Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

ガザの人権を考える ―ラジ・スラーニ氏 講演とガザ映画上映のお知らせ―

2014-08-30 | Weblog
映画監督の土井敏邦さんから、ガザの人権活動家ラジ・スラーニ氏の来日と、ガザ攻撃の被害の実態を世界に向けて発信し続けてきたスラーニ氏が、日本で直接私たちに「ガザで何が起こったのか」を報告する催しのお知らせです。
土井監督のご協力の下、「非戦を選ぶ演劇人の会」も七月にラジ・スラーニ氏の日本での講演会を計画していましたが、果たせませんでした。今回このような形で、あらためてスラーニ氏による日本での報告会が実現する運びとなったようです。土井監督の根気強い活動には頭が下がります。
皆さまのご参加をお待ちしています。

………………………………

 土井敏邦です。8月1日よりガザで取材中です。
 7月初旬に始まったイスラエルのガザ攻撃は8月26日、やっと「休戦」となりましたが、ガザ史上前例のない破壊や膨大な死傷者数など深い傷跡を残しました。
 7月来日予定だったガザの人権活動家ラジ・スラーニ氏の来日は、国境封鎖によって実現できませんでしたが、再調整し10月8日に来日することが決まりました。今回のガザ攻撃を現地で体験し、その被害の実態を世界に向けて発信し続けてきたスラーニ氏が、日本で直接私たちに「ガザで何が起こったのか」を報告します。
スラーニ氏の講演と映画上映の日程は以下の通りです。
ぜひご参加ください。
ただ、私自身の今回のガザ取材の映像報告のために、映画上映の一部が変更になる可能性もあります。ご了承ください。
 
                                                                                              8月29日  ガザにて  土井敏邦
 
 
ガザの人権を考える
―ラジ・スラーニ氏 講演とガザ映画上映―
 
 この夏、3度目のガザ攻撃で激しい空爆・砲撃にさらされ、2000人を超える死者と1万人以上の負傷者を出した。生活基盤も完全に破壊された住民たちは、封鎖が続くガザでどう生きているのか。なぜガザ攻撃が繰り返されるのか。住民はハマスをどう見ているのか。スラーニ氏が直接私たちに報告・解説します。
同時に、現在に至るガザの歴史的な背景を描いたドキュメンタリー映画「ガザに生きる」5部作(監督 土井敏邦)を上映します。 
 
10月11日(土) 2:00pm~7:30pm
10月12日(日) 1:00pm~8:30pm
【会場】東京大学・経済学部 第1教室(本郷キャンパス)
 【資料代】一日ごと1000円
 
【10月11日(土)】
 
 14:00 『ガザに生きる』
「第四章 封鎖」(84分)
 15:40 『ガザに生きる』
「第一章 ラジ・スラーニの道」(52分)
 
17:00 ラジ・スラーニ氏・講演
「2014年ガザ攻撃で何が起こったのか」
 
 18:30 質疑応答
(司会・長澤栄治氏/東京大学教授)
 
 
【10月12日(日)】
 
 13:00 『ガザに生きる』
「第二章 二つのインティファーダ」(84分)
 14:30 ラジ・スラーニ氏の解説
 15:15 『ガザに生きる』
「第三章 ガザ撤退とハマス」(67分)
 16:30 ラジ・スラーニ氏の解説
 17:15 『ガザに生きる』
「第五章 ガザ攻撃」(87分)
 18:50 ラジ・スラーニ氏の解説
 
 19:30 ラジ・スラーニ氏と臼杵陽氏(日本女子大教授)の対談
 
 
【主催】土井敏邦 パレスチナ・記録の会 
【共催】東京大学・東洋文化研究所
 
【連絡先】doitoshikuni@mail.goo.ne.jp

【FB】https://www.facebook.com/events/1524227027810970/?ref_newsfeed_story_type=regular
 
 
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2015韓国現代戯曲ドラマリーディング 俳優オーディションのお知らせ

2014-08-28 | Weblog
日韓演劇交流センターでは、今週の会議でついに、2015年1月、シアタートラムで行われる「韓国戯曲リーディング」の詳細を確定しました。
出演俳優はオーディションによって決定いたします。上演されるのは以下の三作品です。

「木蘭姉さん」  キム・ウンソン作 石川樹里訳 演出=松本祐子(文学座)
「五重奏」  キム・ユンミ作 鬼頭典子訳 演出=保木本佳子(ケムリノケムリ)
「アリバイ年代記」  キム・ジェヨプ作 浮島わたる訳 演出=公家義徳(東京演劇アンサンブル)

以下、出演俳優募集資料から。
下記の申込先に問い合わせていただければ、戯曲をメール送付します。

………………………………………………………………

日韓演劇交流センターでは、2015年1月に7回目の韓国現代戯曲ドラマリーディングを計画しております。
公演に際しまして、出演者を広く公募することにいたしました。
日韓の演劇交流事業として、韓国の現代作家を日本に紹介するためのリーディング公演となります。後述にあるような作品の上演を計画しております。
出演ご希望の方は下記の要項を熟読のうえ、A4サイズ1枚に写真、プロフィール(年齢、身長は必須)、希望作品、志望理由をお書きのうえ、書式自由にて、郵送またはメールにてお申し込みください。
なお、作品を読みたいという方は戯曲の粗訳を準備しております。メールでの送付のみの対応となりますが、お問い合わせいただければ戯曲を送付いたします。
それでは、たくさんの皆様からのご応募をお待ちしております。

