また大きな地震に見舞われた日本。
今度は九州。。。
少し古いですが、手元にあった資料。
政府の地震調査研究推進本部が、阪神淡路大震災の後から毎年、今後30年以内に地震が発生する確率と各地域の揺れの大きさを示す「全国地震動予測地図」を公表しており、
その2009年度版に基づいて作成された図。↓
(新建ハウジング プラスワンより。 資料に正確な発行日が載ってないのですが、2010年頃のものかと思われます。)
2009年において、30年以内に震度6弱以上の地震に見舞われる可能性を示しているものですが、
そこには宮城県沖が99%とありました。
そして凡そ1~2年後の2011年に東日本大震災が。。。
で、九州はというと、特に目立つ記載がされてないので
地震の確率は低く見積もられていたのでしょう。
でも今回のような地震が起きた訳です。
災害はいつも不意を突かれるように予期せぬ時に起こる。。。
でも最近は、忘れた頃にやってくる、ではなくなっている事に気付きます。
こんなサイトもありました。
こうやって時系列でみると、いかに地震が多いかわかります。
いつやってくるか予想のつかない地震。
どう備えるか、色々考えさせられる訳ですが
基本はやはり、自分がどのような土地に暮らしているのか、をまず知ろうとするところからなのかなと。
その土地土地には災害の歴史があり、郷土史に纏められてたりもしますし、
こういう時に一度、関心を持ってみるのも良いかもと思います。
私も、災害がある度に、ここの土地を振り返ってみたり、資料をひも解いてみたり。
生まれ育った土地では無いところで暮らしているので、なかなか土地の歴史的な事は覚えられなのですが、
その都度、調べる事で徐々に頭に擦りこまれていくかな、と。
今回の熊本地震でいろんな情報が飛び交う中(その殆どはSNS)
土地の揺れやすさが分かるというものがありました。
住所入れると、そこの地形の種類と表層地盤増幅率(揺れやすさ)の目安が出るのです
↓ ↓ ↓
あなたの街の揺れやすさは?
しかし、実際に地盤調査をした住所でやってみると、必ずしも全てが当てはまる訳でもなさそうでしたので
あくまで目安として参考にされると良いのかなと思います。
活断層については
信州についてならば、『信州の活断層を歩く』という本が出版されてます。
あとは、
国立研究法人 産業技術総合研究所より活断層データベースがあります。
更に、
地すべりについては、独立行政法人 防災科学技術研究所より地すべり地形分布図データベースもあります。
この際なので、今住んでいる土地がどのようなところなのか調べてみるいい機会かもしれません。
さて、この度の熊本地震。。。
未だ余震が治まらず、
今現在も避難を余儀なくされている熊本・大分の方々、
そしてこの地震により家屋の倒壊等によって命を落とされた方々とそのご家族の事を思うと、
なんて申し上げていいのか言葉がみつかりません、、、
熊本地震発生から1週間になり、本当に体力的も精神的も相当辛いだろうと思うのですが
そういう経験の無い私には想像も出来ず、
それでも毎日、災害の事、建築の事、そして避難の事、支援の事、いろいろと頭を駆け巡り、落ち着きません。
私は熊本に直接知人が居る訳ではありませんけども、
僅かながらも、間接的にお世話になっているところもありますし、
SNSで面識はなくても、繋がっている方もおりましたので
ずっと案じておりました。
ちょうど、熊本のお茶を飲んでいたので、気になって生産者の情報を探してみると
やはり大変そうでした。。。
地震で現在営業停止とHPにありました。
他にも、たまたまSNSで知りあいました方が熊本のお茶農家の方(林さん)で、
建築にとても関心の高い方でしたので、建築にまつわるやりとりを個人的にしていましたら、
なんとご親切にも、自家用のお茶をご挨拶代わりにと
2月上旬頃に送って下さったのです。感激!
熊本からの嬉しい贈り物
切手も、もしかして私が建築関係だからと、建造物の切手を貼って下さったのかな?
