Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

カウラ再訪

2014-07-31 | Weblog
『カウラの班長会議 side A』。かなり強行軍の国内ツアーを終え、帰京したら出発前日。梅ヶ丘は劇団員で計量、荷物造り。字幕画像処理担当の二人がさらにたいへんである。いろいろ打ち合わせ。これでもいつもの海外アーよりはすることが少ない。しばらくは日本にいないからといって和食を食べておこうなどという行いはふだんしないのだが、魔が差して美登里寿司本店に一人で入るという挙に出る。久しぶり。やはり本店は良い。リーズナブル。残念ながら「びっくり鰻」なるメニューは売り切れでおあずけだが、前週に焼津で十年和菓子屋を営んできた義妹夫婦が毎年送ってくれる鰻を頂いたので、いいのだ。帰宅、個人の荷造りはすぐ済むし、重量は見当を付けた通りの数字が出る。それでもすることが多く、原稿書きも劇作家協会の精算計算も字幕の直しも抱えており、なんだかんだ徹夜の後、早朝、吉祥寺で成田エクスプレスに乗る。今回は時間がどんぴしゃり、午前中一便だけのこの吉祥寺から乗るコースがありがたい。田舎者の私はさわざわした新宿駅は苦手だ。
成田空港でのカルネや荷捌きもこれまでで最高に簡単に終わる。マレーシア航空は満席。やることが多すぎて機内で映画を観たりもまったくしない。クアラルンプールでトランジット。以前マレーシアはジョー・クカサスのスタジオでワークショップをしたときの残りのマレーシア通貨を持っていたので、以前にトムヤム麺を食べたことのあるヌードルハウスで劇団若手とカレー麺を食べる。シドニー着後即バスで四時間半、カウラへ。途中のトイレ休憩がなぜかシドニー近郊観光のメッカ・ブルーマウンテン、ユーカリの森の油分の蒸発で、青く煙っている。ツアー一行はほんの五分だけその景観に触れる。

カウラに着いた。
動物園でもないのに車中からじつに様々な動物を見てきた道中だったが、カウラに着いた直後には、カンガルーも跳ねていた。あと、一行の殆どが、ヒツジの赤ん坊のかわいらしさに悩殺されてしまった。
劇場(Civic Center)に挨拶に向かった後、日本人捕虜たちのいた収容所の跡地、そして墓地に赴く。私は二度目だ。
思い思いに過ごす一行。跡地がこんなに傾斜のある丘だったとは、なんとなく実感として記憶していたよりも傾いている。日本兵役の俳優たちは、その中央路(ブロードウェイ)があったと想定される所を歩いてみたりしている。
墓地には日本兵たちの墓標に命日の日付け「5.8.1944」が刻まれている。二百を越える同日日付けの墓標。南忠男の名もある。その隣にエリアにラルフ、ベンも含んだ同日亡くなったオーストラリア兵士の墓碑も。
夕陽が美しすぎて非現実感さえある墓地だった。
「カウラ・ブレイクアウト」の記憶に覆われた地。

もう十七年か十八年前になると思うが、シンガポールでクォ・パオクンさんが案内してくれた、彼の代表作『スピリッツ・プレイ』の舞台になった日本兵たちの墓地に行ったときにも感じた、異国で日本兵たちが丁重に葬られている場の、空気。

夕食は、毎年カウラに留学する日本の高校生たちがみんな驚くというグレービーソースのラムステーキを、ここならあいているよと教えてもらったカウラサービスセンター二階の食堂で食べる。と、わざわざ記すのは、カウラで夕食時にオープンしている店が極端に少ないからだ。というか、ほぼ真っ暗。『カウラの班長会議』の中で、「カウラには何もない」という台詞を書いてしまった罰であろうか。日本の地方都市の日曜日の夜よりももっと店が開いていない!
翌日は仕込み。なのだが、こちらで発注したものが届かなかったりで、ホームセンターに小道具装飾等のための追加の買い出しに行く。オーストラリアにはどうやらホームセンター(ウエアハウス)が多く、国民総大工さんという感じなのだろうか。地元の大工フランクさんの協力もあって、樹木持ち込み禁止というオーストラリアの国情のため持ってこられなかった捕虜たちの手製バットも、原材料を仕入れて一緒に作ってもらうことになる。
この国は輸入物のお酒の値段が高い。ウオッカやウイスキーなど日本の二倍、下手すると三倍以上する。自国のワインを買え、ということなのだと思う。それも愛国心。
酒場に繰り出すこともなく過ごす。というのは、仕事を終えた後、どこにも酒場が見あたらないのだ。

というわけでまた明けて今朝。
劇場にはいり、遅れて届くはずの道具類を待っている。
劇場で働くマークさんの曾祖父は脱走事件の際に片脚を失ったという。
歴史と現在の交錯の只中にいる。

写真は、ジェーンがこっそり撮影していた、捕虜収容所跡地での、リュックを背負った私。

『カウラの班長会議 side A』オーストラリア・ツアーのチラシは以下で見られます。
http://rinkogun.com/index_files/cowra%20flyer.pdf
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「竹富兵長」のモデルになった立花さんを囲んで

2014-07-25 | Weblog
カウラ日本兵捕虜脱走事件70周年記念企画・オープニング作品
『カウラの班長会議 side A』

写真は、昨日の神戸公演、「竹富兵長」のモデルになった立花誠一郎さんを、スタッフ・キャストが囲んで。
立花さんは「こんな日が来るとは思っていなかった」と言っておられた。
その後も感激しておられたという連絡があった。
考えてみれば立花さんは、自分が体験したことが七十年後に劇になったものを御覧になったわけである。
私たちにも胸に迫ることの多い神戸での上演だった。

