなし 四百年の旅人』の監督であり、これまでも様々な、ユニークなセルフドキュメンタリーも含めた作品を作り出して来られた方である。渡辺美佐子さんのドキュメンタリーも撮られている。岡山で私も知る人々が関わった映画『やまぶき』ではプロデューサーも務められている。フィクションも手掛ける方なのだ。『ちゃわんやのはなし』のアフタートーク登壇皆勤日数は、ポレポレ東中野での新記録だという。まだまだ上映中なので、ぜひ駆けつけて、松倉監督の新記録更新に貢献してください。
私の紹介記事↓
https://blog.goo.ne.jp/sakate2008/s/ちゃわんや

松倉さんもNHKの番組に携わったこともあるし、お二人は知り合いなのかもしれないと思ったが、たまたま同じ日に『地の塩、海の根』を御覧になったので、もしやと思ってご紹介したら、初対面であった。

世代も近いし、小さな子どもを育てながら仕事されている点も共通していて、お二人の話はとても楽しく盛り上がった。よい出会いをプロデュースできたことは、こちらも嬉しいのである。

ドキュメンタリーの二大巨人と、というのは、お二人とも今後の活躍に目が離せない注目のドキュメンタリー作家であると同時に、まず、お二人とも体がでかいのである。
洒落です。失礼しました。

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加藤直樹さんからのメッセージ 『地の塩、海の根』

2024-06-25 | Weblog
加藤直樹さんより「地の塩、海の根」評が寄せられました。

※   ※   ※   ※   ※

燐光群「地の塩、海の根」を見てきた。素晴らしかった。

100年前のウクライナ西部を舞台にユダヤ系ポーランド人が執筆した反戦的、国家批判的な小説「地の塩」。その朗読劇をやろうとしている現代日本の劇団。ポーランド語で書かれたその小説をウクライナ語に翻訳しようとするウクライナ(ヘルソン)の作家。そしてその息子でロシアに拉致され、ロシア化を強要される少年。こうした重層的な物語が、最後に「海の根」という言葉に集約されていく。

ぼくは不覚にも何度か涙が出そうになった。アフタートークで出演しなければいけなかったので何とかこらえた。心を揺さぶられた。

100年前の小説「地の塩」の舞台は、第一次世界大戦下。今のウクライナ西端、カルパチア山中の少数民族「フツル人」であり、飼い犬の他には誰にも心を許していない貧しい孤独な男が、当時この一帯を支配していたオーストリア帝国の臣民として招集され、わけも分からないまま兵士にされていくというものだ。ここには、前近代の人々が戦争を通じて「国民」「民族」へと暴力的に形成されていくさまが描かれている。

一方、100年後。ウクライナの作家の夫とホロドモール研究者の夫婦とその息子は、「ウクライナ人」として確立しつつあるナショナル・アイデンティティをはぎ取ろうとするロシアの侵略という暴力に向き合っている。作家が抱いているナショナリズムは、抵抗民族主義としてのそれである。

「国民」「民族」が上から暴力的に押し付けられていく100年前と、「国民」「民族」を暴力によってはぎ取られようとしている100年後の、同じウクライナの人びと。この合わせ鏡が、この物語に重層性と深みを与え、謎を投げかけてくる。

「国民」「民族」といったフィクションが「人間」にとって何であったかを描きながら、一方で、たった今、それを暴力的に否定されるウクライナの人々の痛みへの共感をはっきりと前提に置いている(だから劇中ではロシア擁護論批判も展開される)。その上で物語は、少年が「その先」を目指すことを暗示して終わるのである。

「海の根」は当初、クリミアを指している。ロシアという内陸の帝国が海に延ばす支配の根。だが、最後にはまったく違う何かとして示される。100年前に「兵士となれ」と言われて動員されていった孤独な男と、「ロシア人になれ」という暴力に抵抗する少年。その二人の無念を受け止めて、しかしその先を指さす何か。つまり、「海に開かれた根」という不思議で力強いイメージへと転身している。歴史的現実の中で人間性を守っていくための根となる、海に開かれた「根」に。

7月7日までやっているので、ぜひ多くの人に観てほしいと思う。


※   ※   ※   ※   ※

加藤直樹さんからのメッセージが寄せられました。Facebookにだが、Facebookをやっていらっしゃらない方のために、こちらにも転載させていただきました。


撮影・姫田蘭。

左より 南谷朝子 武山尚史 円城寺あや 猪熊恒和


上演情報 ↓
https://rinkogun.com/portfolio/20240621_chi_no_shio/

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南谷朝子のギター

2024-06-24 | Weblog
南谷朝子のギターを聴いていただきたい。

燐光群新作『地の塩、海の根』。

この劇のために朝子さんがウクライナ地方の民謡などを探し、歌ったり演奏したりできるようにしてくれました。
兵士の歌も歌います。印象的な場面です。
俳優としても八面六臂の大活躍です。