そんなお気持ちがとても嬉しかったです。
このタイミングでお礼をこの場で言うのもあれなんですが。
で、こちらのお茶も、今、飲んでいます
なので地震発生の時は、林さんの事がすぐ心配になりましたけれども
林さんのところは被害は無かったようで何よりでした。
ちなみに、林さんのお茶はこちらで購入できるそうです。
頂いたお茶を飲み終わったら、こちらで購入したいと思ってます
なんだか、食べ物の事ばかりですが、
我が家で常備しているパンも、阿蘇牛乳を使ったパンだったりします。
いつも冷凍庫に常備。
で、大阿蘇牛乳の生産者を探してみると、やはり大変な様子。
水と電気が止まった中でも、懸命に牛のお世話をされていました
綱渡り、体力と神経戦だと。。。
それはそうと、熊本といえば、
畳表の産地!
私共で依頼している畳屋さんで用意して下さる国産畳表は、熊本の北出親畳会の畳表なのです。
今、確認してみると、八代市じゃないですか、、、
サイトを探してみると、ブログ発見。
畳のココロ。
やっぱり大変そうです。車中泊されてたみたい
もういろいろが心配。
こんな私がここで心配したところでどうにかなる事でもないですし
応援とか支援とか言っても、何か出来る訳でもなく、
結局は、私に出来る事は、建築に携わる者として
日々の仕事に、これら今までの災害の教訓を実務に活かせるように努力することしかない。
とにかく、ニュースで見る建物倒壊の状況を見ながら、
そして
今後なされるであろう建物の調査報告を資料としながら
実務で検証していくことになるんだと思います。
でも、やはり一番、悲しいのは、建物の倒壊によって人命が失われている、という事。
建築基準法の目的にはこうあります。
建築基準法 第一条 この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。
国民の生命の保護。。。
建築基準法を守って建てたからといって、今回もそうですが、
地震が起きた時に絶対安全とは言えないのです。
安全とか、安心という言葉、よく聞きますけども、
自然現象はとても複雑ですから、そんな自然相手に100%安全なんて存在しません。
しかも、建築基準法は、その目的の中にも書いてありますが「最低の基準」に過ぎないのです。
ですから、いわゆる耐震基準に新旧がありますけど、
新基準で建てられたから安全だと過信してはいけない。
また逆に、旧基準、それよりもっと古い伝統建築が、基準を満たしていないから安全ではない、とも決めつけられません。
実際に、建築基準法が制定されりよりも以前から存続している建物も沢山あるのですから。
一番、危ないのは、やはり老朽化している建物でしょう。
古い建物も適切にメンテナンスや修理がなされていれば、恐れる事はないと思います。
新しい建物でも、場合によっては内部結露を起こして数年で老朽化しているような事だってあります。
現行の耐震性能の基本としては
①建物が存在している間に数回見舞われるかもしれない稀な地震(中地震)で損傷しない。
②建物が存在している間に1回見舞われるかもしれない稀な地震(大地震)で損傷するが倒壊しない。
という水準を確保するもので、
中地震ってどの程度?
大地震ってどの程度?
なんですが、建築基準法では中地震は一般的に震度5程度。大地震は震度6強~7とされています。
ただし、気象庁で示している震度階級の解説と、建築基準法で想定している震度と合っていないという指摘もあり、
(気象庁では1996年に震度階級を見直し)
震度と実際の建物の被害は必ずしも一定ではありません。
そして、②の、1回見舞われるかもしれない稀な地震、とあるように、
1回の大地震で損傷しても倒壊させないのが基本的な耐震の考えであったところが、
今回の熊本地震のように、
1回目の大地震の打撃を受けて何とか持ち堪えた建物も、その後、繰り返し発生した震度6前後の地震に揺さぶられた結果、倒壊した建物が数多く見受けられました。。。
耐震と言っても、大地震に見舞われた場合には、
まずは倒壊させない、倒壊しない間に避難させる、という感じ。
簡単に言えば、避難する時間稼ぎのためのようなもの。
建物の下敷きになって命を落とす、という事は出来る限り無くしたい。
今回の熊本地震で倒壊する建物を見ながら改めて強く思いました。。。
最後に、
いくつか得た情報の中で、今後、役に立ちそうなものを備忘録として記しておきます。
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