■お申し込み・お問い合わせ
akira@tee.co.jp 必ず件名に『2015日韓リーディング』としてください。

■オーディション日時
10月15日(水) 10時半~18時 (予定) ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線・武蔵関)
※3作品それぞれ行います。複数作品を希望することも可能です。

■締め切り
9月26日(金)18時必着

■オーディション参加条件
韓国演劇に興味のある方で、20歳以上で1年以上の俳優経験者、心身ともに健康の方
出演料は1ステージ2万円程度(稽古手当・交通費込み)
稽古期間は1月6日頃から1週間~10日程度
公演中は他のも必ず観劇し、期間中行事に必ずすること
12月中旬の顔合わせに参加すること
チケットノルマはありませんが、積極的にチケットを売っていただくこと

■オーディション参加費
無料

■公演内容・日程
2015年 韓国戯曲ドラマリーディング 会場:シアタートラム
「木蘭姉さん」  キム・ウンソン作 石川樹里訳 演出=松本祐子(文学座)
「五重奏」  キム・ユンミ作 鬼頭典子訳 演出=保木本佳子(ケムリノケムリ)
「アリバイ年代記」  キム・ジェヨプ作 浮島わたる訳 演出=公家義徳(東京演劇アンサンブル)

2015年1月13日(火)~18日(日) シアタートラム 料金 1500円 通し券3000円 シンポ 500円


■韓国現代戯曲リーディング 作品資料


☆『木蘭姉さん』 作=キム・ウンソン 訳=石川樹里 演出=松本祐子

2012年東亜演劇賞戯曲賞、演劇評論家協会今年のベスト3。
平壌でアコーディオンを専攻した木蘭は、20代のエリート出身の脱北女性。不慮の事故で韓国に越えてきた彼女は北に居る親を連れて来てくれるというブローカーに騙され、すべての資金を失う。韓国生活に幻滅した彼女は再び北に帰る決心をする。

キム・ウンソン
全羅南道、宝城(ポソン)出身。1986年冬からソウルで育つ。
北朝鮮学を専攻する。韓国芸術総合学校演劇院演出科で演劇専攻。2006年卒業公演『シドンナサ』が韓国日報新春文芸に当選。2011年8月8日に劇団月の国椿の花を創立。2012年斗山(トゥサン)アートセンターで「木蘭姉さん」と「砂地」が好評を博す。

あらすじ
平壌の芸術学校でアコーディオンを専攻した木蘭は、画家である父、舞踊家である母とともに北朝鮮で幸せに暮らしていた。しかしある日、家族は知らぬ間に政治的な事件に巻き込まれ、両親は収容所に送られ、木蘭は韓国に亡命することになる。演劇は木蘭の韓国での生活を描く。
北朝鮮にいる両親を南に脱出させてくれると約束したブローカーに、南での定着金と賃貸アパートの保証金すべてを騙し取られた木蘭は、韓国での生活に懐疑を覚える。北から亡命してきた人間に、両親が収容所を追放され、地方の芸術団体で活動しているという消息を聞き、再び北に帰ることを決意した木蘭は、その費用5千万ウォンを稼ぐために、引きこもりの太山の世話を引き受ける。
泰山の母は女手一つで三人の子を育てるためにピンクサロンを経営し、手段や方法を顧みずに財をなしたやり手のビッグママ。長男の太山は韓国史の博士号を持っているが、失恋の痛手から立ち直れず何年もうつ状態のまま引きこもり生活を続けており、次男の太江は哲学を教える大学教授、長女の太陽は作家志望である。資本主義の手垢に染まっていない木蘭の純朴さは、三人の兄妹たちを次第に変えていく。
生きる意欲を取り戻し始めた太山の姿を見て、ビッグママは木蘭を太山の嫁に迎え、5千万ウォンを渡すことを約束する。ところが、ある日突然事業に行き詰まり、ビッグママは借金取りに負われて雲隠れしてしまう。北に帰る当てがなくなり悲嘆にくれる木蘭に、兄ではなく自分と一緒に逃げてくれれば5千万ウォンを渡すと約束する太江。彼の提案を受け入れた木蘭だったが、彼女は5千万ウォンを手にして消えてしまう。
演劇は、おそらく中国であろう都市の酒場で、木蘭がアコーディオンを弾きながら歌を歌っている場面で幕を閉じる。

*あらすじだけだとわからないが、戯曲は短い場面が非常に速いテンポで次々に移り変わるように書かれ、
特に前半は、資本主義の目まぐるしさとカオスのような韓国社会の模様が観客さえも混乱させるような手法で書
かれている。

