Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

桜上水「あかずの踏切」

2019-06-30 | Weblog

かつて本多勝一氏に「史上最悪の私鉄」と言われたはずなのは小田急線だが、私は本多氏の批判の主旨は当時詳しく読んでいない。ただ、わが小田急線梅ヶ丘のかつての踏切が、まったく「あかずの踏切」になってしまう事態には、当時、心から閉口していたのは事実だ。

やがて小田急線梅ヶ丘踏切は、小田急線の高架化によって、なくなった。それはそれで、ありがたい。まあ、大昔だが、踏切が嫌だからこそ、某暗黒舞踏のための即興演奏を担当し大友良英氏仕込みの(?)ターンテーブル等で私が実演をしたさいに、じっさいに外から聞こえるその音を引き取る形でその録音音源をわざと現実の踏切音に重ねて延長して使ってみたりしたのが、いまは懐かしい。あれはその時は非情に効果的だったし、面白かった。

 

いまは、通勤途上、京王線桜上水駅横の踏切で、ほぼ毎日、数分間、日によっては10分以上、踏切待ちを余儀なくされることに、参っている。

乗客の皆さんには評判のいいらしい京王線ダイヤ改変、だがその矛盾を、この踏切付近がしょってしまっているのではないか、とさえ思う。

つらいです。なんとかならんものか。毎日なのですよ。

かといって、千歳烏山などで京王線高架化に反対している人たちがいることも知っているだけに、踏切を無くして高架にしろ、とも言いがたい。

 

なんとかならんものか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クジラを寿司にして何が悪い?

2019-06-29 | Weblog

前夜も一時間半のみの睡眠。

そして昨夜はかなり久しぶりの完全徹夜。

私は若者なのか。

 

超ボリュームの原稿の校正を仕上げた。最新戯曲集である。これは追ってお知らせします。

 

今朝は品川で、楽しい企画の打ち合わせ。私は応援団で構わないが、しっかり進言する。

 

そして午後から、稽古。楽しむしかない。睡魔は消えてゆく。おそろしいことだ。

 

クールダウンできるのかどうか。ともあれ稽古場最寄り駅の大衆寿司屋に。

 

そうだ。私は知る人ぞ知るクジラ系演劇人である。

ありがたい。

クジラを寿司にして何が悪い?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

迷路は抜け出すためにある

2019-06-29 | Weblog

そう信じている。

少しは進展しているのだ。

 

写真は、サンクトペテルブルグの児童図書館の床。

子供たちが迷路で遊ぶのだと思っていたら、この迷路、全部行き止まりで出口がないのだという

さすがにロシアは厳しい国なのだ。 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

遅い梅雨入り

2019-06-28 | Weblog

ゴールデンウィーク明けに取材で奄美に行った直後、奄美が梅雨入り、その後、沖縄が梅雨入り。

ロシアに行っている間に日本は梅雨に入るのだろうなと思っていたら、帰国後十日近く経っての梅雨入りである。

じめじめと暑い。さすがにここは日本である。

 

季節感がなくなってきているような気がしていたが、錯覚である。これからうんざりする気候が続くはずである。

沖縄では猿は逃げるし、選挙もある。

乾燥しているロシアは過ごしやすかったのだと思う。

 

雨が降るだろうから、今日は電車に乗る。東京にいながら、自転車移動ばかりで、電車に乗るのは十日以上ぶりになるはずだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハウプトマン作『夜明け前』モスクワ・マールイ劇場

2019-06-27 | Weblog

団体行動から抜け出さないと観劇にいけないツアーだったので、何度か自由行動に出た。

 

過日、ハウプトマン作『夜明け前』を、モスクワ・マールイ劇場で観た。

ロシアの演劇は、かなり昔、ユーゴザパード劇場の『ハムレット』来日上演が鮮烈だった。

一般的な上演というものがどういう感じかわからないが、実は六年前、ヤルタの〈チェーホフ・フェスティバル〉に『屋根裏』で招かれたさい、ロシア圏の劇は何本か観ているので、空気としては、なんとなくこういうものだろうというのは、ある。

『夜明け前』は、父と娘の愛情を描いているということになるのだろうか。表現自体はオーソドックスだった。

 

ハウプトマンの戯曲は、私自身はかつて『ローゼ・ベルント』を上演した。これもいろいろと思い出深い。

 

