さいふうさいブログ

けんちくのこと、日々のこと、いろんなこと。長野県の建築設計事務所 栖風采プランニングのブログです。

祝オープン♪~海野宿の新たなカフェ~

2016年07月16日 | 現場16~東御市 古民家カフェ計画

海野宿の新たなカフェ

古本カフェ のらっぽ

祝オープンです

客間

  

2014年秋口に依頼をいただきました古本カフェ計画&工事。

1年強程、お待ち頂きまして

2015年末頃から具体的な計画に着手し、

2016年1月下旬から工事が始まりまして

ようやく2016年7月15日オープンを迎える事が出来ました

 

今回は、いわばデザインビルドといいますか

栖風采としては、設計というより、デザイン監修的な立ち位置で関わりまして

施工はうちの主人(夢創)。

つまるところ、設計施工、いわゆるデザインビルドです。

(私はプランとデザインと積算のみで対応。あとは現場判断で)

   

通常は、

栖風采でお施主さんと設計契約をし、

計画がまとまりましたら

うちの主人(夢創)とお施主さんが、工事契約をする

というスタンスでやっているのですが、

(一応、設計と施工は別扱い)

 

今回はいわゆる別腹案件でしたので

このようなデザインビルド方式で対応させて頂きました。 はい。

(海野宿関係は別腹?扱いなのです

     

というか、栖風采に依頼して下さってるお客様は皆さん、順番で設計を待って頂いておりますので

それを割りこんで、地元の仕事を優先する、というのは

私としては出来ないのです。 建前上かもしれませんけど。 はい。

  

海野宿の案件については、歩いて行ける距離の現場なので、

設計に時間をかけるのではなく、現場で対応することで

栖風采にご依頼の順番待ちのお客様になるべくご迷惑をかけないようにと苦肉の策だったりもするんですけどね

 

さて、そんな訳で急ピッチで進めておりました海野宿古本カフェ工事も何とか終わりまして

無事にオープンを迎えました

お施主さん、改め、店主の奥村さま、オープンおめでとうございます

  

これから同じ海野宿で共にやっていく者として、

私共もカフェを応援しながら、そして建物のメンテも対応しながら

これからもお付き合いの程をどうぞ宜しくお願い致します

 

という事で、

オープン初日に、早速一服にお邪魔いたしました☆

オープン初日は、ちょっと曇り空。

雨が降りそうなお天気でしたけど、午後からは晴れました。

  

 

 

新しい暖簾も掛けられました♪

暖簾のデザインは、店主の奥村さんがご自身で考えたものです!

店名の「のらっぽ」(意味はなまけもの)らしいロゴですね。

 

改修工事の方は、結構、ビシーっと綺麗に直しましたので

ありゃ、もう少しラフな感じにすれば良かったのかな?

と、

この暖簾をみた時、正直思いましたデス

 

でも什器類は、モダンな感じなものを選ばれてましたし

ビシーっと綺麗な改修しても、全然許容範囲。

そこが古民家のいいところなんですよね。

何でも許容できる懐の深い古民家

 

ちなみに

このお手洗いを示すピクトグラムは、奥村さんの手作り

 

そうだ、まだ竣工写真として掲載してなかったお手洗いもUPしておきますね♪

 

 

 

 

おっと話が逸れてきましたが、元に戻しまして

オープン初日に、一応、利用客としてお邪魔してきた訳ですが

ずっと出入りしていた現場だけに、空間には慣れっこではあるんですけど

改まって客として座ってみると、なんだか照れくさいものデス

  


 

ホットコーヒーを注文。

  

で、折角の古本カフェなんですから本を拝見

本のセレクトが、興味ある分野が多く、面白そうな本が結構ありまして

早速、青山二郎の本を手にとってみた

で、

そうやって私達が一服しているところへ

ちょうど息子が学校から帰ってくる途中で、街道から見つけらてしまい

息子も一緒に一服することに(笑)

  

 

息子もたまには現場に来てたので

 

どーよ?お父さん、お母さんがやった現場はどーよ?

 

と、息子に建物の感想を聞くと

  

うん、綺麗になったね

  

と。

ん?それだけ? 

ま、いっか(笑)

こういう空間、見慣れ過ぎて息子にとっては何とも思わなくなっちゃったかしら^^;;

 

それはさておき

一応、カフェも無事にオープンしましたし

私共の方は取りあえず一段落。

(いやまだ残務がありますが)

 

そしてお施主さん、改め、店主の奥村さんは、

これからが始まりです

 

ここ長野県東御市の海野宿で、

ゆる~く(?)

そして

長ーく、

続けていって貰えればいいなと思っております

  

 

さてさて、私の方は、これで気持ちを入れ替えまして、

ずーっとずーっとお待たせしております次の案件を進めなくては(超焦)

  

 

~お店情報~

 

信州北国街道 海野宿の古民家

 古本カフェ 「のらっぽ」

 used book &café norappo

 

 映画、写真、美術工芸、絵本、文芸、山と自然などの本を扱う古本屋です。

 座って本を読みたい人も、珈琲を飲みたい人も歓迎です。

 あなたのお気に入りの本が見つかればほんのり幸福気分になれるでしょう。

 ついでに本を買っていただけると、店主も少しだけ幸福になります。

 (店主:奥村誠一)

 

◆お店の場所

 東部湯の丸ICから車で10分

 しなの鉄道田中駅からは徒歩で22分くらい。

 海野宿の真ん中あたりです。

 (長野県東御市本海野1030)

 

◆営業時間

 だいたい10時半~16時半ころ

 お休み:火曜日と水曜日+冬眠の季節

 電話:090-4161-3200

 Eめーる:sei.okumura@gmail.com

 twitter@fukagawafura

 

 

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コメント (2)

開店のお知らせ~海野宿古本カフェ~

2016年07月13日 | 現場16~東御市 古民家カフェ計画

いよいよ海野宿古本カフェオープンまでカウントダウンです

 

建築工事がギリギリまでかかってしまいまして

やっとお店の什器類を設置したり、小物を置いたり、古本を並べたり、ディスプレイを考えたり、

を、お施主さん改め、店主さんが毎日準備しております

 

取り急ぎではありますが、一先ず開店のお知らせです~

  

 

 信州北国街道 海野宿の古民家

 古本カフェ 「のらっぽ」

 used book &café norappo

  

◆開店のお知らせ

7月15日(金)オープン

 

 映画、写真、美術工芸、絵本、文芸、山と自然などの本を扱う古本屋です。

 座って本を読みたい人も、珈琲を飲みたい人も歓迎です。

 あなたのお気に入りの本が見つかればほんのり幸福気分になれるでしょう。

 ついでに本を買っていただけると、店主も少しだけ幸福になります。

 (店主:奥村誠一)

 

◆お店の場所

 東部湯の丸ICから車で10分

 しなの鉄道田中駅からは徒歩で22分くらい。

 海野宿の真ん中あたりです。

 (長野県東御市本海野1030)

 

◆営業時間

 だいたい10時半~16時半ころ

 お休み:火曜日と水曜日+冬眠の季節

 電話:090-4161-3200

 Eめーる:sei.okumura@gmail.com

 twitter@fukagawafura


 ちなみに、のらっぽ とは、なまけもの、という意味だそーです☆

 

          

 

さて、朗報です

  

 

さいふうさいブログをみた!

と、店主に告げますと、

な、なんと!

古本を10%OFF

にして頂けます!

(2016年11月末まで)

 

イェーイ


さて、オープンまであと2日

やっと什器類が揃って参りました~

問題の机も何とかなりまして、いよいよカフェらしくなってきましたよ~!

 

 

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ようやく形になりました。~海野宿丸屋改修工事 ビフォーアフター~

2016年07月12日 | 現場16~東御市 古民家カフェ計画

海野宿丸屋改修工事(古本カフェ工事)

ようやく形になりました

実はもうすぐオープンなのですが、まだ細かい部分が終わってません

取りあえず、恒例のビフォーアフターと参りましょう!

