Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

政府・東電の「事態放棄」宣言

2013-10-14 | Weblog
東電福1原発事故に伴う「風評」被害の賠償を、東電が打ち切り始めているという。賠償を受けていた全都道府県の「観光業者、農業関係、水産加工業者など」が対象。事故から「相当の期間」が過ぎたので、新規取引先の開拓や代替事業への転換などが「通常は可能と考えられる」というのが、理由。今春以降の売り上げ減などは「事故と因果関係のある損害とは認められない」と賠償を拒んでいる。
なぜ事故を起こした側が一方的に判断し、事前通知もせず、申請させておいて通達で突っぱねるという悪意に満ちた対応ができるのだ。
「新規取引先の開拓」をしていて当然というのは、事態を事故以前に修復することを完全に諦めたという「事態放棄」の宣言だし、「代替事業への転換」というのは、深刻な事故で生活の糧を奪っておいて「仕事を変えないのが悪い」と嘯いているのだ。ひどい話だ。
何より、汚染水が溢れるのを止められず、放射能汚染の広がりは留まるところを知らない。ほんとうに日本中が「風評」どころかじっさいに全世界からの「遮断」を受けるという事態に近づきつつある。
事故から「相当の期間」が過ぎたのにきちんと対応しないで、事態の深刻さを誤魔化そうとする政府・東電は、もはや国家でも企業でもない。それだけ時間があったというのなら、「非原子力エネルギー」への転換も「通常は可能と考えられる」と言うしかない。
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「ほんとうの寒さ」は隠されている

2013-10-13 | Weblog
国連原子放射線影響科学委員会が福島第一原発の事故の人体への影響について独自に評価して報告書にまとめたという。去年10月まで福島第一原発で事故の対応に当たった2万5000人の作業員のうち、被ばく量が多かった12人の状況を詳しく分析したところ、半減期が短く体内から比較的早く排出されるヨウ素133などの放射性物質について影響評価が行われていなかった。報告書は、日本政府・東京電力が作業員たちの内部被ばく量を実際より20%ほど少なく評価している可能性があると指摘。また、被ばく検査開始が大幅に遅れたため、東電による作業員被ばく量の分析は不明確としている。
ひどい話である。
原発事故じたいのひどさ。当事者対応の拙さ。対応すべき政治の鈍感と貧困。どれ一つ取っても数年前なら世論は紛糾し、国政的には総辞職ものだ。すべてがスルーさせられている。

国民は鈍感になりすぎて消費税増も秘密保護法も受け流してしまおうとしている。
安倍政権は賃金アップに取り組む振りをしているが、消費税増ぶんを考えると、公に示されたアップ率でも追いつかない。巧妙に操作されているのなら真偽を確かめようもないが、この国はこの一ヶ月、破綻寸前のアメリカ国債を小出しに数兆円ぶん買う動きがあるという疑惑の情報もある。消費税アップはアメリカに奉仕するためなのか。

秘密保護法に「知る権利」を法案に盛り込むなどというのは形だけに決まっている。秘密保護法に不安を感じる発言をした藤原紀香の身辺を公安が調べたという情報が当局側からリークされているのも気味が悪い。
すべては国民に「なし崩し」を止められないという「諦念」を植え付けるためなのか。
まったく、東京新聞に載った北大・山口二郎教授の発言通りだ。「人々は、福島原発の汚染水が制御不能の状態にあることも、消費増税と経済対策のセットが普通の人の雇用や生活改善につながらないことも、分かっている。つまり、首相が嘘をついていることを知っているのである。しかし、内閣支持率は依然として高止まりしている」

本日も半ズボン・サンダルの自転車通勤だったが、天気予報通り、夜になって急に寒くなる。風も強い。チーム皆、風邪を引かないようにしないと。
長期予報では11月になると例年より寒くなるという。
「春」「秋」というバランスのとれた気候が私たちから失われている。こうした自然の異常が、国民の感覚的な麻痺に拍車を掛けている。
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また夏が続いているのか

2013-10-12 | Weblog
政府の教育再生実行会議が、「知識偏重」と批判される現在の国公立大入試を見直し、高校在学中に基礎学力を測る到達度試験を創設、一次試験はセンター試験を衣替えした複数回受験可能な新しい大学入学試験に「改革」、2次試験はぺーバー試験がなく、面接など「人物評価」を重視するという。
「暗記・記憶中心の入試を2回も課す必要はない」というのはけっこうだが、「多面的・総合的に判断する入試」が、「面接」でいいのだろうか。
「面接」は、それなりに難しい。私自身、仕事柄、「面接」についてのノウハウは若干はあるつもりだが、それでもまだまだ難しさを感じている。
高校時代までの内申情報も重視されるだろう。今のご時世だと、そこまでの「素行」と「評価」で、かえって色眼鏡で見られてしまう疑いがないだろうか。
入試での「一発大逆転」は、減ることになりそうだ。いや、むしろそのための改革なのか?
「一芸入試」の方が、まだわかりやすい。
まあ、簡単に言えば、今の教育界の価値観での「人物評価」に、うさんくささを感じる部分があるということだ。

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午前中、次々に押し寄せる事務仕事。これは当分、続くのか。

