Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

日曜日らしく

2013-04-15 | Weblog
昼過ぎまで雑務、午後は吉祥寺まで神田川沿いを歩き、JR(誰かの駅構内「立入り」で大幅に遅れた)に乗り、息子の野球の試合を後半だけ見たり(大学公式戦なのだが草野球のような大勝)、発作的な買い物(前からほしかったものだが)、映画一本と、日曜日らしいこともした。……映画は『船を編む』。企画者である友人に呼ばれていたのに試写に行けなかったのであるが、モデルになっている出版社の友人がチケットを送ってくれた。喜劇的要素とプロットが噛み合う前半がとくに面白い。渡辺美佐子さんが印象的だが同居している孫役の宮崎あおいと一緒に出ているシーンがないのが不思議。中盤、松田龍平が父の優作そっくりな顔を見せる瞬間あり。……青森市長選は「脱原発依存」の鹿内博さんが大差で再選。宝塚市長選も中川智子さんが維新候補を大差でふりきった。そもそも「伊丹空港廃港」「道州制になれば大阪も京都も兵庫も関係ない。関西で一つにまとまろう」「大阪市周辺を合併し、神戸まで特別区にする」などと言っている党が勝手に併合されようとしている土地で勝てるとしたら、驚いてしまうだろうが。今日、K市の瀬戸物屋で店主の説明を聞きながら品物を包んでもらっていたところに、スーツ姿の男女二人組が割り込んできて「ご店主様ですね。維新の党ですが……」。接客・買い物の邪魔をしているという意識がないようだ。店主にはねつけられてすごすごと帰って行ったが、空気が読めないというか、失礼極まりない。
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常福寺ライブ

2013-04-14 | Weblog
相模原の常福寺でもう十年以上続いている春恒例の「常福寺ライブ」に出演。桜の下で、ということだったが、例年より一週間遅くなので、もう葉桜状態。全開放したお堂で行うので、いささか寒い。それでもほぼ満席(主に座布団だから席ではないが)。午後から、さかもと未明さん、山口椿さんと私が、それぞれの講演と三人でのパネルディスカッション。さかもとさんの自分自身を見つめる勇気ととどまることのない情熱、ジャンルの垣根を越えるというには尋常でなく多才な山口さんのあまりにも激しいアーティストとしての冒険心。夜は全員で短い座禅、続いて齋藤徹ベース・アンサンブルの演奏。出演は齋藤さんの他に田嶋真佐雄、瀬尾靍志、パール・アレキサンダーの四氏。コントラバスがお寺のお堂に四つ並んでいるのは壮観だ。「ほぼ〈3.11〉をテーマにした曲ばかり」ということだったが、この楽器をこんなふうに使いこなすなんて、という驚きも含めて、飽きることのない、温もりのある演奏。「黒潮」を描く最終曲では沖縄音階を指で弾く展開も。演奏途中で互いに突っ込みあったりする三人のやんちゃな男たち、紅一点パールの存在も愉快。彼女は日本にもう七年いるという。終演後は住職さんの奥さんが沖縄出身ということで、甕入りの泡盛を振るまわれ乾杯。お客さんたちもいかにも「できる大人」が多い感じで、密度が濃い。一日中お寺にいて、なるほど浮世のあれこれを少し脱却できたような。
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『帰還』上演

2013-04-13 | Weblog
一部情報を解禁。
イラストは三田晴代さん。

5月31日(金)~6月9日(日) 下北沢ザ・スズナリ
近日前売開始 一般前売3,600円 ペア前売6,600円 当日4,000円
大学・専門学校生・65歳以上シニア2,500円 高校生以下1,500円
学割・シニア割は当日不可/劇団・劇場予約のみ扱い(当日受付で要証明書提示)
ご予約・お問合せ○燐光群/(有)グッドフェローズ TEL 03-3426-6294 ticket-rinkogun@ee.alles.or.jp
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藤井びん、木之内頼仁 二十八年ぶりの共演