 

after

  

before

  

昭和時代に仕切られた間仕切りは撤去して、昔、土間だったところは土間に戻しつつなプランにしたのですが、

ご予算と照らし合わせて改修面積を設定する必要もありまして

奥まで通り抜けられる、文字通りの通り土間まで復活するという訳にも参りませんでしたけど

前よりは土間を広くしましたので、この通り、開放感のある空間になりました。

  

また、

既存の土間コンクリートは常に湿気っていて、

そのままではカフェ(飲食店)には向かないのでやりかえることに。

  

昭和時代の改造で

昔の三和土(たたき)の上に、薄っぺらいコンクリート(10㎝前後)を流しただけの土間は

湿気の温床になり、結露とカビに悩まされます。

ですので、

昭和時代のコンクリート土間を全部剥がしまして

新たに地業をしてコンクリートをやりなおし、土風の土間仕上げに致しました。

 

飲食店にはコンクリート土間の方が手入れが楽ですしね。

敢えて三和土に復原する事はしませんでした。

昔ながらの三和土(たたき)は、ハイヒールなんかで踏まれますと、

どんどん土がえぐれてしまって駄目になってしまいますので、店舗には向かないのです。

  

しかし、三和土に復原しないのは、お手入れだけの問題でもありません。

  

今後、雨樋の修理をしないといけない状況なこの建物。

(今回の工事では雨樋の修理は工事範囲では無かったのでやりませんでした)

改修のために床を剥がしてみて分かった事ではあったのですが、

現在、床下に雨水が浸透してしまっていて、床下がかなりじめじめ、ぐすぐすなのです。

このじめじめを解消しないうちに、昔ながらの土間になんかしてしまったら、ずっと土間が浸みた状態になってしまい、またカビっぽくなり衛生上も良くありません。

ですので敢えて、三和土に復原はせず、コンクリート土間にいたしましたデス。 はい。

 

  

 

さて、次にこちらは客間です。

after

 

  

before

 

 

古本カフェですので、奥の半間分は板敷にし、本棚スペースに致しました。

  

 

客間から土間側をみると、こんな感じです。

土間にも本棚スペースがあります。

今回は作り付けの本棚ではなく、お施主さんの支給品で対応する事にしました。

モダンなデザインの本棚ですが

折角今回新たに塗った漆喰壁を全面本棚で覆ってしまうのは、なんとなくもったいないなぁ、という事で

このように背後が見えるタイプの本棚をご用意されたようです☆

after

  

before

  

建具は出来るだけ既存のものを使っておりますが

意匠的に建具の裏表を変えたり、

元々の建具が本来の場所とは違うところに入れられていたところもあったようで、

建具屋さんがきちんと元のところに入れ替えて下さいました。

 

で、今回は部分改修だったために

建物のよろびを直す事ができず

建具も思うように開け閉め出来ないところが多数ありました

  

一応、建具が開閉できるように、大工さんに敷居鴨居を改修しながら見て貰う事になっていたのですが・・・

結果的には、ちょこっと鴨居をいじった形跡はあったものの・・・

鴨居のレベルを調整できておらず(1寸も狂ってたところもありました

1寸もレベルが違ってしまえば、建具側で調整できる範囲をはるかに超えていて、建具を滑らす事が出来ない!

と、建具を入れる段階で判明し、、、

結局、大工仕事も多少できる建具屋さんだったので(助かった)

大工さんが調整したはず?の鴨居を一旦外し、

再度入れ直すところからやり始めるはめに

 

うーむ。

もし古民家を含め日本建築に携わるのであれば、引戸文化ですから大工さんは敷居鴨居を見れないとお話にならないのですが、、、

社寺をやってたという今回の大工さんのはずだったのですが

ん?な状況。

  

で、建具屋さんは、まさかこんな酷い状況だとは思っていなかったようで

「腹立つ~~!!!」と叫びながら、余分な工事(鴨居をやりかえ)をもの凄い勢いでこなし

更に古い建具の調整もし、残業までして頂いて、この通り

古い建具を全部納め、開閉も出来るようにして下さいました

さすがです。(同じ北海道出身の建具屋さんだったりします♪)

  

が、しかし、建物のよろびが激しいため、柱と建具との間に大きな大きな隙間が(滝汗)

こればかりは建具屋さんでもどうしようもないので、辺付けを取りつける事に。

それも本当は大工さんにお願いしたいところでしたが、、、この通り、いろいろありまして(泣)

結局は、現場監督のうちの旦那さんが、三角形の辺付けを付けましたデス!

いや~素人でありながらよくやりました (やっぱり道具道楽のお陰か?笑)

  

 

 

  

客間  

after

 

  

before

 

 

客間の障子戸は、塗装屋さんに枠を古色に塗ってもらいましたので

障子紙も張り変えました。

障子紙の張替費用は予算に見込んでいなかったので、お施主さんに張って頂く事になりまして

私も少しだけお手伝い~

 

 

客間から入口をみる。

畳も入れ替えましたので、この通り、美しい和室に仕上がりました~!

ゴロゴロしたい気分

after

 

  

before

 

 

 

 

 

 

土間から入口方向をみる。 

after 

  

before

昭和の改造部分は撤去して、土間に戻しました。 

 

 

  

after 

  

before

この既存の板壁と格子は、計画ではそのまま活かすつもりだったのですが、

この板壁、実は、「臭いものに蓋」の役割をしていまして

傷んでいた外壁を覆い隠すために、昭和の改造時に設けられた壁でした。

今回の改修の過程で、いろいろ現場で検討をした結果

この板壁を一旦撤去し、もう一度、新たに壁を土間上から作り、

今後、店舗を営業しながら外壁工事を外から出来るようにしました。はい。

(解体撤去したここの格子、あとで思いがけないところで再利用することになりました♪)

 

 

こちらも、、二転三転した箇所ではあるのですが 

after 

  

before

昭和時代の改造部分を撤去しましたら、箱階段が出てきた事は以前書きました。  

 

このように。

で、この箱階段がそもそも別のところに元々あった事がわかり、

じゃ元通りの場所へ戻すことにして、

ちょうど天井が抜けていて明り採りになるという事で

吹き抜けのままにし

しかし、吹き抜けのままですと、2階を利用する時に、落ちそうになるという事で

落ちないような対策を簡単でもいいのでやる。という話になったのでした。

実はその話も、大工さんはすっかり忘れて現場を引きあげてしまったので

ここもうちの旦那が悩んだ挙句、

ちょうど解体撤去して出てきた格子を利用出来ないか、となり

じゃじゃ~ん

お見事!

吹き抜け手摺対策、格子の廃材利用してなんとか出来ました

現場監督、頑張りましたョ~

 

 

こちらは厨房。 

after 

  

before

 

保健所の飲食営業許可がとれるように、

厨房機器を新設し、衛生面の事も考慮して、低い昔の天井板のままだと2階からの埃も落ちてきて汚いので、

梁は現した状態にしてますが

(露わになっている木部は塗装しました)

天井板面には新たに石膏ボードを貼りクロス仕上げにしてます。

(火気使用室という事で、防火上の配慮もね)

  

 

 

after  

  

before

 

保健所の検査は無事に終わりましたので

これで営業ができるようになります

 

このような訳で、、、

大工さんが上った後は、各職人さんの力を借り、

うちの旦那の道具道楽も役に立ち、

皆さんの頑張りで、

こうしてなんとか形になりました!わーい!

(まだポスト口とか残ってますケド^^;;)

  

  

さて、こちら古本カフェはそのような訳で、ギリギリまで工事をさせてもらっておりまして

開店準備もままならないまま、

今週の金曜日から営業開始する事になりました!