サングラスかけて自転車漕いで稽古場へ。
それにしても自転車の左側走行を守らない輩が多すぎる。

重田千穂子さん、岡本舞さん、初めて加わるお二人のいる稽古場は新鮮だ。円城寺あやさんと、「三人組」の課題。

夜、青年座の檀臣幸さんの訃報にうなだれる。

暑い。明日は最高気温三十度だと? いったい今は何月だ。

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当たり前だが、プログにすべてのことを細かく記しているわけではない。
今は結婚して東京を離れた元劇団員にブログを始めるよう進言されたのは10年以上前だが、じっさいに始めるまでには5年以上かかった。
そしてこの夏で開始後5年が経過したことになる。
あの頃ツイッターはなかったから、「150字ブログ」は先見の明があると言われた。長文化することの多い昨今、それはどうやら外れた。
ただ、こうして日々を刻む意味が、明らかに当初とは違ってきている。
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「あまりにも子ども過ぎる、大人げない」のは、誰か。

2013-10-11 | Weblog
沖縄県議会米軍基地関係特別委員会で、県政与党・自民会派に属する具志氏が、米軍普天間飛行場の県外移設を訴える仲井真弘多知事や県の姿勢を「あまりにも子ども過ぎる、大人げない」「あまりにも現実から目をそらした考え方だ」「希望を唱えていれば解決するのか。具体的に県外のどこを想定しているのか明らかにすべきだ。あいまいに言うことは結果として、県民をだますことになる」「知事のこれまでの願望、沖縄県民の願望、私も含め県外がベスト。しかし航空部隊だけ県外へはいかない。ここしかない」と批判したという。
沖縄の自民会派は、自民党中央の「辺野古移設」に反して「県外移設」を求める立場を取るが、その中で孤立しつつ政府に擦り寄る辺野古推進派の彼がこう発言したのは、何かの伏線か、アリバイ作りか。
琉球新報は最新の社説で、仲井真沖縄県知事が岸田外相・小野寺防衛相との会談で、辺野古移設に否定的見解を示し、県外移設をあらためて求めたことを、「民意を踏まえたものであり、評価したい」「日米両政府は知事の言葉を重く受け止め、普天間の閉鎖・撤去、県外・国外移設に向け、新たな日米合意を結ぶべきだ」とした。
MV22オスプレイの沖縄での訓練を減らし、在日米軍軍人・軍属の公務中の犯罪について日米地位協定の運用見直しを図るなどというのは、当たり前にすべきことだが、これまで空手形にされているのだから、まやかしに過ぎない。具志氏の言い分はまったく逆様だ。「あいまいに言うことで、県民をだます」ことを目論んでいるのは、政府の側だ。
知事は絶対に埋め立て許可を出してはならない、日米政府がいくら合意しても、県民の大半が反対している計画は実現不可能だ。「あまりにも子ども過ぎる、大人げない」「あまりにも現実から目をそらした考え方」は、日米政府の側にこそ言うべきことだ。そして、「航空部隊こそ」沖縄から移転させなければならないのだ。

福島第1原発の港湾外・沖合約1キロの海水で、放射性セシウム137が1リットル当たり1・4ベクレル検出された。これまでセシウムは検出されていなかった場所だという。漏れた汚染水がついに港湾外に達したのだ。「closed」「under control」といったコトバを世界に垂れ流した安倍首相は、自らの発言を撤回しなくてはならない。オリンピック誘致のためのあの軽はずみな発言は「あまりにも子ども過ぎる、大人げない」「あまりにも現実から目をそらした考え方だ」というしかないし、2020年に向けて言えば、「希望を唱えていれば解決するのか。具体的にいつ「under control」にできるのか明らかにすべきだ。あいまいに言うことは結果として、全世界の人々をだますことになる」。
政府のこれまでの願望では、「東京がベスト」だろうが、「放射能汚染は消せない。ここでは無理だ」と早々に撤回すべきだ。

総務省は全国の地方自治体に対し「2014年4月の消費増税に合わせて公共料金を適正に引き上げること」を要請。自治体が運営する上下水道やバス、体育館などの利用料について、増税分の転嫁を促す一方、便乗値上げや増税前の料金改定は慎むよう求めたという。
そんなの無理に決まっている。
身近なところでさえ、消費税アップ後に決算する事業の中ではもう「値上げ後」の額で計算されている場合も出てきている。そうした矛盾を自治体や民間に「自己負担」しろというのである。
こんな言いっぱなしが許されている。大人げないし、現実から目をそらしている。具体的にどう適正を保ちつつ「転嫁」が可能なのか、ぜひ方法を明らかにしていただきたいものだ。あいまいな施策は「国民をだますことになる」。確かにそうだ。

写真は涼を求めて「マルモレの滝」の別な写真。……今日も暑かったぞ。
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本日、最も不謹慎なのは谷垣法相だ