登場人物
この劇に登場するのは、俳優12人(男優6人、女優5人、子役1人)である。
主要人物以外は、次のように多役で演じわけるように書かれている。

俳優1> チョウ・モンナン (女、26才) アコーディオン奏者
俳優2> チョウ・デジャ(女、55才) ピンクサロン経営者
ナム・グムジャ(女、55才) チョウ・モンナンの母親
俳優3> ホ・テサン (男、36歳)韓国史の博士号取得者、無職,チョウ・デジャの長男
俳優4> ホ・テガン (男、33歳)大学教授、チョウ・デジャの次男
俳優5> ホ・テヤン (女、30歳) 小説家、チョウ・テジャの長女であり、末っ子
俳優6> キム・ジョンイル (男、 41歳)反北朝鮮団体会員、北朝鮮脱出ブローカー
俳優7> ぺ・ミョンヒ (女、30歳) 統一団体会員ㆍ民謡歌手
ユク・ソニョン (女、33歳)小学校の教師
チャ・ヨンミ (女、29歳)大学院生、
リョ・モンナン ホ・テヨンが書いているシナリオの中の登場人物。
俳優8> チョウ・ソンホ (男、55歳)画家、チョウ・モンナンの父
オ・ヨンファン (男、48歳)映画監督
カン・グッシク (男、66歳)事業家、韓国系アメリカ人
俳優9> リ・ミョンチョル (男、32歳)再入国脱北者
グッ・サンチョル (男、32歳) 国会議員補佐官
ヒョン・ソンウク (男、34歳) 大企業秘書室職員
ヤン・ムノ (男、15歳) 北朝鮮の男子中学生
チャ・ミニョク ホ・テヤンが書いているシナリオの登場人物
俳優10> ナ・ヌリ (男、9歳) 小学生
チョン・シンギュン (男、34歳) 医者
ソ・ヒンドル (男、25歳) 大学生
チョン・ウォンサン (男、20歳) ピザ配達員
俳優11> ソン・ホンヨン (女、15歳) 北朝鮮の中学生
ホ・セビョル (女、9歳) 小学生
ノ・ミレ (女、21歳) ピンクサロン従業員
コン・ドゥソン (女、23歳) 大学生
俳優12> ユ・モンナン (女、10歳) 脱北児童


☆『五重奏』 作=キム・ユンミ 訳=鬼頭典子 演出=保木本佳子

2003 年初演。保守的な家父長制を描いた作品で、フェミニズム的な視点もある。定められた運命を女性は受け入れなければならない、ということがテーマにある。後継ぎとしての息子を求めて、妻以外の女とも関係を持つ男。しかし、娘ばかりが生まれてしまう……。

キム・ユンミ
作家は1967年、慶北(キョンブク)奉化(ホンファ)で生まれ。1988年東亜日報新春文芸戯曲部門に『列車を待って』が当選して登壇した。中央(チュンアン)大学校文芸創作学科を卒業。延世(ヨンセ)大学校大学院国語国文学科で修士、博士過程修了。
戯曲集に平民社『月を撃つ』、『キム・ユンミ戯曲集1、3、4』、公演戯曲に『月を撃つ』『チェア』『五重奏』『メディアファンタジー』『結婚した女』『結婚しなかった女』『楽園での昼と夜』などがある。

あらすじ
中風の後遺症で車椅子に座っている老人、キム・キプン。ある日、バラバラに暮らしている4人の娘を呼び寄せる。
キプンは後継ぎ息子が欲しいばかりに、次々多くの女と関係を持ってきた。
娘たちは、そんな女性たちの間に産まれた腹違いの姉妹である。
娘たちはそれぞれ父や母、姉妹たちとの間で様々な過去を抱え、心に傷を負っている。
キプンの家には、死んだ妻たちも、成仏できずに幽霊となって集まって来る。
生きている娘たちと幽霊になった母親たち。それぞれの思いが、再会を機にぶつかり合う。
そして、それでも息子をもうけることが出来なかったキム・キプンが娘たちに伝えようとしたことは…?

登場人物
キム・キプン (七十代) 父
ヨンスン (四十代) 長女
ヨンファ (四十代) 次女
ヨンオク (四十代) 三女
ヨンジン (二十代) 四女
スク (五十代) 幽霊
イファ (十代) 幽霊
クムスン (五十代) 幽霊
サンピル (四十代) キム・キプンの従兄弟、アルコール中毒者
クォン先生 (四十代) 漢方医
仮面をかぶった幽霊たち多数


☆『アリバイ年代記』 作=キム・ジェヨプ 訳=浮島わたる 演出=公家義徳

2013年、国立劇団にて初演。東亜演劇賞最優秀戯曲賞、演劇評論家協会今年のベスト3、ベストセブンなど演劇賞を総なめにする。大阪で生まれた父親の人生を語ることで、戦後の韓国の歴史を語っていく。ウィットに富み、感性あふれる作品。

キム・ジェヨプ
作家は1973年大邱(テグ)生まれ。延世(ヨンセ)大学国語国文学科卒業。漢陽(ハニャン)大学大学院演劇学科博士課程修了。2006年から2010年まで恵化洞一番地4期同人として活動。劇団ドリームプレイ代表、世宗映画演劇学科教授。

あらすじ
韓国の現代史を背景に、小市民の日常を断片的に積み重ねた作品。父親、息子の二世代にわたってドキュメ
ンタリードラマの形式で描かれている。
タイトルの「アリバイ」は各時代の政治責任者の失敗を隠ぺいするための口実という意味で用いられ、最後に
はそれが一個人の不都合な部分を覆い隠す証明という意味にも使われている。
各時期の政治が韓国国民の心情にいかに深く入り込み、影響を与えていたかを皮膚感覚で知ることのできる
作品であり、その意味で非常に韓国的な戯曲と言える。

(韓国の政治、経済、社会、風俗の一定の知識がないと理解できない部分が多いでしょう。韓国の現代史をお
さらいしながらお読みください。)

登場人物
父キム・テヨン
ジェヨプ
少年(テヨン)、少年ジェジン、少年ジェヨプ
青年(テヨン)、ジェジン
母、おばさん
伯父さん、本屋の主人、刑事の班長、校長、嶺南政治家1、酔客
従兄弟の兄さん、少年の父、青年の兄、おじさん、刑事、ヨンヒョン、南総連、(国土開発)要員1、嶺南政治
家2、宣銅烈
班長、ソンフン、店員、張り紙職人、新聞売り、応援団長、医師、(国土開発)要員2



日韓演劇交流センター
〒177-0051 東京都練馬区関町北4-35-17 東京演劇アンサンブル内
TEL:03-3920-5232 FAX:03-3920-4433 URL http://www.tckj.org/ akira@tee.co.jp
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劇作家協会のミュージカル講座

2014-08-27 | Weblog
オリジナル・ミュージカルのクリエイター養成をめざし、劇作家協会が昨年度に開設したミュージカル講座。
今年もやります!!!