海外のいろいろな戯曲とも、相見えたい。ただ、こちらの時間は有限だ。

うむ。なるほど、いろいろなことをきちんとしていなければならない時期だ。私自身のためのみではなく。

 

写真は、あらかじめ撮影OKと言われていた、カーテンコール後。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北方領土は返ってこないということになったが、皆さん平気らしい

2019-06-24 | Weblog

北方領土は返ってこないということになったが、皆さん平気らしい。


昨朝、共同通信の配信で、「北方領土引き渡し拒否「公約」、安倍政権が招いた結末」という太田清氏による署名記事が出た。

ロシアのプーチン大統領は22日放映のロシア国営テレビの番組で、北方領土で「ロシア国旗を降ろすことにはならないか」と質問されると、「そうした計画はない」と断言、日本への引き渡しを拒否する考えを明確にした。そして「ロシア政府が策定した南クリール諸島(北方領土)を含む極東地域の大規模な開発計画を実現していく」と表明。新しい空港など「インフラも整備していく」とした。

プーチン氏が公の場で、これほど明確に「北方領土を渡さない」と明言したのは、昨年11月のシンガポールでの安倍晋三首相との首脳会談で日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させることで合意、日本側で領土問題解決への期待が高まってからは初めてだという。交渉担当者のラブロフ外相も強硬姿勢を繰り返してきたが、大統領の発言は重みが違うというのも確かだろう。北方領土問題の解決を外交の主要課題と明言してきた安倍政権は今後、どのように対応するつもりなのだろうか。

いつものようにプーチン氏が「領土問題で日本をけん制」したと報じたメディアもあったが、けん制などという甘いものではない。ロシア国民に対し、金輪際、領土を引き渡すことはないと「公約」したに等しい、と太田氏は断じた。 

ロシア国営テレビのニュース番組「ベスチ・フ・スボーツ(土曜日のニュース)」での発言。(中略)28日から始まる20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)を前にインタビューで領土問題について話すというのは、それだけで大統領の現時点での考えをできるだけ広範な国民階層に知ってもらいたいというクレムリンの意向があると考えるのが自然だろう。(後略)

一部メディアは北方領土の引き渡しをしないことを「プーチン大統領が公約」「プーチン氏は領土問題を終わらせた」などと、日本との交渉は終わったかのような見出しで報じたが、クレムリンがこうした意思決定をし国営テレビで“声明”を出した以上、「交渉は難航が予想される」どころか、G20大阪サミットの場での大筋合意はおろか、安倍首相の任期中の領土問題での大幅な前進はなくなったと考えるのが常識ではないか、と、太田氏は続ける。

確かに、多少は冷静にものを考えている人なら、プーチン氏の支持率低下、ロシアの国内情勢を甘く見て、拙速に「2島プラスアルファ」との妥協策で交渉をまとめようとした安倍政権の安直さのいきつく結果であると予想していたはずだ。

領土問題の解決は近い、大きな進展があると吹聴した報道をしていたメディアも、この事実を前には言葉を失っているようだが、情勢を読み解く発言は乏しい。

安倍政権は、「外交の安倍」という、現実と逆様のキャッチフレーズを、そろそろ恥じて取り下げ、北方領土返還に期待を寄せた国民に、陳謝すべきだろう。

 

写真は、モスクワ、クレムリンの、プーチンさんが主に仕事している建物。今月。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『熱海殺人事件』vs『売春捜査官』 本日発売開始

2019-06-23 | Weblog

『熱海殺人事件vs『売春捜査官』

本日6/23(日)11時より、チケット発売開始。

http://rinkogun.com/Atami_vs_Baisyun.html

 

写真は、出演者たち。 

出演の木下智恵は、実際につかこうへい氏演出のもとで『売春捜査官』タイトルロールを演じている、本家本物である。

 

私は帰国して成田から稽古場へ直行して以来、一週間、連日の稽古。今日はデスクワークに集中させていただく。時差ボケから脱却しきれておらず、体調不良のため、ポンコツに鞭打ちつつ、だが。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

現役の防衛相が「普天間の固定化」を口にした

2019-06-22 | Weblog

琉球新報によれば、岩屋毅防衛相は18日、沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」(係争委)が県の審査申し出を却下したことを受け、引き続き工事を進める考えを示した。県が提訴する方針であることについては「国と沖縄の認識がいつまでもずれたままでは結果として普天間の返還が遅れていく。最悪の場合は固定化につながっていく。これだけは断じて避けなければいけない」と強調した、という。