お楽しみに、です。




開幕しました。

あと二週間、下北沢ザ・スズナリで上演しています。『地の塩、海の根』。


撮影・姫田蘭。




*****************

燐光群公演
『地の塩、海の根』  
 作・演出◯坂手洋二
6月21日(金)〜7月7日(日)
下北沢ザ・スズナリ
世田谷区北沢1-45-15
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出演○森尾舞 南谷朝子 土屋良太 円城寺あや
鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 
樋尾麻衣子 武山尚史 大対源 徳永達哉 瓜生田凌矢 
尾形可耶子 西村順子 坂下可甫子 高木愛香 青山友香
声の出演 = 中山マリ
【お知らせ】
この度、大西孝洋が怪我のため、しばらく出演を見合わせることになりました。
復帰の際には劇団Webサイトでお知らせ致します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<開演時間> 
6月
21日(金)19:00 
22日(土)14:00
23日(日)14:00 ゲスト:加藤直樹(著述家)
24日(月)14:00
25日(火)19:00
26日(水)19:00
27日(木)14:00 ゲスト:藤原亮司(ジャーナリスト)
28日(金)19:00
29日(土)14:00 19:00
30日(日)14:00 ゲスト:田中壮泰(「地の塩」翻訳者、龍谷大学・東海大学非常
勤講師)
7月
1日(月)19:00
2日(火)14:00 ゲスト:瀬々敬久(映画監督)
3日(水)19:00
4日(木)14:00 19:00
5日(金)19:00
6日(土)14:00 19:00
7日(日)14:00
受付開始◯開演40分前 開場◯開演30分前
21日(金) はプレビュー。一律3,000円。人数限定・全席自由・撮影等あり。
◯ホームページでゲストの皆様をご紹介しております。
URL https://rinkogun.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【全席指定】
一般前売 3,800円 ペア前売 7,000円 当日 4,200円  
*U-25/大學・専門学校生 2,000円 *高校生以下 1000円 
(*U-25以下は受付にて要証明書提示)
障がい者割引3,000円(ご同伴者1名3,000円)、リピート割引(2回目以降1,900円)
(障がい者割引、リピート割引は劇団のみ受付)
*未就学児のご入場はご遠慮下さい。
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『地の塩、海の根』。 本日24日月曜日は、マチネ(昼)14時公演のみです。 夜はやっていません。

2024-06-24 | Weblog
燐光群新作『地の塩、海の根』。
本日24日は月曜日ですが、初の試みで、平日マチネ(昼)14時公演のみです。
夜はやっていません。
お間違えのないよう。

開幕しました。

あと二週間、下北沢ザ・スズナリで上演しています。『地の塩、海の根』。


撮影・姫田蘭。

左より 川中健次郎 大対源 猪熊恒和 土屋良太 南谷朝子 円城寺あや



*****************

燐光群公演
『地の塩、海の根』  
 作・演出◯坂手洋二
6月21日(金)〜7月7日(日)
下北沢ザ・スズナリ
世田谷区北沢1-45-15
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出演○森尾舞 南谷朝子 土屋良太 円城寺あや
鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 
樋尾麻衣子 武山尚史 大対源 徳永達哉 瓜生田凌矢 
尾形可耶子 西村順子 坂下可甫子 高木愛香 青山友香
声の出演 = 中山マリ
【お知らせ】
この度、大西孝洋が怪我のため、しばらく出演を見合わせることになりました。
復帰の際には劇団Webサイトでお知らせ致します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<開演時間> 
6月
21日(金)19:00 
22日(土)14:00
23日(日)14:00 ゲスト:加藤直樹(著述家)
24日(月)14:00
25日(火)19:00
26日(水)19:00
27日(木)14:00 ゲスト:藤原亮司(ジャーナリスト)
28日(金)19:00
29日(土)14:00 19:00
30日(日)14:00 ゲスト:田中壮泰(「地の塩」翻訳者、龍谷大学・東海大学非常
勤講師)
7月
1日(月)19:00
2日(火)14:00 ゲスト:瀬々敬久(映画監督)
3日(水)19:00
4日(木)14:00 19:00
5日(金)19:00
6日(土)14:00 19:00
7日(日)14:00
受付開始◯開演40分前 開場◯開演30分前
21日(金) はプレビュー。一律3,000円。人数限定・全席自由・撮影等あり。
◯ホームページでゲストの皆様をご紹介しております。
URL https://rinkogun.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【全席指定】
一般前売 3,800円 ペア前売 7,000円 当日 4,200円  
*U-25/大學・専門学校生 2,000円 *高校生以下 1000円 
(*U-25以下は受付にて要証明書提示)
障がい者割引3,000円(ご同伴者1名3,000円)、リピート割引(2回目以降1,900円)
(障がい者割引、リピート割引は劇団のみ受付)
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