主任講師はオリジナル・ミュージカルの創作、海外ミュージカルの翻訳・訳詞・演出を数多く手がけている青井陽治氏。ゲスト講師としてミュージカル作家・翻訳家の高橋知伽江氏、女優の島田歌穂氏、作曲家・舞台音楽家の宮川彬良氏らを迎え、昨年よりパワーアップしてお届けします。

講座が開かれるのは9・10・11月の金曜夜と土曜夜。全11回通しての受講はもちろん、各回ごとの受講も申し受けます。ぜひご参加ください。

……………………

ようこそ、ミュージカル講座へ      青井陽治

日本劇作家協会主催のミュージカル講座、2度目が開講されることになりました。
ミュージカルのクリエイターをめざす方はもちろん、クリティーク志望の方、さらにプレイヤーや、はたまた観客のあなたも……!
ミュージカルともっと仲よくなりたい、知りたい、愛したい方。どんな方でも大歓迎です!
一部ついて来られないところがあっても、楽しんでいただければ結構です。
クリエイターやクリティークをめざす方は、本気のご参加を。
お待ちしています。

…………………………

概要

  会場
  座・高円寺 地下3階 けいこ場2

  日程 [全11回]
  9月12日(金)・13日(土)・19日(金)・20日(土)/
  10月17日(金)・24日(金)・31日(金)/
  11月7日(金)・8日(土)・14日(金)・15日(土)/


  講義の内容

<9 月:前期> 金曜=2時間30分/土曜=4時間30分
・第1回:12日(金) 19:00~21:30
【序曲】──ミュージカルって何?
ミュージカルを定義できますか? 他の演劇とどこが違うのか、考えてみてください。
 [課題] 100字以内でミュージカルを定義してみてください

・第2回:13日(土) 17:00~21:30
【1幕1場】──ミュージカルはどう自分を育てたか? <1>胎内の長い日々
人類の演劇の歴史には、大きな「爆発」が4回ありました。
古代ギリシャの演劇、シェイクスピアの演劇、近代劇、そしてミュージカル。
4番目の爆発「ミュージカル」は、それ以前の3回の爆発のDNAを確実に受け継いでいます。
 [課題] 過去3回の「爆発」を表すキイワードを5点ずつ挙げてください。
    10点にチャレンジも大歓迎!

・第3回: 19日(金) 19:00~21:30
【1幕2場】──ミュージカルの書き方
これでダサい平凡なミュージカルは書けます。
ミュージカルを創るために、最低限、知っておかなくてはならないこと。
 [課題] 分析に値するミュージカルの傑作は何か? 3作挙げてください。
    3作に絞るのが無理なら、5作……10作でも!

・第4回: 20日(土) 17:00~21:30
【1幕3場】──ミュージカル解体新書
ミュージカルの傑作は、どんな骨格を持っているのか。
皆さんが挙げたミュージカルの中からモデルを選んで構造を分析しましょう。
<後期までの宿題>
ミュージカルの箱書きを作ってみましょう。
全員共通の誰でも知っている題材で、1ヶ月かけてミュージカルの箱書きを書き、11月に比較検討しましょう。

<10 月:特別講座> 各回=2時間
・第5回: 17日(金) 19:00~21:00 高橋知伽江 (劇作家、翻訳家)
・第6回: 24日(金) 19:00~21:00 島田歌穂 (女優)
・第7回: 31日(金) 19:00~21:00 宮川彬良 (作曲家・舞台音楽家)

<11月:後期> 金曜=2時間30分/土曜=4時間30分
・第8回: 7日(金) 19:00~21:30
【2幕1場】──ミュージカルを語り合おう
2幕のテーマは何にしましょうか? 
1幕の講座で印象に残っていること。10月の特別講座で感動したお話。これから何を学びたいと思うか。新たに湧いた疑問は。この講座を受けて、自分に何か変化があったか。
皆さんが語る回です。

・第9回: 8日(土) 17:00~21:30
【2幕2場】──ミュージカルは自分をどう育てたか? <2>世界へ飛び出して
ミュージカル前史、イングランドで、ヨーロッパのあちらこちらで。
ミュージカルがミュージカルになっていく、アメリカでの160年。

・第10回: 14日(金) 19:00~21:30
【2幕3場】──歌詞は演技する <歌詞と訳詞>
歌謡の言葉から現代口語不定形叙事詩へ。

・第11回: 15日(土) 17:00~21:30
【2幕4場とフィナーレ】──皆さんが書くミュージカル
皆さんが書いてきてくれた箱書きをもとに、ミュージカル創作の一歩を確かめ合いましょう。
箱書き段階でのブラッシュ・アップが、ミュージカルには不可欠です。
そして、フィナーレへ。どんなフィナーレになるかは皆さんしだい。
できれば、教室を飛び出して、【カーテンコール】まで、ミュージカルを全身で学び、楽しみましょう。

  前期の各回の課題について
  いずれも新たに勉強する必要はなく、いま考えられる範囲で大丈夫です。
  提出期限と提出方法は、受講お申込み後にお知らせします。

  受講資格等
  ミュージカルを書いている方、書いてみたい方。
  ミュージカルについて深い知識を得たい演じ手の方。
  ミュージカルの批評家を目指す方。
  ミュージカルをもっと深く楽しんで観たい方。