現役の防衛相が「普天間の固定化」を口にした。

12日、玉城デニー知事が、「埋め立て承認撤回という立場を堅持する」として、政府が11日に新たな護岸「K8」を使った土砂陸揚げに着手したことや、今月4日に浦添市立浦西中学校であった米軍普天間飛行場所属のCH53Eヘリ部品落下に関しても抗議し、「県民の生命と財産を守ることを最優先に、辺野古の基地建設移設と関係なく普天間飛行場の早期運用停止を実施してほしい」と、工事中止を求めたばかりだというのに。その時も、玉城氏によると、岩屋氏は辺野古の工事に関する抗議に対し「国の立場をご理解いただきたい」と、はねつけたというが、係争委は17日、辺野古埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決を違法とする県からの審査申し出を却下した。

 

写真は、今年四月、辺野古・キャンプシュワブ・ゲート前。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

誰のせいでもありません

2019-06-21 | Weblog

仕事が重なりすぎて 迷路状態です。

 

 

写真は、サンクトペテルブルグの児童図書館の床。子供たちは迷路で遊ぶのである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロシア トーポリ種子とのたたかい

2019-06-19 | Weblog

日本にいると自分が花粉症であるかどうかの自覚さえない自分だが、あ、来たな、と、幾らか感じる時はある。

今回のロシア行きは、しかし、花粉どころではない、宙に数多く浮遊し舞う「綿毛付き種子」との、十日余りの、たたかいの日々であった。

風に飛ばされて空を漂う夥しい数の綿毛付き種子、一歩間違えると鼻孔に入ってきてしまう。吸い込みかけたこともある。

私のように鼻の穴が一般よりやや大きめの人間にとっては、危機なのである。本当に多いのだ。

私のロシア滞在は、ポプラ、ロシアでは「トーポリ」と呼ばれるこの植物の種子に、ずっと苦しめられた。ずっと鼻をタオルで巻いていたが、やがて同行の萩京子さんにマスクを頂いたので、その後は屋外ではマスク姿で過ごした。

英語でコットンウッドともいうだけあって、本当に綿が飛んでいるとしか言いようがないのだった。

 

帰国して思うことは、その意味では日本は平和だということだ。

 

写真は、ロシアの、タンポポの親分のようなやつで、この種子も、もちろん飛ぶ季節なのである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【再告知】『鎖骨に天使が眠っている』8月・上田劇作家大会でのリーディング上演・出演者募集! ワークショップ&オーディションを東京と上田で開催!

2019-06-19 | Weblog

【再告知】

ピンク地底人3号作『鎖骨に天使が眠っている』、8月・上田劇作家大会でのリーディング上演・出演者募集については、先週も告知させていただいた。ワークショップ&オーディションを東京(7 月 3 日)・上田(7 月 4 日)で開催。締切りが6 月 23 日(日)に迫っている。ふるってご応募ください。

 

 

上田での劇作家大会にて、新人戯曲賞受賞作のリーディング開催。出演者決定のためのオーディション、詳細発表。

劇作家大会大分大会で公開審査が行われ選出されたことも記憶に新しい、第24回劇作家協会新人戯曲賞受賞作・ピンク地底人3号 『鎖骨に天使が眠っている』。

同作品を、来る八月の劇作家大会上田大会でリーディング上演することが決定。作者自身が演出します。上田にて 7 日間、滞在しながら作品づくりをします。

つきましては、出演者を募集します。

出演者決定のためのワークショップ&オーディションを、東京と上田で開催。詳細が発表されました。 

応募締切は、6 月 23 日(日)24 時。

ワークショップ&オーディションは、7 月 3 日 東京:サンモールスタジオ稽古場 + 7 月 4 日(木)上田:サントミューゼ 

ふるってご応募ください!