2013-10-10 | Weblog
東電福1原発で、汚染水の塩分を除去する装置で作業中にミスがあり、建屋内に放射性セシウムの濃度を減らした汚染水から塩分を除去する装置から、汚染水が漏えい。協力企業の作業員6人が汚染水を浴び被曝した可能性があるという。協力企業作業員10人が装置の空の配管を取り換える作業をしていた時、うち3人が誤って取り換え予定ではない通水中の配管の接続部を外してしまったことが原因で、約50分後に停止。装置内の汚染水は8月13日当時の測定で、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり3700万ベクレル含まれていたとされる。漏れた汚染水の量は約7トンに上るとみられるが、装置のある敷地外には流れ出ていないという。作業員は汚染を防ぐ防護服の上に雨がっぱを着用していた。しかし、防護服は防水性ではないため、6人は、胸や腹、尻、足裏などの体の表面から放射性物質を検出した。作業員それぞれの被ばく量は0.42~0.11ミリシーベルト。体内に放射性物質を取り込んでおらず、東電は健康への影響はないとみられている。
「作業員のミスが原因だった」と明言できるからか、いつもよりデータが多めに出ている。ここを見逃してはならない。
10月7日14時頃、福島第一原発を監視している「ふくいちライブカメラ」が煙のようなものを撮影。直前の午前9時47分頃、福一原発の原子炉注水ポンプに設置されている電源盤が緊急停止している。原因は、これまた作業員の操作ミス(データ確認を実施する際、誤って遮断器を動作させるボタンを操作)という。
同時間帯に南相馬市や双葉町でも放射線量の上昇を観測。夕方頃から「濃霧注意報」が発令されていたというが、霧のために見間違えたということにしたいのか……。

東京電力福島第一原発事故に伴い大気中に放出された放射性物質は、セシウムの134、137を合わせて2万兆ベクレルになるという。
現在も毎時1000万ベクレルの追加的放出がある。
海洋への放射性物質の放出については、当初は7100兆ベクレル放出された。その後、地下水の汚染などにより、最大で1日あたり最大200億ベクレルのセシウムが放出されている。
さて皆さん、これらの数字がどこまで深刻か、わかりますか?
私はわかりませんよ。事細かには。ざっくりとした数字理解はしているが。でも、もっとわかるべきなんでしょう。

谷垣法相は「消費税率を8%からさらに10%に引き上げるには原子力発電所の再稼働を進める必要がある」との考えを示した。「10%に引き上げる時に最大の問題は原発を動かせるかどうかだ。できるかどうかで日本の景気動向は大きく変わる」という。
わからないね。
根拠を示せ。全国民が納得できるだけの根拠をだ。
谷垣法相よ。消費税の数字ゲームの愚かさと、いまこの瞬間に被曝していく作業員たちのシビアさを前にして、「消費税を引き上げ、原発を推進していける」と、あなたはほんとうに、朗らかに言えるのか。

というわけで、こんなことが日常になってゆくことじたいが、私には耐え難い。

あと、そんなにこだわっているわけじゃないけど、「女装キャラ」で一世風靡した桜塚やっくんがバンド活動で九州へ向かう途中、中国自動車道で事故死したのを報じた日刊スポーツの見出し「高速道ではねられ 桜塚やっくん 死んじゃった」が、ネット等では批判集中、物議を醸しているという。くだけすぎていて訃報に適当とは言いがたいということらしい。
同紙のタイトル変更した後のネット版の見出しは「桜塚やっくん高速ではねられ心臓破裂」だという。私は「桜塚やっくん 死んじゃった」のほうが、悼む人が彼のことを「ちゃんと知っていた」印象が強まり、より哀切で、より故人への親しみも感じさせると思うのだが。

いまの日本は何かを「不謹慎」と指摘する妙な風潮があるのかな。私が本日もっとも不謹慎だと思うのは、谷垣法相なんだがな。

写真は、先月行ったテルニ近くの「マルモレの滝」。この雄大さは言葉では説明しがたい。飛び込んでみたくなる、と、言ってもいい。
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映画の記憶と「遡行」

2013-10-09 | Weblog
秋の燐光群新作『ここには映画館があった』は、映画に、殊に映画館に関するものである。
夏の盛りに取材の一環として大阪・九条の映画館シネ・ヌーヴォの景山理さんにお話をうかがい、その時にいただいた「映画新聞」バックナンバーの分厚い合本に能う限り目を通そうとして、とばし読みではあるが、先日、終わりまで行った。
過去を振り返る時、二十代のある頃までは、「あれはあの映画があった年」というふうに記憶が甦るという、私の脳内の仕組みがあるのだが、この合本のフォローする範囲は、私がほとんど映画雑誌等を読まなくなった時代のものであり、映画について言語レベルで考える領域があまりなく、従って、沈んでいた記憶を別な角度から見直すような不思議な手応えがあり、その意味で、ああ、ここにも確実に一つの「時代」があったのだと思いつつ頁を捲っていった。ある意味、感慨深い。記憶の中で、ある未整理な記憶の束が、きちんと「過去」になっていくというか……。

ここしばらく芝居をあまり観ていない。帰国してからはほとんど余裕がない。もちろん、ヨーロッパツアーの間も含めて、少しは観ている。しかしどうにも私の中で感想が像を結ばないものが多い。すべてがそうとは言わないが、「観劇体験」というふうに思えないのだ。
それらの劇たちに責任があるのかどうかはわからない。舞台を観ていて、なるほどとも思うし、巧みだと思うこともある。微笑ましいものや応援したいものもないわけではない。ただ、一本の劇ではなく「場面集」に見えてしまうことがしょっちゅうなのだ。私のゲシュタルトが何かの事情で傾いているのかもしれない。
ステージングや俳優が優れていると思うものがないわけではない。しかしそれらを「示されている」という印象のほうが勝るのだ。こちらの職業意識が邪魔するのかもしれない。ステージングは「手口」に思えてしまうし、時として俳優たちが「自分」や「自分のやっていること」を見せよう見せようとしているように感じられてしまうのだ。まあ、言ってみれば、「自分売り」が劇に勝っている俳優が多いのだろう。時に、本人がそれしか眼中にないから揺らぐ部分がないように見える演技もある。世の中にはそれを「安定感」と思う人もいるだろうし実はそのほうが多いのかもしれないが、私には退屈だし、嘘だとしか思えないのだ。
私は「世界」を観たいのだが、最近の劇場ではしばしば「世界」が提示されていないように感じられるということか。私が不感症になっているのかもしれない。