2013-04-12 | Weblog
結局、朝まで仕事。そういう人生だ。……正午から劇団ミーティング。続いて、読み合わせ。相手は難物だ。しかし、やりがいがある。藤井びん、木之内頼仁の二人が同じ稽古場にいる。この二人の共演は少なくとも二十八年ぶりになる。私が彼らに初めてあった時、私はまだ十九歳だった。公演詳細は、間もなく情報解禁です。
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井の頭線利用者の受難

2013-04-11 | Weblog
昼間はある計画のために数人で某所を探訪。詳細は秘密。人に迷惑を掛ける話ではないので許してほしい。……渋谷駅、東横線というか副都心線は井の頭線から遠くて面倒。下北沢駅も井の頭と小田急のホーム間歩行は五分かかるとされている。井の頭線利用者はなぜそんな目に遭うのだ。……夕方、渋谷の喫茶店で二時間ほど仕事。隣の席で三人組が借金取り立ての話とゴルフの話を交互にしている。一人が取り立て電話を掛けることに。秘密意識ゼロの皆さんだが、さすがに最年長者が喫茶店を出て先方に掛ける気配。……バスで新国立劇場へ。SIS Company「今ひとたびの修羅」 。いろいろと勉強になる。俳優たちは演じていて楽しそうだ。二村周作美術。盆の使い方はかなり細かい段取りをしたのだろう。そして真正面より少し角度がある席のほうがむしろその使い方が楽しめるのではないかと思う。奥行きのある中劇場だから、とことん奥まで使う瞬間があり、気持ちがいい。……この劇場の地下でソン・ジンチェクさんとキム・カンボ、城田美樹たちが鄭義信最新作に取り組んでいる。……北朝鮮からのミサイル話。テレビの論調はのどかだ。……福一の汚染水の話。これも無感動に聞こえる。しかし取り返しの付かないことが起きているのは間違いがない。
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下北沢、夜に語る

2013-04-10 | Weblog
瀬戸大橋に、金属疲労による複数の亀裂があることがわかった。車道を支える鉄製の継ぎ目部分だが、通行に支障はないという。この十日、開通してまるまる25年にして、老いをあからさまにしたのだ。私はこの橋の開通直前の1986年、建設中のこの橋を舞台にした『光文63年の表具師幸吉』を上演した。氷川台のT2スタジオだった。時間は確実に経過している。劇団の新人にはこの公演の頃にはまだ生まれていない者も多いのだ。やれやれ。……下北沢「風知空知」で保坂 展人さんの「ツイッター3周年記念オフ会」トークに出演。司会の宍戸留美さんによるミニライブも。そして「フランス版ミシュラン」に下北沢の街の紹介と共に経営する店ネヴァーネヴァーランドが紹介されたばかりの下平憲治さんら。下北沢の未来はどうなるのか。満員の盛況。ちょっとサービスして(?!)喋りすぎる。保坂さんに『我が友ヒットラー』アフタートークに来てもらったばかりである倉迫くんも聞きに来てくれた。終えて、下北沢の濃い面々と雑談。プロデューサーの佐藤剛さん、ガーナのストリートチルドレンのための施設と学校を作るプロジェクト「ENIJE秩v(エニジェ)の矢野デイビッドさん、ミュージシャン丸山茂樹さんらを紹介される。ソノダバンド『火の玉』CDをもらう。聴いてみると素敵だ。
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日本酒に弱い