【出演者募集! 新人戯曲賞受賞作品を上田大会でリーディング上演】
2018年度日本劇作家協会新人戯曲賞受賞作『鎖骨に天使が眠っている』(作:ピンク地底人3号)を劇作家大会でリーディング上演!出演者を決定するためのワークショップ&オーディションを東京と上田で開催いたします。

締切は6月23日(日)24時
ふるってご応募ください!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2018年度新人賞受賞作 
「鎖骨に天使が眠っている」
        滞在製作&リーディング出演者募集

日本劇作家協会関西支部では、2018 年度日本劇作家協会新人戯曲賞受賞作「鎖骨に天使が眠っている」(作:ピンク地底人 3 号)のリーディング上演を、劇作家大会 2019 上田大会にて企画しています。
リーディングという形式をとりますが、本作品の作者で演出家のピンク地底人 3 号と共に、現地(犀の角)にて 7 日間、滞在しながら作品づくりをします。その参加者(出演者)を決定するため、ワークショップ&オーディションを開催いたします。オーディション会場は東京と上田の2カ所です。
皆さまのご応募を心よりお待ちしております。

【ワークショップオーディション】

〈日程〉
・7 月 3 日(水)①14 時~17 時 ②18 時~21 時  
 東京会場:サンモールスタジオ稽古場
  (東京都新宿区富久町16-8 新宿ユニオンビルB1)
 ・7 月 4 日(木)19 時~21 時 30 分  
 上田会場:サントミューゼ
  (長野県上田市天神 3-15-15)
※多くの方が参加しやすい東京会場と、劇作家大会が行われる地元の方が参加しやすい上田会場の2カ所で行いますが、どちらの会場を希望されても、選考結果には影響いたしません。

〈参加費〉500 円

〈募集条件〉・2019 年 8 月 12 日から 18 日まで上田に滞在できる方。
・日本語でコミュニケーションが取れる方。
・以下の登場人物に沿った選考を行います。出演者は 8 名です(ト書き話者を加える可能性があります)。

坂本透♂ 10 代~20 代男性を演じられる人       
桐野義男(透の親友)♂ 10 代~20 代男性を演じられる人                         
桐野京子(義男の母)♀ 中年または年配の女性を演じられる人   
桐野建人(義男の父)♂ 中年または年配の男性を演じられる人            
桐野一恵(義男の姉)♀ 20 代女性を演じられる人                
武田柚香(一恵の友人)♀ 10 代~20 代女性を演じられる人   
緑川昌美(拓次の妻)♀ 中年女性を演じられる人           
緑川拓次(戦場ジャーナリスト)♂ 30 代~40 代の男性を演じられる人

〈特記事項〉
・出演が決定した場合は、参加費(大会参加費 1000 円+レジデンス参加費 5000 円)が必要となります。
・交通費、食費、宿泊は自費となります。(大会期間中の宿泊は犀の角レジデンス施設を使用します。
・1泊 3500 円程度。自宅から通われる方はお知らせください)
・台本は現状関西弁で書かれていますが、出演者に合わせて書き換えを行う予定です。

〈応募方法〉メールの件名を「鎖骨ワークショップ参加希望」とし、氏名、生年月日、現住所、出身地(使える方言を知るため)、連絡先(携帯電話、メールアドレス)、希望するワークショップ参加会場(東京①14 時~or②18 時~、または上田)、プロフィール(出演履歴等、俳優経験の有無等がわかるもの)、写真(全身とバストアップ)をメールにてご応募ください。添付の場合は、Word か PDF のデータでお願いします。(応募者には、2 日以内に受付完了のメールを返信いたします)

〈募集〆切〉6 月 23 日(日)24 時
応募者多数の場合、書類選考を行います。6 月 26 日(水)までにワークショップオーディション参加の可否をご連絡いたします。

〈応募先、問い合わせ〉 
jpwa.kansai@gmail.com(日本劇作家協会関西支部 事務局・秋津)

 

写真は、大分大会で賞を授与するマキノノゾミ(劇作家協会副会長)と、受賞者・ピンク地底人3号。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ウエスタン』が『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウェスト』としてリバイバル公開されるという

2019-06-18 | Weblog

セルジオ・レオーネ監督の映画『ウェスタン』が、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウェスト』として、今秋リバイバル公開されるという。

今年1月・大分の劇作家大会でお世話になった「シネマ5」の田井肇さんが、「坂手さん、レオーネの「ウエスタン」がリバイバルされますよ。20分長い完全版で。公開題名も「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト」になって。」と教えてくれた。
 
そうなのだ。私はしばしば、自分の観た生涯ベスト映画を、このセルジオ・レオーネ監督の『ウェスタン』=『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウエスト』であると、公言することがあるのだった。

初公開時のタイトルが『ウェスタン』だが、原題は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウエスト』。レオーネの映画としては、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・〜』シリーズ三部作の最初の作品ということになる。『夕陽のギャングたち』(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・レボルーション』)、レオーネ監督の遺作となった『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』と続く。