  受講料(消費税込み、振込手数料別)
  ◯ 全11回通し 60,000円
  ◯ 各回受講  青井講師 金曜=5,500円 土曜=8,000円
          ゲスト回 3,000円
  ◯ 昨年度(2013年度)ミュージカル講座受講生割引
    今年度(2014年度)戯曲セミナー受講生割引
    全11回通し 48,000円
    単回受講 青井講師 金曜=4,500円 土曜=6,500円
    **ゲスト回の割引はありません。
  ◯ 劇作家協会会員の方と、演出者協会会員の方は、青井講師の回が
    1割引となります。(上記受講生割引との併用はできません)


お申し込みは
http://www.jpwa.org/main/activity/musicalseminar


主催:一般社団法人 日本劇作家協会 
協力:NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺 
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「くまもん」の真実

2014-08-24 | Weblog
熊本といえば「くまもん」。
日本で唯一「ゆるキャラ」を成功させた例。
だが。

「くまもん」には日本語的に謎があった。

「くまもん」は「すっかりクマの者」なのか「クマ的な愛称で呼ばれる、あいつ」なのか。
まあ、クマなのか、似ていてクマのようだがクマではないのか。である。
そのへんは「省略」を得意とする日本語の変形特質により、謎である。
じつは私はそれはどっちでもいいな。
というか、あまり知りたくない。

私が気になるのは、イントネーションである。
「くまもん」を平坦に、まっすぐ読むのか。まあ今風の読みであるというか、「伊賀者」というようなニヒルな味に近い。
もう一つの読み方は、「く」を高めに出して。「くま(もん)」と、はっきり「くま」を優先して打ち出すようなあれである。「カネゴン」「ピグモン」というように怪獣的でもあり、かわいらしくもある。

私は前者の読み方だと思ってきた。
ところが異論を唱える者がいた。
私の知る限り、東京界隈ではフィフティ・フィフティである。

真相は、熊本に行って、ご当地の方々に聞けばわかる。
しかも私は、三十数年前から専用演劇ホールを擁する熊本県立劇場の招きで講演会をやりに行くので、熊本文化の要の方々にお会いするわけだから、ことの真実は必ずや、はっきりとするであろう。

馴れぬパワーポイントを駆使しつつ写真を繰り出し、講演会を無事に終わらせ、私は、9年前に「劇作家大会」を一緒に開催した熊本県立劇場と熊本演劇人の皆さんと居酒屋におもむき、馬刺し、カワハギ刺し、辛子レンコンなどを肴の慰労会に突入、旧交を温め、熊本での劇作家大会がなぜあんなにうまくいったかなど、実にたのしく話に花を咲かせ、一通り盛り上がり、その会の後半、ついにその「くまもん」イントネーションの謎に迫る質問をした。

まず、みなさん、おそろしく「くまもん」に誇りを持ち、その成功を我がことのように喜んでいらっしゃる。熊本の文化を守る者たちとしては、うるわしい姿である。

そして、ついに、読み方の真相が明らかになった。

はい。

地元の方々の回答は、
「どっちも」
であった。

ある放送局は片方に決めている。
別な放送局は別な読み方に決めている。
あるアナウンサーは譲らない。
現場では職員の自主判断にまかせている、というところも。
やはりフィフティ・フィフティ。

こうしてみんながそれぞれ自分なりの「くまもん」像を持てることが人気の秘密なのかもしれない。

で、私はこれからも「くまもん」を平坦に読むので、そこはひとつ、よろしく。




コメント (2)
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ありがとう 高橋ユリカさん

2014-08-23 | Weblog
高橋ユリカさんの訃報に茫然としてもう三日である。

彼女は下北沢再開発問題の闘士であった。
熊本・川辺川ダムの問題を追いかけ続けたジャーナリストであった。
長い間、自らもがんと闘いながら、ホスピスや緩和ケア問題についての発言・論考も重ねてきた。

なんと多才で、情熱に溢れ、理知的であったか。

保坂区長とも話したが、ほんとうに、下北沢のことは私たちが「託された」のだ。
彼女は死の直前まで病床でこの問題についての概観をまとめ直す作業を、凄まじい勢いで行っていたという。

私が『帰還』という戯曲を書くことができたのは、彼女から熊本の知り合いを大勢紹介していただいて、じつに充実した取材を果たせたからだ。「ユリカさんの知り合い」というだけで、誰もがよくしてくださった。彼女との出会いという僥倖に恵まれなければ、あり得ない仕事だった。

大きく動く現場には必ず魅力的な人がいる。
ただ、こんなスケールで直接的な役割を果たし続けた人を、私は他に知らない。

写真は昨年六月、『帰還』上演後舞台上でのトークに出ていただいた後、スズナリ・ロビーにて。

ご冥福をお祈りする。
コメント
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カウラ巡礼の旅を終え

2014-08-14 | Weblog
帰国しました。

空路、シドニー~クアラルンプール7時間半、トランジット3時間半、クアラルンプール~成田7時間、直通ならヨーロッパやアメリカに行けている時間である。
さいきん噂のマレーシア航空だが、まあ、シドニー発便のFAにおそろしく愛想がない人がいた他には問題もなく、心配ご無用であった。
機内では珍しく映画を観た。吹き替えは嫌なのと観たいものがなかったので、英語字幕付きの物を選んだ。行きの便では何も観なかったのだ。