その意味では岡田利規『遡行 変形していくための演劇論 』(河出書房新社)は、読書というより「体験」に近い手応えがあった。それが「同時代」ということなのかもしれない。描かれていることは他者の出来事であるにもかかわらず、岡田流の十年余の「遡行」には、「映画新聞」バックナンバーが私に喚起させるものに近い、記憶の束を揺らす何かがあったのだ。
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アキノ隊員 登場!

2013-10-08 | Weblog
籠もって仕事をする日々が始まった。
しかし夕方には出かけ、知己のT教授の教え子たちのインタビューを受ける。大学院へ進もうとする者たちの学究に、私の話がどれだけ貢献できるか心許ないが……。
考えてみれば現役三年生以下の学生たちは、彼らのキャンパスライフは全て「震災以後」なのだ。彼らの「現在」には、私たちの脳天気かもしれなかった二十歳前後とは違う陰影が刻まれているのだろう。今日の一人は私の息子と一歳しか違わない。

いろいろ思いは尽きないが、話を終えて、高円寺のカフェで行われている「ゆんたく高江」のイベント『~アキノ隊員の高江の虫のお話~』に滑り込む。
「アキノ隊員(宮城秋乃)」は、そのプロフィール紹介文によれば、「沖縄県うるま市浜比嘉島出身。沖縄の森林性のチョウを研究。2011年9月より高江の昆虫類を調査。高江で準絶滅危惧種であるリュウキュウウラボシシジミやリュウキュウナミジャノメが多産していることを確認した他、新種のカニムシや希少なゴミムシを発見。ブログ「アキノ隊員の鱗翅体験」で、高江の調査の様子を報告している」ということになる。
彼女がなぜ「隊員」を名乗っているかは、今のところ秘密ということにしておきたい。
今回の来京は、東大本郷キャンパス・理学部2号館4F大講堂での「第9回 日本鱗翅学会自然保護セミナー~第二の絶滅危惧種の増加~」で、「沖縄県東村高江のリュウキュウウラボシシジミ大発生地を脅かす米軍ヘリパッド建設問題」という発表を行うのと、ポレポレ東中野での映画『標的の村』アフタートーク出演と本日のイベントも含め、大忙しの日程である。

高江の自然、高江にいる希少な生き物たちについての充実した話だった。
ヘリパット基地が建設されることが、どれだけ高江の自然界を蝕むか。
森が分断されると昆虫たちの配偶行動が行えないなどの、被害の実態。
やんばるが「世界自然遺産」に登録されれば、ひどい伐採は行われないことになるが、それを防衛局+米軍が邪魔しているという現実。
そしてアキノ隊員は、起きてる時間はずっと虫のこと考えてるそうだ。
彼女には『星の息子』を書いた時にオオシマゼミについてなど教えてもらったのだが、ちゃんと話を聞いたのは初めてだった。

上里 尭 さんのライヴもあった。
会場は高円寺Cafe&Bar U-ha(ウーハ)。
名物らしい、かちっと閉じて焼くタイプのホットサンドを注文している人たちがいた。人気セットメニューらしい。私はホットサンドを見るたび、パンの耳はどうなったのだろうと気になる。
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TPP「聖域」を、あっさり放棄?!

2013-10-07 | Weblog
報道によれば、バリ島での環太平洋連携協定(TPP)交渉の閣僚会合は、関税を扱う「物品市場アクセス」で、全品目の関税を撤廃する自由化の原則を維持することで一致。
参加国首脳が8日に開く会合で年内妥結の目標を維持することを確認する方向となったそうだ。交渉テーマのうち半分超の合意が年末まで先送りされる。
オバマ米大統領の欠席の影響で交渉が遅れるかもと期待(?)した向きも多かったようだが、アメリカ不在での失速を怖れて逆に頑張ろうとした者もいたようだ。
先行きは不透明だが、日本政府・自民党は、「聖域」と位置付けてきたコメ、麦、牛・豚肉、乳製品、サトウキビなど農産物「重要5項目」の関税維持を求める従来の方針から転換、「品目ごとに撤廃できるかどうかの検討に入った」という。
え、なぜそんなことをそんなにあっさりと言ってしまえる? これまで重要5項目を「聖域」としてきたはずじゃなかったのか。
自民党・西川TPP対策委員長は記者団に対し「(重要5項目の中で)抜けるか抜けないかの(品目ごとの)検討はさせてもらわないといけない」、甘利TPP担当相は「党で考えていただくのはありがたい。連携をとっていきたい」。自民党が選挙民を騙しさらに変更した公約さえ諦め、政府はそれを受けて重要5項目の扱いの再検討(放棄)に入るということだ。重要5項目の関税維持を求める農協に対し、今月になってからも自民党・石破幹事長が「重要5項目は必ず(関税を)守る」と断言していたにもかかわらず、である。もしも特別扱いが認められなければ、安価な外国産品の流入により日本の農業生産額は3兆円の減少が見込まれている。うち8割をこの重要5項目が占めている。
これは、強硬姿勢のアメリカはじめ諸外国のTPP交渉の大筋合意表明に向けた勢いを阻むことができなかった、事実上の「敗北宣言」である。そのはずだが、日本のマスコミはこうした状況をただ淡々と報じている。どうしたことだ。
マレーシアのナジブ首相は、TPP交渉について「年内の目標よりも長くかかるかもしれないというのがわれわれの感覚だ」と、年内妥結に否定的な考え方を示し、おのれを貫いている。
日本も胸を張って譲らぬ姿勢を見せることができないのは、オバマ不在のアメリカを気にしているからだろう。
それどころではないはずだが、1000兆円債務国家はもはや鈍感になって当座をごまかすことのみに腐心し、自滅の道をひた走るつもりのようだ。TPP交渉に遅れて参加したことも、「もう決まっちゃってたから変えられなかった」という「言い訳づくり」のためではないだろうな。
5項目の中での駆け引きになれば、沖縄・奄美、南島のサトウキビがまず最初に差し出されるだろうという噂もある。ここでも真っ先に沖縄に負担を押しつけようというのか。