『カウラの班長会議 side A』日本最終公演は、本日 7/25、名古屋。
名古屋公演の詳細は以下の通りです。

【名古屋】
7月25日(金) 19:00 開演
ウィルあいち(愛知県女性総合センター)・ウィルホール
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『カウラの班長会議 side A』日本最終公演は7/25名古屋です

2014-07-24 | Weblog
カウラ日本兵捕虜脱走事件70周年記念企画・オープニング作品
『カウラの班長会議 side A』

写真は、日本兵捕虜を演じる十六人、の、半分?
個性溢れる男優陣です。

日本最終公演は、7/25、名古屋。
名古屋公演の詳細は以下の通りです。

【名古屋】
7月25日(金) 19:00 開演
ウィルあいち(愛知県女性総合センター)・ウィルホール
受付開始○開演の40分前 開場○30分前

「生きて虜囚の辱めを受けず」
大日本帝国の兵士に、捕虜は一人もいない。
つまりこれは亡霊の夢だ。
じゃないと説明がつかない。
今までこんなに穏やかで、
楽しかった日々はないんだから。

歴史から、いまを見る。「戦争の時代」と「映画」が交錯する青春群像。
オーストラリア俳優との国際製作バージョン<side A(Australia)>として再生!

1944年、8月5日。
第二次世界大戦中のオーストラリア。
ニューサウスウェールズ州・カウラの連合軍捕虜収容所。
捕虜になった日本兵545名による、史上最大の脱走計画。
日本兵たちは、選挙によって選ばれた代表による「班長会議」で、
計画を実行するか否かの多数決投票を行った。
戦時下、極限の選択を迫られる兵士たちの真実に、
現代を生きるオーストラリア女性たちが迫る

Matthew Crosby Sonny Vrebac Baylea Davis Sarah Jane Kelly Jane Phegan
中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 大西孝洋 水津聡 杉山英之 武山尚史 小林尭志
櫻井麻樹 山村秀勝 小寺悠介 松田光宏 三宅克幸 綾田將一 山森信太郎 尾凬宇内

作・演出○坂手洋二
照明○竹林功 (龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛 (ステージオフィス)
美術○島次郎
衣裳○宮本宣子
衣裳助手○ぴんく ぱんだー
振付○矢内原美邦
舞台監督○高橋淳一
進行助手○長谷川千紗
文芸助手○久保志乃ぶ 清水弥生
イラスト○三田晴代
宣伝意匠○高崎勝也
制作○古元道広 近藤順子
Company Staff○樋尾麻衣子 松岡洋子 桐畑理佳 宗像祥子 福田陽子 川崎理沙 秋定史枝 田中結佳
         鈴木陽介 西川大輔 宮島千栄 根兵さやか 橋本浩明 内海常葉 秋葉ヨリエ
共催○あいち燐光群を観る会
制作協力○加藤智宏(office Perky pat) 七ツ寺共同スタジオ

全席自由(日時指定・整理番号付)
一般前売 3,300円 ペア前売 6,000円 当日 3,600円
学生割引(大学・専門学校生2,500円 高校生以下1,500円 前売・当日共 受付にて要学生証提示)
ご予約順に整理番号をお取りし、開場時に番号順にご入場頂きます(開場後は整理番号無効)。
開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。未就学児のご入場はご遠慮下




http://rinkogun.com/Cowra_side_A_Nagoya.html
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『カウラの班長会議 side A』神戸公演開幕

2014-07-23 | Weblog
『カウラの班長会議 side A』神戸公演開幕。幸い昼夜とも満席である。

昼の部には、劇中「竹富兵長」として話題になる人物のモデルにさせていただいた、立花誠一郎さんが岡山から観に来てくださった。
立花さんは、カウラの捕虜収容所では、ハンセン氏病罹患のため「独立テント」に収容されており、他の捕虜たちと一緒に「出撃」に加わることはなかった。
『カウラの班長会議』では、じっさいに手先が器用で、捕虜として手に入るものだけでトランクを幾つか手づくりで作り上げた立花さんの史実をお借りして、「竹富兵長」の作り上げたトランクを捕虜たちが見るシーンがある(写真)。

劇中では、「竹富兵長」と友情を育んだ水津聡演ずる「北野」(右端)が、いよいよ最後に「出撃」する直前、そのトランクに一礼し、抱えるシーンがある。
最前列、車椅子の立花さんの目の前で、その場面が演じられた。

立花さんからは「目頭が熱くなりました」というお言葉をいただいた。

岡山で、立花さんが亡くなった戦友たちのことを「かわいそうでしかたがない」と言われるのを聞いたことがある。

名古屋公演を経て来週、いよいよ、オーストラリア・カウラ、立花さんの戦友たちの眠るその地で上演することになる。
身の引き締まる思いである。
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明日23日、神戸。25日、名古屋。『カウラの班長会議 side A』、国内ツアーお見逃しなく。

2014-07-22 | Weblog
国内公演はあと二箇所、1日ずつのみ。
お見逃しなく。

カウラ日本兵捕虜脱走事件70周年記念企画・オープニング作品
『カウラの班長会議 side A』
作・演出○坂手洋二

【神戸】
7月23日(水) 14:00/19:00 開演
神戸アートビレッジセンター KAVCホール
http://rinkogun.com/Cowra_side_A_Kobe.html

※ 神戸公演マチネ アフタートーク決定!
7月23日(水)14:00の回の終了後、
坂手洋二と Matthew Crosby によるアフタートークを行います
(通訳:岩崎麻由)


【名古屋】
7月25日(金) 19:00 開演
ウィルあいち(愛知県女性総合センター)・ウィルホール
http://rinkogun.com/Cowra_side_A_Nagoya.html

   …………………………


「生きて虜囚の辱めを受けず」
大日本帝国の兵士に、捕虜は一人もいない。
つまりこれは亡霊の夢だ。
じゃないと説明がつかない。
今までこんなに穏やかで、
楽しかった日々はないんだから。

史から、いまを見る。「戦争の時代」と「映画」が交錯する青春群像。
オーストラリア俳優との国際製作バージョン<side A(Australia)>として再生!