2013-04-09 | Weblog
岡山の雄町米を使った山形の日本酒があるというので、飲んでしまった。一合ちょっとだが。私は日本酒に弱い。だいたい悪酔いしてしまう。体質に合わないのだ。だが、魔が差した時に飲んでしまう。なんだか調子よく飲めてしまうことがあって、四半世紀近く前に照明家二人と一升瓶を一本開けたのが最大に飲んだ時であった。去年は何年かぶりで、うどん屋でお薦めの日替わりサービスの日本酒を四合飲んでしまった。で、昨日に話を戻すと、魔が差して、ついつい日本酒に手を出してしまったのだ。だって、珍しいではないか。岡山の雄町米を使った山形の日本酒だぞ。麹と製造は山形ということらしい。私としては珍しく郷土愛を発揮したわけだが、雄町米というのは米の品種のことであろうから、「雄町というのはどこか」と尋ねられても、答えられない。すると、どうやら雄町という地名は高島地区あたりらしいとわかる。今ではけっこう町中に近いが、もともとは肥沃な水田地帯である。なるほど。確かに岡山は米どころである。同郷の岸田敏志さんも日本酒党でぬる燗派だが、私は冷やでないと飲めない。さて、昨夜は日本酒が弱いことはわかっているのに飲み、確かにうまい酒なのだが、一合ちょっとで翌日に響く。二日酔いとも違う。自分が蒸留酒派だということはとうにわかっている。日本酒というジャンルが合わないのだ。かくして、日が変わり、朝から仕事はしているのだが、効率は悪いようだ。そのはずだ。まあ人生何ごとも勉強である。
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『隣人予報』

2013-04-08 | Weblog
諸々の雑務で時間が過ぎていく。読まなければならないものも多い。観にゆきたい芝居は幾つかあるが複数は諦め、夕方に阿佐ヶ谷まで自転車で出かけ、ザムザでマッチポイント『隣人予報』。作者の佐々木充郭を劇作家協会戯曲セミナー研修課で私が担当していることもあり、なんとかこれだけは観る。この戯曲も二度ほど講評したが、その後、松本祐子演出の指導により、方向性じたいも変更し、大幅に書き換えられた。そのバージョンも講評はしたが、もはや現場の手に渡ったものであるから、上演じたいに口出しをする必要はないので、どう直すかよりも、佐々木君がじっさいの上演から何を学ぶかにシフトして考えることになる。松本演出は、ちょっとつかみどころの定めにくいこの戯曲と、いろいろ凸凹のある出演者たちを、チカラワザでまとめる。「喜劇」としては難物で、矛盾も多く、突っ込みどころ満載なのだが、途中からそれらが必ずしもマイナスにならなくなる。作品をまとめるリーダーシップは重要だ。作者はそれに甘えず己を磨く必要がある。……沖縄をとりまく情勢に、胸が痛い。帰り道に沖縄物資を揃える店に寄り、ナイチャーの店主と立ち話。沖縄のことを少しはわかっているはずのその人でさえ「沖縄にも両方の意見の人がいますからねえ」「島の経済が基地に支えられていないとは言えないですからねえ」と口にしてしまうのは、情勢が混迷していることもあるのだろうが、やはり一種の諦念のようなものがあるからか。自分の生活圏に基地があることを望む者など、一人もいるはずがない。
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『根っこ』

2013-04-07 | Weblog
悪天候を気にせず、赤坂へ。地人会新社の第二弾『根っこ』を観る。アーノルド・ウェスカー作。『カウラの班長会議』に続く、島次郎さんの美術。家を出て都会で働く若い女ビーティがロンドンからノーフォークの家族のもとに休暇で帰ってくる。結婚する予定の恋人ロニイが訪ねてくることになっている、それを待ち受ける人々、という物語。ビーティーと七瀬なつみさん演ずる姉の会話で始まる導入部からして純然たるイギリスのストレートプレイの風情なのに、どこか『ガラスの動物園』『ゴドーを待ちながら』の変奏曲のような錯覚も覚える、不思議な戯曲。作家自身が後にウェスカー夫人となる女性の親族を中心に描いた農村の家庭劇、ということで、強いて言えば、私の書いたものでは『ピカドン・キジムナー』が近いということになるのだろうか。ビーティを演ずるのは占部房子さん、なにしろかつて二人芝居『蝶のやうな私の郷愁』で夫婦(歳の離れた)を演じた仲である。私が観にくることを知っていた演出の鵜山仁さんは、ビーティの母親ブライアント夫人を演じる渡辺えりさんらに、「今日はロニイが来る」と吹聴していたらしい。そんなことは知る由もなかったが、なかなか複雑な気持ちで観る芝居であった。終演後、鵜山さん、出演者の皆さんと劇場一階のパブで一献。劇の中身と経緯に当てられたか、どうも私は鵜山さんに甘えて、「いやみな弟」然として、あれこれ喋ったようである。いささか反省しつつ、風雨の中を帰宅。……今の日本でこの上演が観られることは幸福だし、木村光一さんたちから連綿と続く「脱近代劇」を企図する日本の翻訳劇上演の系譜を知る上でも意義深い。

http://earth-h.at.webry.info/
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『カウラの班長会議』と『アルゴ』

