Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

本日

2013-04-01 | Weblog
「新年度」が始まる本日だが、我が国文化行政の公共中心へのシフト変化、民間に対する援助の激減、度重なる圧迫・締め付けにより、これ以上この国で演劇活動を続けていくことは困難と判断しました。残された時間を有意義に使うためにも、私はこの国を離れ、新天地で活動してゆくことにします。しばらくはどなたとも連絡を取らないと思います。探さないで下さい。

エイプリルフールです。

そんな悪い冗談を言いたくなるくらい、うんざりしている。この三年間で助成額は半減どころか三分の一に減らされている。どうやって活動しろというのだろう。公共中心にシフトする「劇場法」なるものが民間を圧迫するものだということは、理解した方がいい。まともな養成制度も公共劇団もないこの国が欧州型を気取る底の浅さ。やがてはペンペン草も生えない事態が待っている。
……朝の十一時から(新橋演舞場の昼の部より開演時間が早い)駒場アゴラで谷賢一君のやたら長い題名の新作を観る。私の『『放埒の人』はなぜ『花嫁の指輪』に 改題されたか あるいはなぜ私は引っ越しのさい沢野ひとしの本を見失ったか』よりも長い題名にして日本最長題名記録を更新しやがった。ふてえ野郎だ。某翻訳作品について相談をされて「非戦を選ぶ演劇人の会」に引っ張り込んでしまった西村君がヴィトゲンシュタインを演じている。榊三条会代表は相変わらず愉快。伊勢谷も丁寧に演じている。ただ、俳優は時に自分自身の「声」に支配されてしまうものだということを忘れちゃ駄目だ。五人がかりでヴィトゲンシュタイン一人を描く劇だという先入観があったが、そうではなかった、と思わせて、結果的にはそうなっているようにも見える。感想はいずれ谷君に直接。それにしても男しか出ない芝居を三本連続で観ている。……午後はこんにゃく座の稽古場発表会に行く。川崎のはずれにあるとても広い稽古場。オペラとミュージカルの違いが、私には、わかったようなわからないような……。……退院した石原慎太郎は橋下との対談で現行憲法を「日本を孤立と軽蔑の対象におとしめ、絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶である占領憲法」と言ったらしい。矛盾や未解決部分があろうと、平和憲法は理念原則としてこの国を守ってきた。日本を孤立と軽蔑の対象におとしめたのは、それを忘れた昨今のこの国の愚かな政治家の言動である。
コメント (1)
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