キャー

明後日からです

 

という事で

只今、お施主さんは開店準備で大忙し

それなのに、まだ現場では細かい作業が若干残っておりまして

間に合うのか?!な状況ではございますが

追って、オープンの内容等をお知らせしたいと思います

 

 

 

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追い込みです。

2016年06月24日 | 現場16~東御市 古民家カフェ計画

さて6月も残すところ凡そ1週間となりました(焦)

海野宿で只今やっている古本カフェ工事(丸屋改修工事)は

いよいよ追い込みです

左官工事がちょうど終わったところです。

現場内は漆喰の香りがほんわか漂ってます♪

 

一応、工事予定としましては、5月中に終えるつもりだったのですけども

建物の状況が思ってた以上に悪かった事と、

大工さんの都合で、途中間が空いてしまったり等で

1ヵ月程、遅れてしまっております

お施主さんには申し訳ないのですが、引き続き、オープンまで頑張って参りたいと思います。

 

で、

6月の第2週目に大工さんは一応仕事を終えて(?)引き上げられたのですが、

まだ、お願いしてあった施工箇所があったのですケド

何故か忘れて(?)あがってしまいました

それも9~12箇所くらい。 ちょっと忘れましたの域を超えてたので

え?ええ? と、正直私共、戸惑いました。

 

しかし、仕上げ工事の段取りが、

既に大工さんの終わる時期がズレたので、

(5月一杯で終わらせるという話だった)

ここへきて仕上げ工事を更に遅らせる訳にも行かず、

(それにもう大工手間、既にアウト。もうこれ以上、日当払ってお願いする事は出来ません。)

勢い、現場監督であるうちの旦那が、大工さんのやり残していったものを

フォローすることになりました。

 

まずここ。

ボードの見切りがありません。。。なぜ? 

 

旦那さんが頑張って曲がった柱に合わせて見切りを入れました。

 

大工でもないのに、良くやったなぁ。。。

伊達に道具道楽では無い、という感じでしょうか。

 

次はここ。

巾木がありません。

左官屋さんが入った時に、親方に煽られながら

巾木を付けてる旦那さんです。

 

 

そして本棚スペースの部分。

(一番奥の障子戸が立て掛けてある部分)

両脇の壁を新設したので、入隅、雑巾摺り、廻縁を入れて欲しいと

現場監督から指示が出てたはずなのに、雑巾摺りしか入っておらず

ここも苦労して、主人が入隅の押縁と、廻縁を入れました。

あれー?やっぱり大工さん、話を上の空で聞いてたのかなぁ???

相当倒れていた既存の壁、、、

 

でも何とかしました。廻縁と入隅。

 

反対側もね。

明らかに壁が倒れているのがお分りかと思います。

部分改修の欠点は、建物の水平垂直を直せない事が一番でしょうか。

 

 

それから、ボードがどうも動いてしまう箇所があり

おかしいなぁとチェックしてみると

ご覧の通り、鉛筆で縦線を引いているところが下地のある場所なはずが

下地探知機で確認してみると、下地の入っている場所がずれていたのです!

え?!

 

まさか。。。

 

なので、効いているビスが少ない。

というか、横線のところしか、まともにビスが効いてない?!

そんな馬鹿な。。。です。

なので、ビスの増し打ちを旦那さんが行いました。

分かりますかね? 縦線とずれたところに打ったビスが、増し打ちしたところです。

ホント、気がついて良かった。

まぁ、品質管理も仕事のうちですからね。

 

これに気がついてからは、正直

大工さんの選定をミスったかも、と思いましたデス。

だって普通のボード施工ですよ?継手仕口組物じゃないのに。

 

今回の大工さんは、私共と仕事をするのは初めての方。

大工として仲間に加えてほしい、と栖風采に問い合わせのあった大工さんでした。

で、

経歴を見れば、私共が以前勤めていた設計事務所の社長であった降幡氏の元で大工修行したとありましたし、

(実際には違うみたいでしたけどね。協力会社の大工さんの元で3年?修業したという感じ)

更にはその後、社寺仏閣の施工もやってきたとありました。

ので、その経歴を完全に信じてしまい、この丸屋を任せたのですが、、、

アタター

 

内容はちょいと、、、

品質的にもちょいと、、、

少なくとも降幡氏の息が掛かっているような内容では全くなかったのです。

社寺もやってたとのことですが、、、

カンナ仕上げも見当たらないし、

柱はプレーナ―仕上げのままでも平気という、、、

アタター

そこまで指示しなければならなかったのかと

 

同じ出身関係だから、と、

経歴をそのまま信じてしまった我々の落ち度です。

正確には、同じ出身とは言い難い状況だと、仲間内から聞きまして

時既に遅し。。。

安易に経歴を鵜呑みにしてはいけませんね。。。

 

そんな事でしたので、とにかく、やり残していってしまった箇所を最後までフォローして、

お施主さんには気持ちよく開店してもらえるよう頑張るしかありません。

 

炉が切ったようになっているところの板張りも、忘れられて?おりました。。。

こういうところを忘れてしまう?の?

この上部の天井が抜けているところの始末だって

あれ?お施主さんと大工さんと現場監督が居る時に、

その処置を打ち合わせしたんじゃなかったの???

 

あんまりにも、今まで打ち合わせしてきた事を忘れられているようで

しかし、もうこれ以上、大工さんを入れて工事をやっている予算も時間も無し。

で、私共が困っていたのを見兼ねた、それこそ我々と同じ出身関係の大工さんが

助け舟に来て下さいまして、この部分を仕上げて下さいました(嬉泣)

こんな僅かなところですが、あり合わせの材料を加工して下さって、

それこそカンナもちゃんと掛けて。。。

 

 

そして、この壁面の上部の小壁が、一部土壁に穴があいていて、

そのままって訳にはいかず、

板で塞ぐか、塗り壁にするか、で、

一応、塗り壁になったはずだったのですけども

ここも下地ボードを未施工のまま、引きあげて行ってしまったのです。

 

ので、この小壁も助け舟を出してくれた大工さんが

休日返上で、しかも夜の8時半まで掛かって

ボード下地をやって下さいました。

なので、左官も塗る事が出来ました!

 

あー助かりましたですよ。本当に。。。

 

大工工事部分に関しては正直、この現場は赤字です。

ですけれども、助っ人に来て下さった大工さんには赤字でも日当をお支払いしたいと思っています。

実際には、建物の状況が悪くて、大工手間が増えてしまったところもありますので

そこは後でお施主さんにきちんと説明をして最終的に調整清算していきますが、

大工さんの手が遅くて、という部分に関してはこちらが負担しなければなりませんし

(観光客としゃべっているような時間とか)

品質が保てず、改善するために掛った費用も、こちら負担です。

(だから旦那はいろんな道具も増えましたし、今回は自分で直しもする訳です)

  

まぁ、新たな大工さんと仕事をした時の、これもリスクの内ではありますけども

それでも、新たな仲間作りをしたいので、

恐れずいろんな方と仕事はしたいと思っています。

 

さて、土壇場にきて、いろいろいろいろありましたけれども、

諦めずに一つ一つ、納めていきたいと思います。

 

厨房。

実はこの空間は非常に天井が低く、梁も出ているので

難問がたくさんありました。

何度も何度も現場で寸法を当たり、

二転三転しながら、ようやくここまで来ました。

厨房機材も一部、特寸をかけてオーダーしましたし。

残す問題は換気扇。。。

 

水回りも設備が据え付けられました。

 

手洗いも保健所の許可が下りるようなサイズのものです。

 

蛇口はちょっと可愛いものに♪

 

止水栓も蛇口と同じデザインに♪

殆ど誰も気がつかないようなところですけどもね。

 

あと、ふと現場で思い立ったが吉日なワタクシで

お店に来たお客様が、直接触れる機会のあるお手洗いのスイッチプレートだけ

ちょっと可愛い陶器製のスイッチプレートはどうかなぁと

お施主さんにご提案致しまして

了解を得られましたので、こんなものを付けてみました

アクセントにいいかなぁと♪

 

 

そして、

いよいよ、

大詰めとなって参りまして

仕上げのメインといいますか、左官工事!