1944年、8月5日。
第二次世界大戦中のオーストラリア。
ニューサウスウェールズ州・カウラの連合軍捕虜収容所。
捕虜になった日本兵545名による、史上最大の脱走計画。
日本兵たちは、選挙によって選ばれた代表による「班長会議」で、
計画を実行するか否かの多数決投票を行った。
戦時下、極限の選択を迫られる兵士たちの真実に、
現代を生きるオーストラリア女性たちが迫る。
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ガザへの侵攻を止められない国際社会と日本の中東政策の歴史的転換

2014-07-22 | Weblog
パレスチナ自治区ガザへの地上侵攻開始から5日目の21日、イスラエル軍の攻撃によるパレスチナ人死者数が8日の作戦開始以来540人、負傷者も3640人超となったという(ガザ保健省発表)。
イスラエル側の死者数は20人。
イスラエルとガザの境界付近から始まった地上戦は、中心部のガザ市に及びつつある。国連施設に避難した人は5万人を超えた。
停戦の兆しはなく、状況は一層深刻化している。
イスラエルが退避警告を出していたガザ東部シュジャイヤ地区は20日朝までに集中攻撃を受け、パレスチナのマアン通信によると少なくとも60人が死亡。
赤十字国際委員会は負傷者の救出や遺体の収容のため、同地区での一時休戦を呼びかけ、20日午後1時半(日本時間午後7時半)から2時間の休戦が決まったが、無効となった。
「ガザからのロケット弾攻撃とイスラエル軍の報復」が理由だと朝日新聞は報道するが、こんな「双方共に攻撃している」という書き方は、完全に「イスラエル寄り」だ。
イスラエルによる地上侵攻の目的は、イスラム主義組織ハマスが建設した、イスラエル侵入用の地下トンネルを破壊することという。
イスラエル・ヤアロン国防相は20日、「2、3日で大部分を壊滅できる」、ネタニヤフ首相は「必要な限り作戦を拡大する」と言う。
まだ殺し足りないというのか。
そもそもイスラエル軍は、ガザ・エジプト間の14キロの国境線沿いの地域全体を爆撃している。「完全封鎖」を続けることでパレスチナの人たちを全滅させようとしている、まさに狂気である。

来日が予定されていたガザ在住の人権弁護士ラジ・スラーニさんに土井敏邦監督がスカイプでインタビューした(7/10)。「非戦を選ぶ演劇人の会」メンバーも協力した。お役に立てて嬉しい。
http://www.doi-toshikuni.net/j/column/20140710.html
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10203849341009794&set=a.4572398743858.2185616.1108447447&type=1&theater

ラジ・スラーニ氏によると、

この新たな「戦争」は、3人のユダヤ人入植者が誘拐され殺されたことのきっかけとされている。
しかしイスラエルは事件があったヨルダン川西岸のヘブロン市だけではなく、西岸全体またガザまで攻撃の対象としている。
西岸では大量にハマスの指導者たちを逮捕し、ヘブロン市とその周辺の村々に外出禁止令を敷き、家を一軒一軒捜査し始めた。
また住民の家々を急襲し、住民を脅迫し侮辱し、7/10の段階で、すでに125軒のハマス指導者たちの家屋を破壊。イスラエルはハマスやイスラム聖戦のメンバーたちに「死刑判決」を下し、それを実行しているつもりなのだ。
「組織の指導者たちを「懲罰」するためにこれほど冷血な手法で殺害し、家を破壊することは許さないことです。ジュネーブ条約や国際刑事裁判所でもこれは戦争犯罪です。これは全く違法な行為です」。
さらに以前ガザで誘拐されたイスラエル兵(シャリート)との捕虜交換で釈放された元政治犯のパレスチナ人を再び逮捕した。その数は数百人に及ぶという。
イスラエル軍はパレスチナ自治政府の治安警察も無視して、少しでも不審だと思ったら、たとえ自治政府の人間でも射殺。彼らはフリーハンドなのだという。
3人のイスラエル人少年の誘拐・殺害後はイスラエルの中に怒りが渦巻き、イスラエルの世論は「復讐」を要求、パレスチナ人のモハマド・アブクデール少年(16歳)が犠牲となった。
イスラエルは西岸とは関係のないガザ地区を6月30日からF16やドロン(無人飛行機)、アパッチ・ヘリコプターなどによって攻撃を開始。
それをイスラエルは「クリーンな爆撃」と言うのだという。それは「ガザ南端のラファから北端のベイトハヌンまで空爆し、個々人を標的して住民を殺すことはせず、ただ住民の間に恐怖心を植えつける。そしてガザ全体には安全圏はないと感じさせる」というものである。
しかしこの「戦争」の最初に、イスラエル軍は6人のハマス武装メンバーを殺害。「クリーン」も何もない。イスラエルが挑発し、この「戦争」は始まった。
イスラエルは当初から、ハマスが反撃を開始することを望んでいました。それに応戦し降伏させようと考えていた。その空爆のやり方は、気が狂ったように猛烈に激しい爆撃であり、ガザ全体を爆撃し、標的にした者は確実に殺害し、破壊する。
イスラエルは新たな作戦を作り上げ、12時間の間に24人を殺害し、220人を負傷させ、また85軒の家を破壊。
とにかく目標とした人物を定めれば、本人がそこにいようといまいと、F16によってその家を爆撃。
ガザ中部のハンユニスのアブ・カワレ一家は、そのやり方で、5人の子どもを含む7人を殺害、28人が負傷。
ベイトハヌンのハマッド一家も、孫たちを含め6人が死亡。