ソン・ガンホ主演の韓国映画『弁護人』。
「釜林事件」(釜山の「學林事件」?)がモチーフ。1981年第5共和国当時、公安当局が釜山で読書会をしていた学生や教師、会社員など22名を令状なしで逮捕後、不法監禁し拷問した事件。苦労して弁護士になり実益中心だった主人公が国家保安法と向き合い「人権弁護士」に変貌していく過程を描く。
国民的大スターがこうした反体制の民主化弁護士を演じる映画が普通に娯楽映画として作られ、おそらく多くの観客の支持を得たであろうこと自体が、韓国自体の「民主化」の懐の深さを感じる。……じっさい、帰国して調べると、同作は韓国では早々に歴代トップテン入り、更にランクアップ中の最近の大ヒット作だという。
そして、驚いたことには、主人公は役名こそソン・ウソクだが、若き日の弁護士時代の故ノ・ムヒョン元大統領をモデルにしているというのだ。そりゃ大ヒットするはずである。
ノ・ムヒョン大統領の死は、私が韓国アルコ劇場で『屋根裏』の稽古をしている真っ最中だった。稽古場で、食堂で、しばらくは、韓国俳優たちは、皆、涙、涙、だった。彼が韓国民主化の旗手であったのは説明するまでもないが、ほんとうに、こんなにも愛されている大統領だったのだ。
劇中、主人公が法廷で「韓国の全ての権力は国民のものだ。国家とは国民です」という意味のことを言う。憲法の説明ではない。民主主義というものが備えているべき根幹のことなのだ。

もう一本は香港映画『イップ・マン 序章』。主演のドニー・イェンがいい。後半は日本軍占領下の時代となり、見事に反日映画であった。

もう一本は『ジゴロ・イン・ニューヨーク』、ジョン・タトゥーロがウディ・アレンごっこをウッディ・アレン本人とやっている不可思議な映画だが、本家ウッディ・アレン映画の面白さはない。

なんだかんだ原稿が溜まっていて、飛行機の中でも進まず(進まないので映画を観たという言い訳もあるのだが)、帰国後も一本だけ上げたがまだ終わらず、ずっと原稿にかかっている。

写真は、『カウラの班長会議』カウラ公演レセプション時の写真。
この、挨拶している私の傍らに、日本兵の方が来てくださったということだが、写真には写っていない。
http://blog.goo.ne.jp/sakate2008/e/1b1924be07b1374c311fdad28cfa4bd0

カウラを離れて以来、演劇をやりに行ったのではなく、巡礼の旅だったのではないかという印象がいっそう強くなっている。
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『カウラの班長会議』日豪全公演終了。ありがとうございました。

2014-08-12 | Weblog
『カウラの班長会議 sida A』全公演終了。

シドニーでは懐かしい、顔、顔……。
ジョン・ローメルさんも観に来てくれた。『フローティング・ワールド』『ミス・タナカ』の作者にして前・豪劇作家協会会長。十五年前から十年前にかけて、今は亡き斎藤憐さん、クォー・パオクン、クリシェン・ジットさんらと〈ランドマイン・プロジェクト〉を進めていた仲間でもある。
そして『CVR』のアーヴィン。相変わらずナイスガイ。
どなたもとても喜んでくれてありがたい。

とにかく終わる。

遅い時間になると開いている店は少ない。なんとか宿近くの店でピザと飲み物で打ち上げ。

翌日は、雑務もあるものの、朝は昔よく通ったクジー・ビーチへ。
昼はロジャー・パルバースさんとザ・ロックの現代美術館で昼食、場所をかえてお茶。私のシドニーとの関わりは彼の御陰でもある。それにしてもなんと話の面白い人だろう。幸福な会話である。
夕方はヴォンダイビーチで、海岸にある劇場に橋本邦彦さんの出ている芝居の稽古を見に行く。
その前にビーチで佇んでいたら、その哀愁の(?)後ろ姿を、たまたま通りかかった水津・松田両君に発見されてしまう。
橋本さん、金森さん、演出家氏、Arisaとベトナム料理。

後は帰国するだけだ。

みなさん、ほんとうにありがとうございました。

みんな、おつかれさま。

写真は、カウラでの終演後、実行委員長ロレンスさん劇場のマックさんらと。(Cowra Breakout 70th Anniversary……https://www.facebook.com/CowraBreakoutAssociation/photos/a.505256756272648.1073741862.192368114228182/505256869605970/?type=1より)
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いよいよNIDA(オーストラリア国立演劇大学)公演

2014-08-10 | Weblog
シドニーに入った日、移動だけということではあったが、まだ諸々することあり。そもそも今回の旅、劇場から直帰して雑務・仕事していること多し。
着後もろもろ一段落つけ、ジェーンたちの誘いで皆と中華でも食べに行こうかとなったところで、急遽私は今回の会場となるNIDA(国立演劇大学)の現CEO代行・ジュリアに会いに行くことに。というのは、ジュリアは八年前私がNIDA演劇科のその年の卒業公演の演出を任されたとき、会長(当時はオーブリー)の秘書で、たいへんお世話になった人だからだ。Sonnyも同行。ご挨拶、ちょっとした打ち合わせ。懐かしい。当時の先生方はけっこう入れ替わっていて、知っている人は少なくなっている様子。
懐かしい町並みで晩メシ、と、あまり考えず入ったヌードル屋で、よせばいいのにラーメンを頼んだ。汁物がいいと思ったからだ。ところが、なぜか化学調味料を大量に溶かした豚骨スープで、ゆるゆるの麺、はっきりと失敗だった。
ともあれその日もノンアルコールで寝る。

翌朝8時から照明先行で仕込み。NIDAは学校なので、ただでさえいろいろとルールのあるオーストラリア劇場界の中で、さらにいろいろと制約あり。
「サンダルで劇場内に来ないでください」と劇場の人に注意された者がいたが、これが雪駄という「Japanese traditional working shoes for theater」であると説明しても理解不能であろう。
昔からそうだが、それにしてもピカピカの劇場である。国立の演劇大学さえない当方としては、溜息が出るばかりだ。