 

土間

土っぽい仕上げにしました。

栖風采定番の仕上げでもあります。

有明の土と、ビリを使っての仕上げです。

 

まるで、海野宿の通りの土っぽいアスファルトと雰囲気が似て

街道とマッチした出来栄えになりました

 

こちらが海野宿のアスファルト↓

 

こちらが土間↓

 

どうでしょう。。。

画面では分かりにくいかもしれませんが、

風合いが似ています(笑)

 

これは狙ったわけではなく、偶然ではありますが

違和感なくていいかも~と現場で盛り上がっていました

 

そんな訳で、バッタバタの中、メインの左官工事は終わりまして、

あと残すは電気工事。

それが終われば、保健所の営業許可の検査になります。

 

しかーし

まだ大工さんがやり残して行った箇所がありまして、

さて、さて、さて、、、でございます。

今日はここを、うちの旦那さん、施工しておりました。

塗装して完了。

でもまだ他にもやらないといけない箇所があり、今日も旦那さんは大工さんの代わりに頑張ってます。

  

 

そして、そろそろ建具も出来あがって来る頃で、

それも楽しみ。

 

古いガラスを、新しい建具の一部に使おうかなと思いまして、

幾つかカットしました。

一応、まる模様の方を使う事に♪

 

あと建具にはちょいと色々ありまして

それについてはまた今度、UPしようと思います。

 

さてと、あと2週間程かかるでしょうか。オープンまで追い込みです!

気を抜かずに最後まで頑張ります!

えいえいおー

 

 

 

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断熱工事がおわり、大工工事も終盤、そろそろ仕上工事へ

2016年06月01日 | 現場16~東御市 古民家カフェ計画

6月になりました(焦)

ジューンベリー

6月になり大分色づいてきました。本当にジューンベリーなのね

 

さて、

海野宿で只今やっています古本カフェ工事。

大工工事がずれこんで遅れ気味ではありますが

今月中には形にするべく進んでおります

 

5月中旬には断熱工事も終わりました。

私共の工事では、断熱施工、特に、古民家における充填断熱の場合は

「湿気の流れを妨げない断熱材」(要するに調湿する素材)を使うように心掛けております。

という事で、

またもや、さいふうさい標準仕様の乾式セルロースファイバー。

 

気密防湿シート貼り必須とされるグラスウールは、私共の仕様ではまず使いません。

というか、もう15年以上くらいはグラスウールは使ってないです。

いくら安くても、グラスウールは使いません。

グラスウールは吸湿はしますけれども、放湿はしにくい素材なため、一度吸湿してしまえば

熱伝導率は悪くなり、仕舞にはだんだんカビます。

  

住宅において、湿気をどう考えるか。

断熱性能云々の性能的な話よりも、まずそこから。

経年による湿気等によって結露して腐る家 にしてしまったら

なんぼ強い家を作っても、意味が無い。

湿気を完全に防湿するためにも気密 という発想で、寒冷地では高断熱施工を求められるのですけど

そもそも論で、そんな事、できる訳?

高断熱高気密住宅やってるところで頑張っているところはありますが

気密施工が不良だの、そんな現場記事をよく見ます。

そんな完璧施工を現場施工に求めなければならない断熱のための気密防湿施工、、、

それ事態が不自然。

 

毎度、同じ事書いてますが

そんな訳で、ここ8年間くらい、古民家で充填断熱する場合はセルロースファイバーを使っております。

セルロースファイバーの素材は新聞紙ですので、調湿に優れ、湿気の流れを妨げません。

そして、屑状の断熱材のため、古民家のような真っ直ぐでは無い材料に馴染みもよく

隅々まで断熱材を吹き込む事ができます。

 

ただし、屑状の断熱材なため

ボード状の断熱材と違い、専門の断熱屋さんでないと施工できません。

この機械がブローイング用のもの。

いつもはトラックに乗せたまま施工されるのですが

ここは海野宿。

街道にトラックを横付けして施工していると観光客の迷惑にもなりますので

機械を現場に降ろしての作業となりました

 

断熱施工を、大工さんが兼ねる現場 は未だに多いかと思いますけど

高断熱化を推進するようであれば

充填断熱の場合は、専門の断熱施工屋さんにお願いするのが家としても安全です。

 

安全って?

 

充填断熱施工の不良は、致命的に建造物の耐久性を落としめる可能性が高いからです。(性能的に熱損失を気にされるでしょうけども)

つまり、壁内等で発生する内部結露のリスク。(高断熱の場合)

何度もいいますが、壁内などでおこる内部結露が長年続くと、建物が腐りやすくなり劣化します。

劣化した木部に耐震性能もへったくれもなく、金物で緊結しようとも、構造計算上強度があっても、

腐った木部では、その性能も発揮はできません。

 

そんな訳で、とにかく、腐らないような配慮をした家づくり、を、特に古民家の改修では努めておりまして、

(だって100年以上も残ってきた建物を、今更の改修で腐らせてしまったら申し訳がつきませんもの)

このように断熱施工専門業者さんにきちんと断熱施工をお願いしております。

 

大工さんに施工してもらうような断熱施工に比べれば、少々お高い断熱工事費にはなるんですが、

私共はその辺もお客様に最初から説明して、標準仕様でこのような断熱施工をしています。

  

 

 

施工風景。

密度凡そ55㎏で135㎜厚強でブローイング。

135㎜も?!って思われそうですが、これで熱抵抗値が凡そ3.3。

と言われても、普通はピンときませんよね。すみません。

 

セルロースファイバーを隅々まで吹き込むためにも、隙間があってはいけないため

逆を返せば、

セルロースファイバーが吹き込める状態、というのは、隙間を塞ぐことに通じます。

(隙間があると、そこからセルローズファイバーがブローイングで飛び出してしまう

 

壁 施工中。

 

この壁は、いろいろありまして

結果的には、外壁から室内側に柱一本分ふかして壁を新設しました。

外壁は腐朽が酷く、修理が必要なのですが

今回の工事では修理できません。(予算外)

  

しかし、いずれ外壁の保存修理工事をやることになるでしょうから、

カフェを営業しながらでも外壁工事が出来るようにと、壁をふかしました。

更に断熱と防音を兼ねてセルロースファイバーを吹き込みましたです。

はい。

  

 

袋の中にセルローズファイバーが入ってます。

今回の工事では25袋くらい使ったようです。 

 

 

断熱工事終了です。

  

断熱工事が終わった後は、大工さんに床を張ってもらい、壁の下地を張ってもらい、

いよいよ仕上げ工事になる訳です。

 

20㎜厚のパイン材。

 

 

塗装工事も入りつつ、

大工工事もやりつつ

畳屋さんも先日の日曜日に採寸に来てくださいました。

 

畳屋さんも思わずびっくりするくらい、歪んでいるこの建物。。。

 

敷居の下をご覧ください。

これだけ不陸している敷居。。。

部分改修はこうなってしまいます。

 

本来ならば、全体的に改修して建物の水平垂直を直した方がいいんですが、、、

予算の問題、それだけの問題でもなく、、、歯がゆい思いをしながらの改修工事です。

 

正直、これだけ歪んでいる建物の中にいると

少しめまいを感じるくらいです。

柱も目で見てすぐ分かるくらい傾いていますし

傾いたまま改修しなければならないことが辛い。。。です。

 

そうは言いましても

長年、空き家だった建物が使われるようになるんですから

良しとしましょう!・・・

 

さて、今月一杯で目途がつくように、あと1ヵ月しかありませんが

最後、追い込み頑張りましょう!