イスラエル軍は住民、家族を破壊し「抹殺」しようとしている。
武装組織のメンバーたちの大半が地下にもぐって表には出てこない。これまで犠牲者の中にハマスやイスラム聖戦のメンバーは6人から多くても10人ほど。他の犠牲者は一般市民で、軍事的な攻撃目標などない。だからイスラエル軍は彼らの家、農園、インフラを狙って攻撃する。
ラジ・スラーニ氏はそのことを、まさに「破壊とテロ」という。
「それが、200万人が暮らすこの360平方キロの広さしかない狭いガザ地区で起こっているのです」「ここは世界でも最も人口密度の高い地域です」

ある地域では地対地ミサイルまで用いている。爆撃は四六時中続き、夜に動く物体や人は全て爆撃されます。夜に動くものは、車でもモーターバイクでもすべて即座に爆撃。日中でもガザでは普通の車を使うことが困難。
「私は今60歳ですが、こんなことは私の人生の中で一度も経験したことがありません」
ガザ地区は孤立している。
「この事態は短期間では終わらず、長期化すると私は思います。とても困難で、血にまみれたものになるでしょう」。
「2008-2009年、また2012年のガザ攻撃で犯した罪によってもイスラエルは何の罰も受けなかったので、自分たちは免罪され、やりたいことは何でも自由に行動できると思っている、と多くのガザ住民は感じています」
「ここで起こっていることは簡単です。ここは法が支配する世界ではなく、ジャングルの掟(おきて)が支配している世界なのです。一般市民を保護する基本的で原則的な法さえ欠落しているのです」
「あらゆるガザ住民が不安に震えています。まったく展望が見えないからです。イスラエルはここでは「全能」です。住民は苦しみ泣いています。私は最悪の事態が起こることを恐れています。時間が経つごとに、前よりさらに事態は悪化し、今日は前日よりもひどい状態になっています」
医薬品も手術や透析のための電気、燃料も不足している。
「まったくイスラエルはガザ住民の被害など気にかけない。女性や子どものこともまったく気にかけないのです」
「(2012年のガザ攻撃と比べても)前回はイスラエルも一般市民の被害を避けようと注意を払っているようでした。しかし今回は誰もがこの攻撃から自由にはなれないのです。」

国連の潘基文事務総長はイスラエルやパレスチナを訪問し、関係各国に停戦を呼びかけるという。
だが、停戦を仲介するエジプトはエジプトが提示した停戦案をハマスが無条件で受け入れるべきだとの姿勢を崩しておらず、見通しは立っていない。

トルコからの報道によると、同国のエルドアン首相は19日、支持者への演説で、パレスチナ自治区ガザ攻撃を拡大するイスラエルについて「ヒトラーを昼夜非難する者が、野蛮さでヒトラーを超えた」と激しく批判したという。
「ヒトラーによる大量虐殺の被害者であるユダヤ人が建国したイスラエル」の反発は必至、と報道にあるが、この事態は本当にずっと続いてきているのだ。

ラジ・スラーニ氏はイスラエルがブラジルでのワールドカップの時期を選んだことを指摘する。「世界の関心がそこに向かっている時期を選んだ」ということである。しかしそのワールドカップさえ既に終わった。
ガザには外国の特派員たちが入ってきている。
ラジ・スラーニ氏は言う。「私が腹の底から感じるのは、今のガザの状況の特別な空気です。一般に国際社会が事態を理解するのに2、3日を要します。今ここで起こっている事態を国際社会がやっと把握し始めています」。
海外の人間にはわからない、というのではない。一筋縄ではいかない、ということだろう。

毎日新聞に【ベイトハヌーン(パレスチナ自治区ガザ北部)で大治朋子】とされた署名記事が出た。
http://sp.mainichi.jp/select/news/20140722k0000m030069000c.html?inb=tw

イスラエル軍は21日、イスラム原理主義組織ハマスが拠点とするパレスチナ自治区ガザ全域で集中爆撃を続け、8日の戦闘本格化以降、イスラエルの死者は20人、ガザ側の死者は550人を超えた。イスラエルの猛攻がガザ市中心部に迫る中、ハマスは「イスラエルが市民を虐殺している」と非難。一方で、退避しようとする市民や記者の行く手を阻み「人間の盾」に使おうとするなど徹底したゲリラ戦術で対抗している。
北東部シュジャイヤ地区。イスラエルはハマスが同地区を攻撃の拠点にしているとして20日朝から猛攻を開始した。
「ハマスの戦闘員が市民に銃を突きつけ、退避を阻止していた」。イスラエル軍幹部は21日、同地区で見たという光景を説明した。同幹部は、イスラエル軍が住民に退避警告を出した他の地区でも、ハマスが住民の退避を許さず、民家や学校から攻撃を続けている、と強調した。
ハマスは「イスラエル軍は市民を虐殺している」と非難する。その一方で、住民に「イスラエルの警告には応じるな。心理戦の一環だ」などと書いたビラを配布し、危険が迫るにもかかわらず、市民に自宅にとどまるよう指示している。中東の衛星テレビ局アルジャジーラは21日、同地区の学校が破壊され、通りに死体が散乱する様子を放映した。
ハマスの「人間の盾」戦術は、外国人記者にも向けられている。10日からガザに滞在していた記者(大治)は20日朝、いったん出域することに決めた。17日夜の地上戦開始後、イスラエル軍の爆撃は激化し、滞在するガザ市北部のホテルの前にも何度も着弾。爆風や衝撃で一部の部屋の窓が壊れ壁が崩落した。
20日午前11時、米CBSテレビの記者や運転手らとホテルを出た。イスラエル側に出るには、ベイトハヌーンにあるハマスの検問所を経て、そこから車で5分ほどのパレスチナ暫定政府のゲートを通過。約1キロ続く通路を徒歩でイスラエルのエレツ検問所へと向かう。
今回の戦闘でハマスの検問所は空爆され、別の場所に仮設の施設が作られていた。出域を希望する記者ら約20人に対し、ハマスのスタッフが突然、「イスラエルが検問所を閉鎖した。ハマスの攻撃を受け、職員は全員シェルターにいる」と述べ、ガザへ戻るよう促した。
だがイスラエル軍の検問所担当官に電話すると「攻撃はなく通常通り開いているが間もなく閉める。来るなら急げ」という。対応を検討していると、同じハマスのスタッフが「5分後にイスラエルがここを空爆するようだ。すぐにガザに戻れ」と叫んだ。
 記者全員が一斉に車でガザに戻った。だが、ハマスは2012年11月のイスラエルとの戦闘でも検問所を封鎖し、出域を阻んだ経緯がある。記者はCBS記者らと再度協議し、ハマス検問所などを無視してエレツ検問所に直行することに決め、猛スピードで引き返した。その間、何度も近くで爆撃があった。
エレツ検問所に着くと、ヨルダンなどの市民権を持ちガザから出域可能な市民数百人でごった返していた。「ガザを後にするのはつらい。でも家族を守るためです」。3人の子供を連れた若い夫婦はそう言って、爆撃で黒煙を上げる南の空を悲しげに見つめた。

