さいふうさいブログ

けんちくのこと、日々のこと、いろんなこと。長野県の建築設計事務所 栖風采プランニングのブログです。

2回目予算調整後の決断

2011年03月31日 | 現場5~長和の家

通り土間と薪ストーブのある家(長和の家)の

その後です。

  

基本設計の段階ではありますが、

建設費の概算において

予算オーバーとなりまして

基本設計プランの内容を見直しながら

予算調整を行っておりました。

  

前回の記事↓

1回目予算調整~通り土間のある家~

  

2回目の予算調整案を先月、

お施主さんにご提案しました。

  

それでもまだ、

ご予算に照らし合わせてみますと

200万~多くて500万くらいの

予算オーバー

  

お施主さんとしましては、

気に入ったプランに対して、

    

縮小はしたくないし

仕上げ等も、

イメージしている民家の風合いを壊すまで

グレードを下げることはしたくない、

中途半端に仕様等を変更して

趣の違う建物になるくらいなら

建てない方がいい

  

ということに。

  

実施設計図まで描いてもらって

それを眺めながら

貯金をする!!!

  

とまで

おっしゃっていました。

  

無理をして建てようと思えば

建てられるものの

(銀行では融資をしてくれるそう)

そこは、無理をしたくはないとのこと。

  

これから貯蓄をして

建設を急がない

  

という選択をされました。

  

こういう局面において

どのような決断をするのか

選択をするのか

  

ここにお施主さんの価値観と

生き方が現れます。

私は若いお施主さんの

今回のしっかりとした判断は

素晴らしいと思いました。

  

結果としましては、

基本設計のみで終了

という形を取らさせてもらいました。

 

お施主さんからは、図面を一式書いてもらって

それを十数年後になるかもしれないけれども、

その時まで眺めています、

とおっしゃっていましたが、

   

それよりも、

実施設計図は、生もの 

というと語弊があるかもしれませんが、

今後、法律が変わったり、

材料にも変化があったり、

そして、私達の設計の考えにも

成長して変化があるかもしれませんので、

実施設計図が、

そのまま十数年後に通用するかは

わからないので、

実施設計をするのは止めましょう

私の方から申し出ました。

  

P1140132

  

そういうわけで、長和の家は

十数年先ぐらいまで

延期することになりました。

  

お施主さんからは

「栖風采さん以外は全く考えていません!」

とおっしゃって下さったので

(ありがとうございます)

そのお言葉を胸に

またお声がかかるのを

気長にお待ちしていようと思っています。

  

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1回目予算調整~通り土間のある家~

2011年01月26日 | 現場5~長和の家

通り土間と薪ストーブのある家(長和の家)

の計画が進んでまいりました

  

基本設計がだいたい終わりまして、

数量などを拾いながら建設費の概算を算出し、

お施主さんに昨年末に提示しました。

(決して、坪単価などで割り返して計算するような、

目安にもならない簡易的な概算ではありません)

  

これは、あくまでも、

設計事務所が算出する建設費の概算ではあるのですが

・・・

この段階で既にかなりの予算オーバー

   

お施主さんとしては、

ある程度覚悟されていたようですけれども、

予算的現実を否応なしに

突きつけられてしまう瞬間で。。。

   

しかし、

お施主さんは、しっかりと優先順位を整理して

譲れないところ、

妥協できるところ、

そして

お施主さん自身が協力出来るところ

など

きっちり私達に伝えて下さいマス。

これがとても大事なこと

このような場面でこそ、

お施主さん自身の判断、

そして価値観がしっかり現れます

 

基本設計時のプランというのは、

どちらかと言えば、

お施主さんの希望を出来るだけ反映した

プランを一度ご提案します。

ですので、殆どのお施主さんは

この段階では夢膨らみまして

予算オーバーしてしまいます。

だからこそ、

この早い時点でしっかり概算を提示しまして、

予算をオーバーしていることを確認して頂いた上で

より具体的に実現するようなプランへ

修正・変化しながら進んでいきます。

  

基本的なご要望やイメージや考え方を変えないよう

(変質しないよう)

プランを、変更したり、縮小したりして

予算的に納まりそうな見通しがつくところまで

プランと概算の調整をします。

そこまでやって

設計の方針が凡そ決まるのです。

  

ということで、

先日の日曜日に1回目予算調整案として

プランを少し縮小した案を提示すると共に

概算も見直して提出しました。

まだまだ予算的に厳しい

  

更に、もう一度、予算調整案をこれから提示するべく

只今検討中です!