 

 

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善光寺木遣り唄♪

2016年05月13日 | 現場16~東御市 古民家カフェ計画

(海野宿の町並み 2016.5.4)

 

海野宿にて只今やっている丸屋改修工事(カフェ工事)。

4月は大工さんのご事情により、工事が途中少し空きまして

4月下旬よりまた大工さん再開し、人手を増やしてやっております

 

大工さんの居ない間に

化粧土台下に敷く石をどうしようかなーと

現場で検討したりしてました。

 御影石のサンプル板

 

既存の布石に意匠的にも近い感じにしたいなぁ。

石の仕上げはどうする?

予算見積もりは足りる?

 

そういうのを確認しつつ

白御影だと、既存の布石にはちょいと、合わないかなーと

黒御影にしてみることにしまして、

仕上げは、小叩きくらいがいいんでしょうけど、ちょっと単価が予算オーバーになってしまうし

どうしようかなと。

最終的にはお施主さんと打ち合わせして

凸凹の仕上げだと、お掃除が大変そう、という事で

切りっぱなし仕上げに決まりました。

 

 

黒御影の切りっぱなし。

テクスチュアは随分違ってしまいますが、色合いは、まあまあってところでしょうかね。

 

既存の布石を欠き込んで、新たな黒御影を入れたのですが

加工手間まで見積もってなかったので

既存布石の欠き込みは現場監督の主人がコツコツと削りました

丸3時間くらい掛かったようです

(大工さん達が帰った後、夜な夜なやってたみたい。お疲れさんです)

 

 

さて、現場が遅れ気味なので

大工さんは応援の大工さんを連れてきて下さったのですが

その方は、な、なーんと!御歳80歳の大工さんでいらっしゃいました

これがまた、仕事が早くって

驚きの体力なんです。

 

しかも、しかも

善光寺木遣り唄 の師範でいらっしゃるとの事

善光寺木遣りは平成3年に長野市指定無形文化財として登録され、

現在でも信州の北部(北信地域)では建築行事や結婚式などで唄われています。 

 

私も北信で仕事をした時に、竣工祝で木遣り歌を聴く機会が何度かありました。

仕上がった建物の中で、棟梁を筆頭に携わった大工さん達、時には建設会社の現場監督まで唄えることも。

これがかなりの声量で、建物内に声が響き渡り、背筋がゾクゾクしたものです。

 

その善光寺木遣り師範の大工さん。

4月30日、5月1日と長野市松代町の祝神社(ほうりじんじゃ)御柱祭

木遣りを披露するというので

それは是非見たいと思いたち、松代へ行ってきました!

 

 

こちら中央で唄っておられるのが大工さんです。

法被も、鉢巻も素敵です

 

御柱祭山車巡行コース沿いにあったお菓子司 歌月堂さんの一口大福♪

お茶請けにと大工さんから頂いてしまいました~

 

 

美味しかったです☆ ご馳走様でした

ついつい頬張ってしまうサイズで

こりゃ食べ過ぎに注意です

 

こちらが祝神社。

 

  

さて、そんな訳で

俄かに木遣り唄ブーム♪なワタクシです

木遣り唄も調べてみると、いろいろあるようで

諏訪の御柱祭で唄われる木遣り唄は、御柱祭以外で聞く機会はないように思われるのですけど

この善光寺木遣り唄は、先にも書きました通り、

建築工事やお祝い事などで北信では唄われます。

 

折角、海野宿に応援で仕事に来たからと

なんとー

海野宿バージョンの木遣り唄を即興で考えてくれた大工さん♪

7775 で歌詞を考えれば合うのだそう。

 

善光寺木遣り唄~即興 海野宿バージョン~

 

 

始めての動画投稿ですが (やり方がまだよく分かりません・・・)

善光寺木遣り唄、いいでしょう!

北信地域ではお祝い事でも唄われるので

この際、この古本カフェのオープンの時に、どうだい?

との事です~

さー、どうする?どうする?

お施主さんに聞いてみましょうかね!

 

 

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修理はどうするのか。誰がするのか。

2016年04月12日 | 現場16~東御市 古民家カフェ計画

4月になりました。新年度も始まり、新学期も始まりましたね。

今年も、もう1/4が過ぎ。。。なんだか焦ります

こちらは千曲市にあります杏の里。杏の花はご覧の通り、満開でした

(4月3日)

 

そして桜の方も、あちらこちらで見頃を迎えています。

 

こちらは海野宿近くの堤防沿いにある白鳥桜並木。

満開を迎えました

花に誘われてお出掛けしたくなる季節ですネ

(4月11日)

 

さて、海野宿古本カフェ工事は、悩みどころの局面を迎えております

要するに判断に迫られているって事なんですが。

 

カフェに改修中のこの建物ですが、

見た目は綺麗ですけれども、もう何年も空き家状態でした。

3月下旬頃に土間コンクリートを打ちましたデス。

一般的なコンクリートミキサー車だと交通の邪魔になるので

小型のコンクリートミキサー車(4トン)で来てもらいました。小運搬なので割高です。

しかも、ポンプ車も使えませんから、コンクリートは手運び。

大変なんですよね。。。職人さんの手運びパワーに圧倒されます。

一輪車で何度も往復するのですけど、この職人さんは早い早い。

 

    

この建物は、平成18年度に補助をうけて外装周りだけ保存修理工事をやったようですけども、

水回りは、かなり長い間、使用されていなかったようですし

残念ながら建物として満足に使える状態ではありませんでした。

 

つまり、これまでは保存修理を施しながら外観上維持されていただけ。。。

それができるもの、伝建制度のお陰といえばお陰。

逆を返せば、外観さえ残れば取りあえず良し、という制度でもあるので、それ以上を期待する事もできないのですが。。。

  

伝統的建造物群は、文化財保護法により「周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いもの」とされる文化財です。

風致を形成している云々なので、建物の外観に関する部分には補助は全体的に出ますが(仕様に制限はあります)、

建物内部に関しては構造部分には補助は出るのですが、内部の仕上げに補助は出ませんし、建物を使うために必要なライフラインにも補助は出ません。はい。

 

このように長らく空き家だった建物使えるようにするためには、伝建地区に関わらず

依頼主(施主)の要望(用途)に応える工事の他に

建物の修理工事が必要になる場合が多いです。

 

ですからまずは 建物の修理 を施した上で、

ライフラインを含め用途に応じた(今回はカフェ)改修 となります。

 

①建物の修理は、建物を健全にするために施すものです。

不健全なまま放置する事は、言ってみれば、安全性に関わる事にも繋がり、

建物を使用する以上、先々の不安が残ります。

だからと言って、耐震工事をしなければならない、とか、そういう事ではありません。

老朽化しているところを健全に戻す事がまず第一歩。

理想を言えば、建物全体の不陸を直すこともやってもらいたいところです。

建物の水平・垂直が狂ってしまうと、建物の荷重が素直に地へ伝わらず、それが原因で徐々に建物は変形していくからです。

  

本来ならば、工事をする際に①と②の両方同時にやるべきなんですが

(工事の流れとしてはそれが一番合理的)

今回の案件のように、建物の所有者さんと、カフェのオーナーさん別、という場合は、なかなかそうもいきません。

 

②用途に応じて成される改修工事 は、店舗のオーナーさんが負担するべき性質のものですが、

①建物を健全にするための修理 は、誰が負担すべきところでしょうか。

  

【所有者と使用者が“一致”している場合は、

所有者にとって建物は資産であり、存続させる意思がある場合は、資金の目途が立てば、理しようとするのが当たり前の心理です。 

 

一方

所有者はいるが使用者がいない“空き家”の場合

つまり、所有者に建物を積極的に存続させる意思が無い、

或いは、資金が無く、壊すにも維持するにもどうしようもない、

はたまた、資金は全く無い訳ではないけども、建物に大金を投入する程の余裕はない、

又は、建物修理に投資する価値を建物に見いだせない、等の理由で

そのまま放置されてしまう古民家もあるでしょう。。。

そうなれば、状況によっては今後、『空き家対策特別措置法』により特定空家扱いになりかねません。

建物存続に消極的にならざるを得ない事情のある所有者の場合は、

早い段階で「他人に貸す」という手段等を含め、しかるべきところへ相談しながら策を講じていく必要があるかもしれません。

  

では、今回の事例のように

建物の所有者と使用者が“違う”場合はどうでしょう?

  

私共の携わった過去の設計事例の中では、小布施のジャズ喫茶BUDがそうでした。

小布施にあります穀平味噌さんの穀蔵として使用していた土蔵を、

かれこれ、えー20年くらいも前に

ぎゃらりい蔵を兼ねたジャズ喫茶に改装&改修したのですが

所有者とオーナーは別。

所有者が修理する部分と、オーナーが店舗用に改装する部分と

互いに費用を負担しあって進めた改修案件でした

なので、私共からしてみますと、お施主さんが二人になります。

 

このように所有者もオーナーと共に費用を負担しながら

建物全体を直すことが出来ればそれが一番良いのですが、

ここ近年の動向としましては、

所有者はあまり建物改修費用を負担したがらない傾向にあるように感じます。

だから、空き家になっている訳で。。。

そしてその一方で、そのような空き家を、利用、活用したい、活用しよう!と考えている人も増えてきている。

  

しかし、空き家になって長年放置されているような古民家の場合は、

ライフラインを含めそのままでは使えない状態の場合が多いもの。

そんな状態の建物に対し、賃貸に出すために所有者が今更、大金を投じ建物を使える状態に修理をするかといえば、

しないですよね。。。

  

で、どうするかと言えば、 

現状渡しで、

一般的な相場の賃料よりも安くし、

使用者に自由に改造して使ってもいい

という条件をつけて、それでもいいと言ってくれるような人に貸そう、と考えるようになります。

これが古民家で空き家になっている所有者の、言ってみれば気持ち、思惑です。(悪い意味ではありません。どちらかと言えば持て余して困っているのです)

   

それに対して使用者(借りる側)も

賃料の安さ、自由改造OK、というところに惹かれ

ましてや古民家の風情も楽しめる!

と、双方の利害が一致し、

古民家を借り、セルフリノベするとか、シェア系で利用しようとしたり、

古民家に憧れているような若い人が低予算挑むわけです。

 

それはそれで気持ちは理解できます。

 

そこでまた話は戻りますが、

建物は所有者の資産です。

所有者である大家さんの資産に対して、使用者である借主はどこまで投資するか。

もちろん、自分の商売に関する部分に投資することに意義はないでしょう。

でも建物の修理は? 

建物の修理は、所有者である大家さんの資産価値を上げるだけで、借主の商売には直接関係する訳ではありません。

 

では使用者である借主は、自身の資産にはならない修理に多額の費用を投資するでしょうか?

問題はここなんです。

 

低家賃でありながら、もし修理費に多額の費用が生じる場合、

商売の採算など計算した上で、それでもオッケーなら使用者が投資する事も考えられます。

 

しかし、修理費を使用年数で割り返して、家賃として考えた場合に

採算が合わないとなれば、投資はしないですよね。普通は。

 

そうすると、

現状渡し・安い賃料・改造自由 という条件の古民家空き家の場合

一見、所有者と使用者の利害が一致して、お見合い成立したとしても、

では、建造物を維持するための 適切な修理 は施されるのでしょうか?

それぞれの思惑を鑑みれば、 修理費用 がその両者から捻出され難い事は想像に難くありません。

  

それもこれも、

古い建物を「修理をする」という意識を、誰も持たず、話を進めている事に、問題があるかと私は常々感じています。

空き家問題など、企画して繋げるのはいいんですが

肝心の、建物の修理の事がわからなければ、予算も組めませんし、

また、修理の事は、外側から眺めているだけでは判断も出来ません。

そのようなリスクを、古民家を貸し借りする前に、どうやって当事者に知らせていくか、また当事者に意識を持ってもらうか、重要だと思います。

最初の段階から、修理の有無が分かる建築の専門の人を入れ、

また、その費用は無償ではないという事も念頭に入れておく方が無難です。

そして、時には専門の人による調査計画費用を棒に振るかもしれない、という覚悟も、です。

  

実際には、古い建物をどうにかしたい、という方は、事前に私共のようなところへ相談にみえますので

最初に古い建物を活用する際のリスクはご説明差し上げております。

時間的にも予算的にも、ある程度、余裕が無ければ、

古い建物を活用するというのは簡単に進められる話では無い、という事が分かって頂けるかと思います。

 

  

さて、

本題に入る前の話が大変長くなりましたが、

ここから古本カフェ現場の話に戻ります

  

店舗の土間になる部分ですが、既存のコンクリートが醜い状況だったので

土間をやり変える計画にしておりました。

 

 

現状土間

 

そしてこの昔の土間コンを解体してみると、

いや~な展開に・・・

 

土間コンクリートを取り払って、出てきたのは腐った土台です・・・

 

土台の下端に手を入れてみると、、、グスグス

コンクリートが被さっていたところがやっぱり腐っているんです。。。

ホント、昭和時代のこういった改修は困ります。

なので、東壁の土台が、ほぼ全部、駄目な状況

しかも、元々の土台の上に、補強のための土台が入っているようで、重ね梁じゃなくて、重ね土台?という感じでしょうか。

うーむ。 

  

どっちにしろ、一番下の元々の土台が駄目ということは外壁が沈み込み、

建物の荷重を壁面で支えられない状況。

そうなると、東壁で支えていた荷重を、他の部分で支える事になり、

大黒柱が沈んだり、柱が圧縮で潰れたり、あちらこちらで歪が起こり、いろいろな問題が起きてきます。

   

この腐った土台、、、直す事は容易ではありません。(でも出来ない訳ではありません)

もし直すとすれば、東側の外壁を落とし、まず礎石部分の不陸を直し固め土台を交換、傷んだ柱は根継をしたり。

同じような事、我が家の保存工事でもやりましたけどもね。大掛かりでした。

そして費用は百万単位で掛ります。

 

じゃ、どうするのか。

今回のカフェ工事にはそのような予算は計上しておりませんし、

店のオーナーさんにそこまで負担させるというのは、やはり酷です。

 

じゃ、所有者さんに修理費を負担してもらうようにお願いしてみる?

いや、それだって、そもそも予定していないものなので、所有者さんだって困ります。

 

ただ幸いにも、海野宿の場合は、伝建地区ですから修理費用は補助されます。

しかし、その補助を受けるためには、事前に申請が必要になりますし、

所有者さんに負担金が一部生じます。

 

そんな訳で、今回の改修工事でこれから補助金の申請をするというのは、

カフェのオープン予定の事もありますし工期的にも無理。

という事は、今回土台を修理することは不可能

 

さて、、、

だからと言って、そのまま土台を修理せずに蓋をしていいのか。。。

 

取りあえず土間コンクリート打ち終了。

 

コンクリートは木部・土台には触れないように、礎石で止まるように指示し

部分的にコンクリートが不陸になりましたけど、大丈夫、仕上げで調整します。

 

で、土台の修理をどうするか。

 

考えた結果、

予算調整して「補強」をすることにしました。

 

東壁を柱一本分ふかしたところで「内壁を独立」して作る事に。

新たな土間コン(有筋)の上に、敷石(御影)を置き、新たな土台も入れて、

これで一時、東壁の受けていた建物の荷重を「独立内壁」で支えようと思います。

そうすれば、補強にもなりますし、

いずれ補助金で東壁の修理工事をする時は、店を営業したまま、外から外壁修理工事が出来るはず。多分。。。

 

という事で、取りあえず補強の方針を決めました。

ここまでたどり着くのに、

今日もブログ長くなりまして、すみません~!

 

ところで現場の方ですが、大工さん、どうしても断れない他の仕事が入ってしまったとかで

今月の工事は進みが遅くなりそうです。

という事は、、、5月は追いこみだ!

今から体調管理をしておかなくてはネ。

 

 

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木の香り

2016年03月16日 | 現場16~東御市 古民家カフェ計画

引き続き、古本カフェの現場の話です。

そう、床を剥いで床下が露わになった途端に

室内が、もの凄いカビ臭に襲われた件!は昨日書きましたが、

これから飲食のカフェをやるのに、

臭い

困ります。

 

カビの原因は、床下がとても湿気っぽく、

その湿気の原因は、隣地との境目の問題で、雨水が上手く処理されてない事が原因のよう。

恐らく、雨水がうまくはけずに、床下に水分が入ってきてる可能性があります。

ここの雨水処理をやりなおすというのは、

予算的にも計上しておりませんし、工期的にも無理ですから

さてどうしましょう。。。です

 

隣地との境目の床下。

特に前日雨が降った訳でも、雪が降って積もっていた訳でもないのに、

こんなに濡れています。。。

  

ほんの少しだけ床下換気口が見えてます。

風通しもあまりよくはないんですが、水が浸入してくるような場合は

いくら風通しよくしても解決はしません。

 

とにかく、床下の基礎工事を今回やる事は出来ませんし、

でもこの状況を少しでも改善しておかないと

カビ臭いままになってしまう

 

なんとか予算の中で出来る事は無いかと考えて、

困った時は取りあえず炭!ということになりましたデス。

炭も安くないんですけどね、なんとか調整できるかなぁ。

 

炭代、数万円掛ってしまうけど

炭の脱臭効果は(時間はかかるけど) 絶大だしねぇ。(経験的にも)

炭の調湿効果は、まぁ、一応あると言えばあるけども、多大な期待は禁物。

むしろ床下の空気を気持ちいいものにする、くらいのものです。

 

水分を含んだ地面に、砕石を敷いて、その上に袋入りの炭を敷きました。

応急処置的ですけどもね。

 

で、床組はやり直しまして

栖風采のいつもの仕様、セルローズファイバー断熱材55㎏135㎜入るように下地を作ります。

湿気を気にする場合は、あまり透湿抵抗値の高い材料は使わないようにして

湿気が適当に出入りできる材料だけで構成するようにします。

なので、

グラスウールなんかは使えませんし

(グラスウールに湿気は大敵なんですね。なんでかって、湿気を吸いやすいくせに、湿気を吐き出せない材料なんです。だからグラスウールに防湿フィルム必須なのね。しかも湿気を吸ってしまったグラスウールはよくカビます。)

防湿のためのビニール系のものは使わない方が絶対いいんですね。そもそも湿気と相性が悪いので。

安いから、ホームセンターに売ってるからって、そういう材料を平気で古民家に使っている事例みますけど(DIYも含め)

止めた方がいいです。建物によくないからね。

合板も湿気の強いところに直に使っちゃだめよ~

  

ちなみに、大引は米ヒバを使ってますが

この米ヒバの香りが、それまでのカビ臭さを打ち消すように芳香しています。

なので、

床組みを始めてからは、現場を覗きに来る観光客も

「わぁ~ 木のいい香りがしますね~」って言っていきます。

そう、この木のいい香りは

米ヒバの香り

 

ところで、米ヒバって、実は日本の檜葉(ヒバ)とは同類ではありません。

むしろヒノキと同類になります。

材木の名前は、結構紛らわしいので、これを全部説明するのはとても面倒なんですが

米ヒバの米は、北米材の事で、輸入材か!って思われがちですけども、

そもそも明治時代から国産材の代替材として輸入されていた歴史はあります。

で、

この木のいい香りな何なのかと言いますと

それはヒノキチオール

樹木が傷つけられた時に放出する化学物質でフィトンチットの一種です。

殺菌力を持つ揮発性物質で、ヒノキチオールという名前からヒノキに含まれる物質のように思えますが

日本の檜には実はあまり含まれておらず、国産材ならば、ヒバやネズコに多く含まれており、

外国の材ならば、台湾ヒノキや米杉、米ヒバといった材に含まれています。

 

よく、化学物質過敏症でシックハウスだという方に、何でも自然素材ならOKと思っている人もいますけど

針葉樹の材料からは、こうしたフィトンチットと言われる化学物質が揮発されているので

化学物質過敏症の方には自然素材って決めつけない方が無難です。

ちなみに、木材にアルコールを塗ると、アセトアルデヒドが発生することは以前にも書いた事ありました。(木も酔っぱらうのよね)

参考サイト 木材から放散されるアセトアルデヒドの発生原因を解明ーエタノールとの接触が引き金にー

 

 

で、

カビ臭溢れる現場では、この殺菌力のあるヒノキチオールは有効であろうと思いましたし

湿気っぽい悪条件な床下にも耐えられる材料でなければなりませんので、

その点、耐朽性、水湿性に優れる米ヒバは心強い材料なのであります。

 

海野宿の建物の修理をする際には、土台には「栗」を使ってきたのですが

(一応、主要軸組の土台の交換には栗を使う予定です。栗も水潤に強く、耐朽性も大きく、重硬で優れた材料。)

これだけカビ臭い現場ですし、白アリの被害も大きかった事も合わせて、

殺菌、防虫効果のあるヒノキチオールが含まれている材料の方がいいんじゃないかと

大引にはいつも通り米ヒバを使いました。

 

そのお陰で、あのカビ臭からオサラバ~

現場はヒノキチオールのいい香りが

  

さて、話は少し変わりますがこちらは敷居。

サクラの敷居なんですが、ちょっとだけ材を継ぎ足したいと言われ、

うちにサクラ材(古民家の廃材)が確かあったなーと探して、現場に使ってもらいました。

 

サクラ材の敷居。

同じサクラ材で継ぐ事ができました。 

 

明治期のここら辺の古民家では、敷居にサクラ材がよく使われています。

サクラ材。

実は、紛らわしい材木の用語でもあります。

 

サクラと言えば、お花見する桜と思われるかもしれませんが

一般的に建築で使われるサクラ材は、桜ではなくて、

カンバ類カバノキ科の真樺(マカンバ。カバザクラともいう)や、ミズメ(ミズメザクラ)を指します。

ややこしいですね。

 

でも、古民家で使われていたこの敷居は、サクラ類バラ科の山桜です!

上田の古民家改修現場でも同じようにサクラの敷居で、お施主さんに確認したところ、昔、大工さんが山桜だと言ってた、との事。

望月の古民家改修現場でも、やっぱり同じ山桜の敷居でした。

で、海野宿のこの丸屋でもサクラの敷居

そして我が家からも、サクラの柱が出てきています。

山桜

左が上田の古民家(明治期)の敷居に使われてた材。

右が我が家から出てきた柱材。

 

山桜材はその肌合いが優しくて光沢もあり、うっすらピンクがかっていて好きな材料です。

そして材料としては、やや重硬な材料なので、引き戸の擦り減り消耗の激しい敷居には適材だったのでしょう。

 

ちなみに、

樺細工は、山桜の樹皮を細工したものをいいますけど、

バラ科の桜を、樺(細工)といい、

カバノキ科の樺を、(カバ)サクラといい、

なんで其々逆なの~???

って思いますね。

なんか紛らわしい~!

 

さて、先週は丸一週間、インフルやなんかで現場へは寄りつかないようにしておりましたが

先週の土曜日にダウンした大工さんも回復してきているようです。

良かった良かった

では引き続き、頑張って参りましょう~!