……以上である。じっさい、大治記者はたいへんな思いをされたのだろう。事実を記してもいるのだろう。
だが、この書き方では、「イスラエル軍がガザを攻撃すること」を大前提としているかのように受け取れてしまう面があることも否めない。
どこかに麻痺がある。
すべては、イスラエルがパレスチナの人間を殺そうとしていなければ起きていないことなのだ。

ラジ・スラーニ氏は言う。
「彼らは今ジレンマに陥っています。セキュリティー(安全)に不安を感じ、今は「抑止力」について話を始めています。しかし誰も抑止できないのです。ガザからのロケット弾攻撃はずっと続き、ガザ住民は降伏もしません。自分たちの強靭さを自覚しています。もちろん住民はイスラエルの攻撃に苦しみ、恐怖に怯えています」。
「しかし同時に、この攻撃を甘受し何の抵抗もしない「いい犠牲者」でいいと思っている者はだれもいません。中にはこの被害を自分たちが求めているものを手に入れるための代償なのだと考える者さえいます。我われは「いい犠牲者」にはなりません」。
「この封鎖や攻撃の後は、ガザは動物農場のような状況です。封鎖、失業、貧困、分断、爆撃、殺戮、流血……。下水道も管理できず、下水を海に流さなければならず海を汚染している状態、自分の運命も自分で決められず、建設的な生活をすることもできず、普通の人間のように行動することもできない。だからガザの人々はもう失うものはないのです。この悲惨な状況、非人間的な状況に置かれているのです。私たちは今すぐにはパレスチナを解放できなことはわかっています。しかし少なくとも人々はイスラエルの抑圧と攻撃を甘受するだけで抵抗しない「いい犠牲者」ではありたくはないのです。人間としての誇りと強さを持ちたいのです。たしかに人々は流血し、気を失い、すべてを失ったという絶望感もある、それでも人々は自由と人としての尊厳を大切に思っているのです。そして自分の子どもたちの眼に、羞恥ではなく、誇りを見たいと願っているのです」。
彼は「人間の尊厳が命より大切だ」と、言いきるのだ。

イスラエル軍は、イスラム原理主義組織ハマスによるロケット弾攻撃を阻止するためとして、19日夜から20日にかけてガザ地区東部の町を集中的に攻撃し、市民を含む60人余りが死亡した。
これを受けて、国連安全保障理事会は、理事国ヨルダンの要請で緊急の非公式会合を開いた。
パレスチナのマンスール国連大使は記者団に対し、「市民に対する虐殺を正当化することは誰にもできない」とイスラエル軍の攻撃を強く非難したうえで、「安全保障理事会がこうした暴挙を止める責任を果たすまで、われわれは何度でも門戸をたたく」と述べ、安保理にイスラエルに対する圧力を強めるよう求めていく姿勢を示した。
これに対しイスラエルのプロソール国連大使は記者団に、「イスラエルが再三停戦に応じる姿勢を示したのにハマスは応じなかった」と一方的に決めつけ、「国際社会はイスラエルの「自衛権」を認めているのに、われわれがそれを行使すると非難されるのは納得できない」と述べ、イスラエルの軍事行動に国際的な批判が高まっていることに反発したという。

イスラエル・プロソール国連大使がいう「自衛権」。
「集団的自衛権解禁」の先にある日本の姿を思うと、ぞっとする。
マスメディアではほとんど報道されていないが、日本とイスラエルは共同声明というべきものを出し、世界の目から見れば「準同盟国」になっているようなのだ。日本の中東政策の歴史的転換ということになる。
5月12日、東京で安倍晋三首相とイスラエルのビンヤミン・ネタニヤフ首相が署名した「日本・イスラエル共同声明」は、双方の日国家安全保障機関どうしの意見交換の開始を歓迎し、自衛隊幹部らが訪問、イスラエルで次回会合を実施することを確認したと述べている。双方は、サイバーセキュリティに関する協力の必要性を確認し、両国の関係機関間で対話を行うことへの期待を表明したともしている。間接的武器輸出は既に行っている日本が、こんどはイスラエルのノウハウを導入しようというわけだ。
声明の中では「厳しさを増す東アジアの安全保障環境」にも言及、対中国包囲網としての、イスラエルへの接近であることも感じ取れる。