2013-04-06 | Weblog
日米両政府が沖縄県の嘉手納基地以南の米軍施設・区域に関する返還計画案を「公表」。なにより2022年「またはその後」に予定する「普天間基地の辺野古移設」を「前提に」というのは、ひどい話である。計画案では、浦添の牧港補給地区の大部分を占める倉庫地区を25年度、北側進入路は13年度にも返還可能とするという。これも那覇軍港の移設が「前提」だ。キャンプ瑞慶覧の西普天間住宅地区は、14年度の返還。なんだか「いいこと」みたいに報道しないでほしい。SACO合意よりもはるかに後退していることを忘れてはならない。負担は軽減されていない。米軍の機能強化に合わせて合理化、高度化しているだけだ。この「返還に向けて動いている」という強調が、辺野古移設工事の近々の開始をほのめかしているように思われてならない。……「ブラック企業」というコトバの意味は、だいたい見当はついても明確に定義付けしたことがなかった。今日、「新卒者を正社員として大量採用しますが、長期雇用を前提とせず、「代わりはいくらでもいる」と過大なノルマ、長時間労働を強いて若者を心も体も壊れるまで使いつぶす企業のことです。ノルマ達成ができない者には「研修」と称した嫌がらせや言葉の暴力を繰り返して、自主退職を迫ります」という記述に、明瞭に認識することができた。そういう企業が増えていること自体を「日本のアメリカ化」と指摘する人もいるが、本当にそうなのか。……なんだかいろんなことが捗らない。日中は身動きとれず、夜遅くになって、映画『アルゴ』をTSUTAYAで借りて観る。これもある意味アメリカ国策プロパガンダ映画なのだが、『ゼロ・ダーク・サーティ』に比べればぜんぜん悪くない。「映画についての映画」であるところでいかにもアメリカ的なところを我慢して見られるし、観ていて気づいたが、『カウラの班長会議』と幾つか共通点がある。史実を元にしたドラマであることはもちろん。その上でオリジナルの作品であることを確保するしんどさは、私も知っている。「史実を見ている今の目」が必要だ。そして、映画についての映画なのに、『カウラの班長会議』同様に、主人公のまわりには映画のカメラもフィルムも存在しないこと。イランの場面に、「映画」は実体としてはまるっきり登場しないのだ。にも関わらず「映画作りについての映画」なのだが! 考えてみればベン・アフレックは前監督作『ザ・タウン』も悪くなかった。ハリウッドも世代交代は進んでいる。……そんなこんなで、周囲はアメリカと関係のあることばかり。
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米国策映画『ゼロ・ダーク・サーティ』

2013-04-05 | Weblog
たまには映画のこと。……上映が終わりそうなので駆け込んだ『ゼロ・ダーク・サーティ』。「9.11」からビン・ラディン暗殺まで。『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー監督の新作だが、「とにかくアメリカは正当な復讐をした、拷問も意味があった、ビン・ラディンを殺すことでとにかく報復を果たした」という、アメリカの国威高揚宣伝映画。「9.11」で三千人が殺されたのだからアメリカは何をしてもいいという、ひどい話だ。アカデミー賞を多くは取れなかったのは、さすがにこりゃまずいという意識が働いたか。……『クラウド・アトラス』は、予告編のほうが一万倍面白い。話にならない。
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雨と風の日、原発から警報