新型輸送機MV22オスプレイも参加する、米軍+陸上自衛隊の日米共同訓練に反対する集会が高島市であり、市民らが「オスプレイはふるさとを飛ぶな」「住民の命を守ろう」とシュプレヒコールを上げながらデモ行進したという。高島の市民団体の代表は「日本中にふるさとを愛する人が暮らしている。オスプレイが飛び回っていいところはどこにもない。米国に帰ってもらいましょう」と訴えたというが、いくらアメリカのことを持ち出しても、今「帰ってもらいましょう」というと、それは現実には「沖縄に帰ってもらいましょう」ということにしかならない。「帰ってもらいましょう」のコトバの重みは、ヤマトと沖縄では違う。

それにしても、「戦争は嫌だ!」と本気で発言する人が減っている気がする。戦争に反対することにリアリティを持てない者たちが蔓延しているのだろう。壊滅的に敗北するとか、占領されるとか、「総合的な淘汰」に晒されない限り「やり直し」ができないという「刷り込み」が行き渡ってしまっているのだろうか。だとすれば、この「敗戦国民根性」を脱却する方策こそが必要だ。
そして、「絶対に譲らない」とすれば、まず沖縄の状況を変えていくしかない。

日本で働く外国人の能力を点数化し、高得点者の在留資格などを優遇して有能な外国人労働者の受け入れを促進する「高度外国人材ポイント制度」について、在留外国人らからの「認定する際の要件(とくに年収の基準)が厳しすぎ、利用しづらい」という不評を受けて、法務省が見直し案をまとめたという。といっても、研究者の年収の最低基準をなくす程度で、根本的見直しではなさそうだ。
ポイント制度は、研究者、技術者、経営者の3分野で、年収や学歴、職歴などを点数化し、合計70点以上の外国人を「高度人材」に認定するものだというが、ここに横たわる「差別」の感覚に対して、関係者はあまりにも鈍感な気がする。海外からの労働力抜きにはやっていけない国であることは明白なのに、あまりにも「上から目線」の自分本位である。
この国の、身勝手さや差別性についての鈍感さは、歯止めがきかないものになっている。チェック機能も見られず、国の施策を批判する世間の「良識」派に対するエクスキューズ、応対の慎重ささえなくなっている。あからさまなのだ。

自民党・塩崎政調会長代理は、東電福1原発の廃炉や汚染水漏れ対策に関し、「福島第1原発を全部扱う会社と、それ以外の東電とに分けた方がいいという考えを今議論している」と発言。東電を分社化し、専門の別会社を設立する案を党内で検討しているという。これで、福島を切り捨てて「クリーン」になった本家の東電は安泰、ということになるのを狙っているのだろう。
桜田文部科学副大臣は千葉県北西部の市長・国会議員らに、「(処理に困っている、福一事故で放射能に汚染されたごみを焼いて出た焼却灰を)原発事故で人の住めなくなった福島に置けばいい」と発言。福島「切り捨て」は各方面から「当然」のように語られている。
しかし本家本元の会社がまさに命がけで責任を取らなければならないはずの核心部分を切り捨てて禊ぎを受けたように再生しようというのは、犯罪的なまやかしだ。社内で切り捨てられる立場になるのは誰なのか知らないが、どうせ抜け道は用意されているのだろう。
東電を解体するとすれば、しっかりと責任を取らせた上で、確実で無駄のない処置をするための国営化を果たすべきであり、それを怠り避けて逃れている政府もまた、同罪である。

東芝は、英国で原発の新設を進めているというフランス・スペイン合弁会社「ニュージェン」を買収する方向で最終調整に入ったという。買収額は少なくとも100億円を上回る見通し。原発事故を受けて「国内の新設は難しい」ことから、欧州やアジアなど海外での原発事業を強化するそうな。
東芝が海外で原発の事業運営会社を買収するのは初めて。建設後の原発運営は電力会社などに委託する方針という。そんなに甘くことが進むと思うのか。
本当にこの国は「原発ビジネス」を止めようとしないのだ。

朝日新聞の世論調査によれば、安倍首相が来年4月に消費税を8%に引き上げると決めたことについて、「評価する」51%。「評価しない」の38%より多い。再来年10月に消費税を10%に引き上げることにも賛成は24%(反対は63%)。安倍内閣の支持率も56%と、「安泰」だそうだ。
日本国民はなぜこの政権を許すのか。
自分が多少損することは仕方ないが、大きな声でものを言う者に縋っていれば、とりあえず何とかなるとでも、思っているのか。
そんな甘いはずはないだろう!