共同通信によれば、日本政府は、国連平和維持活動(PKO)に自衛隊の将官クラスを派遣し、国際部隊の現地司令官ポストを担当できないか、外務、防衛両省などによる検討にも着手した。
従来は他国部隊への指揮行為が、憲法解釈で禁じる「他国の武力行使との一体化」につながる恐れがあるとして自粛していたはずである。
それが「集団的自衛権の行使」を容認した閣議決定で「一体化」の定義を緩和したことなどを受け、自衛隊の海外任務拡大の具体化を図るのだと、政府関係者が21日、明らかにした。
司令官派遣は、国際社会で「部隊派遣と同等の評価を得られる」(防衛省幹部)とされ、国連からも期待が寄せられているという。
「司令」の側に立ち、他国の軍であれ、兵士の死に責任を取ることになれば、「こんどは日本の番だ」ということになっていくはずだ。

こうした幾つかの動きを見れば、既に日本が、パレスチナの人々を虐殺する側に回ってしまっていることは明白であり、より明確な「既成事実」が生まれてしまう前に止めなければ、たいへんなことになる。
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燐光群 制作担当者 新規募集

2014-07-21 | Weblog
燐光群では制作担当者を新たに募集しています。

この冬から、現制作担当者の一人の海外留学が決まり、その不在の間の人員補填と、今後、アトリエ「梅ヶ丘BOX」の積極的な運営や、連続講座、国際共同製作や各種の事業などに乗りだしていくためです。
劇団であるのみならず、総合的な演劇の「ステーション」としての活動の、中軸を担う役割です。

年内は、国内・海外(オーストラリア)ツアー、新作公演、アトリエ公演、ワークショップ企画等、
次年度以降は、新作公演、アトリエ公演、国内・海外(ヨーロッパ)ツアー、アジアを中心とした国際共同製作、ワークショップ・講座企画等、予定しています。その他、随時新企画も行います。

主力で活動してゆく人材、共に活動する応援的なポジション、いずれも募集しています。

新たな出会いに期待しています。

以下、募集のご案内文です。

燐光群では、共に演劇を創造していく制作者・制作助手を募集します。
意欲と情熱のある方の参加を期待しています。
能力や取り組みに応じて手当あり。
作品製作以外にも、各種の講座・ワークショップ、企画・提携公演等、アトリエである梅ヶ丘BOXの企画・運営・管理を行います。
舞台芸術についての多岐に亘るやりがいのある仕事です。
興味のある方はrinkogun@alles.or.jpまでお問い合わせください。

劇団ホームページは以下の通り。
http://rinkogun.com/
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『カウラの班長会議 side A』 いよいよ明日、東京千秋楽

2014-07-19 | Weblog
『カウラの班長会議 side A』 いよいよ明日二時の回が、東京千秋楽です。
今日の夜7時の回には、Sarah Jane Kelly, Baylea Davisという、若い二人の女優のトークショウがあります。

水曜に「非戦を選ぶ演劇人の会」リーディングを終えた。
木曜日は来年演出するオペラのオーディション。四十人以上のプロの人たちのユニゾンに感銘を受ける。
金曜は朝から劇作家協会で打合せ二件。夜に久しぶりに『カウラの班長会議』を観る。
今日は若干の修正を経て、マチネ公演。
国内・海外ツアーの準備もたけなわ。

東京はあと二ステージを残すのみ。

http://rinkogun.com/
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「後方支援」の「後方」はどこまで広がるか

2014-07-16 | Weblog
安倍晋三首相は15日の参院予算委員会で、集団的自衛権の行使を容認した1日の閣議決定を受けて、国連安全保障理事会決議に基づく多国籍軍に対する自衛隊の後方支援活動について「当然、身を守るため」、自衛隊が攻撃を受けた場合の正当防衛・緊急避難や、任務を妨害する勢力を排除するための「武器使用」があり得るとした。
「身を守るため」の拡大解釈がなし崩しになっていき、戦争に直結することは目に見えている。
「戦闘地域」と「後方支援を行う場所」の区別はどうやって付けられるのか。「武装集団との衝突」は「戦闘にならない」保証はあるのか。国際協力活動といいながら自衛隊が「自己防衛」を言い訳に多国籍軍の武力行使に加担する可能性はないのか。
1日の閣議決定は後方支援について「非戦闘地域」に限っていた従来の枠組みを撤廃し、「他国軍隊が現に戦闘を行っている現場」以外なら可能と明記しているわけで、当然この解釈にしてくるだろうと思っていた。
「その瞬間に銃撃・砲撃が起きていなければ〈非戦闘地域〉」という解釈ならば、「戦闘直前や戦闘が中断している地域」でも「他国の武力行使との一体化」には当たらないとする緩和は、戦場でいったん攻防が休止した瞬間そこに行けば、自分から戦闘に巻き込まれに行くことを可能とするのか。
「自衛隊は格好の攻撃対象になる」という指摘を受けて「もし戦闘が行われれば、自衛隊はただちに引き揚げる」とした首相の説明は、矛盾している。

政府は、米企業からライセンスを得て三菱重工業が製造している迎撃ミサイル「パトリオット(PAC2)」の部品をライセンス元に輸出することについて、「防衛装備移転三原則」に基づき、容認する方針を固めたという。
国家安全保障会議(NSC)が輸出容認を判断するのは初めてになる。
こちらが「既成事実」になれば、「後は人を送り込むだけ」ということか。