2013-04-04 | Weblog
菅義偉官房長官が訪沖。米軍普天間飛行場移設問題について「辺野古移転しかない」と強調するのが目的。「県民の声を聞きたい」は方便。県庁を訪ねると市民の抗議を受けることがわかっているから、知事とはこそこそホテルで会い、マスコミ各社を訪ね、小池百合子が「自民党議員が県内で当選しているのに沖縄への説得がうまくいかないのは沖縄地元マスコミのせい」と言ったのを受け、沖縄タイムスなどから「厳しい反対の声」を直接引き出し「ほうら強硬な反対は沖縄のマスコミの意見だったのですよ、県民じゃないのですよ」と印象づけようという、さもしい作戦。自分たちが指摘されている「県民の頭越し」を、「沖縄のマスコミこそそうなんですよ」とすりかえようという実体なき詐術。そうとわかっていながらもきちんと意見を言ったタイムス始め沖縄マスコミは、えらい。そもそも菅訪沖は、沖縄を「懐柔」するなど無理とわかっているから、県内保守派にしっかり自民党に忠誠を尽くせと圧力を掛けるのと、ちゃんとすべきことはしている「ふり」をしようという既成事実づくり。帰りしな那覇空港で「抑止力維持は大事、基地負担の軽減も大事。唯一の案は辺野古移転」と、沖縄に来る必要のなかったことを証明する無内容な談話。「日米合意を履行するため引き続き地元の理解を求めていく」そうだが、「日米合意を履行する」が先に立っていることを、もはや隠す気もない。アメリカの識者、ハワイなどからも辺野古移転に異論が出ている現実は、情報化時代の今は隠しようがないのだ。そもそも沖縄で「マスコミのせい」という文脈を用意したことは、「どう考えてもおかしい辺野古移転が沖縄以外の国内で正論のように取り沙汰されているのはヤマトのマスコミのせい」ということの、裏返しである。ヤマトのマスコミよ、報道の初心に立ち返れ。……完全試合寸前のダルビッシュは残念だった。すごいよ。ただ、スポーツの世界ならそれでも「成果」だし「伝説」になってくれるだろうが、多くの現実社会では結果は「○」「×」のどちらかで、はかられる。すれすれまで行っても最後にスイッチを押せなければ仕方がないことを学ばざるを得ない厳しい局面が多すぎる。……溜まった仕事を片付けようとするが、進まない。ファミレスバイトもやめて雨で練習もない息子と、家にいる一日。昼はあんかけ堅焼きそば(麺はそのまま食べられるのを買ってあっただけ)を作ってやり、夜は珍しく飯を食いに出る。……福島第一原発で正門付近に設置した空気中の放射性物質を測定するダストモニターで、一定以上の放射性物質検出により警報が鳴り、作業員に一時、マスクの不要な区域でも全面マスクを着用するよう指示。周囲の放射線量に変化はなく、原子炉の注水や冷却にも異常がないため、東電は誤作動と判断したというが、にわかには信じがたい。過去にもダストモニターが計4回鳴ったが、いずれも計測器をリセットすると異常値を検出しなくなったため、積極的に公表していなかったという。東電は「停電事故があったので今回から公表することを決めた」としているが、要は隠蔽していたということだ。
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『戦争と一人の女』座談会

2013-04-03 | Weblog
映画『戦争と一人の女』についての座談会。掲載されるのは、映画芸術本誌かな、この映画のパンフレットなのかなと、スタッフが混在しているのでよくわからなくなってきたが、パンフレット用であった。座談会は上野昂志、川村湊、成田龍一の三氏と。そして、この映画の脚本を書いていて映画芸術編集長でもある荒井晴彦氏がどん、と、隣にタバコくゆらせニヒルに座っており、とうぜんいずれは話に入ってくるのであろうし、加えてこの映画のプロデューサーを務めた寺脇研氏が見守っており、いきなりトップバッターとして話を振られても、喋りにくいぜ。それでもまあ見識豊富な三氏のおかげでなんとか実のある話ができたのではなかろうか。最近ときに「その場にいる中で最年長」であることが増えてきたが、この日は圧倒的に「その場にいる中で最年少」で、齢五十を過ぎて久々に若者扱いをしていただき楽しく過ごさせていただいたのであった。……終了後、何年ぶりかでburaへ。十代の頃からの知人I氏が亡くなっていたことを知る。残念だ。……荒井さんに、中園ミホさん向田邦子賞受賞の報を知らせてくる電話あり。中園さんおめでとう。……荒井さんに戯曲を書いてもらいたいというのは以前からよく出ている話だが、どこかの心ある制作者が思いきって、実現してほしいと思う。……『戦争と一人の女』公開まで三週間余、ミニシアターといっても二百席以上あるテアトル新宿を一日四回埋めるためにはどう宣伝するかだが、いろいろ手はあるのだろうけれど、まあやはり主演の江口のりこをもっと売り出すべきだろう。文部官僚時代に「ゆとり教育」を始めたことで悪名高い(?)寺脇研氏が成人映画を作ったというくらいでは、保守系週刊誌が叩いてくれるかもしれないが、話題としてはまだまだなのである。……風雨が続いていて、座高円寺に置きっぱなしの自転車をピックアップに行くのを諦めた。撤去しないでね。