昔よく行った大学斜め前のスポーツバーに寄る。すっかりお洒落に生まれ変わり、学生街の感じではなくなっていたが、もっと早い時間だと違うのかもしれない。昔は学生向けの安い定食なんかもあったはずだぞ。定食といってもステーキとボテトとかだが。
坂を上がったところが今回の宿のあるRandwick。昔もよくブラプラしたしよくお世話になった12時まで開いているスーパーにも寄る。私が今劇場で使っている懐中電灯はここで買ったLEDものだが、時々調子が悪いので買い換えようと思っていたもののさすがに同機種のものは置いておらず、プラスチックのものを買う。

NIDAという学校の校舎の中には過去の学内上演作品の写真が多く飾られていた記憶があるが、PARADE THEATERの前のたいへん目立つところに私の携わった卒業公演『屋根裏(The Attic)』の写真も飾ってあり、おお、と思った。「アンカーパーソン」のBayleaが目立っている。
その斜め上には33年前、Mattの卒業公演の写真での勇姿も。なんというか、写真の中の身体の動きでもうMattだとわかる。

ブログにつけた写真は、SonnyとBaylea。(くっついてるけど別に恋人どうしじゃありません)
二人は、その『The Attic』に出演していて、私も今回が八年ぶりの「学校」なのである。

Sonnyは「松葉杖の男」を演じた。
演劇という表現には、「演じることによって知ることができる」という領域がある。この公演によってSonnyがそこに一歩近づけたという印象を持ったと、当時のメモにある。「松葉杖の男」は開演前に観客に場内案内をすることになっている。それ自体が仕掛けみたいなものだが、これはなかなか面白いのである。そういえば韓国の国立劇場版『屋根裏』で演出したとき同じ役をやってもらったのは、後に『息もできない』以降、韓国映画界でがんがん活躍することになるチョン・マンシクであった。
Sonnyは自分自身を活かし自分の魅力を知ることに、八年間を有効に使ってきたようだ。「どの角度から見ても大丈夫」な俳優になってきている。彼の持ち前の明るさ暖かさを、彼自身が冷静に知っている。

Bayleaは当時、自分から「アンカーパーソン」をやりたいと言った。本当に真面目でいろいろなことができる人だということは当時からわかっていたが、素朴さという持ち味で勝負できるところも強みだと当時のメモにある。「アンカーパーソン」という役の面白さを理解していることじたいにそうとう読解力があると思った。
八年の間に自分を鍛え上げ、さらにキャパシティーの広がった俳優になってると思う。そして彼女には大人の魅力が加わっている! かっこいいのだ。

今回、『カウラの班長会議』に出てくれている五人の豪俳優で、NIDA出身でないのはJaneだけである。
S.Jは卒業したてである。初め送られてきたバイオグラフィーの写真を見て、その「スーパーモデルかよ」と思わされる艶やかさにびっくりしたのだが、会ってみると本人は本当に初々しい「卒業したて」であった。多くの同郷の先輩たちと一緒なのは心強かっただろうし、本当に皆からよいアドバイスをもらったようだ。

そんなこんなで講師側であった私も含めた五人は、まさにNIDAへの里帰り公演である(S.Jは卒業直後にすぐ戻ってきた、ともなるのだが)。

もちろんJaneもシドニー演劇界で活躍する女優であり、シドニーのお客様は首を長くして待っていたはずである。
当地で彼女と演劇活動をしている、『CVR』の共同演出者の一人、Irvinとも再会できる。
楽しみだ。

そろそろ劇場に移る。
日曜日の今日、開演は5時。
コメント (1)
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キャンベラ(2)

2014-08-08 | Weblog
首都キャンベラでの公演は、この街の愛すべきパブリックシアター・ストリートシアターの招聘である。
大学近くにあるこの劇場の一階は広々としたカフェになっていて、芝居を見に来る観客より、普通に市民が多く利用している。いい感じだ。
やはり一階じゃないと、こうはいかないのだな、と思う。
傾斜のついた見やすい劇場である。
芝居自体は幸い準備にも余裕があり、手直しのための稽古もできた。
手応えもあり、評価もよかったはずである。
リハーサル室で行われた私のトークも席は埋まり、聞く人たちからも、とにかく良い質問が飛んできた。演劇に関心のある人たちの多いこと。日本だったら「専門的」と思われて言わないようなことをどんどんぶつけてくれる。受けて立って笑いも取りたい。通訳の岩崎さんにも助けられがんばる。
八年前NIDAで『屋根裏』を演出したときの通訳兼演出助手だったAdam Broinowskiも駆けつけてくれた。彼は今こちらの大学にいる。再会を喜ぶ。
Adamと小一時間話す。演劇のこと、日本の未来についても。Adamは土田英生くんの劇に出たり川村毅氏や舞踏の人たちとも交流があったはずだ。今は学問に集中している。
さて、印象の良いはずのキャンベラだが、ただ、私自身は風邪を引いてしまい、外国で初めて医者に行った。計れば三十九度も熱があり、幕が開いた日からは劇場に行く以外はほぼ寝込んでいた。
栄養を摂ろうと思ってシンガポール麺ラクサをいただくが、確かにスープも滋養がつきそうだ。
劇場と宿舎の間の長く寒い夜道がなかなかこたえる。
その他、思わぬ出来事大小あって、それなりに疲弊する。
そんなこんなで、ほうほうのていでシドニーへ。
写真は、Mattと放送局で、第二弾。
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首都キャンベラは零下の寒さ