私は1975年、倉敷の三友館という映画館でこの映画のリバイバル上映の予告編を見て圧倒されて以来(その時はトリュフォーの『アメリカの夜』を観にいったはずなのだった)、この映画こそ「まさに映画」と思っているのだった。

『ウェスタン』=『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウエスト』は、DVDにもなっていて、私も持っているが、実は観返していない。この映画は、映画館で観なければならない映画なのだ。しかも50年前の初公開が当時最大のスクリーンサイズを誇ったという新宿プラザの開場上映で、D150という大型上映の方式。リバイバルの時の東京は渋谷パンテオン・新宿ミラノ座系での70ミリ上映なのだった。とにかく横長の大画面をディフォルトとして設計された映画なのである。

どんな映画かはまだ知らないが、クエンティン・タランティーノの最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』がこの映画にインスパイアされたものらしく、おそらくタランティーノ映画の今夏公開直後に合わせて、この『〜ウエスト』の上映が決まったのだ。

どんな映画かは、観ていただくしかない。

これぞ映画、という意味は、観ればわかるのである。

要は、マカロニ・ウェスタン=イタリアで作られた西部劇なので、原案担当クレジットに、ベルナルド・ベルトリッチとダリオ・アルジェント。

音楽はエンニオ・モリコーネ。彼の代表作でもある。

主演は、せりふのほとんど無いチャールズ・ブロンソン。クラウディア・カルディナーレの妖艶さ。ヘンリー・フォンダの悪役のかっこよさ。ジェイソン・ロバーツのベスト・アクティングでもあるだろう。

冒頭10分間は、ほぼせりふがない。このすごさは、観ればわかる。

映画であると同時に、オペラであり、バレエである。

舞台となるアメリカ西部は、フロンティアと呼ばれた辺境地帯を開拓していった時代があり、自分たちで町を作り上げてきたというバックグラウンドがある。だから、「西へ西へと、新しいところに線路を延長して敷き、町を作っていく」という物語、その憧れと混乱・挫折のプロットが、普遍的な強さを持っている。

いろいろ言いたいが、これから初めて観る人のために、今は黙っておこう、

そして、過去に公開されたのは二時間二十一分の短縮版だが、今回は二時間四十五分のオリジナル版の日本初公開でもあるのだという。

というわけで、とにかく、9月の公開が楽しみなのである。劇場は新宿・丸の内のピカデリー系。

 

さて、田井肇さんだが、今週末22日からユーロスペース&ユーロライブで、田井さんも企画に関わった、映画と浪曲の企画もあるという。 
田井さんはこの間、ずっと会場にいらっしゃるようである。
 
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

帰国しています

2019-06-17 | Weblog

帰国しています。

ロシアでは団体行動だったため個人的な仕事はあまりできず、いろいろと溜まっていることを消化しまくっています。

今は連絡もつきます。稽古も開始。よろしく。

写真は、モスクワ広場(蜂起広場)。過日。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

三十年後の白夜

2019-06-16 | Weblog

ペテルブルグの白夜の情景。これで午後11時前である。(写真は、過日)

私はロシアじたい初で、サンクトペテルブルグも、もちろん初めてである。

ところが私は、1989年初演の『カムアウト』で、登場人物(ジュンコ)に次のようなせりふを言わせている。

「私はペテルブルグの白夜の住人であります」

まあ、女ばかりのシェアハウスという設定の中で、夜更かし族の、愚痴だか溜息だか、みたいなせりふである。(而立書房刊 http://rinkogun.com/Yoji_Sakate/entori/2010/4/8_Breathless.html)

というわけで、あれから三十年後、初お目見えの白夜なのである。

 

『白夜』といえばドストエフスキーの小説にもあり、ロベール・ブレッソンの映画版も好きである。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サンクトペテルブルグの児童図書館

2019-06-15 | Weblog

サンクトペテルブルグの児童図書館、過日。円卓会議ということだった。日本でも出版されている作家や、日本のロシアを舞台にした映像作品に出てる俳優さんなど。ユーラシア大陸の縁を、先々でスケッチして収入を得ながら十数年かけて自転車走破したおじさんも。私は児童文学者ではないのでオブザーバー的に見守る。

百年の歴史を持つ施設。子供たちはスマホに慣れる前に本に触れてほしい。というのは、どの国でも共通の悩みということか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする