さいふうさいブログ

けんちくのこと、日々のこと、いろんなこと。長野県の建築設計事務所 栖風采プランニングのブログです。

凍結しない家

2012年02月02日 | 現場1~小諸の別荘 古民家再生

寒い日が続いています

今年はなんだか昨年よりも寒い~、と

感じるのですが、

気象データを昨年のと見比べてみますと、

案外、そうでもないようでした。

 

毎年、この寒い時期に、

建物の温湿度と、表面温度を計測するのが

常習化している私です。

 

今回は

海野宿の我が家と、

2009年に竣工した小諸の古民家再生の別荘の、

床下の温度を測定してみました。

  

まずは我が家。

2012年1月の東御市の気象データを見ますと、

結構、寒い地域だということが実感できます。

 

201201

こちら↑ 東御市の1月の気象データです。

1月の平均気温は、-4.2℃でした。

(ちなみに、昨年の1月の平均気温は-4.7℃でした!

今年の方が寒く感じていましたが、昨年の方が寒かったみたい・・・)

  

東御市は、長野市や松本市よりも寒いです。

実家のある北海道に比べれば、暖かいですけども

 

   

外気温が、最低気温ー10℃からー13℃くらいの日の

我が家の床下の温度は、プラス8℃で湿度は48%くらい。

絶対湿度は、凡そ0.003㎏/㎏(DA)ですので、とても乾燥しています。

P1190738

昭和51年築の我が家(離れ)は、

床下は土で、基礎は布基礎。

床暖房をしているので、

多少、床下に熱が逃げて、暖かいのかもしれませんが、

外気温が-10℃くらいもあるのに、

この8℃という床下のこの暖かさは、

どうなのか。

一応、地熱というものは、

冬場の地表で8℃くらいと言われています。

私自身、地熱に関してはデータを持ち合わせていないので、

良く分からないのですが、

偶然にも、同じ8℃なので、気になります。

  

この床下に、

ブリジストン樹脂配管システム「プッシュロックⅡ」

ヒーターガイド付きCD管(保温材付)の

給水・給湯の配管が走っているのですが、

  

(給水のポリブデン管の交換が出来て、

もしも凍結した場合を考えて、ヒーター線を入れられるタイプのものを

私達の設計では標準仕様にしています ↓ )

Photo_3

 

当然と言えば当然ですけれども、

今のところ凍結したことはありません。

 

寒冷地では、水道管の凍結防止は必須なのですが、

東北の仮設住宅の凍結のニュースを見ると、

とても残念な気持ちになります。

寒冷地では凍結させないようにすることが当たり前なはずなのに、

仮設だからって疎かにして!

ってなんとなく一人憤りを感じています。

それとも、寒冷地のことに疎い人が計画したのか?

 

それはともかく、

寒冷地では凍結しない家が求められます

 

次に、小諸の古民家再生の別荘へ

凍結していないかの見回りに行ってきました。

P1190463

置き物 のブタちゃんがお出迎え。

お邪魔しますー。

怪しいものではございませんデス。

 

小諸の別荘は、私共で建物の管理をさせて頂いてます。

(管理を通じて、建物の様子がわかるので、

とても有り難く管理をさせてもらっています)

 

小諸の気象データが入手できないのですが、

恐らく、私達の暮らしている所と同じくらいの気温か、

いや、標高が800mのところのなので、もっと寒いと思われます。

 

寒波が来ている時に、伺ってみましたら、

室温はちょうど0℃で、湿度40%。

 

Photo

絶対湿度は、凡そ0.0014㎏/㎏(DA)くらいですから、

ものすごく乾燥しています。

生活されていないためと思われます。

午前11時くらいで、外気温が-3℃、湿度69%くらいでしたから、

外の絶対湿度は、0.002㎏/㎏(DA)。

外気もとても乾いています。

 

さて、床下も測ってみました。

そうしましたら、

Photo_2

 

プラス4℃くらいも、ありました。湿度は45%。

絶対湿度は、凡そ0.0022㎏/㎏(DA)くらい。

 

小諸の別荘の基礎は、基礎断熱です。

床下点検口を開けた時、

室温が0℃でしたから、床下の空気が

ほわ~と、なんとなく暖かく感じました。

湿気も無く、清々として

安定した空気を感じました。

 

なるほど、

一応、理論的には、そういう状況になることは

知ってはいましたが、

床下換気口の無い基礎断熱の基礎って

実際に、本当のところ、どうなのかと気になってましたが、

(基本的に、歴史の浅いものには疑い深いのです)

今のところ、問題無さそうです。

 

床下換気口については、

基礎断熱には必要ないのですが、

何かあれば、基礎断熱から、床断熱に変更できるように、

と、

気密断熱型床下換気口を設置して、

閉め切った状態にしています。

 

小諸の別荘も、床下に給水・給湯の配管が走っています。

そして、長期間留守をされる別荘でありながら

水道を落としたことは、今まで一度もありません。

凍結もしていません。

ただし、エコキュートから屋内へ繋がる給水部分だけ

凍結をしそうになりました。

そこの部分だけ、凍結防止ヒーターを入れているのですが

留守中、ブレーカーを全部落としてあったため、

ヒーターが入っておらず、

危うく凍りかけてしまいましたが、

ブレーカーを入れたので大丈夫でした

 

小諸の家には、寒波が来るたび、

様子を見てきたのですが、

ずっと室内は0℃を保ち、

床下はプラスの状態でした。

断熱は、次世代省エネ基準を満たす程度は

しっかりやっているので、

そのお陰なのか、どうなのか、

もっとしっかり解析したいところですが・・・

そこまで解析する術が今のところ無いので、、、

とりあえず、こうして温熱環境を根気よく

計測し観察しつづける、というところです。

 

外気温が-10℃以下で、無人の状態の家屋でも、 

水道や蛇口が凍らないというのは

水道を落とす手間も要りませんから

管理がとても楽になります

     

これが、昔の家ともなると

暮らしていながら、

室内でも零下となり、蛇口も凍りつき、

タイルが凍害で割れたりしていたのです。

ですから、タイルを選ぶ時は、

吸水性の低い磁器質タイルを選ばないといけないし、

水抜きの出来る寒冷地仕様の蛇口を選ばないといけなかったりするのです。

  

水を落としたりしなくても、

凍結しない家が出来るようになったわけですが、

それでも、

やはり何かあったらマズイので

寒冷地仕様のもの、耐凍害のものを

選んでいます  

 

寒冷地は本当に大変なのです。

  

   

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コメント (2)
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