 

 

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どこまで修理するべきか

2016年03月15日 | 現場16~東御市 古民家カフェ計画

海野宿ひな祭りの開催している間は、現場が観光スポット化しておりました海野宿丸屋改修工事(古本カフェ)

2月下旬には改修範囲の解体工事がだいたい終わりまして、こんな感じになりました。

床下が露わになった途端に、現場はもの凄いカビ臭に襲われ

現場では空気の入れ替えをしようと、表の格子戸を全部とっぱらって風通し~~~

すると、このように観光客が物珍しそうに覗きこんでいきます(笑)

海野宿で現場やってると、まぁこんな調子なものですから、

ちょくちょく観光客が現場を覗き込んだり、時折入ってきたりで

「何やってるの?」

と尋ねられれば、大工さんはその都度

「古本カフェになる予定なんですよ~」

と答え、

そのうち、大工さんも観光客相手に

「どこから来たんすか?」

みたいな話になり

なんだかんだと話が盛り上がる

これじゃ、仕事になりませーん(笑)

 

ま、それは置いときまして、

解体工事を終えてみると、例のごとく、いろいろ問題が

建物がよろんでいるので、このように建物の荷重を受けて潰れている土台とか、

手前の土台は白アリ等で朽ちているし。

床下の空気の通りがあまり良くなかったり、雨水の処理がうまく出来ていないせいか、床下がかなり湿気っぽい部分もある。

  

建材で隠されていた部分を剥いでみると、案の定この有様。

柱と土台がボロボロです。

この建物は平成18年度に一度、修理工事が補助金でなされていますが、

修理、どこまでやったの?という感じ。

軸組の修理まではやってなかったのかもしれません。

どうしてこんなになってしまったか、ですよ。問題はね。

 

一つは基礎部分のコンクリートの打ち方。

土台の側面に被るようにコンクリートで押さえられてる。

典型的な臭いものに蓋的なやり方。

あーあ。全く駄目駄目なやり方です。

これ保存修理でやったの?だとしたら問題大アリです。修理でも何でもないです。

   

しかも、この壁の裏は道路(御蔵小路)なんですけど、そのアスファルトが醜い。

だれだ!こんなやり方のアスファルトやったのは!(怒) ↓

簓子下見板がアスファルトに埋まっちゃってます。

おいおい

下見板、交換できないじゃない!

しかも

こんなんじゃ木部が腐るじゃん~

あーあ

どうしたら木が腐るかって、分かってないんだよね~

こんな施工、誰がやったの? 恥を知れ!ですよ。ホンマに。

 

室内側はコンクリート基礎、 道路側はアスファルトに サンドイッチ された土台はどうなるかって

そりゃー 腐るにきまってるしね。

しかし、

もう今更、どうしようもないです。

 

しかも、今回のカフェ工事でこの軸組を直す費用は予定しておりません。

もし直すとすれば、外壁腰部分の壁を全部カットして落として、柱の根継ぎ、土台交換、基礎工事、全部やらないと直りません。

となると、工事費は軽く数百万掛る訳ですよ。

でも本来なら数百万でも難しいかもしれない。

建物の不陸を直してやらないとおかしな荷重があちこちの柱に掛っていて、変形はしてるし座屈を起こしているし。

どこかでこの現状を把握・理解をして、どのような修理計画をとっていくか、という全体的な提案

これまで一切、されてきていないこの保存修理事業。

それが問題なわけです! 

教育委員会が機能していなかったのなら、良心的な業者は居なかったのか? 

いやそれ以前の問題かもしれない。直し方がそもそも分からないのかも。

所有者に今までどんな説明がされてきたのだろうか。

ただ見た目を綺麗にすればいいんだったら、そんなの保存修理って言わないんだよ。

だからいつまで経っても、本質的に建物が活かされないんだよ。

全くもぉ。イライラ

 

だからと言って、建物を借りてカフェをオープンしようとしているオーナーに

軸組みの修理費を負担させるのは、酷です。

そうかといって、建物の所有者に、今すぐ修理しましょう!とは言えません。

さて、どうするか。

取りあえず、教育委員会にも報告し

この状況を見てもらいました。

 

こちらは白アリにやられてる柱と梁

よくこういう土間コンクリート付近から白アリにやられます。

コンクリートの下面からそっと白アリが侵入してくるので、なんでもコンクリートで手っ取り早くに塞ぐのは考え物なんです。

しかも、そのコンクリートが吸湿して冷えて結露して、カビます。

昭和の一時期、土間に薄っぺらいコンクリートを流すのが流行って

見た目は一時的は綺麗になったかもしれないけど

その後、湿気や水分に悩まされる事になるんです。

で、雨漏れも無いのにいつも土間が濡れている現象となり、カビて臭くなる。

原因は薄っぺらいコンクリート。

コンクリート流すなら、きちんと地業をして水はけをよくしてから打たないと。

 

今回はこのコンクリート剥がして、もう一度やり直しますけど

結構、大掛かりです。

なので、改修費用もそれなりに掛ってしまいます。

 

ちょっとカフェやりたい、な割に

結構な工事費になるのは、

古民家の場合、修理費用を多少でも盛り込まないといけない場合が多いからなのですが

そこら辺が、カフェを夢見る若いオーナーさん等には苦しいかもしれません。

 

ちなみに、こちらの古本カフェのオーナーさんは定年を迎えられた方で

ある程度、資金もご用意されての開業計画でした。

それでも古民家を改修してのカフェ工事には、予算調整は必要でしたし

ただカツカツな予算では計画しておりませんでしたので、

こんなヤバい状況下でありながらも、なんとか現場で工夫してやりくりしながら工事を進めている次第です。

えいえいおー!

 

ところで、オーナーさんは、

藤井厚二の聴竹居がお好きだと仰ってたので

私的にはナイス~なオーナーさんでございます!

 

建物に興味のある方に、こういう古い建物を使って貰えるというのは

単なる商用利用としてではなく、建物を大事にして頂けると思いますし、

よいオーナーさんに巡り合えた丸屋さんは良かったなぁ、と思いましたデス!

 

 

 

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古民家古本カフェ工事、大寒に始まりました^^;;

2016年02月02日 | 現場16~東御市 古民家カフェ計画

凡そ2年前に依頼を受けておりました古民家古本カフェの工事が大寒の日より始まりました

またなんでこんな寒い時に始めるのって言われそうですが

一昨年より計画していた別件の工事が残念ながら昨年末に中止になりましたので、

順番待ちで待って頂いておりました幾つかの案件のうち、小規模案件を繰り上げて進めさせてもらう事に致しました。

 

実はこちらの案件は、私共の暮らしている海野宿でございます

この数年、ご近所さんからの依頼がちらほらありまして

私的にはこれらを通称 別腹案件(←?) として

他の案件の合間に進めてさせてもらっている次第です 

 

ちょうど工事着手の前日に大雪のあった海野宿。

こんな雪景色の美しい海野宿が見れる事は稀なので、大工さんとうちの旦那さんは玄関先で街道を眺めながらの休憩です♪  

 

  

さて、まずは解体工事から。

カフェに改修する部分だけ、床や壁を解体してもらいました。

  

解体終了。

 

 

さてと・・・

解体をすると、まぁ、いつもの事ですが

いろいろ問題が出てきます。

 

土台が白アリにやられていた、とか

  

更に

井戸が出た!なんて事は、今回はありませんでしたけども

代わりにムロが出た!みたいな

おお~ 石積みのムロだ。

昔の貯蔵庫。恐らくお蚕様の桑の葉を貯蔵するためのものだったと思われます。

折角なので、この空間を利用して床下点検口を作ろうかと思います。

そうすれば、床下物入れとしても使おうと思えば使えますしね

 

こうやって

臨機応変に現場対応していかないといけないのが古民家改修ってものなのですが、

あともう一つ、

壁を解体しましたら箱階段が出てきたのですが

これは予め、ここにあるというのは分かっていたものの

こうして露わになると、上手く店舗に活かせないかなぁとか

つい考えてしまいますね

どうしようかなぁ~

 

 

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