防忘録として始めた面もあるこのブログだが、たった一日でこれだけのことが起きている。こんなことに時間をかけている余裕はないのだ。勘弁してほしい。
この先はいったいどうなるのか。
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オリンピックと「いちえふ」で食べる「弁当」

2013-10-06 | Weblog
「原発事故による『風評被害』に遭っている福島県の農業を支援しよう」と、東京都は今年の国民体育大会とそれに続く全国障害者スポーツ大会に参加する選手団やスタッフに配る弁当に、福島産の米を使う取り組みを始めているという。
二つの大会では、合わせて2万8000人の選手や役員が参加。これらのコメは、すべて放射性検査によって安全性が確認されているということだ。
その弁当を拒否する選手・関係者がいたという話は、聞いていない。
東京都は当然、これを2020年のオリンピックでも、やれると考えているのかもしれない。しかし、もしも拒否する選手がいた場合は、どうするのだろう。
震災以後、被災地で、学校給食を食べさせないようにという親の判断で自宅から弁当を持っていった子供が、いじめに遭い登校拒否するようになった、というような話はよく聞いた。
移転できる家庭はいいけれど、そうでなければ忍耐するしかない。

東京が2020年オリンピック開催地に決まったことで、世界の目は厳しくなるだろうと思った。それは甘い考えだという人もいた。
しかし今、オリンピックに向けてというよりもっと前に、日本の汚染放置に対する非難、日本からの食品輸入の拒否は、もっと広範囲に行われるだろうと思う。

「コミック・モーニング」のMANGA OPEN大賞の竜田一人『いちえふ 福島台一原子力発電所案内記』は、じっさいに東電福一原発で収束に向かって働いていた作者によるものだという。現地の労働のディティールが視覚的にもわかりやすく描かれている。物語らしい物語はない。
作中には「今回の事故について自分なりに調べてみれば一部のマスコミや『市民団体』が騒ぐほどのものではないとわかったし」とあるし、他にもメディアを批判する言葉が多々ある。作者の受賞の言葉には「読者の皆さまには、扇情的な報道に踊らされることなく、冷静に見守っていただけるよう願っております」とある。
しかし「この世の地獄みたいに言われるこの1Fで毎日こうしてのんびりメシ食って昼寝なんかしている」などと書けば書くほど、それは当たり前だろうと思うところまでをも強調することで、逆に不穏な感じもしてくる。
労働の厳しさ、宿泊費も弁当代も搾取される報酬の少なさについても描かれているが、それを不満混じりで愚痴りながらも、そういうものとして現場が受け入れていることじたいが、淡々と描かれている。引き続き働く勤務者が契約する会社じたいを「ランクアップ」することで、ガス抜きがされているらしいことは、なるほどと思った。
ある年代以上の人は、それにしても「組合」というものが機能していない社会だなと改めて思うわけだろうが、より若い世代になれば、「世の中はそういうもの」としてただ受け入れるしかなくなってきているというわけだろうか。

それにしても今日は、久しぶりにテレビのニュースを見て、うまく言えないが、悪いオーラみたいなものを浴びた感じである。
何か結論めいたことを記す気になれない。
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公立校による「自己検閲」の蔓延は認められない

2013-10-05 | Weblog
東京都杉並区立井荻中学校が4日に予定していた、漫画「はだしのゲン」など中沢啓治作品の米英での英訳出版に尽力した米国人翻訳家、アラン・グリースンさんによる、「はだしのゲン」英訳を通して伝えたかったことなどを全校生徒へ語るはずだった講演が、前日の決定で、急遽中止にされたという。
毎日新聞の報道によれば、グリースンさんによると、講演依頼は約2カ月前にあり、準備を進めていたが、3日夕方に校長から電話で「中止する」と告げられた。グリースンさんは「校長は『社会の流れ』『近ごろの事情』『内部の決定』としか説明しない。圧力や自己検閲があったのか」と憤っている。
校長は「都教委や区教委には相談していない。自分の判断」「『はだしのゲン』は読んだことがない。生徒も勉強していないので興味が持てないと考えた。『はだしのゲン』に特化しないでほしいと伝えたら、断られた」と話しているという。
言い分のずれはともかく、これは理屈が通っていない。『はだしのゲン』に関心がなければ初めからグリースンさんに講演を依頼しているはずはない。
「はだしのゲン」については松江市で閲覧制限問題が起きたばかりであるが、昨年5月、学校図書館からの撤去を求めた松江市在住の男性の申し入れに、「ヘイトスピーチ」を行う団体が関わっていたとされている。押し問答の様子はネットでも公開されていたが、対応した市教委幹部によれば「職員を非難する電話のほとんどは県外からだった」という。
「ヘイトスピーチ」を行う団体については、09年12月に京都朝鮮第一初級学校校門前で街頭宣伝をした元メンバーらに対して、学校の半径200メートル以内での街宣禁止と計3000万円の損害賠償を求めた民事裁判の判決が、7日に言い渡される。
民族的出自を理由にした誹謗中傷は「差別」であり、「表現の自由」の範囲内ではない。そうした路上や商店前でのデモや街宣を実施する団体は、最近では秋葉原で「外国の観光客に商品を売っている」として、電化製品販売店をも襲い、その様子もネットで公開されている。
「公の立場」で対応しなければならない教育現場もまた、ターゲットにすると「効果」を得やすいと考えられているのだろう。
井荻中学校校長の判断は、こうした松江等での動きを知った上での「自粛」「自己検閲」のように思われる。
都教委や区教委は、校長の発言を受けて、今回の事態について見解を発表して然るべきである。
こうした「社会の流れ」「近ごろの事情」を理由とする「自己検閲」を全国に広げることは、認めてはならない。