http://www.dogsugar.co.jp/sensou
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5年めの座高円寺

2013-04-02 | Weblog
座・高円寺プログラム説明会にゆく。新年度、座高円寺の5年目が始まる。賑やかな出席者。桑谷館長、佐藤信芸術監督、劇場スタッフの皆さん。すっかり定着したと言えるのだろう。別役さんも来てくださる。取材陣も多勢。劇作家協会としては、7月以降、嶽本あゆ美、長田育惠、徳尾浩司、相馬杜宇の四作家を売り出す「新しい劇作家シリーズ」がある。久しぶり松本修さんと中津留くん、藤井ごうらを引き合わせたくて、二次会。世代を超えて受け継がれるものはあると思いたい。
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本日

2013-04-01 | Weblog
「新年度」が始まる本日だが、我が国文化行政の公共中心へのシフト変化、民間に対する援助の激減、度重なる圧迫・締め付けにより、これ以上この国で演劇活動を続けていくことは困難と判断しました。残された時間を有意義に使うためにも、私はこの国を離れ、新天地で活動してゆくことにします。しばらくはどなたとも連絡を取らないと思います。探さないで下さい。

エイプリルフールです。

そんな悪い冗談を言いたくなるくらい、うんざりしている。この三年間で助成額は半減どころか三分の一に減らされている。どうやって活動しろというのだろう。公共中心にシフトする「劇場法」なるものが民間を圧迫するものだということは、理解した方がいい。まともな養成制度も公共劇団もないこの国が欧州型を気取る底の浅さ。やがてはペンペン草も生えない事態が待っている。
……朝の十一時から(新橋演舞場の昼の部より開演時間が早い)駒場アゴラで谷賢一君のやたら長い題名の新作を観る。私の『『放埒の人』はなぜ『花嫁の指輪』に 改題されたか あるいはなぜ私は引っ越しのさい沢野ひとしの本を見失ったか』よりも長い題名にして日本最長題名記録を更新しやがった。ふてえ野郎だ。某翻訳作品について相談をされて「非戦を選ぶ演劇人の会」に引っ張り込んでしまった西村君がヴィトゲンシュタインを演じている。榊三条会代表は相変わらず愉快。伊勢谷も丁寧に演じている。ただ、俳優は時に自分自身の「声」に支配されてしまうものだということを忘れちゃ駄目だ。五人がかりでヴィトゲンシュタイン一人を描く劇だという先入観があったが、そうではなかった、と思わせて、結果的にはそうなっているようにも見える。感想はいずれ谷君に直接。それにしても男しか出ない芝居を三本連続で観ている。……午後はこんにゃく座の稽古場発表会に行く。川崎のはずれにあるとても広い稽古場。オペラとミュージカルの違いが、私には、わかったようなわからないような……。……退院した石原慎太郎は橋下との対談で現行憲法を「日本を孤立と軽蔑の対象におとしめ、絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶である占領憲法」と言ったらしい。矛盾や未解決部分があろうと、平和憲法は理念原則としてこの国を守ってきた。日本を孤立と軽蔑の対象におとしめたのは、それを忘れた昨今のこの国の愚かな政治家の言動である。
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