2014-08-05 | Weblog
カウラ公演を終えてキャンベラに移動。
この国の首都である。
カウラより南にあり、やや高地らしく。やはり寒い。
日が暮れると気温は零下になる南半球の冬である。
仕込み作業を全て終え今日は夕方から場当たり、そして稽古。明日の初日に備える。
午前中は諸々やることが多く、昼過ぎにはMattと国営放送ABCに出演収録(写真)。

劇団員の小林くんはこの地で演劇を学んだ。
昨夜は通訳のまゆちゃんの誕生日だったので皆で四川料理を食べ、Sonnyが初めて酒を飲んだというパブにも行った。
みんなそれぞれの青春である。
と、若者のさわやかさとは無縁に親父ギャグを連発する私とMattであった。

キャンベラ公演に比べてキャパの大きいシドニーの宣伝が立ち遅れている。
なんにしてもオーストラリアに知り合いのいらっしゃる方はご宣伝協力のほど、よろしく。
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『カウラの班長会議 』カウラ公演終了

2014-08-04 | Weblog
私たちの宿泊ホテル(カウラ・モーターインというモーテル)のフロントのレノアさんも劇を観てくださる。「日本人捕虜」と一口に言っても、一人一人の人間としてそこにいたのだということがよくわかった、と、言ってくださる。何よりも嬉しい。
劇中に登場する守衛兵ラルフとベン(写真は彼らの墓碑)のみならず、脱走事件にさまざまな係累のある人たちが観に来てくださった。
日本兵に殺された兵士のご遺族一家は遠方からいらした。日本兵が出て行けないようにゲートを閉めた守衛の親族の方々も。
シドニー在住の日本人俳優の皆さんがクルマでカウラまで来てくださる。オーストラリアで撮影された『ウルヴァリン』やアンジェリーナ・ジョリーの監督第二作『アンプロークン』で演技のみならずスタントでも活躍されている方々。ありがたい。近々「カウラ事件」を描いた映画が制作されることになっている。
シドニーにMGM・FOXのスタジオができて『マトリックス』が撮影された頃から、ハリウッド映画に占めるオーストラリアの割合は増している。

『カウラの班長会議 』オーストラリアツアーは続きます。
キャンベラ公演の情報は以下の通り。8/6初日。8/7には坂手洋二のトークもあります。
http://thestreet.org.au/estreet/
シドニー公演の情報は以下の通り。8/10のみ。
http://premier.ticketek.com.au/shows/show.aspx?sh=HONCHOSM14
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『カウラの班長会議 』カウラ初日開く

2014-08-02 | Weblog
『カウラの班長会議 』、カウラ初日。無事に初日は開く。

字幕付きの日本語の場面で、おおいに受けていたのが嬉しい。はっきり言って日本以上に笑いに包まれた。
ユーモアが通じるほど心強いものはない。
直接に感想としても聞いたが、一人一人の日本兵の個性が届いたということである。
シンプルに言えば、カウラ市民と、その歴史に、受け入れられたと思う。
ありがたい。

オープニングナイト、上演が終わってレセプション。
私はそこで挨拶したが、二つの国の出会い、七十年を経た過去と現在の出会い、錯綜した出会いの場に、感慨無量。
で、じつはオーストラリアはスピリチュアルな人=霊感の強い人が多いというのがあるのだが、カウラ在住のとびきりスピリチュアルな方、ジュディーさん、ジュリアさん、それぞれが、レセプション会場で挨拶している私の傍らに、「二十歳か二十一歳くらいの日本兵が寄り添っていたのが見えた」という。その日本兵が「自分たちは喜んでいることを伝えるように」と言っていたというので、翌日それが私に伝えられた。

思うことは山のようにあるが、とにかく今は幕が開いたことに感謝する。

写真は、〈カウラ大脱走七十周年記念イベント〉の委員長ロレンスさんがくださった記念品。「カウラ・ブレイクアウト」の象徴というべきなのか、捕虜収容所を囲っていた鉄条網の断片が箱詰めされたものである。
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『カウラの班長会議 side A』カウラ公演開場寸前

2014-08-01 | Weblog
今日はこれから数日にわたる、〈カウラ大脱走七十周年記念イベント〉の初日。
向かいのカウラ・アートギャラリーで開会式。
終わり次第こちら(シビックセンター)に観客たちが大挙移動してくる。
本当にカウラの芝居をカウラでやるのだなあ。
夕刻、激しい冬の雨(南半球だから冬なのです)。
連日、三百五十席が満席という話だったが。
そろそろ観客が入ってくる。

写真はついさっきの開場準備中、撮影は山勝くん。
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さようなら深津さん

2014-08-01 | Weblog
深津篤史さんが亡くなった。

海外にいる私たちに訃報が届かないと思ってくださったのか、いろいろな方が連絡をくださった。
桃園会のはしけんくんがわざわざ国際電話で伝えてくれた。涙声。

深津くんとの思い出は多岐に渡るけれど今は言葉がない。

彼との出会いはいつだったか思い出せないが、彼が1997年9月、梅ヶ丘BOXで高行健・作『逃亡』を演出したときよりは前だろう。劇作家協会新人戯曲賞で彼の『湾岸線浜浦駅高架下4:00AM(土日除ク)』を私が強く推したのが最初だったか。いや、もっと前のはずだ。
『逃亡』は深津演出のエッセンスが詰まっていた。最初の一時間くらいが全くの暗闇の中で演じられたのだ。戯曲の指定とはいえ、それを持たせられること自体が凄いことだった。

ネットのニュース等で彼の顔写真が目に入るたび胸が詰まる。

ご冥福をお祈りする。
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