さいふうさいブログ

けんちくのこと、日々のこと、いろんなこと。長野県の建築設計事務所 栖風采プランニングのブログです。

古材の建前~土台のひかり付けから

2024年07月24日 | 現場0~海野宿 扇屋プロジェクト(当事務所)

屋敷再生プロジェクト、上雪隠保存修理工事の続きです。

 

基礎工事が終わりましたので

前回の記事はこちら↓
上雪隠 保存修理工事~シュミットハンマー

次は土台敷きです

 

隣境に面していた部分の既存土台は溶けて(腐って)しまっていましたので

土台を入れ替えます。

 

既存建物解体後 現状の無残な土台・・・

 

新しく入れ替える土台は、礎石に合わせてひかり付けします

ひかり付けとは

凹凸のある材(今回は礎石)の形状にあわせて、相手の材(土台や柱など)を削り取ることです。

いつも私達の現場をお願いしている大工さん

土台のひかり付けはこの現場で2回目。

だんだんと慣れてきたようでした

 

栗材の土台。

ひかり付けが見事です

 

土台敷きに続いて建前です

 

一旦解体した材を、根継ぎ(金輪継ぎ)等の加工をして

新築のように建前します!

 

スタンバイしている古材

 

 

建前開始です

 

棟が上がりました

 

既存の棟木 

金輪で継いでありました。

 

上棟です

 

続いて垂木。

古材の垂木にいつものタルキック

 

化粧野地板(羽重)

既存の野地板の再利用は難しいので全て新材に入れ替えました。(補助金はでないけど

 

次に化粧野地板の隙間防止用に黒いシート(アスファルトフェルト)を敷きます。(自己負担)

これも私達がよくやる手法で

古色で仕上げる化粧野地板の隙間から、その上の荒野地板の白木が見えるのがみっともないなぁと

あえて黒いシートを敷いているのです。

アスファルトフェルトがたまたま都合が良かっただけで防水紙として張っているわけではありません。

とはいえ、2次防水(いえ3次防水か)として役には立つかと思います

 

更にその上に屋根下地用としての荒野地板を張ります。
(なぜか野地板に関しては劣化状況に関係なく僅か2割程の数量分しか補助金でません

荒野地板と化粧野地板の2重構造。(ほぼ自己負担

 

さてここからが屋根工事となります。

ちなみに、こちらのアルファルトルーフィングが屋根防水用です。

 

なーんか凄いですよね

保存しなければならない上雪隠とはいえたかが小屋(←ぞんざいな言い方でスミマセン

2重の野地板に加え、2重の防水紙!

そこまでやるか?(笑)

はい

建築一家ですから(笑)

 

さすがに屋根断熱はしませんでした(笑)

生活空間として機能させる訳ではないので。

 

 

ということで今日はここまで。

ちなみに、この記事の内容は2023年2月~3月頃の工事のことです

今年度の工事について書く前に、時系列で1年前の工事について書いております

 

では次は屋根工事です。

(続く)

 

 

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上雪隠 保存修理工事~シュミットハンマー

2024年07月14日 | 現場0~海野宿 扇屋プロジェクト(当事務所)

2022年から始まっている我が家の屋敷再生プロジェクト上雪隠保存修理工事

前回の記事から1年以上も経っておりますが

まだ今年も引き続きやりますので、一先ず、前回の続きの記事を書きたいと思います

 

前回までの内容はこちら 

2022年11月29日 我が家の屋敷再生は続く~海野宿「扇屋」上雪隠保存修理工事 

 

さて、我が家の上雪隠の現状は土台が朽ちており

通常ならば、

揚前をして基礎工事土台交換柱根継ぎをするという工程をとるところですが

建物の立地上、隣家と接近していることと

加えて、以前主屋の修理工事をした際に土中からでた大量の石が上雪隠の前に山積みになったままだったため

とても揚前して基礎工事ができる状態ではありませんでした

 

ので、やむを得ず建物を一旦ばらして再度建てなおす、という手法を取ること

 

解体前

 

解体後

礎石だけの状態になりました。

 

さてここから基礎工事をやります

 

礎石のレベル確認

 

障害物だらけの中で礎石を不陸防止&補強するためのコンクリート型枠を組む。。。

まずは礎石の片側のみコンクリートを打ちます(1回目)

 

 

次に礎石の反対側の型枠を組む。

独立した礎石も一体化して繋がるようにする。

型枠が凸凹!

新築ではあり得ない姿ですね

この状態で2回目コンクリート打設。

 

更にもう一か所、一段低いところにある独立柱用の礎石を一体化させます。

3回目コンクリート打設。

 

やっと基礎完成です!(といっても2023年2月の話ですが

 

さて、ブログをご覧になっている皆さまは

これはどうなっているの?!と

思われるかと思います

申し訳ありませんが、、、とてもブログでは説明しきれません

ごめんなさい!

 

要するに、傾斜のある地盤にただ並べられている礎石を

コンクリートを使って(最終的に主屋と)一体化させる基礎工事 でした

 

 

さて、基礎工事は出来ましたがご覧の通り

狭い場所で計3回に分けてのコンクリート打設。

とてもではありませんが生コン車を呼ぶような量ではありません。

なので、コンクリートを手練りで作り打ちました。

 

その手練りコンクリート強度をですね、、、

現場監理者である市の委託設計事務所より測定するように命じられまして

一瞬、はぁ?!とは思いましたけど

(心の声:こんな上雪隠程度の小屋の補強基礎にそこまで求めるか?!)

初めての方でしたので真面目に監理しているんだなと前向き受けとめまして

(心の声:見る場所が検討違いでは?)

シュミットハンマー用意しましたですよ!

(心の声:シュミットハンマーの費用、見積もりにも当然無いけど自己負担しろと?!)

 

 

コンクリートサンプリング用の型枠

 

 

コンクリートサンプル 材齢28日の強度をシュミットハンマーにて計測

(後で分かったことなのですが、日数の計算を間違えて28日ではなく29日でした

 

ついでに主屋の布基礎も計ってみましたよ

材齢18年!(笑)

 

結果は

手練りコンクリート サンプル 材齢29日 30.2 N/mm2

手練りコンクリート ベース部分 材齢29日 33.8 N/mm2

レディーミクストコンクリート 呼び強度21N/mm2 主屋布基礎 材齢18年 43.1 N/mm2 

 

わぉ~

なーんだ。手練りでも全然大丈夫じゃない!

 

シュミットハンマーは高い買い物でしたけど

こうやって計測してみると安心できますね

 

(続く)

 

 

 

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