それにしても不条理だ。戦禍と被曝の現実を越えて生き延びようとする主人公と国民たちの姿を描く「はだしのゲン」は、私には、愛国心ある人間なら評価して当然の表現と思われるのだが。

http://mainichi.jp/select/news/20131005k0000e040169000c.html
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「戦争」という前提が許容されすぎている

2013-10-04 | Weblog
日米の外務・防衛閣僚協議「2+2」が東京で開かれ、日本側から岸田外務大臣と小野寺防衛大臣、アメリカ側からケリー国務長官とヘーゲル国防長官が出席。発表された共同文書の内容は、日米防衛協力ガイドラインの見直し、その背景には、日本政府の集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈の見直しなど安全保障の法的基盤の再検討や国家安全保障戦略の策定、それに防衛予算の増額などの取り組みがあるわけだが、それらについて「アメリカは歓迎し、日本と緊密に連携していく」という。
日本政府は、国内で決定していないことなのに、なぜ勝手に外国と話しているのだ。
さらに「沖縄の基地負担の軽減策」として、米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて、訓練の県外・国外移転を増やし、沖縄県内での訓練・駐留時間を減らすというが、具体的な予定を明らかにしていないので、あてにはならない。6月と8月に「クラスA」の事故が発生しているのにオスプレイの安全性を強調するのも、異常だ。
海兵隊のグアム移転を、2020年代の前半に始めると言っているが、米国内での予算審議は本当に通るのか。これまでは結局いつも日本政府が「出ていってもらいたくない」という態度に出ている。
加えて普天間基地の名護市辺野古移設について、それが基地の継続的な使用を回避するための「運用上、政治上、財政上及び戦略上の懸念」に対処する「唯一の解決策」だとしているが、新たな基地を作らないほうがお金はかからないに決まっている。普天間基地駐留部隊が全て引き揚げ撤退するのが、一番簡単な解決法だ。

安倍首相は5月の訪米時、靖国神社を「アーリントン国立墓地同様に、命をささげた人々を慰霊する施設」とし、「靖国参拝に日本の指導者が参拝するのは極めて自然で、世界のどの国でも行っていること」と発言したが、来日中のケリー国務長官とヘーゲル国防長官らは、靖国神社には行かず、千鳥ヶ淵戦没者墓苑を訪れ、献花した。千鳥ヶ淵戦没者墓苑は、第二次世界大戦で死亡した日本軍人・一般人のうち、身元不明の遺骨や引き取り手のない遺骨が安置されている。
同行した米国防総省高官は記者団に対し、千鳥ヶ淵戦没者墓苑はアーリントン国立墓地に「最も近い存在」と説明。この訪問は日本の招待ではなく米国側の意向によるものという。アメリカの軍事に関わる重鎮たちは「A級戦犯」が祀られている靖国神社は、一般的な戦死者の墓地とは違う、という認識を示したことになる。

財団法人「日本傷痍軍人会」が会員の減少と高齢化で創立60周年記念式典の後に解散。最も多いときで約35万人いた会員は約5千人に減り、平均年齢も92歳になったという。彼らからの戦争についての聞き取り調査を急いでいる人たちもいる。
しかし、体験者がいなくなってゆくことが、「戦争」が「遠くなった」こととはならないのが、現実だ。
そしてそれが「どのような戦争であったか」という認識は、後に残された者たちにとっても、重大な問題だ。
徹底した「非戦」の「平和主義」は、「正しい戦争」と「誤った戦争」、「正しい兵士」と「誤った兵士」があったという考え方を、あえて取らないできた。それを「甘い」「現実的でない」とする声が増し、今や「戦争そのものに対する拒絶」を、押し潰そうとしている。
「戦争をする準備」を進める者たちが、「正しい戦争」と「誤った戦争」があると思っているらしいことについてもいろいろ言いたいことはあるが、「戦争」が何ごとかを「解決」する「方法」だという考え方を持っている人たちの言動は、常に矛盾に満ちている。それが「戦争そのものに対する拒絶」よりも「論理的」であると、本当に思っているのか。
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秘密にする気力さえ消えていくのか