   

実はこの過程をおろそかにしますと、

実施設計後、

(つまり一通り設計図が完成した後のことですが)

施工する会社に見積もりをお願いすると、

大幅に予算オーバー という

お施主さん、設計事務所、双方にとって

悲惨なことになってしまいます。

  

ですので、私達の設計の進め方としては

基本設計の段階(或いは計画段階)のうちに

概算と言っても、

仮決めした仕様や内容に沿って、数量積算をして

(必要に応じて各メーカーや業者さんからも見積もりも取りまして)

建設費の概算書をまとめます。

その上で、  

予算内に納まりそうかどうか、

或いは予算の修正が可能かどうか、

など、

ある程度の見通しがついてから

実施設計に着手するようにしています

  

実施設計まで進んだ後に、

予算超過のため、設計変更をするようなことは

設計のプロとして

どうなのか、

と、昔から想うところがありまして

(デザイン系設計事務所には

良くある話ではあるのですけれども

  

出来るだけ設計変更はしない

(軽微な変更はあっても)

したくはない

という想いがあります。

手間はかかりますが

基本設計の段階で

何度も概算をするようにしています。

  

さて、長和の家ですが

立面(外観)を大胆に変更しながら

(本棟造風を止めにしようと思ってます)

基本的な考え(通り土間と民家的な空間)

は出来るだけ変えないようにしながら、

実現に向けて

頑張って参りたいと思います

   

  

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通り土間のある家プラン~本棟造風~

2010年04月13日 | 現場5~長和の家

いよいよ、長和の家の計画が始まりました!

昨年末に一度、たたき台プランを提出し、

先週の土曜日に2度目のプランをご提案しました。

最終的には4案プランをご提案し、

通り土間のあるプラン~本棟造風~に決まりました 

  

打ち合わせ風景↓

P4108907

ご要望を伺いながらその場でプランの修正をします。

P4108910

  

  • 通り土間
  • 薪ストーブ
  • 囲炉裏テーブル(座卓)

そして

  • 屋根裏部屋

 

はたまた

  • 童心に帰る「基地」のような狭ーい空間に 旦那さんの隠れ書斎?!

   

「基地」のような狭ーい空間については、

旦那さんとうちの若い所員クンと

妙に意気投合しておりました~

  

このように夢一杯のプランです!

  

通り土間があるがゆえに、平面プラン的には

使いやすいプラン 

、、、とは言えないかもしれませんが、

そこはまだお若いご家族。

お家を楽しんでもらうのも良いかと思ってます。

 

スタディ模型

P1070739

信州、松本平に良く見られる 

「本棟造」と呼ばれる伝統的な民家をイメージしています。

 

ちなみに、

こちらは本物の本棟造りの民家再生事例です。

P1070914

こちらの本に掲載されている家の設計は

降幡建築設計事務所です。

私と主人が昔、勤めていた設計事務所。

こちらの家は、私が設計事務所を辞める直前に

図面を書かせてもらった家です。

(『民家再生の魅力』 日本民家リサイクル協会編)

  

  

お施主さんご夫妻は、古民家がとても好きで、

当初は古民家付きの土地を探されていました。

けれども、なかなか良い物件が見つからず、

結果的には、更地をご購入され、

古民家をイメージさせる新築の計画になりました。

  

こうして2度目のご提案プランで方向性も決まりまして、

これから事前に地盤調査を行い、

そして建物の概算を出し、

実施設計へと進みます 

  

さて、打ち合わせをしている最中、

うちの5歳息子は、

お客さんのもうじき3歳になるお子さんと、

お外で遊んでおりました。

(もちろん、うちの主人がちゃんと付き添ってます~)

P4108917

海野宿の街道で遊ぶ子供達 

まだ、ヒーローものは見せていないというお客さんのお子さんに、

ヒーロー三昧のうちの息子の影響が、

ちょっと心配です 

  

(k.m)

 

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敷地測量~長和の家の計画始まります

2009年11月29日 | 現場5~長和の家

長和の家の計画が始まりました。

先日、敷地測量をしてきました。

測量をしながら、景色やその土地の空気、

そういうものを感じながら、

プランを考えます 

P1050291

   

P1050342

お施主さんは、伝統的な建物が好きな方ですので、

そういうイメージと、

この土地の風景と、

いろいろと思いめぐらせながら

この日は測量を終えました 

   

(k.m)

   

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