長野市の古民家再生現場です。
とっくに断熱施工は終えておりますが、
遅ばせばがら![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/bz/coldsweats01.gif)
断熱施工の様子について記したいと思います。
こちらは床の断熱施工の様子です。
乾式のセルローズファイバー55k 厚み135㎜。
こちらは既存の天井です。
天井裏を確認するために、天井板をずらしてあります。
![P1210763 P1210763](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/7f/a92b8c03f5581919226c365917572d94.jpg)
既存の天井の上には、更にスノコ天井。
更にその上には筵(むしろ)が敷いてありました。
この既存天井とスノコ天井の間に
今回の改修工事では、
セルローズファイバーを吹き込んでもらいます。
セルローズファイバー25k 厚み160㎜。
天井の上には足場となる板などありませんので
(2階はありませんし)
梁と梁の間に足場を置きまして
這いつくばりながら
セルローズファイバーを吹き込んでいます。
隙間が多く、
不均一な材料で組み立てられている古民家ですから、
形のあるボード状
或いはフェルト状の断熱材より、
形の無い“屑状”の乾式セルローズファイバーの方が
古民家に馴染みが良いだろうと考えまして
主要な床・壁・天井には
セルローズファイバーを採用しました。
(一部、セルローズが吹けない壁には
羊毛と炭化コルクも使っております)
このような断熱施工が大変な箇所でも、
断熱施工専門の職人さん達は
文句一つ言わず
黙々と仕事をして下さいます!
(いつも有難うございます
)
断熱施工は今や、
断熱専門業者さんにお願いすることが
私共では一般的になりましたが、
まだまだ未だに大工さん等に
断熱材を施工してもらっているところも多く見受けられます。
大工さん等に施工をしてもらっても
もちろん悪いわけないのですが、
断熱層、防湿層、気密層、通気層の意味を
きちんと理解している方は多くは無い思われます。
2020年までに段階的に
「エネルギーの使用の合理化に関する法律」が
義務化される動きの中で、
断熱などの施工技術講習が
大工さんなどの中小工務店向けに
各地で開催されているのは
そのためでもあると思います。
と言いますのも、
適切な断熱施工をしなければ断熱材は時として
建物を腐らせることになりうる素材になってしまいますから
省エネ法を義務化する前に
断熱の施工技術を向上させる必要があるのでしょう。
私共は仕事柄、
築100年以上近く存続している古民家を扱うことが多いのですが、
この時代に、新建材(断熱材も含む)の使い方を誤って
建物を腐らせてしまっては元も子もありません。
ということで
断熱材については非常に神経を使ってやっております![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/bz/sign03.gif)
ちなみに、「断熱」という言葉ですが、
熱を断つ と書きますが、
決して、熱を断つのではありません。
熱が伝わるのに時間がかかる、ということに過ぎないのです。
つまり
いずれ 熱は伝わるのです。
(暖かさも冷たさも)
ですから、断熱という言葉よりも、
「保温(保冷も含む)」という言葉がふさわしいと思うのですが
建築業界では「断熱」という言葉が一般化しています。
ちなみに、
発砲プラスチック系断熱材の材料名は
「保温板」と呼ばれていますので、
断熱材を保温材と呼んだ方が
イメージしやすいのではないかなと思うのですが。。。
私も実は、十年前くらいまで、
断熱のことを誤って理解していたことがありました。
その誤りに気がついた時、
私はある馬鹿みたいな実験をしました![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/bz/coldsweats01.gif)
さて何をしたかといいますと
夏のことですが、
魔法瓶タイプの水筒に入れておいた冷えた飲み物、
1日も置けば、ぬるく なります。
その魔法瓶水筒を、ぬるい飲み物を入れたまま
冷蔵庫へ入れました!
1~2日くらい経った頃、
冷蔵庫の魔法瓶を取り出して
中に入っていた飲み物を飲みました☆
わーい!
めっちゃ冷たい~
そういうことです。
(バカかと言われそうですか
)
理屈上、当たり前のことですが、
なんとなく、不思議な気持ちにならないでしょうか?
それは多分
魔法瓶を「断熱」と勘違いしているからじゃないのかなと
思うのですが、
私だけかな~
こうして魔法瓶を使って
熱伝導のことを実際に確かめることが出来て
一人嬉しくなったことを思い出します。
馬鹿ですよね。ワタシ。
でも、たぶん、
分かってない同業者及び施工者
実は多いとみてます。
そういう方々は
いろんな情報に流されやすいものです。
外張り派、充填派、素材差別派(?)
などなど。
理屈がきちんと判れば
自由に建物の考え方に合わせて
素材も工法も選ぶことが出来ます。
実は、
お施主さんなどに断熱や暖房の説明するために
自分なりにいい例え話がないかどうか
ずーっと考えておりまして
いくつか面白い?例えを考えています。
いずれまた断熱絡みの記事を書く時に
少しずつ記したいと思っています。
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