Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

出動命令に従わない隊員は死刑

2013-07-16 | Weblog
参院選公示後、改憲の具体的な内容について言及するのは遠慮していたらしい安倍首相だが、テレビ番組のインタビューで、将来的な憲法9条改訂に意欲を示し「われわれは9条を改正し、その(自衛隊の)存在と役割を明記していく。これがむしろ正しい姿だろう」と述べたという。自衛隊を軍隊として位置づける自民党の動きである。自民党石破幹事長も現憲法下での集団的自衛権について「行使可能」と発言。歴代政権は集団的自衛権に関し「国際法上の権利として保有しているが、行使はできない」という立場だった。自民党は参院選公約で、集団的自衛権行使を可能とする「国家安全保障基本法」制定を訴えている。どっちにせよ、やってしまうぞ、ということだ。日本の法律は全てザルではないか。報道によれば、9条改悪・国防軍創設後、「出動命令に従わない隊員は死刑、懲役300年も必要」「そんな目に合うくらいなら命令に従うだろう」とも、石破は言っているらしい。現行の自衛隊法では命令違反は最高懲役7年という。山田勝仁さんが言うように「憲法9条は自衛隊員を守るための役割を果たしている」わけで、これがなくなると、平和的良心的軍務拒否ができなくなる。最近「戦場の軍法会議」という本の書評を書いたばかりということもあるが、まったく世界の常識とかけ離れていると思う。こうした軍国的言説により既に日本という国は外向的に孤立しているではないか。与党政治家たちは歴史に何も学ぶ気もないし、生命の重さを感じてもいない。とにかく世界的視野と現実感覚が圧倒的に欠けている。さいきん一般の人から「「民主主義」って言葉は普通の国民には違和感あるのよね-」という言説を聞いて度肝を抜かれたことがあるのだが、民主主義や平和憲法を差別するという「洗脳」がここまで進んだということだし、国民じたいも飼い慣らされてとことん鈍感になっているということか。ところで猪瀬東京都知事は昨年のツイッターで、「戦争のない日本人にはピンとこないところだが、福島は現在「戦時中」で東電の下請けの人たちが「傭兵」として雇われています。しかしフクシマには日本人が国民として向き合い解決に関わらなければいけないのです」と言っている。自民党・東電の尻拭いを、国民は命と引き替えに強要される、そんなSFのような世界が現実に起きている。もう結果は見えているような論調で参院選とぼんやり向き合っている場合じゃない。

真夏の劇団の倉庫作業(写真)。埃だけではなく、思いがけぬ「生物たちの逆襲」もあった。ふふ。
夜は東京芸術劇場で原サチコさんの講演会。お客のような感じでの参加になってしまったが、私も国際演劇協会の理事なのでもう少しやれることを増やさないとと思う。原さんの渡独後の変遷・活躍を、改めて概観。才能の裏付けはもちろんだが、この人は人間としての「開き方」が優れているのだと思う。二次会にも参加。初めて会う人も多い飲み会は久しぶり。
コメント
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