日米両政府が沖縄県の嘉手納基地以南の米軍施設・区域に関する返還計画案を「公表」。なにより2022年「またはその後」に予定する「普天間基地の辺野古移設」を「前提に」というのは、ひどい話である。計画案では、浦添の牧港補給地区の大部分を占める倉庫地区を25年度、北側進入路は13年度にも返還可能とするという。これも那覇軍港の移設が「前提」だ。キャンプ瑞慶覧の西普天間住宅地区は、14年度の返還。なんだか「いいこと」みたいに報道しないでほしい。SACO合意よりもはるかに後退していることを忘れてはならない。負担は軽減されていない。米軍の機能強化に合わせて合理化、高度化しているだけだ。この「返還に向けて動いている」という強調が、辺野古移設工事の近々の開始をほのめかしているように思われてならない。……「ブラック企業」というコトバの意味は、だいたい見当はついても明確に定義付けしたことがなかった。今日、「新卒者を正社員として大量採用しますが、長期雇用を前提とせず、「代わりはいくらでもいる」と過大なノルマ、長時間労働を強いて若者を心も体も壊れるまで使いつぶす企業のことです。ノルマ達成ができない者には「研修」と称した嫌がらせや言葉の暴力を繰り返して、自主退職を迫ります」という記述に、明瞭に認識することができた。そういう企業が増えていること自体を「日本のアメリカ化」と指摘する人もいるが、本当にそうなのか。……なんだかいろんなことが捗らない。日中は身動きとれず、夜遅くになって、映画『アルゴ』をTSUTAYAで借りて観る。これもある意味アメリカ国策プロパガンダ映画なのだが、『ゼロ・ダーク・サーティ』に比べればぜんぜん悪くない。「映画についての映画」であるところでいかにもアメリカ的なところを我慢して見られるし、観ていて気づいたが、『カウラの班長会議』と幾つか共通点がある。史実を元にしたドラマであることはもちろん。その上でオリジナルの作品であることを確保するしんどさは、私も知っている。「史実を見ている今の目」が必要だ。そして、映画についての映画なのに、『カウラの班長会議』同様に、主人公のまわりには映画のカメラもフィルムも存在しないこと。イランの場面に、「映画」は実体としてはまるっきり登場しないのだ。にも関わらず「映画作りについての映画」なのだが! 考えてみればベン・アフレックは前監督作『ザ・タウン』も悪くなかった。ハリウッドも世代交代は進んでいる。……そんなこんなで、周囲はアメリカと関係のあることばかり。
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