Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

劇場映画版『標的の村』

2013-07-07 | Weblog
小野寺防衛相とアメリカ第3海兵遠征軍司令官のグラック海兵隊中将は、今秋にも南海トラフ巨大地震や首都直下地震を想定した日米合同の防災実動訓練を実施すると発表。海兵隊に配備されているMV22オスプレイも初めて投入されるという。「トモダチ作戦をもう一度強固なものにしたい」「離島防衛だけでなく災害救助にも大きな役割を果たす」と強調し、オスプレイ導入を正当化しようという思惑だろう。これが容認されていいのか。日本国民はオスプレイ導入の現実、国の強硬な姿勢をわかっていない。
沖縄やんばる東村高江のヘリパッド建設をめぐり、国が工事に反対する住民に通行妨害の禁止を求めた訴訟で、一審に続き控訴審でも敗訴した伊佐真次さんが、控訴審判決を不服として最高裁に上告。伊佐さんは、突然自分の住む村で始まった米軍基地工事に対して説明を求めて座り込み、それでも工事を強行してきた防衛局に向かって「危ないからやめてください」と手を上げたところを「証拠」として通行妨害で訴えられた。伊佐さんは「自分たちの生活を守って何が悪いのか? 手を上げたことがなぜ妨害になるのか? これは表現の自由の範疇だ」と訴えている。本来ならば争う必要もない裁判であると、誰でも思っている。伊佐さんは何も訴えられるようなことはしていないし、国も何一つ論理的な証拠を持っていない。この裁判が、国などの公権力や大企業などが個人の公的な意見表明、表現活動を萎縮させる目的の「スラップ訴訟」であることはもっと批判されなくてはならないし、その前にこの現実を広く知らしめる必要がある。スラップ訴訟とは、「国や企業などがお金や力を使って、自分たちの事業にとって不都合な相手の活動を萎縮させ、金銭的・精神的苦痛を負わせることを目的に、裁判を利用することをいう」。アメリカでは既にこのスラップ訴訟は以前に社会問題化しており、既にその乱用を防ぐ法律があるくらいだという。そういうところはすぐにアメリカに追随しないのが日本である。日本はこうして、国が堂々とスラップ訴訟を推し進め、国家権力が民事裁判を利用し納税者・有権者を訴える前例を作ろうとしている。このこと自体が、民主主義の原則に対して矛盾している。

八月公開の映画『標的の村』の上映が成功するよう、支援したい。この映画は、ヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設や新型輸送機オスプレイ配備に反対する、伊佐さん、ゲンさんたち、沖縄県東村高江の住民の皆さんの姿を描くドキュメンタリーである。既に多くの賞を獲得した同題名のテレビドキュメンタリーに、じっさいにオスプレイが沖縄に来る状況までをも追加し、倍の91分の長さの劇場映画にバージョンアップ。2012年9月29日、オスプレイが配備される前夜に普天間基地ゲート前に座り込んだ人々が、強制排除に乗り出した警察と衝突する様子の一部始終など、反対運動を続ける住民たちに寄り添いながら、沖縄の米軍基地問題の歴史を紐解いていく。琉球朝日放送が制作、同局でキャスターも務める三上智恵さんが監督。

以下、7月5日現在の「標的の村」公開スケジュールです。
これからまだまだ劇場は増える予定だそうです。東京の評判次第という所も大きいそうで、まずは東京でヒットさせましょう。
東京以外で近くに独立系・芸術系の心ある映画館がありましたら、「上映予定がないか、電話で聞いてみて下さい。前評判で、上映を決めてくれる映画館もあるので!!」とのことです。

公開予定日(前後する可能性がありますのでお出かけの際はご確認ください)
東京都 ポレポレ東中野 TEL:03(3371)0088 8月10日(土)~
神奈川県 横浜シネマ・ジャック&ベティ TEL:045(243)9800 順次公開
愛知県 名古屋シネマテーク  TEL:052(733)3959 9月予定
大阪府 第七藝術劇場 TEL:06(6302)2073 8月31日(土)予定~
京都府 京都シネマ TEL:075(353)4723 順次公開
福岡県 KBCシネマ TEL:092(751)4268 順次公開
沖縄県 桜坂劇場 TEL:098(860)9555 9月7日(土)~

『標的の村』予告編
http://www.youtube.com/watch?v=rJcJSZJ4qoI
公式サイト
http://www.hyoteki.com/
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