海上保安庁は15日、米軍普天間飛行場の代替施設建設予定地の名護市辺野古沖で海上訓練を実施。辺野古漁港の沖合と辺野古地先近くの無人島の周辺でゴムボート2隻を出し、8人ほどが海中に入って陸側まで泳ぐ訓練を繰り返したという。第11管区海上保安本部は「特別なことではなく、通常から夜間も含めて海上訓練を実施している」と説明したが、そんなことはない。
海上ボーリング調査や制限水域を囲うブイ設置が近く予定されており、「基地建設に反対する市民らをけん制・阻止するための訓練とみられている」と報道されているが、こうして既成事実化していくことについて、あまりにもこの国は「受け入れすぎ」になっていないか。

なんだかこの沖縄の海も拡大解釈で言えば「後方」ということにされてしまいかねないような気がしてくる。ぞっとする話だ。

自衛隊の活動は、中東・ホルムズ海峡での「戦時の機雷掃海」も視座に入れているという。
その前に辺野古沖で「武装集団との衝突」が起きるという筋書きなのであろうか。
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日本劇作家協会は「集団的自衛権行使を認める閣議決定に抗議し撤回を求める緊急アピール 」を出しました

2014-07-15 | Weblog
一般社団法人日本劇作家協会は、2014年7月14日付けで、下記緊急アピールを出しました。
他の団体よりは少し遅れましたが、劇作家協会内で長時間討議し、熟慮の末、文面を決定しました。


集団的自衛権行使を認める閣議決定に抗議し撤回を求める緊急アピール

 内閣は7月1日、歴代内閣が憲法上許されないとしてきた、集団的自衛権の行使を認める閣議決定を行いました。憲法の文理も政府解釈の経緯も無視した、正規の改憲手続きを経ない「解釈改憲」の暴挙です。
 内閣は「集団的自衛権の行使は限定的」だと強調しますが、それを判断するのは政府自身であり、何らかの歯止めになる保証はありません。「抑止力どころか米国の関わる戦争に巻き込まれ、日本が攻撃される可能性が高まる」との不安を抱く国民も多いことは、厳然たる事実です。
 よって、内閣があくまで集団的自衛権が必要だと考えるなら、国会を説得してその旨を発議させ、国民投票に問うことが最低限必要となります。閣議決定で押し通すことは、憲法遵守の義務を負うべき閣僚による重大な憲法違反であり、国民主権への侵害です。時の首相が自由に変えられるものは、いかなる意味でも「憲法」ではありません。
 当協会ではこれまで、表現・言論など市民的自由を脅かしかねない政府の法令・規制には、積極的に意見表明して来ました。全ての表現者・言論人の活動の礎は、憲法の根本原理たるこれらの自由だからです。政府が手続き抜きで憲法さえ変えて良いなら、規制には何らの歯止めもなくなり、権力に都合の悪い表現・言論が封殺されかねません。
 私たちは表現者として、このような閣議決定に反対し、撤回を求めると同時に、この閣議決定に基づく全ての法案提出にも反対します。また、憲法の国民主権・基本的人権の尊重・平和主義こそが自由な言論の基礎であるとの認識を深め、今後も、広く国民世論に働きかけていきます。

2014年7月14日 
 
一般社団法人 日本劇作家協会 


http://www.jpwa.org/main/appeal20140714
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「霊視」ではありません

2014-07-15 | Weblog
写真は赤外線モニターで見た『カウラの班長会議』終演五秒後。
じっさいには暗転しているが赤外線暗視カメラで見ると、ばっちり。俳優たちは照明がつくまで微動だにせぬ者、手持ちの毛布や道具を暗転中にちゃっかり置いてしまう者や、手にした布をたたみ直して腕にかけカーテンコールに備えるお洒落者も。
このカメラの御陰で暗転転換終了のタイミングを出しやすくなった。
赤外線時はモノクロだからオカルトぽいけれど「霊視映像」ではありません。
昨日のオーブリー・メロー氏のトークは予想通りのノンストップぶりであった。
オーストラリアでもおおいに受けるだろうというのを真に受けることにしよう。
http://rinkogun.com/Cowra_side_A.html

2日間自分の劇団の公演を観られていないのは、非戦を選ぶ演劇人の会のリーディング準備のためである。
まったく睡眠時間がない。
日曜の夜は長谷川和彦監督が来てくれたりでいろいろと交流もしたが、その後あまり寝ないでリーディング台本チェック。
月曜日も劇場でずっと準備。木場勝巳さん、鈴木瑞穂さん、高橋長英さんといった先輩たちとご一緒できるのは嬉しい。そして城田美樹応援参入で大助かり。終えてまた台本チェック等。場所を変えて続けるが際限がない。もう朝じゃないか。
タイトルは「あなたは戦争が始まるのを待っているのですか?」。初日の今夜は7時から。
http://hisen-engeki.com/

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『カウラの班長会議 side A』東京公演は20日まで

2014-07-14 | Weblog
『カウラの班長会議 side A』東京公演はあと一週間。
7月20日まで。ザ・スズナリ。
http://rinkogun.com/Cowra_side_A.html

オーストラリア俳優たちの活躍も一見の価値あり!
写真は前列左から Matthew Crosby Sonny Vrebac 
後列左から Jane Phegan 中山マリ Sarah Jane Kelly Baylea Davis 

本日7/14(月)夜公演19時の部 終了後は、
オーストラリア国立演劇学校NIDAの元学長オーブリー・メーロー氏( Aubrey Mellor 現在はラサール芸術大学シニア・フェロー)を招いてのアフタートークを行います。
今回の合作はオーブリーの提唱から始まったもので、出演俳優はジェーンをのぞくとみんなNIDAの卒業生。
NIDAは卒業後に世界規模で活躍するかなり多くの俳優を輩出していて、メル・ギブソン、ケイト・ブランシェット、ジェフリー・ラッシュらもオーブリーの教え子。
私は8年前に招かれて最終学年の発表公演の演出をした。SonnyとBayleaはその時の出演者。
俳優科23名全員の出演する『屋根裏』は学内公演らしからぬ評判を取った。
二ヶ月近くシドニーに滞在していた。本当に懐かしく充実した思い出である。

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『カウラの班長会議 side A』本日はアフタートーク!