2013-10-03 | Weblog
小野寺防衛大臣は、「航空機どうしの戦闘は、パイロットの力量ではなく兵器の能力で勝負がつく。そのため、新しい兵器を持つことがとても大事だが、その開発は多国間で行っている」などとして、最先端の軍事技術の開発は多国間で共同して行うことが多いため、日本がそうした枠組みに入りやすくするよう「武器輸出三原則」を抜本的に見直すべきだという考えを示したという。そうしなければ「日本が本当の意味で取り残されてしまう」という。
「国連のPKO=平和維持活動に参加する自衛隊員が、武装集団に取り囲まれた日本のNGOの人たちを救ったりすることは多分できない」として「武器使用基準の緩和」も訴えた。
日本が「自衛」のみであることを徹底し、武器を出さない、よその国で戦闘行為をしないという原則を守れば、そもそもそんなリスクはないし、平和憲法を守ることで、取り残されるどころか、世界の最先端にいられるはずだ。本末転倒も甚だしい。

12カ国による環太平洋連携協定(TPP)交渉の閣僚会合がインドネシア・バリ島で開幕。日本のコメなど5項目の「聖域」が通るのか否かなどの他に、「知的財産権」のことも話し合われるらしい。
年内妥結の「大筋合意」が、内容も知らされぬままに一人歩きしている。

安倍首相の「熟慮したうえでの結論」で、来年4月から消費税率は8%に引き上げられるという。再来年10月には、10%にアップされる、って、本気なのか。消費税8%は、7.5兆円~8兆円の大増税。政府の「経済諮問会議」によれば、国民1人当たり年間5万円の負担増になるそうだ。
1999年に労働者派遣法が改悪されて以来、非正規雇用は増え続け、今や全労働者の約4割。「一億総中流」時代は夢のまた夢。貯蓄なし世帯は約30%。生活保護受給世帯数が過去最多の158万8521世帯。消費が冷え込むのは当然、倒産も失業も増え、デフレ状態は必至。
安倍首相は「消費税収は社会保障にしか使わない」としつつ、法人税は減税、6兆円の大経済対策を行うのだから、この国の中心はやはり「大企業」だということだ。
消費税を導入していないアメリカのメディアは日本の消費増税を危惧する報道が多い。安倍首相はときどきアメリカとは違うことをやってプライドを維持する感じがあるが、それが消費税なのは、納得しがたい。

日本には独自の考えがない、ということが、この間の多くの出来事の中で、際だって感じられる。
そして、都合の悪いことは秘密にする。

秘密といえば、なんとしても成立を阻止すべき秘密保護法案だが、国民や有識者により厳密に討議されるべきその検討過程から、既に秘密だらけのようだ。
タイトルや見出し以外は真っ黒に塗りつぶされた特定秘密保護法案に関する開示文書の写真が「情報公開」されたが、ほんとうにべったり黒塗り状態。隠す理由は「公にすることにより、国民の間に未成熟な情報に基づく混乱を不当に生じさせる恐れがある」ということだが、それだけの重要事なら、だからこそ開示すべきであると思うのが、筋だろう。
文字通りブラックだが洒落にもなりはしない。

東電福一原発で、また汚染水が漏れている。
地上から5メートル余りのタンクの側面にある点検用の通路がせきの外側に張り出していて、これを通じて汚染水がせきの外に出ていたという。このタンクの近くには外洋につなる排水溝があり、東電は「排水溝を通じて海に流出した可能性も否定できない」として、せきの外に流出したタンクの汚染水の量を約430リットルと推定。汚染水には、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり58万ベクレルの濃度で含まれていたという。
このタンクじたい、8月にも漏出が発覚した、鋼板をボルトでつなぎ合わせる直径9メートル、高さ8メートルの円柱状タイプ。漏えいタンクを含むタンク群は、西から東へと傾いた地形の場所に5基並び、連結して使用していた。漏えいタンクは一番東側にあり、天板から10センチの位置まで水を入れていた。天板はボルトで留める構造だが、実際に締めていたのは一部分だけだったという。なんという杜撰さだろう。
「最も高い位置にある西側のタンクの水位計を見ながら作業していたため、低い東側のタンクの端から漏えいしているのに気付かなかった」というが、一番低いものに付けなきゃだめに決まっている。なぜ平気な顔をしてそんなことが言えるのだろう。
これでは「汚染水をわざと流している」と疑われても仕方がない。
あるいは、もう秘密にする気力も残っていないというのが本当なのか。
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国内出張

2013-10-02 | Weblog
徹夜で早朝に羽田空港へ。伊丹経由で豊岡へ飛ぶ。城崎で来年六月に行われる〈劇作家大会〉の正式な実行委員会発足。市長はじめ豊岡・城崎の中心的な人たちが集まる中で、改めて大会の趣旨を語る。終えて打ち合わせ各種、ラジオ出演等。
そう。2005年以来、久しぶりの〈劇作家大会〉の開催である。情報公開できるようになったので、これから少しずつお伝えできると思う。企画募集も始まる。
夜は早めに終わったので、「鸛(こうのとり)の湯」に浸かる。露天風呂に緩い傾斜の所があり、ほぼ寝転がった状態で長時間いられる。けっこう歩きづめであった海外ツアーの脚の疲れを癒やす。

翌日は大阪に移動、劇作家協会の打ち合わせ。
いろいろなことが動き出している。もうすぐ発表されるはずである。
クリスの店〈Berlin71〉に初めて顔を出す。この日のみの「オクトーバーフェストスペシャル」をいただく(写真)。ワイツェンビール、白ソーセージ、プレッツェル、ザワークラフト。数量限定の最後のワンセット。生ボルチーニ茸の炒め物もうまかった。
小堀純さんといろいろと話。
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