2014-07-12 | Weblog
そういうわけで『カウラの班長会議 side A』初日。
写真(山勝くん撮影)は終演後、オーストラリアからの五人と通訳の岩崎さん。
本日夜7時の回は、アフタートーク。
写真で手を上げてる(劇作家大会のシャツを着ている)マシュー(Matthew Crosby)と、右端のジェーン( Jane Phegan)が出ます。
オーストラリア演劇のナマな情報など、聴けると思います。
本日夜7時の回は、まだお席に余裕があります。
ご来場お待ちしています。

http://rinkogun.com/Cowra_side_A.html
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『カウラの班長会議 side A』11日初日

2014-07-11 | Weblog
『カウラの班長会議 side A』。
写真は10日、プレビュー開始五分前。
いよいよ11日初日。

『カウラの班長会議 』から一年三ヶ月、オーストラリア俳優五人が加わり、日本の女優は中山マリただ一人となったバージョン、『カウラの班長会議 side A』。
同じようで違う。上演する側からしても、なんとも不思議な体験である。
ある意味シンプルになり、同時にオーストラリアからの視点に批評され、より複雑なニュアンスが出てくる。この混在の醸し出すものは、まちがいなく画期的である。

SJ(サラ・ジェーン)が、ラストに急遽加えた改変に、みごとに応える。

http://rinkogun.com/Cowra_side_A.html
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「反核」「反戦」共に守る

2014-07-10 | Weblog
経団連の榊原定征会長は8日、原発の再稼働について、「安全が確認された原発は、速やかに再稼働すべきだ。国民全体の願いでもある」と述べたという。
何を血迷っているのか。震災以降の時間の中で明らかになっているとおり、「反原発・脱原発」こそ国民の願いであり必然だ。
そもそも不景気・経済格差の広がりを、燃料費上昇以外のファクターによって捏造されている電気料金高騰のせいにしてはならない。
自民党細田幹事長代行も「福島の不幸ぐらいで、原発はやめられない」と暴言を吐いたらしい。

「スポニチ」によれば、坂本龍一さんが咽頭がんであることがわかったという。本人が喉に違和感を覚えるようになったのは6月になってからで、精密検査を受けたところ、今月はじめに咽頭がんと判明したという。本日、正式に病名を公表するとのこと。
坂本氏は反原発運動に携わってきた立場から「放射線治療は拒否」と伝えている。そういうものなのか。治療に専念するため活動を休止するというが、ご無事をお祈りする。

坂本氏は「反核」のみならず、ミュージシャンでもっとも反戦活動に勤しむ一人でもある。

こんな今、パレスチナ自治区ガザの市民はイスラエルの空撃を受けている。
ガザの町は停電していて、まるでゴーストタウンのようだという。
先月にイスラエル人の少年3人がパレスチナ自治区ヨルダン川西岸で殺害されたのに続き、報復とみられる形で先週はパレスチナ人の少年が殺害されている。
イスラエル空軍は当たり前のように普通の市民の民家や走行中の乗用車への爆撃を行っている。
この間、殺された人たちの半分近くは子どもだという。
そしてイスラエル軍は集合住宅を標的にし始めているらしい。
「ガザからのロケット弾発射の根絶」を謳うイスラエル軍はアパッチヘリやF16、無人機攻撃まで駆使して攻撃してきている。
イスラエル軍当局者は9日、前日夜から9日未明にかけてガザ地区の160の標的を空爆し、過去2日間でおよそ430の標的を攻撃したと発表した。標的は隠されていたロケット発射装置120基、ハマス司令部10か所、住宅2戸、地下トンネル多数などだというが、それは嘘だ。
一方的な「虐殺」であることは明らかだ。

パレスチナ人活動家を父に持つ重信メイさんのドキュメンタリー『革命の子どもたち』の試写には行けなかったが、もう劇場公開が始まったようだ。
レバノン、ベイルート生まれの重信メイさんの、母・房子が付けた名前が、漢字で正式に書けば「重信命」である。「命」の一文字の重さ。
彼女は最近はベイルートに戻っているのだろうか。

「反核」「反戦」は繋がっている。
そのようにしてたたかうべきだろう。
なにしろ原発推進と集団的自衛権容認が繋がっている。
そしてそれらは日本国内のみならず国際的に関わる問題でもあるのだ。

止めなきゃならないだろう。日本は明らかに殺す=イスラエルの側に立とうとしているのだ。

さいたま市大宮区の三橋公民館が毎月発行する公民館だよりの俳句コーナーで、サークルが選んだ同市大宮区に住む女性(73)が詠んだ「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」を、公民館の判断で掲載を取りやめていたことが4日、関係者への取材で分かったという。
公民館は「決して俳句の内容を否定するものではない」「“九条守れ”というフレーズは、憲法を見直そうという動きが活発化している中、公民館の考えであると誤解を招く可能性がある」というが、国民が憲法を大事にして何が悪いのだ。
公民館側は掲載を拒否した根拠に「(公民館が)特定の政党の利害に関する事業を行う」ことを禁止する社会教育法第23条と市が設ける広告掲載基準を挙げるが、憲法と政党は違うだろう!
どうして憲法を守ることが「広告」なのか!?

言論の自由を守るための表現者の立ち方は、揺らいではならない。
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